パスワードを忘れた? アカウント作成
225953 story
Java

カフェイン中毒者はコーヒーを飲んでも「通常レベル」の覚醒状態しか得られない 50

ストーリー by reo
どれぐらい飲んでたらカフェイン中毒なんでしょう 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

カフェインは覚醒作用とともに不安感を引き起こすとされているが、カフェイン中毒者はこのどちらにも耐性を生じている。このため、カフェインを摂取しても通常レベルの状態になるだけであり「覚醒状態をより向上させる」効果はないそうだ (Reuters の記事本家 /. 記事) 。

頻繁にカフェインを摂取する人はコーヒーや紅茶を飲むことでシャキっとすると感じているが、実際にはカフェイン離脱症状である疲労感などを打ち消しているだけであり、「通常レベルより覚醒した状態」を得ているわけではないとのことだ。

この研究ではカフェイン摂取量の低い (もしくは摂取しない) 被験者とカフェイン摂取量が中〜高程度の被験者からなる 379 名を対象に実験を行った。カフェインを 16 時間断った後、被験者にカフェインもしくはプラセボを与えたところ、カフェインを摂取した「通常のカフェイン摂取量中〜高程度のグループ」とプラセボを摂取した「通常のカフェイン摂取量の低い (もしくは摂取しない)」グループとの間に覚醒状態の差は確認できなかったという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • #えーと、まず「カフェイン中毒じゃなくカフェイン依存と呼べ。話はそれからだ」

    ここらへん説明がややこしいし、まだ判ってないところも多いんだけどなぁ…でもまぁ、一言で言うと表題に書いた通りです。
    正直言うと、ロイターとは言えど「一般報道」のレベルなので、書かれてる内容は、過去にあったいろんな話がごちゃまぜに混同されてて正しくありません。

    #ただでさえ最近はカナダやニュージーランドで(主に子供のエナジードリンク使用を問題にした)カフェイン摂取規制の動きが進んでてややこしくなってるところ、これまた面倒というか迷惑と言うか……


    まず、カフェインの脳(=中枢神経系)への作用は、大きく「中枢神経興奮作用」とか「覚醒作用」とか呼ばれますが、細かく言うと、(1)眠気の軽減、(2)周囲への注意力の喚起、(3)精神疲労の低減、(4)心理的ストレスの低減、という要素が組み合わさってます。その結果として「(こないだコクラン [nih.gov]にも出たように)作業中の事故や間違いを減らす」とか「夜間の長距離ドライブでの注意力を向上する」とか「内田クレペリンテストの成績を上げる」、というようなことにつながります。

    これらの作用メカニズムについてはいずれも、脳にあるアデノシンA1A受容体とA2受容体を、カフェインが阻害することによります。ただ、これらの受容体が互いに相互作用して調節しており、その分子メカニズムの全容は複雑でまだよく判ってはいません。


    次に、「耐性がつくか」については、以前もコメント [srad.jp]しました。昔は教科書などでも、カフェインの中枢作用については「耐性は生じない」と説明されてました。しかし最近、A1A受容体については組織耐性が生じることが報告されています。ただ、A2受容体については耐性を生じず、おそらくはA2受容体単独でも「眠気」「精神疲労」の低減や「注意力の喚起」には十分な作用があるので、「全体に見ると耐性にはならない(ただし部分的には見られるかも)」ということです。今回の報道は、このうちA1Aに対する耐性だけを取り上げてて説明してるわけです。

    #ただし、不安感などの副作用についてはA1Aの方が優位だと言われてますので、今回のロイターの報告で「不安感」に対し耐性がついてるのは、まぁうなずける部分。


    それから次に、「離脱症状」との関係についてですが、これを「カフェインの作用」でひとまとめに語ってるのが、今回の報道の最大の落し穴でして。
    まず「眠気」「精神疲労」の低減、「注意力の喚起」については、これはカフェイン依存状態かどうかに関わらず、薬理作用として認められることが判ってます(何より、これまで一滴のカフェインを投与してないハツカネズミでも見られる作用でもある)。
    その一方で、主に「心理的ストレスの低減」と関係する作用と考えられてるのですが、「カフェインの摂取によって『前向きな気分』(positive mood)になる」効果については、議論が続いてました。カフェインを常用していない健康な人を対象にした調査ではこの効果はほとんど認められず、カフェイン離脱の症状として「落ち込んだ気分」(negative mood)になる、ということも知られていたので、「positive moodになるのは、単にカフェイン離脱症状が解消されただけではないのか」と指摘されてました。ロイターの報道は、このことを指してます。

