「フラクタル日よけ」、京大の研究者らが開発 86
ストーリー by reo
フラクタル音頭のページがなくなってる… 部門より
フラクタル音頭のページがなくなってる… 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
京大の酒井敏教授と京都府立八幡高校、積水化学が共同で「フラクタル日よけ」を開発した (毎日 jp の記事より) 。
塩化ビニールの三角形の素材を組み合わせたもので、いわゆるシェルピンスキーのギャスケットを模した形状のようだ。地表温度の測定を繰り返した結果、この形状には、屋根で完全に覆うよりも温度が下がり、冬は逆に放射冷却を防いで寒さを和らげるなど、優れた特長があることが分かったという。
公式サイトありますよ (スコア:2, 参考になる)
フラクタル日除け [kyoto-u.ac.jp]
"。ある一方向から見ると一つ一つのピースが一面を埋め尽くしますが、また別の方向から見ると穴ぼこだらけですかすかです。この構造のために、光はさえぎるが風はよく通す日よけが完成しました。"
Re:公式サイトありますよ (スコア:1, 興味深い)
Re:公式サイトありますよ (スコア:1)
熱を上方向に逃がすための隙間と、光線遮断のトレードなんだろうな。
太陽がどの位置にあっても、それなりの効果を発するのだろうか?
Re:公式サイトありますよ (スコア:1)
実物は (スコア:2, 参考になる)
#先日、これと実物大Gを見てきた。
Re:実物は (スコア:1)
本気で作ろうとすると、無限に長い糸を使うことになるのだろうかと想像。
Re: (スコア:0)
>実物大G
幸いにしてうちではほとんど見ることがありませんが
飲食店などでは結構いるみたいですね。
白くなくて黒い「G」ですけど。
Re:実物は (スコア:2, おもしろおかしい)
ティターンズ仕様ですか?
無限に再帰させた場合は (スコア:2, 興味深い)
シェルピンスキーガスケットを無限に再帰させた場合に影ができるかどうか、自分ではわからなかったのでどなたか教えてください。
シェルピンスキーガスケットは無限に再帰させた場合、容積は0に漸近していきます。また、三角錐の各面の垂線上に太陽がある場合、光線を遮る面がありませんから、影はできません。では、斜めから日が差した場合には、影はできるのかできないのか? 底面から三角錐の他の面が見えない角度の場合は同様かと思いますが、それ以上浅い角度で差した場合にどうなるのでしょうか。パッと考えると影はできなさそうな気がするのですが、無限が絡むと直感を裏切られるのが常ですので…。
Re:無限に再帰させた場合は (スコア:3, 参考になる)
#1628478と#1628474に書いたけどこっちにまとめておきます。
A:正三角形の板
B:正四面体
C:シェルピンスキーガスケット [synapse.ne.jp]
・面の垂線上から見た面積はA,B,Cのいずれも同じ
→遮光性は同じ
・表面積は、Aに対してB,Cは4倍になる
→冷却性に差が出るはず
・容積は、A ≒ C ≪ B で、中身が詰まって居るとするなら質量もこれに同じ。
→熱容量(熱のこもりやすさ)は板と変わらないが、正四面体より小さい。
つまり板より冷却効果が期待できて、正四面体に比べて熱がこもりにくいと考えられます。
ちなみに公式サイト [kyoto-u.ac.jp]の実験2で、表面積は変わらないはずなのに
結果に差が出ていますが、素片のサイズを極限まで小さくすると
2(Chopped) → 正方形の板?
