パスワードを忘れた? アカウント作成
200475 story
バイオテック

「脂味」は第六の味覚だ、という説が登場 55

ストーリー by hylom
「アブラマシマシ」好きは味覚障害だったのか! 部門より

ミ○キーは○○の脂味 曰く、

AFPBB Newsの記事によれば、「第六の味覚」として「脂味」を主張する論文がオーストラリアディーキン大学などの研究グループによって、British Journal of Nutritionに発表された(HTML版)。

記事によると、研究では30人の被験者に溶液に溶かした脂肪酸の味を感じるか調べ、全員が「脂味」を感じること、被験者50人に対して「脂味」を感じる敏感さと体重との相関(脂味に敏感な人はBMIが低い)が見られたという。研究を主導したRussel Keast博士は「脂の味に敏感な人は、微量でも脂肪の存在を認識するため、脂の味に鈍感な人よりも結果的に脂質の摂取量が少なくなる」とAFPに説明したそうだ。記事では「「脂味」が味覚と認められるには、口にある味覚細胞に受容体があることを証明する必要がある。今回の研究はそれには至っていない」とまとめている。

ところで、以前第六の味覚として「カルシウム味」と/.Jで記事が立った際のy_tambe氏のコメントによると、京大のグループが脂質の受容体を発見しているそうだ。第六の味覚としては脂質が一歩リードか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • ものは書きよう (スコア:5, 参考になる)

    by y_tambe (8218) on 2010年03月11日 10時49分 (#1731335) ホームページ 日記
    AFPBB newsには

    今回の研究はそれには至っていないが、キースト博士は「脂味」の存在を支持する証拠は続々と見つかっているとしている。

    と書いてあるので、まるでKeastの研究が先行しているように読めるかもしれないけど、ぎりぎりの表現で上手いこと書くなぁ、という感じですね。

    「脂味」については、伏木先生とかがやってるCD36の研究の方が先行してて、ヒトが感知する「味」かどうか、ということより先に、受容体候補の方が見つかってるわけです。順番的に言うと、これまで見つかってきた「味」とは逆の流れ…つまり、他の味は「こういう『味』があるよね→知覚するメカニズムはどうなってる→味細胞/味神経を介してるから『味覚』でOkだね」で見つかり認められてきたのが、「味細胞に、脂質をを知覚するメカニズムがあるよ→これって『味』かも」という形で見つかった、ということになってきてるわけです。

    味覚の研究というのは(嗅覚もですが)厄介な部分があって、単に細胞/神経伝達といった生理的なメカニズムによる部分だけでなく、ここの図 [google.com]に示している下の部分、つまり知覚する本人の食習慣や食文化、それまでの経験に依存するところが非常に大きいです。「うま味」というのが、欧米でなかなか認められなかった/認められるのに時間がかかったのもこれによるもので、本人がそれまで経験的に「味」と感じて来なかった、「味」と意識してこなかった部分は、「味」そのものとして認められにくいわけです。

    親コメント [srad.jp]の洋・中・和での、「味」の数というのは(恥ずかしながら初見だったのだけど)、すなわち西洋料理/中華料理/和食の世界で、意識されてきた「広義の味」だと捉えることが出来ます(このうち「辛み」は味覚に寄らないものなので「狭義の味」には含まれない、とされてますが)。

    ただ、恐らく(食の文化人類学方面の知識がないので、恐らくですが)、「脂味」というものを、そのものズバリ「味」として考え、表現してきた地域はないんじゃないかなぁ…と。そういう点から言うと、脂味は「味覚」である可能性はある(受容体の存在に加えて、後はそこからの神経伝達と認知があるとヒトで証明できれば、「味覚」と言ってよさそう)が、「味」としては誰もまだ気付いてなかったもの(=新しい「味」である)可能性があるわけです。

    料理の味と油脂の関係については、例えば中華料理では「コクを出すために」油を入れたりするし、また料理全般に揚げ物やフライに使う油の種類が味に影響することは、まぁ周知のことだと言っていいとは思います。ただ、あくまで個人的な考えですが、これらの「油脂が料理の味に与える影響」を、すべてCD36を介する味覚に帰結させていいかと言われると疑問があります。CD36は、元々LDLなどに対するスカベンジャー受容体として見つかった(で、その生体内の分布を調べたら、味蕾で多く発現してた)ものなので、口の中でミセル状に存在してる油脂とは、まぁ反応するだろうと予想します。一方、岡大歯学部の松尾先生のレビュー [nih.gov]にまとまってますが、油脂は唾液タンパク質(proline rich proteins, PRPs)と結合して可溶化されていることも知られてるので、このことが味の感じ方にどう影響するのか、という点が興味深いところです。PRPsの役割が、単に疎水的に口の中にへばりつく油脂を洗い流すだけなのかもしれませんが、ひょっとしたらそれ以外に味に影響する部分もあるかもしれないので。

  • Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!

