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交通

ペイロードを軌道に打ち上げる巨大空気銃 55

ストーリー by reo
スチームパンク…? 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

米ボストン市で先週行われた Space Investment Summit にて、ペイロードを軌道に打ち上げる巨大空気銃プロジェクトのプレゼンが行われたそうだ (NewScientist の記事本家 /. 記事) 。

物理学者 John Hunter 氏が設計したこの空気銃の長さは 1.1 km、450 kg のペイロードを秒速 6 km で発射することができるという。空気銃で発射されたペイロードは小型ロケットエンジンで更にブーストされ、低軌道に乗るという設計だそうだ。人間はこの打ち上げ方法に耐えられず、また通常の衛星もかかる G に耐えられないとのことだが、ロケット燃料などの打ち上げなどに利用できるという。空気銃の建設には 5 億ドル要するとのことだが、1 回の打ち上げにかかる費用は現行の他の手段より最低でも 1/10 程度の価格で実現できるとのこと。燃料を安く宇宙に打ち上げることで ISS の維持費用を下げたり、将来有人火星ミッションに必要な燃料を安く供給できると考えられるという。

この打ち上げ用空気銃は Hunter 氏が以前ローレンス・リバモア国立研究所 (LLNL: Lawrence Livermore National Laboratory) に在籍していた際に設計した SHARP (Super High Altitude Research Project) が基となっている。こちらの空気銃は銃身が 47 m 長であり、圧縮した水素ガスを利用して重さ数 kg の発射物を最高で秒速 3 km 程で発射することが可能だったとのことだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by simon (1336) on 2009年10月15日 19時32分 (#1654606)

    http://www.astronautix.com/articles/abroject.htm [astronautix.com]
    このなんとも力強い写真はアメリカのプロジェクト・HARP(High Altitude Research Project(Projectがダブってるが気にしてはいけない))のもの。

    米軍が1960年代に行ってた実験で、海軍からいらなくなった戦艦用の16インチ(40.6センチ)砲を貰ってきて、
    それを二門タテにつなげて内側のライフリングを削って42センチ滑腔砲(砲身の内側がスベスベツルツル)に
    魔改造したモノに強装薬を詰め、投射体を宇宙めがけてぶっ飛ばすというなんとも実に男らしい実験を撮影したもの。

    180キログラムの投射体(Martlet(イワツバメ)と名づけられた。なんで?)を秒速3.6kmで発射することができ、投射体に積んだロケットモーターで
    さらに加速され到達最高高度は高度180km。ここまで来るとほとんど宇宙です。

    まあ、この場合は水平方向への速度が全然足りないので弾道飛行で落ちてくるしかないんですが、

    この研究を推進してたジェラルド・ブル博士はHARP計画終了後は南アフリカ(当時はアパルトヘイト政策で経済制裁を受けてた)で
    榴弾砲を開発。南アフリカの武器輸出に一枚噛んだり、
    そののちにはイラクに雇われて「バビロン計画」(イラクからイスラエルを狙う超長射程砲計画。「スーパーガン」とも)を指揮していたといわれます。

    まるで絵に描いたようなマッドサイエンティスト!

    …まあそのせいでCIAだかモサドだかイラン秘密警察だかMI6だかにベルギーの自宅で暗殺されちゃうんですけどね。

    宇宙に向けて大砲をぶっ放したいんだい!!

    という彼の夢が21世紀になって再び結実しようとしているのでしょうか。
    ブル博士も草葉の陰でこの計画を注目しているはずです。

  • 巨大空気銃? (スコア:3, 参考になる)

    by manmos (29892) on 2009年10月15日 11時35分 (#1654220) 日記

    これじゃないよね
    ドテカボチャ野郎 [gigazine.net]

    • by Anonymous Coward

      ってことはそのうちホビーでカボチャを宇宙に打ち上げるのが流行ったり...

      # デブリ増やすなーっ

  • by T.Sawamoto (4142) on 2009年10月15日 15時19分 (#1654413)

    砲身の中で一定に加速されると仮定した場合、

     加速度 = 初速^2/(2*砲身長)

    となりますから、発射体にかかる加速度は約1,670Gと求まります。打ち上げる物は、かなり頑丈に作らないと壊れてしまいますね。

    ちなみに、ジュール・ヴェルヌ氏の『地球から月へ』に登場する超巨大コロンビヤード砲では、砲身長900フィート(約274m)、初速12,000ヤード/秒(約11,000m/秒)ですので、加速度は約224,000Gとなります。
    人間が乗っていたら、ぺっちゃんこどころで済みません(^^;)

  • これ、打ち上げの方向(仰角)ってどうなるんですかね。ペイロード側にロケットエンジンがついているとはいえ、真上に向けたのでは意味が薄いし。

    できれば、空気の薄い高地で使いたい技術かなあ。

    • by Anonymous Coward

      仰角が低いと水平方向に衝撃波がいきそうな・・・。

      垂直にして縦穴をうまく使えば安く建設できそう。

    • by Anonymous Coward

      >空気の薄い高地

      こういうのって、大出力の赤外レーザーみたいなもんで大気を直線状に加熱 -> 大気が薄くなった部分にマスドライバーでぶっ込む、ってのは無理なんですかね?いや、単に思いついただけなんで実現性とか考えてませんが。

  • by the.ACount (31144) on 2009年10月15日 12時00分 (#1654233)

    ジュール・ヴェルヌ「月世界旅行」の方式が現実になるとは思わなかった!

