パスワードを忘れた? アカウント作成
173027 story

プラナリアの頭と尾の方向を決める仕組みを解明 67

ストーリー by reo
高校で生物を選択したかどうか 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

体を真っ二つに切断しても、その断片から頭と尾が生えてくるなど、強い生命力を持つ「プラナリア」という生物がいるそうだ。この生物は体を 10 個に切ると、それぞれに頭や尾が生えて 10 匹に分裂するくらいの回復力を備えているのだが、切断した部分はかならず元々頭があった側に頭が、尾があった側に尾が生えてくるという性質があるそうで、この仕組みは長年謎のままであった。しかし、このたび京都大学の阿形教授らが、この「頭と尾の方向を決める」仕組みを解明したそうだ (asahi.com の記事より) 。

これによると、「ヘッジホッグ」というタンパク質が重要な役割を果たしているそうで、通常ヘッジホッグは頭から尾に向けて運ばれており、体が切断されると、元々尾があった方向の切断面にこのタンパク質がたまるそうだ。これが特定の受容体に結びつき、「尾を作る」命令を出す遺伝子が働き出すとのこと。ただし、断片が短いとこれがうまく働かず、尾の方向に頭ができるそうだ。

タレコミ子はこの生物の存在を知らなかったので、「切断しても復活する」ということに非常に驚くばかりである。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 近所のため池をさらったら捕獲できたので、噂通りかどうか試しにプツプツと
    マイナスドライバーか何かで切ってみたことがありますが、あっさり全滅…。

    やり方が悪かったのかな。
    腐ってしまったプラナリアと、多量のケンミジンコを見ながら、
    「おかしいなぁ、再生するはずなのに」と考えた厨房の頃。

  • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 13時08分 (#1686090)
    ヘッジホッグ遺伝子は、動物の「かたち」を決定する際に働くことが知られてます。このグループの遺伝子(特にソニック・ヘッジホッグ [wikipedia.org]、Shh)が、ソニック・ザ・ヘッジホッグにちなんで命名されたのは有名かと…。
    • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 19時16分 (#1686285)

      ちょっと違います。
      そのWikipediaの記事にもありますが、正確にはヘッジホッグの名前は、この遺伝子が特定されたショウジョウバエの研究によるもので、この遺伝子をノックダウンした胚がハリネズミ状の畸形になったことによるものです。
      発見順にデザートヘッジホッグ(Dhh)、インディアンヘッジホッグ(Ihh)、そしてソニックヘッジホッグ(Shh)と命名されました。デザートとインディアンは実在するハリネズミの種類です(順にエチオピアハリネズミ、インドハリネズミ)。ソニックは言わずもがな。

      なお、その後ゼブラフィッシュの研究で、さらに3種類の相同体、Shh a、Shh b、Ihh bが見つかっています。Shh aには特に名前は無いようですが、Shh bはティギーウィンクルヘッジホッグ(Twhh)、Ihh bはエキドナヘッジホッグ(Ehh)とも呼ばれます。前者はベアトリクス・ポターの絵本に登場するキャラクターとのことですが、後者はShh同様にソニック・ザ・ヘッジホッグからの命名(シリーズの登場キャラクターに、エキドナ(=ハリモグラ)のナックルズというのが出てきます)だそうで。

      親コメント
  • by firewheel (31280) on 2009年12月09日 13時11分 (#1686096)

    >「切断しても復活する」ということに非常に驚くばかりである。
    ヒトデと並んで、「ぶつ切り(或いは微塵切り)にしても死なない動物」として有名ですね。
    小さくて安上がりなので小学校の理科の実験に使われたりします。

    ミミズも数個程度なら平気だったはず。

    • Re:粉微塵にしてやるぜ (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2009年12月09日 19時53分 (#1686315)
      「フ……あいつなら跡形もなく消え去ったさ」
      「何だと!貴様……」
      「安心しろ、すぐに後を追わせてやる」
      「くっ!」

      「そいつはどうかな」

      「お、お前は!」
      「プラナリア一輝!!」

      「待たせたな」
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      植物なら当たり前なんですけどね。接ぎ木や挿し木で増やせるくらいで。でも動物でこれだけの再生能力を持つのは非常に珍しいです。

  • by atamiserio (18987) on 2009年12月09日 17時43分 (#1686242)

    最近の科学読本なんかには、再生の例としてプラナリアは挙げてないのか……。
    子供の頃に私が読んだ本には、トカゲ(カニとかザリガニの事もあったかな)、ヒトデ、プラナリアが例示されていて、後になるほど強大な再生能力があるように書かれてたものです。
    (頭を縦にうまく切りこむと、双頭プラナリアになるとか色々)

    このへんについて書いてる科学読本はどれも面白いですよ。
    魚類の性転換同様、最新学説もばんばん出てるしネタとしても面白いのでお奨めです。

  • by rin_penguin (9144) on 2009年12月09日 13時10分 (#1686093)

    阿形教授とやらはセガ派なのか。

    という茶々は置いておくとして、プラナリアは中学の理科2の教科書だか
    資料集だかに載っていた覚えがあるのだが。20年以上前だけど。

    • Re:ハリネズミ (スコア:4, 参考になる)

      by SteppingWind (2654) on 2009年12月09日 14時06分 (#1686133)

      SHH遺伝子 [jpn.org]って名前のせいもあるけど, 最も有名な遺伝子の一つです. この遺伝子の発見者が当時ソニックにはまっていたのが命名の由来だとか.

