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バイオテック

精子バンクが製造物責任法により訴えられる 51

ストーリー by hylom
製造物? 部門より
oddmakeの日記 曰く

Law.com記事より。

脆弱X症候群という障害をもって産まれた13歳の少女Brittany Donovanとその母Donnaが、精子を提供したIdant Laboratoriesを訴えた裁判において、担当したThomas N. O'Neill Jr判事は「精子バンクは製造物責任法の対象になりうる」との判断を下した。

今の段階ではペンシルバニア州(精子が製造物責任から除外される)とニューヨーク州(除外されない)のどちらの州で裁判をするかについて、ニューヨーク州で裁判するのが適当という判断が出たということと、母親Donnaについては「時効が成立しているが、娘のBrittanyについては18歳になるまで時効は停止されるので訴えは有効」との判断が出ただけで第一ラウンドといったところらしい(識者の見解を求む)。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2009年04月09日 20時07分 (#1546500)

    裁判で障害児を欠陥製品とみなしている事の方が問題じゃないか?

    # 本音と建前ってあるじゃない。

    • by Anonymous Coward

      いわゆるロングフルライフですかね。
      中絶を勧めなかった医師を、その結果生まれてきた子供自身が医療過誤として告訴するみたいな。

    • by Anonymous Coward
      私はそもそも精子バンクにも否定的で不愉快極まりない話ですが、裁判のロジックとしては、
      「危険なおもちゃのせいで子供が障害を負ってしまった。製造物責任法に基づき賠償しる」
      というのと変わりはないと思います。
      子が障害を持つことによる(主に経済的)負担をどうにかしろ、という訴えはよく見られることですし、何の倫理的問題もないと思います。
      (あくまで原則論でこの裁判については私は何もわかりません)

      名馬ミスターシービーの二馬身先を行く私は中身も薄くなってしまい、量はむしろ増えたため若く美しい彼女を咳き込ませてしまいました。
    • > 裁判で障害児を欠陥製品とみなしている事の方が問題じゃないか?

      そうかもしれない。

      だけどな、オレもある障害を抱えているが、欠陥品だとヒシヒシと感じるよ。
      生きてるだけで値打ちがあるようにいろんな人が言うけど、それはモノゴトの狭い一面だよ。

      オレにとっては障害ってのは欠陥に他ならない。
      色んな形で周りに迷惑を掛け続けて死ぬに死ねない。
      そう思ってる障害者本人もいるってこと。
      キレイゴトじゃ世の中は回らないんだよね。
      • by Anonymous Coward
        > > 裁判で障害児を欠陥製品とみなしている事の方が問題じゃないか?

        障害児のいろいろな程度の障害を、全人格的な欠陥と見なしているのはお前らのほうだよ
      • 読んですごくショックを受けました。 今までさぞかしつらい思いをして生きてこられたのでしょう。

        きれいごとしか言えなくて情けないですけれど、あなたには少しでも幸福な人生が訪れてほしい。

  • by Anonymous Coward on 2009年04月09日 1時19分 (#1546050)

    ゴミ箱のような形のタンクにティッシュに染み込ませた精子を保管しております。
    厳しい品質管理基準の元、週2回商品の入れ替えを行っているので常に新鮮。
    精子抽出資料は、常に最新流行を取り入れ豊かな情操教育を施しております。
    バイアグラのような不健康かつ不自然な抽出をする悪徳業者にお気をつけください。
    最盛期は「ゴミ箱を妊娠させる気なの!」と言われたほど急な需要にも対応可能。
    筋金入りの魔法使いの精子なら、実績のある弊社に是非おまかせください。

    *DNAのパターンは限られておりますのでご了承ください。

  • ちょ、そのうち障害児が生まれたら精子の責任、というか男の責任にされて
    離婚事由として認められて慰謝料払わされるようになりそうだな。

    そのうち人間の卵子でも単為生殖できるようになりそうだという話も聞くし、
    もう女だけで繁殖してくれ。
    パトラッシュ、もう疲れたよ。

    --
    屍体メモ [windy.cx]
    • by Technobose (6861) on 2009年04月09日 19時52分 (#1546493) 日記
      『女と男』というのをやってましたが、哺乳類の胎盤が発生して胎児が育つためには精子に存在する情報が必要みたい。
      なので、大部分の哺乳類では精子がないと出産できないらしい・・・・。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        情報といわれると簡単にコピーできそうな代物に思えてしまった。

        # しょせんすべては原子の配列だしなあ・・・
        • by Anonymous Coward
          確かに自分も含め多くの/.Jerにとっては性行為の相手を探す事より簡単そうな代物ですね。

          ええ、どうせ魔法使いですよ!!!
      • by Anonymous Coward

        人工子宮があれば、必要ないと解釈できますな。

  • 問題の拡大 (スコア:3, 興味深い)

    by lutero (1993) on 2009年04月09日 20時58分 (#1546519)
    単に製造物責任法の枠を超えてヒトの遺伝子操作や宗教、保守とリベラル、人権問題など多岐に渡って波紋を巻き起こしそう。
    そもそもヒトを製造物と認めてよいのか?精子は製造物ではなく原材料にあたるのではないか?
    これを製造物の欠陥だとした場合、遺伝子に手を加えるのは法律的・宗教的に問題はないのか?
    欠陥のされた遺伝子の持ち主の人権や名誉は?etc...と問題山積み。

    この判例が今後与える影響を考えると、一国の一判事に任せるのは正直荷が重いのではなかろうか?
    • Re:問題の拡大 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by tomone (15592) on 2009年04月10日 0時57分 (#1546625) ホームページ

      > 精子は製造物ではなく原材料にあたるのではないか?

