
季節性インフルエンザの予防接種で新型感染リスクが倍増? 43
ストーリー by reo
あっちをたてればこっちが 部門より
あっちをたてればこっちが 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
季節性インフルエンザの予防接種を受けた人は新型インフルエンザへの感染確率が 2 倍になるというカナダの研究が現在査読を受けているそうだ (The Globe and Mail の記事、本家 /. 記事より) 。
研究はカナダ国内のみを対象にしており、アメリカやイギリス、またオーストラリアでは同様の報告は挙がっておらず「研究上の偏り」があるのではとの声もあがっている。しかしこの研究には著名な研究者らが関わっており、統計はカナダの 3 州にまたがる 1200 万人から 1300 万人と非常に多いサンプル数から取っているとのことで、カナダのマニトバ大学の成人感染症専門家 Ethan Rubinstein 博士に曰く確かな研究内容であるとのこと。
しかし統計的な関連が証明されたとしても、医学的見地からの関連を証明するのは難しいという。季節性インフルエンザワクチンが免疫を作りだす細胞の多くを使ってしまうため新型インフルエンザへの抗体が体内で作られるのを防いでしまうのでは、といった仮説などが立てられているそうだ。
なお、カナダではこの研究を受け、ケベック、アルバータ、サスカチェワン、オンタリオとノバスコシアの 5 州においては 65 歳未満への季節性インフルエンザ予防接種の一時停止を決めたそうだ。
ここまで国立感染症研究所へのリンクなし (スコア:4, 参考になる)
ワクチンについて勉強しましょう。
インフルエンザワクチンについて
http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html [nih.go.jp]
抗原原罪とブースター効果についても勉強しましょう。
プレパンデミックワクチンは‘YES’か‘NO’か
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200811/... [nikkeibp.co.jp]
(2008年当時の鳥インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンの話であることには注意)
#ブログを紹介してる場合じゃないよ
Re:ここまで国立感染症研究所へのリンクなし (スコア:1)
...つまりは、リスクが上昇するのは織り込み済みだし、それでも効果あるし、別に感染しなくなるわけでもないし、重症化は防げる(脳症)、ということかな?
かなり乱暴にまとめてみたけど。
そういえば、老年齢の死亡リスクに肺炎(サイトカインストームにあらず)があり、確かこれの予防接種、一回しか予防接種できない(国が定めている)から、複数できるようにしてよ、とか提言でてませんでしたっけ? > A/H1N1-pdm (2009)
なんか、かなり無理やりなコメントまとめしている気が...
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
感染症学会のコメントに記載あり(自己補足) (スコア:1)
自己補足しておくと、感染症学会のコメントにありました。
> しかも、他の細菌より重症となる確率が高いので最も警戒すべき原因菌であり、その重症化を抑えるのに有効な肺炎球菌ワクチン14)の接種が行われるべきです。
> その原因の一つにわが国のみがこのワクチンの再接種を承認していないことがあると考えられています。
http://www.kansensho.or.jp/news/090914soiv_teigen2.html [kansensho.or.jp]
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
この話題をとりあげたブログ (スコア:3, 参考になる)
Re:この話題をとりあげたブログ (スコア:4, 興味深い)
抗体依存性の取り込みというのは、Fc受容体を細胞表面に発現してる、いわゆる食細胞系の細胞が行うものであって、そうでない細胞には*あまり*関係がありません。従って、食細胞をメインの標的にしているウイルスではその効果が大きくなると考えられますが、そうでないウイルスにとってはあまり大きな効果は見られない、と考えるべき現象じゃないかと。実際、上記の論文でもマクロファージ系の細胞株で見てるか、単に細胞内への取り込みの段階(取り込まれた後のウイルス増殖には触れてない)だけで見てるかのどちらかです。
ヒトのインフルエンザの場合、生体内でのウイルスの主な標的は気道上皮細胞です。一応、メカニズムだけから考えると、食細胞系「でも」増殖は可能だろうと思われますが、実際にそれが生体内でどれだけ寄与してるのかは怪しいというか。