  • by gonta (11642) on 2010年03月11日 1時31分 (#1731222) 日記

    他人の弱みが一番美味いに決まってる。

    有名なコピペ [cureblack.com]らしい。

    --
    -- gonta --
    "May Macintosh be with you"
    • by Anonymous Coward

      いとこ同士も旨いらしい。

  • 脂味のフレーバー (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2010年03月10日 18時00分 (#1730952)
    油脂を含まない脂味の風味調味料を開発すれば肥満対策ばっちり
  • >研究では30人の被験者に溶液に溶かした脂肪酸の味を感じるか調べ、全員が「脂味」を感じること

    この方法使うと、アルコールが第7の味覚になったりしそうなんだけど。

    --
    1を聞いて0を知れ!
  • 50人のデータで統計的に意味があるかどうかはさておき、同様な相関が甘味(糖の味)に対しても見られるんでしょうか。

    # 甘味料と同じように、「こってり脂味でカロリー0」みたいなダイエット食品も出てくるのかな

  • つまり、

    >「脂味」は第六の味覚だ、という説が登場

    「だが日本じゃぁ二番目だ」ということですね。

    #いやオーストラリアの人だけどさw

    --

    ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
  • by Anonymous Coward on 2010年03月10日 17時45分 (#1730934)

    カロリーは旨さの単位DA

  • by Anonymous Coward on 2010年03月10日 17時53分 (#1730944)
    脂身の味わいが見分けられないとは、お前も全く分かっていないな
    • 味わいは自信ないですが、
      * ワックス系の消化できない油脂
      * 解ける系
      * 解けない系
      くらいは判別できるので、辛さみたいな味覚はあるのかなーとか思いました。

      # 最近の食品、健康志向のくせして、油関係多いなぁとも思う

      --
      M-FalconSky (暑いか寒い)
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        油脂と肥満が健康に悪いというのが神話だからですよ。
        --
        でまかせなのでAC

        • by Anonymous Coward

          >油脂と肥満が健康に悪いというのが神話だからですよ。

          実際、標準体はBMI22-25位ですが、
          25-27程度が一番長生きできるらしいですよ。

          だから俺が痩せる必要は無いわけだ、パンツのウエストが苦しくさえなければ。

        • by Anonymous Coward

          肥満はともかく油脂はものによりますよ。
          加工食品やファストフードに多い不飽和脂肪酸は極力さけるべきですが魚の油脂は体にいいですよ。
          DHAは頭にいいらしいし。
          豚の背脂はカロリーが気になるけどそれほど警戒するものでもないと思う。
          美味いは脂いっていいますしね。

        • by Anonymous Coward
          塩が健康に悪いというのも神話なのに減塩食品だらけなのをどうにかしてください><
      • by Anonymous Coward
        辛さは味覚じゃなかったのでは?
        たしか痛覚の一種だったと記憶してます。

        >健康志向のくせして、油関係多い

        まぁコレステロール下げる油もありますからね
        ただ、悪性のLDL下がるけど良性のHDLまで下がちゃうんですよね
    • これで
      「脂好きなんだ!」
      といっても
      「そりゃ、デブだから(プークスクス」
      とか言われずに立派な嗜好と認められるわけですね!!!!1!!!1

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      一週間待て、そうすればオレがもっと美味い脂身を出してやる。

      # 続きは誰かお願い
      • by Anonymous Coward

        さて、クジラを捕りに行ってくるか・・・

  • by Anonymous Coward on 2010年03月10日 19時11分 (#1731012)

    第6の味覚って「旨味」じゃなかったの?

    • by Anonymous Coward on 2010年03月10日 20時31分 (#1731059)
      洋:甘酸辛塩の四味
      中:+苦の五味
      和:+旨で六味
      と包丁人味平にありましたね。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        え?じゃあ七味唐辛子に入ってる最後の一つは何なの?
      • by Anonymous Coward
        なつかし・・・リアルタイムで読んでた。「闘六味」でしたっけ。
      • by Anonymous Coward
        「麻」「辣」「辛」はどういう扱いになるんだろう
        それぞれ全く異なる感覚ではあるけどあまり区別されないよね?
        • by yatakaras (37253) on 2010年03月11日 10時47分 (#1731333)

          まとめ
          味覚に分類されるもの
          味蕾の化学受容体に作用するもの
           1.甘味
           2.酸味
           3.塩味
           4.苦味
           5.旨味
           6?.脂味←NEW or カルシウム味

          その他
           辛味 痛覚神経を通じて熱刺激として受容されるもの 

          水の飲み分けでは個人的にはカルシウム味というよりは
          イオン味のほうがしっくりきます

          ところで読み方は「あぶらみ」でいいの?