      つまり、製造したのは母親(の子宮)で、原材料が精子と卵子と。

      --
      TomOne
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        マジレスすると、子供に値段をつけて人身売買したわけじゃないから、「何に金を払ったか」って話になると思う。あくまで商売のネタになったのは精子だから。

        ガンプラだって、組み立てる前の奴を商品として売っているわけで。

        • by Anonymous Coward
          組み立てたガンプラを飲み込んで窒息死しても、製造元は責任を負わないと?
    • by Anonymous Coward
      兵士は国家によって創造された成果物と考えれば
      レイプ事件起こすような兵士を作った国家を訴えるべきだなんだろう。
  • ・・・の部分が分からんので、なんとも言えんのう。

    正直、優秀な種が欲しいということでこういうのを望むと言う場合は、
    ブランド牛の種買うのとあんまり変わらん気がして偏見捨てきれないなあ。

    英語記事に載ってたら済まん。

  • by Technobose (6861) on 2009年04月09日 20時26分 (#1546508) 日記
    不良少年・少女の親を製造物責任法で取り締まったら、なんていう冗談があるけど、冗談じゃなくなりそうだねぇ。


    自分で選択した精子で作った子供なんだし、遺伝子由来の病気や障害のリスクって、どんな人にでもあることなんだから、精子バンクを訴えるというのは言いがかりだと思うなあ。
    本当に大切な相手との子供だったら、訴訟をしたんでしょうかね。
  • by coffeine (14743) on 2009年04月09日 22時47分 (#1546564)

    どんな突然変異を起こすか分らない方法(受精ね)を使用したという点で使用者の責任、という言い方もできるんじゃないかと。

  • by kakitaro (10664) on 2009年04月10日 10時38分 (#1546777)
    遺伝子検査するだけで分かる瑕疵のある製品(精子)を販売した結果の不良であるから、当然販売者側が購入者側へ損害賠償するべきものですね。
    今後の精子バンクの運営を考えても、不良の影響は計り知れないため、ここでしっかり供給サイドに釘を刺し、安易な精子供給は行われないようにする必要があります。万一原告敗訴になろう物なら、今後検査不十分の危険な精子が多く流通する事になりますから。

    問題は、判決に於いてどんな法律を当てはめるかと言う法律技術論にあるのではないかと思います。幾ら彼の国とはとは言ってもそこまで考えられた法律が無い事も十分考えられます。そこで時効の絡みもあるんで、こんなややこしい製造物賠償なんぞという話になったと思われますが。。。
    日本だったらどうするんだろう???
    • 遺伝病の無い精子を選別してから受胎した例は既にある(*1)けれど、生命倫理上のコンセンサスはまだ無いはず。
      夫婦間でも精子の選別には不毛な(他人の命より己の正義が大事な人が世の中には多い)議論がつきまとうのに、
      精子バンクの精子を遺伝病の排除を理由に選別しろというのは無理が過ぎる。
      精子バンクのうたい文句と、提供を受けた女性との間で交わした契約書がどうなっていたかが気になるところですね。
      スクリーニングを行っていないことはどこかに明記してあるはずです。 もし明記されてないなら、バンクが間抜け。

      (*1)先天性疾患をもって産まれた子供を救うため、健康な子供を得る必要があったことから精子の選別が行われた。オーストラリア。

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        タレコミ文> 今の段階ではペンシルバニア州(精子が製造物責任から除外される)とニューヨーク州(除外されない)のどちらの州で裁判をするかについて、ニューヨーク州で裁判するのが適当という判断が出たということと、

        まちまちのようですが、精子が製造物責任から除外されない州もあるとのことで

        > スクリーニングを行っていないことはどこかに明記してあるはずです。 もし明記されてないなら、バンクが間抜け。

        明記しとるでしょうね。遺伝病リスクについてもくどいほど説明をしてるんじゃないかな。
        とはいえ、一般論としてはいくら説明をつくしたところで製造物責任から逃れることはできませんが。
        • まちまちのようですが、精子が製造物責任から除外されない州もあるとのことで

          これは先走りすぎ。
          まだN.Y.州において製造物責任法の対象となることが確定したわけですらない。
          "精子の販売はN.Y.州の法において製品である"という判断を受けたから、製造物責任法に基づく裁判が起こせましたというだけ。
          精子がN.Y.州において本当に製造物責任法の対象となるか、それとも除外されるかも、これからの裁判次第。
          Thomas N. O'Neill Jr.判事は、"厳しい責任を問われうる"、と考えているようだけど、まだどうなるかわからんね。