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 15時29分 (#1686176)

        ちなみにそのリンク先、「ザが抜けているのは全く同じ名前だと問題になると思ったからか」とか書かれていますが、後に発売になったサターン版「ソニックジャム」で見られるソニック年表には、きちんとソニック・ヘッジホッグ遺伝子のことも取り上げられております。扱いが「ホールオブフェイム」(=殿堂)ということも考えると、セガとしては問題視どころか歓迎の姿勢と考えていいでしょうね。
        胚のみならず成体でも血管新生・組織修復に深く関与しているらしいということが判ってきていて、再生医療への応用が期待されています。ソニックすげえ。

        親コメント
    • 脳なし (スコア:3, 参考になる)

      by PRAXI (35385) on 2009年12月09日 15時53分 (#1686193)
      阿形教授が見つけた遺伝子は、脳を作らせず尾を伸ばすもので「nou-nashi(脳なし)」 [yomiuri.co.jp] と命名したとのこと。

      命名は直球ど真ん中ですな。
      親コメント
      • Re:脳なし (スコア:3, 参考になる)

        by y_tambe (8218) on 2009年12月09日 16時14分 (#1686202) ホームページ 日記
        いや、リンク先にもあるように、「働きを止めると」(=ノックアウトすると)切られた体の頭側でも脳が作られず尾が伸びる遺伝子なので、機能的には逆だと考えられます。ショウジョウバエでの遺伝子名の付け方と同様、変異体の表現型から遺伝子名を付ける方式を採用してるからだと思いますが、ちょっと紛らわしいところですね。

        なお阿形教授らは以前に、今回のとは逆に、働きを止めると体中で脳が形成されるようになる、「nou-darake (脳だらけ、ndk)」 [appliedbiosystems.jp]という遺伝子も発見してます。
        親コメント
    • by maruto! (18665) on 2009年12月09日 13時57分 (#1686131) 日記
      ヘッジホッグ遺伝子の中にはそのものズバリソニック・ヘッジホッグ [wikipedia.org]という遺伝子もありましてよ。
      親コメント
    • ソニック・ザ・ヘッジホッグはSEGAではハリネズミじゃなくヤマアラシのほうをイメージしたってことを当時聞いたように覚えてる。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      >阿形教授とやらはセガ派なのか。

      セガタ教授ってのはいないのか

  • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 13時46分 (#1686118)

    放置していても水槽内に発生するコイツ等を絶滅させる方法の方がしりたい。
    マズイらしくて魚は口に入れても吐き出すんだよね。

    • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 15時58分 (#1686196)

      水槽内の底砂は全部入れ替え。
      構造物も出来れば交換。
      植物は酢でしめる。
      端から端まで掃除。
      アヤシイ所には木酢液を使う。

      位か。

      餌が余る環境で増え易いが減っても絶滅しない。
      危険なのはやはり冷凍赤虫。
      殺菌済みを謳っていても全然ダメ。

      逆に言えば、プラナリアを見てみたければ熱帯魚屋やペットショップで
      冷凍赤虫を買ってきて適当な水槽に入れればOK。

      親コメント
      • Re:そんなことよりも (スコア:1, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2009年12月09日 16時23分 (#1686206)

        つーか、プラナリアって害があるのん?

        ぐぐって見たけど、水槽にたまたま発生したプラナリアを駆除するより愛でるページの方が多かった。

        親コメント
        • Re:そんなことよりも (スコア:2, おもしろおかしい)

          by QwertyZZZ (8195) on 2009年12月09日 18時20分 (#1686258) 日記

          害ありました。

          余り水槽でウネウネしているのがウザかったんで、スポイトで吸っては掃除用のコップに出し、
          ってのを繰り返し繰り返し…。
          なんてか、マインスイーパーみたいな感じで暫く没頭。

          その後、来客が来たので相手をし、ちょっくら昼飯でも出してやるかとキッチンに篭って
          居る時、リビングから悲鳴が。

          小さなコップ内で数ミリから1cm程度のサイズしかないとは言え、数十匹のプラナリアが
          蠢いている姿は、慣れて居ない人に、ちょっとキツいもんだと。
          つー事で、昼飯の雰囲気は台無しに。

          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 17時23分 (#1686230)

          水槽の生物を襲ったりすることは無いようですが、与えた餌を先取りしてしまうことがあるようです。
          生物としては特に有害性は無いようですが、ヒルみたいな姿で急激に増えるので、視覚的に不快であるという問題はあるかも知れません。

          親コメント
        • by SteppingWind (2654) on 2009年12月09日 18時01分 (#1686251)

          陸生プラナリア(いわゆるKGB)は生理的に受け付けないって人が多いみたいですね.

          # 私もダメ

          親コメント
    • by Anonymous Coward

      煮れば一発じゃね?

  • by funakichi (28497) on 2009年12月10日 0時53分 (#1686477)
    発生時にヘッジホッグの濃度勾配が頭と尾の方向を決めるというのは既知ではないのかしらん?
    プラナリアの再生時に発現している事を確認したところがニュース?
  • by Anonymous Coward on 2009年12月10日 9時44分 (#1686570)
  • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 13時11分 (#1686095)

    >タレコミ子はこの生物の存在を知らなかった

    う~ん、結構有名だと思ってたんですけどねぇ(笑)

    #もっともわたしも「プラナ“タ”リア」と覚えてた気がする

  • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 13時31分 (#1686102)

    尻尾も内蔵も再生するマウス
    http://wiredvision.jp/archives/200509/2005093001.html [wiredvision.jp]

  • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 15時03分 (#1686162)

    断片が短いとこれがうまく働かず、尾の方向に頭ができるそうだ。

    素朴な疑問ですが、両方とも頭、または両方とも尾になってしまうことは無いのでしょうか?

  • by Anonymous Coward on 2009年12月09日 16時03分 (#1686197)
    彼らに何らかの類の自我があった場合、分裂後のそれがどのように働くのか、多少なりとも興味深い気はする。

    # ま、多分無いだろうし、あったとしても知り様も無い。
typodupeerror

ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

読み込み中...