3(Punched) → 1(Flat)と同じ形(菱形の板を折り曲げた形)
4(Flactal) → 正四面体
なので (熱) 2 < 1 < 3 < 4 (冷) となる事が予想でき、
実際サーモグラフィーを見るとそうなってます。
Re:無限に再帰させた場合は (スコア:1)
どんなに薄くても光を遮り得る素材の存在を仮定するか否かに依ると思います。
少し詳しく考えると、3次元上で容積が0に漸近するんですから、
「ガスケットを通って目に入るような任意の光線rが通過する素材の厚み合計」が0に漸近します、
で、光線rの通る部分の厚み合計が0に漸近なので影は見えないのでしょう。
逆に、ガスケットを透過して目に入る光線rが存在するとして、
ガスケットがある場合とない場合の光線rの明るさの差が0に漸近しない(影がある)とすれば、
そのガスケットはどんなに薄くても光を遮りうる素材でできていることになるでしょう。
Re:無限に再帰させた場合は (スコア:1)
面は必ず光を遮る、ということにした、数学的な問題としてはどうでしょうか。
この日よけがフラクタルであることに本当に意味があるのかについての考察をしたいので、まずは数学的解を知りたいのです。
特定の方向の光ならば100%遮るようです。 (スコア:1)
微妙に勘違いしてましたが、シェルピンスキーのガスケット [wikipedia.org]に厚みをつけたような(3角柱の集合で表現されるような)形状と思っていたのですが、よく見るとシェルピンスキー4面体 [kyoto-u.ac.jp]だったのですね。
# 勘違いの有無に関わらず「薄いと光を通すようになる場合は見えなくなる」と言う点では一緒ですが・・・
シェルピンスキー4面体は一回の再帰で各正四面体の真ん中を抜いて4つの正四面体が作られるような図形と思えば良いでしょうか。
で、特定の方向からならば100%光を遮るという話に入ります。図説がここ(PDF注意) [kyoto-u.ac.jp]にありますが、特定の方向から平行光線を当てたならば再帰を繰り返しても影の面積が減少しないようです。つまり無限に繰り返してもこの影は見えてしまう。これは数学的帰納法で証明できるでしょう。従って無限回繰り返しても影ができるようです。特定の方向から平行光線が当たったならば、ですが。
ただ、光の方向がズレるとほとんどの光線が隙間を通り抜けてしまって影がなくなるという不思議な物になると思われます。上記リンク先の写真でもシェルピンスキー4面体の向こう側が隙間から覗いていますが、再帰を繰り返すとその隙間がどんどん大きくなります。
もう少し詳しく考えてみましょう。無限に再帰を繰り返すと、光が上記の方向からずれていれば影の面積は0に漸近します(収束の早さは光の角度によって異なりますが、一回再帰を繰り返すと影の面積は等比級数のような形で減るのでこれはきっとすぐに証明できるでしょう)。この意味は、四面体の頂点や辺に正確に当たる光線は遮られてしまうのですが、頂点や辺から少しでもズレるとその光線の進路を妨げる面がなくなってしまうということです。この場合、辺や頂点に遮られる光線の集合を使って空でない集合である「影」を定義することはあるかもしれませんが、その影は面積を持たないようです。
Re:特定の方向の光ならば100%遮るようです。 (スコア:1)
おお、この向き(すべて遮る)が存在したのですね。ありがとうございました。
fractalの研究 (スコア:2)
Re:fractalの研究 (スコア:2, すばらしい洞察)
Ω ΩΩ
ドウシテオレハ、ココニイルンダ!
皆サイトも見よう (スコア:2, 興味深い)
サイトの方にいろいろな疑問の答も載ってます。
・面積について
→一枚板の場合と同じ
・輻射熱について
→要素が小さいと単位の温度が低いので、輻射も少ない
・要素が小さければフラクタルでなくてもよい?
→研究中だが、比較したところそうでもない
→→私見だが、表面積は同じでも接触する空気量が非常に大きく、またフラクタルである事で気流がうまく分散するため、大気への放熱効率が高いのだろう。
・よしず?
→→私見だけど、近いよね・・・よしずの場合、放熱効率を色と素材で補ってるあ、この構造の方が(占有体積はともかく)効率は高いと思う
・雨
→→私見だが、その下に板屋根付ければいい。ビルの屋上も想定してるようだし、そういうことでいいかと
きっかけは (スコア:1, 興味深い)
何はともあれ実験することは大事やね。意外な結果がたまに出てくる。
東京でも見ることができます (スコア:1, 参考になる)
これは、日本科学未来館の入り口で、見ることができます。但し8月31日までなので、お早めに。
そして、30日には、酒井教授による講演 [jst.go.jp]があります。
シェルピンスキー (スコア:1)
どこかで見たと思ったら、今年のバレンタイン [xkcd.com]だった。
でも、同じ作者の漫画に、こんなのも [xkcd.com]あるんだよね。
#日よけを見上げる女子高生が、、、
#勝手に連想してはいけません。
降雨時にどうなるのか (スコア:1)
雨もそれなりに防いでくれると用途が広がると思うのですが、雨が降ったときの水滴の流れはどうなってるんでしょうね。
あと、民家の塀などで、“空気は通すが視線は防ぐ”ように、ストライプを重ねてずらした構造のもの(上から見るとこんな感じ→ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_)がありますが、あれを寝かしたものとどれくらい効率が違うのでしょうか。
さらに、雨をこぼさないように、こんな形であれば、雨垂れも防げていいように思います。
― ― ― ― ― ―
∨ ∨ ∨ ∨ ∨
これでそれなりの効果があるのなら、材料の入手も施工も簡単だし、安上がりなのでは?
