
新たな多能性幹細胞「Muse 細胞」が発見される 20
ストーリー by reo
tyosiaki 曰く、
東北大の出沢真理教授ら、京大の藤吉好則教授らは、ES 細胞や iPS 細胞に比べて増殖率は低いものの癌化の危険性が低い多能性細胞を発見し、「Muse 細胞」と名付けた (NEDO のプレスリリース, 東北大学大学院医学系研究科・医学部のニュース記事, 河北新報の記事より) 。
Muse 細胞は人間の皮膚や骨髄の中に存在し、遺伝子導入などの操作をすることなく、ストレス条件により活性化。ES 細胞や iPS 細胞と異なり無限に増殖することはなく、2 週間ほどで増殖が停止する。神経や平滑筋、肝臓などへの分化は確認されたがすべての細胞に分化するかどうかはこれからの研究で明らかにしていくとのことで、ES 細胞や iPS 細胞にとって代わるものではないが、様々な利用方法が期待できるとのことだ。
プレスリリース読んだ感じだと (スコア:3, 興味深い)
>すべての細胞に分化可能かどうか
まぁ畸形腫(テラトーマ)形成しないみたいなので、ちょっと望み薄いのかなぁ、と思ってみたり。
#テラトーマ形成をがん化と結びつけて考える人もいるけど、悪性ではないことが多いし、分化多能性の指標でもあるので。
それから、身もふたもない言い方になっちゃうけど、プレスリリースの内容を読むとこれだけ面白そうで、いかにも実用性がありそうな内容なのに、PNAS止まり(Nature, Cell, Scienceに載らなかった)という場合、一歩引いて判断しておく方がいいというか…iPSやESをリプレースできるものになるかについては、少なくとも現時点では、その可能性は低いんじゃないかと。
Re:プレスリリース読んだ感じだと (スコア:2, 興味深い)
>PNAS止まり(Nature, Cell, Scienceに載らなかった)という場合、一歩引いて判断しておく方がいいというか
これが日本にはびこるCNS信仰ってやつでしょうか。論文の中身でなく「どこに載ったか」でその価値を判断するという権威主義。CNS信仰を捨てない限り、日本のサイエンス(というかバイオロジーか)は永遠に米英に支配されつづけますよ。件の論文もPNASに出したのは単にCSNの上から目線な査読がいやという理由かも知れません。日本のバイオロジーはCNSのいいなりになっていて莫大な納税者からの血税が米英への単なる貢ぎ物になっている。
Re: (スコア:0)
バイオ系じゃないのでよくわからないのですが、
これは具体的にはどういう意味ですか。
Re:プレスリリース読んだ感じだと (スコア:3, 興味深い)
Nature, Science, PNASはいずれもGeneralなJournalで自然科学の全分野を扱う雑誌(とは言え、物理系なんかは別枠ですが)、Cellはもう少し狭く、細胞生物学に絞った分野を扱いますが、「細胞生物学」自体がかなり広い範囲に亘るので、それを全般に扱うためGeneral journalと似た性質を持ってます。Impact factorで見ると、Cell, Nature, Scienceが30点前後、PNASは10点前後をうろうろしてる感じで、バイオ系でも分野によってはPNASよりIFが上のTop Journalがあるものもあります(J. Cell. Biol.とか)。
そもそもPNASは「アメリカ科学アカデミー」の機関誌なんで、規模は大きいんですが基本的には「学会誌」です。なので、まぁ「米英がどうたら」言うのであれば、PNASだって変わらない(というかむしろ、より「アメリカ」寄り)わけでして。
ただ、IFで言ったら段違いなんで、日本人に限らず、まずはCell, Nature, Scienceからトライしてみる、というのが割と当たり前です。最近は、特にオンライン投稿になって、審査が早く、早ければ1週間、遅くても1ヶ月くらいには最初の正否が出ます。で、rejectだったら、reviewerに指摘されたところを適宜直したりして(その部分は他のreviewerからも指摘される可能性が高いから)、ワンランク落としたところに投稿する、という感じでしょう。
で、PNASにはいわゆる「抜け穴」みたいなところがあって、アカデミー会員から投稿であれば、審査がぐんと甘くなります。なので、「10点前後にキープするための、最後の砦」みたいな感じで使ってる人が、割といます。PNASに載る論文は、玉石混淆でしかも「石」の割合が比較的多いと評されますが、この辺りの事情が関わってる、と。