    --
    the.ACount
  • ジェラルド・ブル博士 [wikipedia.org]の異形、もとい偉業がついに認められるときgうわなにをするやめ

    # 個人的には「ジェラルド・バル博士」で覚えていたので、
    # 探すのに少し苦労した(汗)

  • ペイロード (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2009年10月16日 1時12分 (#1654768)
    # 懐疑的な立場です

    スペースシャトルや主力級の衛星打ち上げロケットが
    低軌道に10~20トン程度のペイロードを持っているので
    この時点で450kgは桁が2つ足りないけれど
    費用対効果が10倍以上も良いなら使い道はあるかもしれない

    ただ NewScientist の記事には
    payloads とは別に projectile という言葉は出るものの
    氏が構想の中で「射出時の重量」を
    どの程度に見積もっているかは分からない

    射出重量が450kgに毛が生えた程度では
    かかるGや空気抵抗を突破し補助ロケットも必要な事から
    ペイロードという表現は詐欺みたいになるし
    正味450kgのペイロードを抱えて
    十分に耐えうる丈夫なカーゴを使うのであれば
    発射に必要なエネルギーは跳ね上がるはず

    どう折り合いをつけて
    費用を算定しているのだろうか?
    • by t-wata (10969) on 2009年10月16日 2時24分 (#1654785) 日記
      > 氏が構想の中で「射出時の重量」を
      > どの程度に見積もっているかは分からない

      射出物自体は決まったものを使うんじゃないの? そのうえで、射出物に450キロまで貨物を積載できる、と。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 11時50分 (#1654225)

    空気砲のでかい奴?

  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 12時20分 (#1654246)
    > 1 回の打ち上げにかかる費用は現行の他の手段より最低でも 1/10 程度の価格で実現できるとのこと

    最低でも1/10程度の価格で実現できるって、じゃあ最高だといくらかかるのさ?
    「最高でも1/10程度の価格で実現できる」とか「うまくいけば1/10程度の価格に抑えることができる」の間違いじゃないの?
    • 費用の圧縮の話なんだから最低といったら圧縮率が最低の場合で1/10、
      うまくいけば1/20とか1/30、って話なのはふつうに伝わると思うが。

      日本語でOK、に固執しすぎて柔軟性を失っちまってないですか?

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      最低で1/10ってことなら、最高でそれ未満と解せるけど、
      それじゃダメかね?
    • by Anonymous Coward

      日本語くらいちゃんと理解しようよ。
      数学や科学の話なら1/10よりも1/20の方が単純に小さいと言えるのかも知れませんが、
      日本語として見た場合、単純に数字の大小で最高最低の方向が決まる訳じゃないですよ。
      文脈をきちんと読み取りましょう。
      #英語の Yes/No と はい/いいえ が単純に対応しないのと同じレベルの話に感じる。

      • by Anonymous Coward
        別ACですが、数字の大小の話をしてるのではありません。
        「最高」「最低」(最悪値)の使い方が逆だから
        指摘されてるだけです。

        主語は「費用」なのだから、最低の費用が出ただけにすぎず、
        プロバイダのベストエフォート並にインチキ臭が出てしまいます。

        読み手が、想像で補完することは可能ですが、それは悪文です。
      • by Anonymous Coward
        こう書けばおかしいという事が分かるのでは。

        「費用は」「最低でも」「○○円」
        「費用は」「最低でも」「現行の他の手段より1/10程度」

        どちらも「より高額となる場合がある」と取られると思いますが。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 12時21分 (#1654250)
    SHARPですね
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 13時16分 (#1654313)
    V2では効率が悪いのでV3の実用化を進める!
    って事ですかね?

    大昔から発想はあるしSFネタでもちらほら見ますが
    実用化の方向にあると聞いたことはありませんので
    とても「現実の壁」が厚いのでしょうね

    ぱっと思いつくだけでも
    飛翔体のフェアリングとか連続加速の方法とか開口周辺とか・・
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 13時22分 (#1654318)

    大爆発でまさに大惨事?

  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 13時27分 (#1654326)
    ついに月へ
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 14時43分 (#1654395)
    これ [wikipedia.org] を思い出した。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 14時47分 (#1654397)
    同じものを某国が作って、ぽんぽん打ち上げて軍事衛星のジャミングとか破壊とか考えないかな。
    • by Anonymous Coward
      大陸間弾道弾のほうが怖いような。メタルギアか
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 18時44分 (#1654569)
    速射砲にして数撃てば
    核ミサイルを打ち落とすのにつかえるんじゃね?

    ピンポイントで迎撃ミサイル当てるより
    確実じゃね?
    • by Anonymous Coward
      軍事用なら運用されているものも含め、もっと性能のいいものがいくらでもあるでしょう。
      そもそも数百キロ~千キロ以上離れたところにある小さな弾頭に当てるのに、誘導なしじゃ不可能です。
      射撃手が高性能なコンピュータでもゴルゴ13でも無理でしょう。いかに連射できようと、微調整しながら当てるのは難しいです。
      なんせ数百キロ先までとどくまで秒速6キロだと数十秒~1分かかるわけで、はずしてから射出角を微調整し、
      その結果がわかるのも数十秒~1分。その間的も動くし、風の影響も変わってくるし、緯度が変われば自転の影響も変わってくる。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月16日 0時10分 (#1654740)
    ちょっと、指摘だけ。変な日本語が嫌いなのと、カタカナ日本語も嫌いなので。
    ペイロードを打ち上げる、って日本語は変だと思います。
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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