    ところが、この指摘に対する反証が近年いくつか(その1 [nih.gov] 2 [nih.gov])、ヒトでの介入試験の結果から既に出ています。これらの実験では、確かに「カフェインを常用していない『正常な状態にある』人」ではあまり効果はなかったのだけど、「カフェインを常用していない『疲労した状態にある』人」では、カフェインの効果が認められてます。つまりpositive moodになるのは、カフェイン離脱症状の場合ではなく「疲労した、あるいはnegative moodにある場合」に見られる効果だった、ということです。

    こっから先は勝手な推測ですが。元々アデノシン受容体を介する中枢作用は、アデノシン受容体がドパミン受容体に対して調節的に働くことで、カフェインがドパミン神経系を「間接的に」興奮させることによるものだと考えられてます。アンフェタミンやコカインなどのいわゆる「覚せい剤」や「ドラッグ」では、モノアミン取り込み阻害などによってドパミン神経系を「直接的に」興奮させるわけですが、この部分の分子メカニズムの違いが持つ意味が大きいのだろう、と。
    後者に見られる「直接の刺激」では、「疲れてる人はそれなりに、普通の人はより『ハイな気分』に」してしまい、いわゆる「精神毒性」が強くなり、規制の必要が大きい。
    これに対してカフェインに見られる「間接的な刺激」の場合(おそらくはアデノシン受容体同士の拮抗作用も関係してるだろうけど)、「疲れてる人はそれなりに」の効果しかないのだろうと。このことが、これまでカフェインが、時折いわゆる「ドラッグ」の仲間と同一視されながらも、その薬物依存が社会問題になることがなかった理由なのではないかと考えてます。
  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 12時40分 (#1774632)
    締切りで忙しかった時に、合法的ドーピング剤を探していて無水カフェイン錠剤にたどり着きましたが、
    1日の許容摂取量分一度に飲んでもなにも変化が得られなかったのでカフェイン中毒に気がつきました。
    #そのあとすぐ寝てしまったし…。

    試しにカフェイン絶ちしてみると、ものすごい離脱症状が襲って来ました。
    コーヒーは嫌いなのでそんなはずは無いと思ったのですが、
    生活態度を振り返って見ると、緑茶を1日数Lも飲んでいました。

    そのあとデカフェブームが起きたのですが、結局戻ってしまった。
  • by Celeborn (24673) on 2010年06月04日 12時18分 (#1774608)

    カフェインの効果はすぐに抜けてそのあとの離脱症状の方が大きいくらいです。

    今はこれ [housefoods.jp]くらいの刺激は欲しいかも
    # 見ただけで糖尿病になりそうな珈琲味のシロップよりは効きます

    なんだかんだ云ったところで夜中にちゃんと睡眠を摂るのが一番いいんですけどね

  • 食事やおやつの時に緑茶を飲むのって、昔から一般的ですよね。
    実家では一日に4~5杯くらい飲んでいたりします。
    そして緑茶はコーヒーよりカフェインが多いと言われていたりしますよね。
    毎日カフェイン飲料を摂取する日本人はカフェイン慣れしている人が多いことになるのでしょうか?