          参考 http://www.law.com/jsp/article.jsp?id=1202429596840 [law.com]

          親コメント
          • by Anonymous Coward
            なるほどー
            タレコミ文の修正をお願いします
    • by Anonymous Coward

      「完璧に正常 (何を以って「完璧に正常」とするかは、ここでは議論しません) なゲノムを持つ精子しかいらない」などと宣うような輩に精子を提供してしまった精子バンクが気の毒です。

      診断に用いた精子が正常でも、その他の精子が正常である保証は全くない。仮に完璧に正常な精子が存在したとしても、受精時に組み換えや突然変異が入ることだって十分に考えられる。生誕後においても、子供にある日突然変異が生じ遺伝性疾患が発症する可能性は常に存在する。

      このようなことが平然と言えてしまう人たちは、男女間での性交渉の結果授かった子供が遺伝子疾患で障碍を持っていた場合でも、パートナー間で「お前のせいだ」と責任を押し付けあったり損害賠償請求を行ったりするのでしょうか。

      • by Anonymous Coward

        > 「完璧に正常 (何を以って「完璧に正常」とするかは、ここでは議論しません) なゲノムを持つ精子しかいらない」などと宣うような輩に精子を提供してしまった精子バンクが気の毒です。

        そんなところから子孫のタネを購入するような輩は、多かれ少なかれそんな考え方な気がするんだけど。

  • 脆弱X症候群なら (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2009年04月09日 19時04分 (#1546478)

    母親の方が原因かもしれないじゃん!

    と思って原文を読んだら、母親に因子はなくて精子側に問題があったと明記されてた。

  • 製造物責任法の範囲 (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年04月09日 19時29分 (#1546484)

    精子は精子バンクの加工物に含まれるのか?
    本来の製造者は顔も知らぬお父さんじゃないのか。

    • by TarZ (28055) on 2009年04月09日 19時41分 (#1546486) 日記

      今回の問題は、遺伝的なものですよね? 遺伝子、つまり「生命の設計書」の瑕疵なのですから、設計者(ID的な意味で)の責任を問うのが筋かと思います。

      父親は、設計書をコピーしただけですから瑕疵はないでしょう。(強いて言えば設計書のベクターを作ったのは父親でしょうが、ベクター側に問題があったわけではない)

      親コメント
  • 製造したものを売った責任でしょ。そら当然のこと。
    • 男性が製造したものを精子バンクに売った責任?
      それとも
      精子バンクが製造したものを女性に売った責任?

      あ、両方か

      --
      -- う~ん、バッドノウハウ?
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        輸入業者のように、製造者でなくてもラベルに名前がある者が製造責任を負うとするようです。
  • by pongchang (31613) on 2009年04月10日 8時21分 (#1546727) 日記
    製造者の責任として交雑検定をしてから出荷ね。と、いうことは交雑検定済の奥さんを貰わないといけないから、処女禁止ね。
    それはともかく、製造物か?否か?ということなら特定生物由来製品 [mhlw.go.jp]であることに間違いはないだろう。この前の香川の取り違えもそうだが、生殖医療の現場でのGMPの適合なども今後問われることは当然ではなかろうかと思う。
    • by pongchang (31613) on 2009年04月10日 9時20分 (#1546741) 日記
      採血でトリプレットリピート [grj.umin.jp]を検出する。あるいは製品である精子の一部をDNA解析のソースにしても良い。
      今回は生下後比較的早期に見つかる形質だが、神経難病のハンチントン [igaku-shoin.co.jp]やら乳癌など、精子を提供できる年齢では本人もしらない遺伝子情報まで全て解読してから利用の可否について判断するために情報を開示しなさい。ということになる。
      それは提供者の同意を得ないといけないが、同じ手続きは卵子についても行われてしかるべきであろう。
      相同組み換えをする精子には検査の再現性がない。トリプレットリピート病なら、形質の可能性(保因)は判らないでもないが、実際に使われる精子「実弾」のリピートの長さは不可知なままなのだから、それが証拠に兄弟で発症したりしなかったりする。それなら、提供者をスクリーニングするのではなく胚のクローンを遺伝子スクリーニング [zaq.ne.jp]して子宮に戻すか決めなかった母の手落ちとするのが筋かもしれない。
      親コメント
  • で、責任ってどうとるんだろう?

    賠償金払うだけ?
    正常な製品を送り直すので不良品(子供)を回収する?

    --
    TomOne
  • さすが (スコア:0, オフトピック)

    by Anonymous Coward on 2009年04月09日 19時03分 (#1546476)
    学校で進化論を教えない国の人の思考回路は変わってるわ。
  • by Anonymous Coward on 2009年04月09日 19時44分 (#1546488)
    彼が結婚しないのにはこんな理由があったのか
  • by Anonymous Coward on 2009年04月10日 10時33分 (#1546774)

    精子バンク側が、遺伝子疾患のリスクと責任分担について母親 (当時は母親になる予定の女性) に対して明示的に説明したか否か、が争点の一つとなりそうです。

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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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