Re:降雨時にどうなるのか (スコア:1)
開口部に雨樋をつけるのは難しそうです。
この日よけのポイントは、
1,太陽からの熱を部分的に透過させることで、日よけ自体の温度が上がり過ぎないようにする。
2,日よけに穴を開ける事で通気を多くし、日よけ自体の温度を周辺空気で下げる効果が見込む。
3,1と2の合わせ技で、日よけ自体の温度が下がり、日陰でも感じるふ日よけからの輻射熱を減らす。
ということになるかと思いますので、
(上から見るとこんな感じ→ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_)の構造を寝かした場合との比較をするなら、
遮光率と通気性の比較である程度は推測できるのではないかと。
#  ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ だとフラクタルの方が効果があって、
#
#  ̄ _  ̄ _  ̄ _  ̄ _ だと同等の効果になるとか、
#
#それくらいビミョーな話になるかと。
答えはある。それを見つける能力が無いだけだ。
Re:降雨時にどうなるのか (スコア:1)
トタン屋根なんかで遮光しても、屋根が熱を持つために赤外線の再輻射で暑くなるような気がするんですけれども、
フラクタルの場合、複数の日除けが重なる事で再輻射も防いでくれたりするのかしらん?
数学的にはどうなるの?
数学的じゃなくて直感的にだけど (スコア:1)
まず「シェルピンスキーのギャスケット」というのは、
「単なる三角錐」と「表面積が変わらない」のに
「体積の極限は0に近づく」ものらしい。
シンプルに考えると
・正三角形の板に比べ、3倍の表面積を持つ
→表面積が広いほど冷えやすい
・単なる三角錐より体積が圧倒的に小さい
→「中身が詰まっている」なら、質量も圧倒的に小さい
→質量が小さいなら熱容量も小さい(熱がこもりにくい・伝わりにくい)
つまり単なる板と比較して遮光性は変わらないのに、冷却性が高く、
それ自体も熱くならないって事かと。
Re:数学的じゃなくて直感的にだけど (スコア:1)
>3倍の表面積を持つ
ごめん4倍だ…
木陰と一緒 (スコア:0)
写真を見てすぐに思ったけど、木陰を人工的に作ったようなものですね。
でも、太陽光を遮断しつつ通気性を考えた物は他にないんでしょうか?
今回のはコストも安いってことなのかな?
Re:木陰と一緒 (スコア:1, すばらしい洞察)
そんだけだとは思うけど、それでいいのだ。
Re:木陰と一緒 (スコア:1)
酒井教授は「屋上に設置すれば建物内部の温度も下がる。屋上緑化に比べ費用も安上がり」とPRしている。
と毎日の方にあるよ。
Re:木陰と一緒 (スコア:1)
>写真を見てすぐに思ったけど、木陰を人工的に作ったようなものですね。
そんな事より、左側手前にいる女子高生の太もも辺りに目が行って仕方がない。
#三次元も写真に収まれば二次元だ!!
Re:木陰と一緒 (スコア:1)
>#三次元も写真に収まれば二次元だ!!
で、虹板に貼ると喧しいことになるらしい。
屋根じゃないけど (スコア:0)
壁の前をよしずで覆ったりするよね。
水をぶっかけると更に温度が下がるし。
いうまでもなく自然素材だし。
京都ならちょっと町を歩けば見かけそうなもんだけど・・・
写真を見ると日陰がうっとうしい (スコア:0)
進化の産物 (スコア:0)
Re:進化の産物 (スコア:1, おもしろおかしい)
毛髪にフラクタライズエラーが発生しました。天パー化が急速に進行中でs
Re:雨は・・・ (スコア:1)
あいつら、多少の雨だと傘さしませんしね。。。
Re:雨は・・・ (スコア:1, 興味深い)
Re:雨は・・・ (スコア:1)
一般に日本と比較して湿度が低い地域が多いから、多少の雨ならば濡れるそばから乾くことになるので気にならないということでしょう。
--- Toshiboumi bugbird Ohta
Re:雨は・・・ (スコア:1)
と思ったこともあり。
Re:雨は・・・ (スコア:1)
Re:雨は・・・ (スコア:1)
まで書いて読み間違いに気づいた。
Re:雨は・・・ (スコア:1)
雨も気になるけど、豪雪地帯とか大丈夫なのかな?
風は・・・ (スコア:1)
隙間が多いということなので大丈夫なのだろうけど、長所に「軽量」があるので強風による破壊が心配になった。
Re:だから? (スコア:1)
いや夏涼しくて冬暖かいのは『ピラミッドパワー』とやらのせいでしょう :P
--- Toshiboumi bugbird Ohta
Re:だから? (スコア:1)
ポリンキー [youtube.com]かよ!