Re:プレスリリース読んだ感じだと (スコア:2, 興味深い)
日本は基礎分野の分子生物学にかなりお金(=税金)がつぎ込まれてます。しかしこの分野は基本的に米英に支配されています。計測機器などはほとんど米英製。試薬類も米英製。1日に試薬代が100万円とか実験で平気で使う世界です。なので生物学への投資は日本では金が回らず米英に吸い取られる結果になっています。日本はこの分野での産業育成に大失敗して市場支配力ほとんどゼロに近いです。半導体や素材の分野ではこんなことはないと思うけど。しかもまったく応用分野(とくに医療への橋渡し部分)での投資がなされないので研究の成果が国民に還元されないのです。逆に米英は日本を含め世界の基礎分野の研究成果をもとに応用分野で莫大な利益を得ています。つまり日本の分子生物学は単に米英への貢ぎ物になっているのです。米英が日本に基礎分野をやれと強くいうのは自分たちに利益があるからであって決して科学者としてピュアな動機ではありません。みんなだまされて基礎にお金を過剰に配分して、で米英にお金を吸い取られて、それで応用がまったく出来ない状態になっている。スパコンとかでも買えるものは買えばいいなんて馬鹿な主張がおおいけど、支払ったお金がどこで回るのかもう少し考えようよ。
でその背景にあるものの一つが日本でのCNS信仰です。これが強くてここに論文が出ていないと日本の学術界では生物学者として評価されません。つまり応用分野で頑張る人を評価しないのです。日本からもiPSやら今回のやつのような医療に貢献しそうな基礎分野での成果がかなり出ていますが、日本で実際に医療へ応用されることはほとんどないと言われています。全部米英にやられてしまってまた莫大な特許料やらなんやらを支払うことになるでしょう。ピュアな研究者がピュアな基礎科学を掲げて国民からお金を集め、何の戦略もなしに純粋な研究を行って、結局血税をドブに捨てているのです。もちろん科学というものへの貢献という点ではいいでしょう。しかしそれで実際にお金をもうけているのは米英なのです。つまり純粋な日本の基礎分子生物学者は極端な話、だまされて利用されているのです。
話をもどすと、したがって日本の生物学者はがんばって論文をCNSに載せようとします。しかしCNSは米英に都合の良い研究結果しか載せようとしません。当たり前です。彼らは彼らの利益のためにこれらのジャーナルを運営しているのですから。ですので彼らに都合の悪い日本人の研究(=お金になりそうな研究)はいろいろと査読で難癖を付けられてさんざんひっぱったあげく最後はリジェクトされます。で、似たような米英の論文はたいした内容でないのにどんどん載ります。ピュアな基礎科学なものは日本人でもCNSに載ります。理由は前述の通りでお金のかかる基礎科学は他の人にやってもらっても直接市場を支配しお金を生むことにならないのでかまわないのです、というかむしろやって欲しいと思っている。研究に必要な機器や試薬で支配してますからそれで儲かりますし。米英の機器をつかってデータをだせばさらに喜ばれます。
これって貢ぎ物以外の何でしょう?日本の国民はちょっと怒った方がいいと思いますよ。
Re: (スコア:0)
CNSへの投稿料が税金起源の研究費から出ている、ということでは?
まあそれを言ったらPNASでもおんなじだけど。
様々な利用方法が期待できる (スコア:2, おもしろおかしい)
≒具体的な利用方法は想定できない
MUSE? (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re:MUSE? (スコア:2, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
MUSES-Cだと思うんだが?
Re: (スコア:0)
http://www.pken.net/ish_mm/parts03.htm [pken.net]
Re: (スコア:0)
Multiple Sub-Nyquist-Sampling Encoding system [wikipedia.org]もお忘れなく。
Re: (スコア:0)
ジェイソンは生きていた (スコア:0)
汚物は消毒だー (スコア:0)
アナログハイビジョンのように
この薬用石けんで!
肝硬変 (スコア:0)
新品の肝臓と交換してもらえる日もくるんだろか。
Re:肝硬変 (スコア:2)
あれって、皮膚の角質化みたく表面が硬くなるのか?