またインフルエンザウイルスみたいにメジャーなウイルスで、しかも抗体依存性感染増強みたいに面白い現象が起こり、それに意味があるのであれば、もっと多くの報告があっていいんじゃないかとも考えられますから……現状はっきりとしたことはもちろん言えませんが、以上を総合的に考える限り、おそらくはあまり実際の現象とは結びついてないのではないかと思います。
……というか、むしろこの現象については、他のコメントで名前を出してる人もいましたが「抗原原罪」として、むちゃくちゃ古くから知られ [nih.gov]、Natureなんかでも紹介され [nih.gov]、多くの研究者が議論しつづけてきた現象に相当しますので。そっち方面の文献も(というか、むしろそっちを中心に)調べた方がよろしいかと…。
新型インフルの標的は、上気道だけじゃないみたいです (スコア:2)
>ヒトのインフルエンザの場合、生体内でのウイルスの主な標的は気道上皮細胞
ですが、今回のウイルスは元々人由来ではなく、
またサイトカインストームを起こしてなかなか治療も重症時には困難、、、、
いっしょくたに考えない方がいいかなと思いますよ
Re:新型インフルの標的は、上気道だけじゃないみたいです (スコア:1)
国立感染研究所の報告見る限り、そういう報告あがってなかったと思いますが。
サイトカインストームって免疫系の過剰反応の話ですよね?
透析使わないと対処できない...という奴。
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
Re:新型インフルの標的は、上気道だけじゃないみたいです (スコア:1)
サイトカイン分泌かどうかは述べられていないように思いますが...。
http://www.kansensho.or.jp/news/090914soiv_teigen2.html [kansensho.or.jp]
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
A/H1N1-pdm(2009)は、弱毒性では。 (スコア:1)
今のところ、A/H1N1-pdm(2009)はこの遺伝子配列(配列が違う)を持っていないという話のはずです。
なので、2009型についてはこれは違うでしょう。
よって、ワクチンの話(元コメント)については特に想定は間違えていないはず。
また、サイトカインストームは若年齢層で想起される、免疫系の暴走ですが、
これも、私の見た限りでは報告を見つけられなかったので、
報告あれば、出典を教えてもらうと助かります(英文程度しか読めませんが...)。
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
Re:この話題をとりあげたブログ (スコア:2, 参考になる)
感染増強(2度目にかかると悪化する)話と、今回の感染リスクが上がる
(罹患率が上がる)という話を混同しているようなブログ紹介するなよ。
Re:この話題をとりあげたブログ (スコア:1, フレームのもと)
ではこちらで(最初に書いたブログのさらに元記事です)。
季節性ワクチン打ったらヤブヘビ?(新型インフルエンザ) [goo.ne.jp]
季節性ワクチン・ヤブヘビ報道の続報(カナダ) [goo.ne.jp] ”季節製ワクチンヤブヘブ報道”フォロー(重症化とは無関係) [goo.ne.jp]
最後のところに「罹患リスク」と「重症化リスク」は無関係っぽいという話が書いてあります。つまり(二倍ぐらい)かかりやすくはなるけど,重症化するわけではない(って報告が上がってレビュー中)。
あと見ず知らずのあなたがなぜ僕にそんな口をきけるのかを教えていただけると助かります。
Re: (スコア:0)
~するなよというのは,やや強い言い方ではあると思いますが,いんたーねっとでは普通のレスの範疇では?
いちいち丁寧語にするのもだるいし.
#なんか,文字文化に慣れていない印象を受けます.
Re:この話題をとりあげたブログ (スコア:3, すばらしい洞察)
×:文字文化
○:匿名に甘えた無礼者
Re:この話題をとりあげたブログ (スコア:1, 興味深い)
そんな言葉遣いを普通と感じるのはかなり限られた範囲だけでしょう。
それを「文字文化」と言ってしまうのはどうかと思います。
ここは怖いインターネットですね。
Re: (スコア:0)
forを4とかyouをuとかpleaseをplzとかが当たり前の世界だったじゃないか。
文字でのコミュニケーションは日本語BBSでの文化だから、インターネットの文化と混同するのはどうかと思う。
Re: (スコア:0)
そのリンク先は不適切だとぶっきらぼうに指摘してるだけだと思うんだが。
極々普通だと思うぜ。何か問題あるかい?
