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宇宙

火星への宇宙飛行を 39 日間に短縮できるプラズマ推進ロケット 51

ストーリー by reo
イナーシャルキャンセラーがアップをはじめました 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

火星への宇宙飛行は 6 カ月程かかると考えられているが、それを 39 日に短縮できるとされる VASIMR エンジンの試験が 2013 年に計画されているそうだ (本家 /. の記事より)。

VASIMR は Variable Specific Impulse Magnetoplasma Rocket の略であり、「比推力可変型磁気プラズマロケット」と訳すことができる。詳しい機構については東北大学サイエンスカフェによる解説NASA による解説、 Ad Astra Rocket 社の解説を参考されたいが、このロケットは高周波を利用しプラズマを生成および加熱し、「磁気ノズル」で熱エネルギーを運動エネルギーに変換する仕組みという。VASIMR ではプラズマの密度と温度によって推力と比推力を自在に変化させることでき、電力を使うため太陽エネルギーを利用することも可能だそうだ。

このロケットを使えば火星への道のりを大幅に短縮することができるとされ、道のりの半分まで加速し、残り半分はエンジンを反対向きにして減速するという方法で 39 日で到達できると考えられているそうだ。まずは宇宙空間での連続使用などの実験などを行う必要があるとのことで、2013 年には ISS でのテストが計画されているという。

このロケット、どこかで聞いたことがあると思ったのだが、/.J 過去記事でも取り上げられていた。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by TarZ (28055) on 2009年10月21日 21時36分 (#1658078) 日記

    # 無人探査機なら比推力を重視していればいいでしょうが、有人宇宙船だと推力も要りますよ、と。

    うーむ、どれくらいの加速を出すことを目指しているのか、元記事 [canada.com]からはよく分からない。

    VASIMRの資料を見ると、この推進機関で出せる推力については載っています。例えば、こちらの表 Variable Isp (Speed of Exhaust) [adastrarocket.com] を見ると、

    - 比推力重視 : 噴射速度300km/sのときに推力が10N、推進剤消費0.1g/s
    - 推力重視 : 噴射速度40km/s前後のときに推力300N、推進剤消費10g/s

    という数値が読み取れます。で、宇宙船のシステム全体としてみたときに、この推力でどれくらいの加速を維持できるのでしょう。

    もちろん宇宙船のデザイン(使える電力は原子力 or 太陽光発電?、宇宙船本体の質量、推進剤の種類・量…)によりけりでしょうけど、元記事で「火星まで39日」という具体的な数値が出ているということは、計算の前提となった仮のデザインがあるということですよね。どこかに載ってないのかしらん。

    • by Anonymous Coward

      ># 無人探査機なら比推力を重視していればいいでしょうが、有人宇宙船だと推力も要りますよ、と。

      無人か有人かは関係ないと思いますが、どんな理由で必要になるという話なんでしょうか。

      >どれくらいの加速を維持~

      そもそもこのテのエンジンは一定の推力がないとモノを動かすことすらできないような地上ではなく、
      推力がどんなに小さくてもありさえすればモノが動くような真空かつ無重力な環境で使う前提のものです。
      得たい推力の量は噴射時間で調整するわけで、重要なのは比推力と稼動可能な時間の長さと信頼性でしょう。

      • by TarZ (28055) on 2009年10月22日 10時13分 (#1658348) 日記

        有人の場合は、「航行に要する時間」というパラメータが、宇宙船の質量に影響する点をお忘れなく。(無人探査機の場合は、まあ無視してよい)

        親コメント
        • by Anonymous Coward
          ようするに何もわかってないんですね。
          • by TarZ (28055) on 2009年10月22日 11時42分 (#1658419) 日記

            いやあ、否定できないですねえ。

            VASIMRがどのあたりまで(推力を犠牲にすることで)比推力を上げられるのか私にはわかっていませんが、理論上は30,000s (en:Specific impulse [wikipedia.org] [要出典])まで上げられるようです。まあ、「推力がどんなに小さくても」比推力重視なのであれば、火星までのんびり行けばよろしいかと。

            親コメント
            • まあ、「推力がどんなに小さくても」比推力重視なのであれば、火星までのんびり行けばよろしいかと。

              飢え死に渇き死に窒息死の3択になりませんかw

              親コメント
            • by Anonymous Coward

              恥の上塗りしてどうするんですか。記事のタイトルくらい読みましょう。
              「到着までの期間を短縮できる」からこのエンジン使うんですよ?

              • by TarZ (28055) on 2009年10月22日 14時27分 (#1658551) 日記

                いえ、私はそのつもりだったのですが、なぜか「重要なのは比推力」という話になってしまっているので。

                別に私は比推力を軽視しているわけじゃありません。有人の場合は推力も無視できないよね、という立場なだけで。

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              • by Anonymous Coward

                最低限必要な推力の問題は飛翔体全体としての質量に依存するのであってそれが有人かどうかとは関係ない。

                1日期間延びたから増える分の食料類とか、1ヶ月以上滞在しようという飛翔体の全体重量から考慮すれば
                通常世界なら誤差と言っていいレベル。なんでそんなに結び付けたがるわけ?