# 公式サイトはこちら [koikeya.co.jp]。
# なんか懐かしい。
# ジャンとポールとベルが「おともだち」だったとは...兄弟だと思い込んでたよ...。
Re:ほんとに効果あるの? (スコア:1, 荒らし)
屋根からの輻射が少ないほうが涼しいのではないでしょうか。
答えはある。それを見つける能力が無いだけだ。
Re:ほんとに効果あるの? (スコア:1)
太陽光がもれてこない地表(コンクリート)の温度を比較して、
明らかな違いが確認されなかったって書いてあると思うんです。
#1628291のコメントにも、
> 床の温度を決める残る要因は輻射で発生した熱(屋根からだけではなく太陽光を含む)ということになるでしょうが、
> これに差がなかったから、双方の床の温度が同じになっているのです。
と書かれてます。
でしたら、a+bとa+cの大小は、bとcに依存すると思うんです。
答えはある。それを見つける能力が無いだけだ。
Re:ほんとに効果あるの? (スコア:1)
その中に、
> この実験では四畳半の広さで実験を行っているので、トタン屋根の下にも風が通って、
> 屋根の下のコンクリートの表面温度に明らかな違いというものは出ていませんが、
と有りましたので、#1628314のコメントに、
> 公式サイトでは、もれてくる太陽光が当たった結果の地表(コンクリート)と
> 太陽光がもれてこない地表(コンクリート)の温度を比較して、
> 明らかな違いが確認されなかったって書いてあると思うんです。
と書いたんです。
わたしはへそ曲がりだとよく言われているので、曲解してしまうことは多々あるのかもしれません。
また、aとbとcの定義は以下の内容で考えていました。
・aが地表温度
・bがトタン屋根からの輻射
・cがフラクタル日よけからの輻射
地表温度が一つなのは、「コンクリートの表面温度に明らかな違いが出ていませんが、」という記述のためです。
オフトピになるのですが、#1628291に書かれた
そもそも床の温度が同じになる理由をよく考えてみるべきです。床付近の空気の温度と流れは両方の場合でほぼ同一であるようなので、空気から床に伝わる熱(これは輻射ではない)は考えないことにしましょう。床の温度を決める残る要因は輻射で発生した熱(屋根からだけではなく太陽光を含む)ということになるでしょうが、これに差がなかったから、双方の床の温度が同じになっているのです。
という内容と、#1628359のコメントに書かれた
サーモグラフィーを見れば、熱の拡散や解像度の問題で分かりにくくなっているにもかかわらず、依然として温度差が存在していることが分かります。そもそも、あれだけの太陽光が入っていて、その効果がないなどということがありえるわけがありません。
という内容が整合しない気がするのも曲解でしょうか。
# 同一で無いならば失礼しました。
## 楽しくなってきた!
答えはある。それを見つける能力が無いだけだ。
Re:ほんとに効果あるの? (スコア:1)
答えはある。それを見つける能力が無いだけだ。
Re:ほんとに効果あるの? (スコア:1)
資料の読み方はACさんの方があってると思うけど、フラクタル日よけは、少なくとも、トタン屋根と同程度には表面温度を下げる効果があると受け取るべきではないでしょうか?
あとは、トタン屋根とは費用対比、屋上緑化とはコストパフォーマンス比で評価すればいいんじゃないでしょうか。(そもそも、屋上緑化はいろいろ手間がかかるので手軽に温度下げたいという用途であると説明されています)
それと、面積が広くなった場合ですが、最悪でもトタン屋根より温度が高くならないように思います。前の議論のとおり、太陽から屋上への輻射熱は変わらず、空気の対流による冷却が温度を決めるならば、単純化して、無限に面積を広げた場合や、四方を囲って風を通らなくした場合にフラクタル日よけの方が涼しくなりそうですから、トタン屋根に対して面積が大きくなれば温度が低くなる予想の方向は間違ってないと思います。ま、実験したわけでもないですし単なる感想ですが。
Re:ほんとに効果あるの? (スコア:1)
立派に曲解ですね。
>曲解を自認する
自認しているのはへそ曲がりではないでしょうか?
そして、そう言う性格だから曲解しているかもしれないけど、正しいところはどこなんだろう?
という答えを見つけようとする態度を取られていると思いますよ。
あと、どう考えても
「フラクタルの場合」=地表に太陽光がもれてくる
「トタン屋根の場合」=地表に太陽光がもれてこない
なのだと思うのですが、何か俺も間違って受け取っているのでしょうか。