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バイオテック

リボソームの構造と機能の解析にノーベル化学賞が贈られる 11

ストーリー by yosuke
分子生物学とノーベル賞、第3章(って3で足りるんだっけ?) 部門より

teratera 曰く、

2009年のノーベル化学賞はVenkatraman Ramakrishnan、Thomas A. Steitz、Ada E. Yonathの3氏に贈られると発表された(プレスリリース)。
受賞理由は『リボソームの構造と機能の研究』で、細胞内でタンパク質合成の場となるリボソームの構造と機能の解析に対して贈られる。

生物は設計図とも呼ばれるDNAから一部をコピーしたRNAを作成し、そのRNAの配列に基づいてタンパク質を合成する。そのRNAからタンパク質の合成を行う場がリボソームである。
リボソームはタンパク質サブユニットとRNAサブユニットの2つから構成されており、リボソームがRNAと結合した後tRNA-アミノ酸複合体がリボソーム内でペプチド鎖を伸長させる合成反応を触媒する。それだけでなく、このペプチド鎖の翻訳開始や終了、制御や維持もリボソーム自体が行っており、まさにタンパク質合成の場と呼ぶのに相応しい機能を持つ。
(tRNA;翻訳対象のRNA配列に対して結合可能なRNA配列を持ち、特定のアミノ酸と結合している。通常3文字で1つのtRNAが結合し、指定されたアミノ酸をペプチド鎖につなげることで、RNA配列に依存した特異的なペプチド配列が規定される)

以前からこのリボソームは真核生物と細菌などで異なる事が判っている。細菌のリボソーム阻害剤はヒトには効かないため、抗生物質として有効である。この原理を利用した抗生物質としてはカナマイシン、テトラサイクリンなどが挙げられ、更に効果を求める抗生物質の開発にも一役買っている。

今年の化学賞も昨年に引き続き生化学分野からの受賞となった。純化学からの受賞が減っていることは成熟していることの証左とは言え、基礎研究を続ける化学研究者の業績に光が当たる日を楽しみに待ちたい。

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