              • 最低限必要な推力の問題は飛翔体全体としての質量に依存するのであってそれが有人かどうかとは関係ない。

                関係あります。
                関係ないと言い切るには「期間」という条件に対して「ヒトの寿命を無視する」という設定が必要です。

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              • by Anonymous Coward
                人の寿命とかwww太陽電池パネル他の部品の寿命調べて出直してこい。 無人だろうが期間の制約が発生する要因はいくらでもあんだよ。
              • 厳密には、無人ですらそうですよねー。

                # そうはいっても機器の設計寿命はミッションに必要な期間より長めに設定されるものだし、
                # 太陽電池にしろRTGにしろ10年~数十年もつわけで、数年の惑星探査ミッションを概観するに
                # あたって無視してよい項だと私は思いますが。

                元AC氏はなんで「推力はどんなに小さくても」と主張されるのでしょうね。

                親コメント
              • 質量に依存するのはその通りですけど、
                有人/無人でその質量も大きく変わるって事かと思ってました。

                # 横やりごめん<(_ _)>

                親コメント
              • by TarZ (28055) on 2009年10月23日 12時50分 (#1659082) 日記

                もちろん有人ミッションの場合、無人よりも規模が大きくなる傾向があります。とはいえ、固定で増える質量(宇宙船本体)については、有人である以上は必然ですから、ここではそれを問題にしているのではありません。

                水はある程度リサイクルするとしても、食料や空気などの消耗品はミッションの期間分必要であり、長期間ともなると質量はバカになりません。ホーマン軌道で片道半年以上、ミッション全体で2年かける計画では、案によりけりですが確かトン単位です。

                ここまでの流れで「消耗品なんて誤差だ」と言われていますが、それはそもそも因果関係(?)が逆なんです。38日という短期間を設定するのは、「有人ミッションで必要な消耗品を少なくしたい」というニーズがあるからです。(もちろん、長期の宇宙ミッションでは、クルーの被曝や体調・メンタル管理など、消耗品以外の問題もあるでしょう。が、とにかく元ネタの記事 [canada.com]では、「従来の長期ミッションでは食料や空気が大問題」という点が真っ先に挙げられています)
                つまり、「消耗品を誤差」にできたのは、今回の試算が38日という短期間にできたからこそです。

                # で、「火星まで38日」という期間を達成するのに必要なのはなんだろう、という最初の話になります。
                ## どこぞで0.07Gとかとんでもない数値をみかけたけど本当だろうか。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                推力は同じエンジン束ねれば確保できるけど比推力は得られないって話。

                そもそも従来のエンジン使った場合の試算より期間を大幅に短縮できるという
                結果になったって話なんだから推力が足りねえわけねえだろ。

                 試算の結果としてどんな設定(出発重量・機体構成)でどんな行程になる
                という話なんだろうと話を進めたかったんだが、回答が期待はずれにも程が
                あったから、「何もわかってないんですね」なんだよ。

              • by TarZ (28055) on 2009年10月23日 17時36分 (#1659268) 日記

                推力が足りねえわけねえだろ

                いえ、「あくまで比推力重視」にこだわるなら、その条件が達成できないという話ですよ。

                試算の結果としてどんな設定(出発重量・機体構成)でどんな行程になるという話なんだろうと話を進めたかったんだが

                はい、私としてはそちらに話を進めたかったんです。ミッションデザインの詳細が分からないから適当ですが、最初のコメントの際に試算もしてます。比推力重視、推力重視それぞれで。比推力重視だと、そもそも28日では火星に着きません。

                # 推力・比推力可変の推進機関VASIMRのストーリーですよね、これ。

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              • by TarZ (28055) on 2009年10月23日 17時40分 (#1659273) 日記

                あ、これも。

                推力は同じエンジン束ねれば確保できるけど

                これは、今回はダメです。できません。

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              • by TarZ (28055) on 2009年10月23日 17時50分 (#1659279) 日記

                (28日じゃないや、39日)

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              • by TarZ (28055) on 2009年10月24日 15時52分 (#1659710) 日記

                # この理由の説明を求められるのか。

                そう思うなら具体的に理由書いてみろよw

                使える電力の上限が200MWって決まってるから。(これは書いてある)

                VASIMRの場合、「推力が足りなければエンジン増やそうぜ」とは単純には言えないから。

                別にエンジンが1基でいいんだ、とは言いませんよ。「4ヶ月弱で火星に着く」ミッションのほうはある程度詳細の情報がありますが、そちらでも3基使うし。

                プロが算出した結果にケチつけといて

                ケチつけてなんかいませんぜ。少なくとも4ヶ月弱ミッションのほうでは、航程の途中で推力重視モードを使っているらしい描写があります。

                で、39日ミッションの詳細が見つけられないのでここからは私の(仮定の数値を置いた上での試算による)推測になりますが、「多分さらに推力重視モードを多く使うんだよね」ということを言っています。

                4ヶ月弱でさえ推力重視モードを使うのに、なんで39日になると使わなくなるんですか? 短期間でΔVが必要になるときほど推力が必要になりませんか?