少なくともその後の慇懃無礼なコメントより何倍も好感が持てるよ。
Re: (スコア:0)
> 少なくともその後の慇懃無礼なコメントより何倍も好感が持てるよ。
あなたが好感を持つかどうかなど、
誰も気にしていないと思います。
…という、回答がつきそうだと思った。
# 思わず
Re: (スコア:0)
○ ここは怖いインターネッツですね。
Re: (スコア:0)
インフルエンザに関する話題はとにかく混乱を招きやすいので慎重になるべきだと思う。
インフルエンザ菌 [wikipedia.org]なんて、医療技術にも限界があることを示すために、名前を残してあるようなものだね。
#紛らわしいので名前を変えるべきだと昔は思っていた。
両方受ければ (スコア:2, 興味深い)
それじゃ駄目なのかな??
Re:両方受ければ (スコア:4, 参考になる)
おそらく将来的に見ると、何年か後には、現在の新型に対するものも含めて、混合ワクチンという形での接種に(少なくとも日本国内は)移行していくと思いますが、現在ではそれよりもまず「新型に確かに効くワクチン」の方が必要だというわけです。
Re:両方受ければ (スコア:1, すばらしい洞察)
ニュース見てますか?
新型インフルエンザ用のワクチンが足りなくて、優先度の高い人にしか接種できないという状況なのです。
Re: (スコア:0)
季節性インフルエンザのワクチンって複数の型の混合になっている
のでその中に新型のワクチンを混ぜてはダメなんですかね?
治験が間に合わないらしいですね。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200904/... [nikkeibp.co.jp]
両方同時にやると副作用が出るかも知れません。
Seasonal shot gets OK
http://thechronicleherald.ca/Cana [thechronicleherald.ca]
Re: (スコア:0)
蠱毒?
Re: (スコア:0)
私がつとめている保育所では、新型2回、季節性1回の計3回が予定されています。
それなりの値段にはなりますが。
人混みで感染かも (スコア:2, すばらしい洞察)
と言う落ちでは・・・ ないですよね
# 病院に行くと風邪を引くので ACでマスク
抗原原罪効果 (スコア:2, 興味深い)
以前から抗原原罪効果により季節性ワクチンを投与後、新型ワクチンを投与しても
抗体生産が少なくなってしまうという懸念は挙がってました。
これについては投与量を増やせば補うことができると言われていました。
ただ海外では「生ワクチン」が普通で、国内では「不活性ワクチン」が一般的です
から詳細が分からないとなんとも言えないですね。
正直者の木こり(オフトピ) (スコア:2, おもしろおかしい)
木こり「いいえ、インフルエンザ予防接種はとても痛いので、どちらも受けたくありません」
女医「あなたはとても正直者ですね。その正直さに免じて、両方ともして差し上げましょう」
#いや、ふと思いついてしまったので……
予防接種で感染する人は? (スコア:2)
小学生のころ、インフルエンザ予防接種を受けると100%インフルエンザに感染しました。
当初気が付いてなかったのですが、4年生のころに毎年予防接種後に病休してることに気づき「来年は受けないでみよう」ということになり、それ以降しばらくインフルエンザには感染しませんでした。
# 風邪はしょっちゅう引いてたけど(^^;
これって、今回の罹患率の件と関係あるのでしょうか?
それとも単純に体質?
そんな経験があるので新型用ワクチンがもし回ってきても受けないつもりですが、この判断は正しいのかな?