          親コメント
        • by user2ch (31474) on 2010年03月11日 15時33分 (#1731518)

          そんなもの区別されるわけがありません。
          苦味と渋みですら同じ物という扱いなのに。

          親コメント
        • Re:第6の味覚って・・・ (スコア:1, すばらしい洞察)

          by Anonymous Coward on 2010年03月11日 1時52分 (#1731228)
          辛みは味ではなくて痛覚です。
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            > 辛みは味ではなくて痛覚です。

            それはたぶん分かってて、「麻」「辣」「辛」の間の区別はどうなってるんだろう、
            ということを話題にしたかったんだと思います。

            「ずきずき痛い」「がんがん痛い」「ちくちく痛い」などに相当するのかなあ。

            • by y_tambe (8218) on 2010年03月12日 11時35分 (#1731912) ホームページ 日記
              別コメントからもリンクがありますが、「辛み」については、いろいろな種類の温度刺激受容体 [srad.jp]が、それぞれの辛み成分と反応することが判ってます。一口に「辛み」と言っても、トウガラシやコショウ、ワサビなどで辛みのタイプはそれぞれ違ってますが、これらについては、それぞれ反応する温度刺激受容体の種類や、受容体との結合の仕方にも違いがあることが判ってます(参考までに [google.com])。

              中華で言う「辣」は、トウガラシの辛さを示すとされ、カプサイシンなどがその主な味物質本体と考えられてますが、カプサイシンは43℃以上の温度に反応する熱刺激受容体のTRPV1を活性化させる、ということで概ねコンセンサスが得られてます。

              一方、「麻」については、花椒などの「しびれる辛さ」を示すとされますが、その主要な味物質はヒドロキシ-α-サンショーオール [wikipedia.org]だと言われてます。このヒドロキシ-α-サンショーオールは、上述のTRPV1の他、ワサビの辛み成分(アリルイソチオシアネート)やシナモンの辛み成分(シナモアルデヒド)によって活性化される、冷刺激受容体のTRPA1(17℃以下に反応)も活性化させるという報告 [wikipedia.org]が出ています。さらに、最近ではこの他に、pHや麻酔薬に感受性のカリウムチャネルを阻害する活性があることがNature neuroscienceの論文 [nature.com]に出てます。おそらくは、(1)TRPV1とTRPA1の両方が合わさった辛み、(2)カリウムチャネル阻害を介する「麻痺」の感覚、の両方が、「麻」のユニークな味わいには関与しているのでしょう。


              以前は、よく「辛みは痛覚だ」と呼ばれてましたが、以上のようなことを考えると、むしろ「辛みは温度刺激だ」という方が、より正しい表現だと言えるでしょう。ただし「温痛覚」という言葉があるくらいで、元々熱さや冷たさに対する感覚と、痛覚には共通する点が多いというか、「熱い!」「冷たい!」というのは、ある意味では「痛み」の一種とも言えますので。

              この辺り [shiga-med.ac.jp]に詳しく書かれてますが、温度刺激受容体による刺激の伝達は、いわゆる痛覚受容器(侵害受容器:さまざまな侵害刺激を感知する器官)のうち、ポリモーダル受容器と呼ばれるタイプのものが、主に担っていると考えられてます。このタイプは、侵害受容器の中では比較的原始的なタイプと考えられていて、温度刺激以外にも機械的刺激、化学的刺激、炎症など、いろいろな侵害刺激によって活性化されると考えられてます。なので温度刺激受容体が感知した「辛み」は、痛覚と共通の経路(ポリモーダル受容器→C侵害受容線維)を通って脳に伝えられる、と考えられます。
              なお、カプサイシンについては、このポリモーダル受容器以外にも、機械刺激に特化した高閾値機械受容器(→Aδ線維)も活性化すると言われてまして。トウガラシの辛さは強烈になると、口の中がものすごく痛く感じますが、ひょっとこのあたりが、他の辛み成分よりも強烈というか、「他のに比べると、より『痛い』」…ということなんじゃないかと。
              親コメント
          • by Anonymous Coward
            >辛みは味ではなくて痛覚です。

            痛覚ではなくて、熱さ/冷たさ [srad.jp]です。
      • by Anonymous Coward

        >洋:甘酸辛塩の四味

        アメリカに打ち上げ見物に行っている笹本祐一氏は、エリアルのあとがきで、
        「アメリカ人の味覚は『甘い』『辛い』『でかい』『脂っこい』の4つにちがいない」
        という冗談半分の見解を述べていました。

    • by Anonymous Coward
      そいつは五番目だ
typodupeerror

身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

読み込み中...