                親コメント
  • 昔懐かしいアニメを思い出してしまった……。 # ナデシコって一ヶ月そこそこかけて片道飛んでたよな。帰りはアレだけど
  • by Motolion (24516) on 2009年10月22日 13時29分 (#1658501)
    >残り半分はエンジンを反対向きにして減速するという方法

    減速時にエンジン壊れるとものすごい勢いで太陽系外にすっ飛んでくのか。。
    帰ってくるのは何万年後?

    いや普通のエンジンでも逆噴射して止まるんだろうけど
    半分というのが気になった。
    • by Anonymous Coward

      >半分というのが気になった。
      宇宙空間ですから空気抵抗や路面の摩擦を利用したブレーキが使えないだけでは。
      重力カタパルトでの減速はできるとしても、基本は加速も減速も同じ推進器でやる
      他ないと思います。

      #ニーヴンのSFでもそんなネタがあったな。
      #ラムジェットで宇宙の果てまで追いかけっこするという。

  • by firewheel (31280) on 2009年10月21日 15時26分 (#1657837)

    やっぱしコレを連想するなあ。 [nhk.or.jp]

    実生活はコッチだけどな。 [srad.jp]orz

  • 「星のパイロット」で、実用試験中のプラズマロケットを使って宇宙船をでっち上げ彗星を捕まえに行くネタがあったなあ。
    --

    ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
  • と言うのが実際どういう原理でやってるのか今ひとつ分かりにくかったのですが、AD Astra社の解説図から見て [adastrarocket.com]
    プラズマで起こる「密度勾配によるドリフト」現象 [wikipedia.org]の応用なのでしょうか?

    物理屋ではないので直感的にしかどういう事をやってるのか今ひとつわからないのですが。

    # で、Ad Astra社からリンクされてるビデオ [youtube.com]を見てると、
    # このエンジンが宇宙船の周りにプラズマを展開して放射線を跳ね返すバリアーに応用出来ることが示唆されていますね。
    ## こっちはこっちで面白い…

    • 比推力が高くて、コントローラブルなエンジンだというのは判ったんですが
      火星までの行き帰り、ふかし続ける推進剤ってどのくらいの量になるのやら。
      --
      〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
      親コメント
    • >原理
      「一方向を向いた穴から噴き出せば、ランダムな熱運動が一方向への運動になる」てのが「ノズル」の原理。
      「磁気ノズル」は「磁場の穴」

      --
      the.ACount
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年10月23日 0時17分 (#1658851)
      > プラズマで起こる「密度勾配によるドリフト」現象の応用なのでしょうか?
      のもうちょっと下にある、磁気モーメント(と運動エネルギーの保存)によるミラー磁場の効果だと思います。

      前提
       磁気モーメント=(磁力線に対して垂直方向の運動エネルギー)/(磁場強度)=Constant
       運動エネルギー=(磁力線に対して垂直方向の運動エネルギー)+(磁力線に対して水平方向の運動エネルギー)=Constant

      AD Astra社の解説図でいうところの
      2.Energizeというところが磁場が強く(磁束密度が高く)
      3.Accelerate/4.Detachのところで磁場が弱い(磁束密度が低い)のがミソで
      2.Energize部で加速されたプラズマが図の右へ、磁場の弱い方向へ移動するにつれ
      水平方向の運動エネルギーが増えるため、磁力線の矢印の方向へ強烈に噴出されることになります。

      #だいぶはしょった説明なので興味のある方は「プラズマ ミラー閉じ込め」とかで調べてください
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年10月21日 14時35分 (#1657795)
    # ネタなのでAC
  • by Anonymous Coward on 2009年10月21日 14時42分 (#1657800)

    マロケットとは、初めて聞くなんか眉唾な感じがしますね。。。

  • by Anonymous Coward on 2009年10月21日 20時34分 (#1658039)
    78日間火星往復が可能かどうかで全財産を賭けるイギリス人が現れるということですか
    • by Anonymous Coward
      もっとわかりやすく:80日間火星往復 ですね
      • by Anonymous Coward
        地球と火星の間には日付変更線がないんでオチが決まらないんですが。

        それより地球の周回軌道からはなれたら、お日さんは常に出ているだ。だから、行きが一日帰りに一日で、都合二日で往復出来る!

      • by Anonymous Coward

        最短39日のケースでは戻りが39日ですまないんじゃないの?
        地球も火星もそれなりに動いちゃうでしょ。

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物事のやり方は一つではない -- Perlな人

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