Re:予防接種で感染する人は? (スコア:4, 参考になる)
注射で行うワクチンは血中抗体を増加させるもので、上気道粘膜中の抗体を増加させるものではありません。
ですから重篤化(肺炎など)を防ぐことはできますが、感染自体を防ぐことはできません。
注射式のワクチンでうつらなくなる訳ではないのです。
まったく増えない訳ではないのですが、感染しにくくなることを目的としたものではないことに注意。
上気道粘膜中の抗体を増やすものとして吸入式のワクチンというものがありますが、日本では一般的ではないですね。
Re:予防接種で感染する人は? (スコア:2)
> 注射で行うワクチンは血中抗体を増加させるもので、上気道粘膜中の抗体を増加させるものではありません。
> ですから重篤化(肺炎など)を防ぐことはできますが、感染自体を防ぐことはできません。
なるほどー、感染予防接種 だと思ってたのですが、間違いなのかー。
てことは私の場合、抗体を作るときに体力が落ちた結果、感染率がむしろ上がっていた、ってことでしょう。
これなら、体調面などでリンクする部分があるので、腑に落ちます。
少なくともインフルワクチンに関して言えば、重篤化予防接種でしかないのですね。
接種ワクチンによって感染率や重篤化率が上がったり下がったり・・・
インフルワクチンってややこしいなぁ
# でも、聞いてよかった(^^)
一方メキシコでは (スコア:2)
Published 6 October 2009, doi:10.1136/bmj.b3928
Cite this as: BMJ 2009;339:b3928 [bmj.com]
Partial protection of seasonal trivalent inactivated vaccine against novel pandemic influenza A/H1N1 2009: case-control study in Mexico City
ワクチンを打っている方が、気を配ってとかいう、交絡因子はあるかもしれないけど。
Re:一方メキシコでは (スコア:1)
いや、ホスキンス効果とか言われてしまうと、少し前に打ったのは効果に影響を与えてしまうのかなあ、と素朴な疑問持ってしまって。
疫学的な話になったときに、その集団の対照群としての正確性が結構重要となると思うので。
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
どっちのワクチンSHOW(古 (スコア:1)
……とは少し違うか。
--
どっちにしろ優先順位最下位
素人が口出すことではないとはいえ (スコア:1)
不思議ですね。
やや不謹慎なきらいはあるのですが、新型インフルエンザの予防接種で、
季節性インフルエンザの感染リスクが、どう変動するのか、興味があります。
Re:素人が口出すことではないとはいえ (スコア:2)
受けるかどうか決めるのは素人でも(こそ)することだし、
別に不謹慎でもなんでもないんじゃ・・・
人生博打の連続 (スコア:1)
いやあ毎年の季節性インフルエンザだって, その年の流行に対する当り/外れってものがあるので, 常に勝負って心積もりじゃないと. 体質にもよるけど, 外れた上に副作用なんていう「泣きっ面に蜂」な状況だって一定の確率であるわけですから.
そういうことを踏まえたうえで, どの程度のリスクなら受け入れられるのかを自主的に判断できるのが大人ってもんだと思います.
インフル予防接種は当たったかあとからでも教えてくれません (スコア:2)
65 歳未満 (スコア:1)
なにその制限!
65 歳未満だから気になるじゃないか。
the.ACount
高齢者は季節性でも重症化するから (スコア:0)
高齢者は季節性インフルエンザでも重症化して死亡することもあるからでしょう。
65歳くらいじゃまだ余裕でピンピンしてるけどね...
# こういう時こそ「後期高齢者」の出番?
逆に若い人は死にはしないからかかったっていいだろうみたいな?
今のところは (スコア:0)
(今年は例年にもまして「一見さんお断り」の病院が多いそうな)
新型が重くなってないなら、空港で阻止とか騒がないと思う... (スコア:1)
国立感染研究所の記録みてますか?
保健所の検査報告見ても、既に新型がほとんどですよ。
私が言っている新型とは、A/H1N1-pdm (2009) の事を言ってますけどね。
また、同じ A/H1N1 の事を言っているのであれば、元々の季節性より重症への確度はあがったという事です。
URL見つけたので、貼っておきます。
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/09idsc14.html [nih.go.jp]
# 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.