    #徹夜やデスマ期間等の燃料補給が日常の方々は別格として。

    --

    ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 11時41分 (#1774572)

    カフェインが切れると落ちます。

    • by Anonymous Coward
      自己申告を集計してもねえ。

      脳波を測定するとかせんかいと言いたい。

      ##チェックを外すのがめんどいのでACで。:-)
    • by Anonymous Coward
      それはカフェイン中毒の状態だからであって、適切な治療を受けて普段はカフェインの摂取しない状態になれば、
      「通常状態まで回復する」ためにカフェインを摂取する必要がなくなるんですよ。
      • by Anonymous Coward

        どのくらいの時間覚醒状態を維持できるかの方が大事ですね。
        私の場合、カフェインを摂取していれば 5.5h 睡眠でなんとかなりますが、
        カフェイン抜きだと 9h は眠りますので社会生活が成り立ちません。

      • by Anonymous Coward
        そのまえに十分な睡眠時間を取らせろってことだと思うw
  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 11時45分 (#1774574)

    だって時間は有限なんだもの

  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 11時46分 (#1774575)
    毒物を飲み物だと思って飲むと脳が壊れる
    • by orcinus (28475) on 2010年06月04日 12時01分 (#1774590)

      カフェインは、アルカロイドの一種であり、アルカロイドには毒性を有するものが多数存在することが知られている。
      一例として、トリカブトに含まれるアコニチン、モルヒネ、コカイン、テトロドトキシンなど枚挙に暇がない。
      カフェインも例に漏れず、脳神経系に作用する。一種の神経毒とみなしても過言ではない。
      あなたが健康になりたいのなら、今すぐカフェインの摂取を止めるべきだろう。

      #というネタ。Wikipedia見ておおげさに書いてみた。カフェイン中毒者より。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 11時47分 (#1774578)
    損してるよね
    • by reo (4042) on 2010年06月04日 11時53分 (#1774582) 日記

      仕事場に来ると、コーヒープレスでとりあえず 1L ぐらい入れて 2 〜 3 人で飲んでいます。一日あたりだいたいカップで 3 杯ほど。覚醒するためという感じではなく、単に嗜好品としてなのですが、部門名にも書いた通り、これは既に中毒の域なのでしょうか。休日とか仕事場に来ない時は家ではあんまり飲みませんし。

      真に中毒な人の状況というのを見てみたい気がします。自席にコーヒーメーカー常備で一人で 2L とか飲んだり、しまいには豆ごと食べたりするんでしょうか。涎を垂らしながら。

      --
      Hiroki (REO) Kashiwazaki
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 13時27分 (#1774669)
      ニコチン中毒者は「たばこを吸うと気分が落ち着く。沈静作用がある」という人が
      少なくないですが、それって離脱症状がニコチン摂取により落ち着くだけだよね。

      健常者がたばこの煙にさらされると、心拍数・血圧上昇するし、息苦しい。
      まともに吸うと気分が悪くなる。

      それと似たような話なんでしょうか。

      でもカフェイン中毒はニコチン中毒と違って、健常者を巻き込んで、意思に反して
      その薬物を摂取させたり、悪臭を嗅がせたりすることが無い分ましかな。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 11時56分 (#1774586)

    マンガかラノベで「カフェイン中毒」って見て以来、釘宮病と同類のジョークだろうと思っていたけど実在する病気だったのか

  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 12時04分 (#1774593)

    濃いやつを飲むと眠くなるようになった。
    ただし、寝れない。
    眠いのに似てるけど、寝れない。
    眩暈もする。

  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 12時13分 (#1774603)
    なのですが、コーヒーゼリーはデザートとして年に数回食べます。
    ただ、これがものすご~く効くんですよね。
    食べるなら昼食時を最後のチャンスにしておかないと…
    夕方に食べようものなら、翌朝まで眠れません。

    素のコーヒーとの厳密な対比はしたことありませんが
    コーヒーゼリーのほうが覚醒効果が高いのでは?と思っています。
    • 単に普段コーヒーを飲まない分、カフェインへの耐性が低く、影響が大きく出ているだけじゃないのかなあ?
      あなたがコーヒー飲んでも同じ症状に陥るのならその通り。
      コーヒーでは覚醒効果は認められないor他のカフェイン含有物(緑茶とか)はガンガン飲んでるとかいうなら、一考に価するのだけれど。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      あなたが普段何を飲んでるのか気になる。

  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 13時00分 (#1774647)

    苦いのが苦手でほとんどコーヒーをのみませんが、(自ら選択してコーヒーを選ぶことは、まずない)
    眠くて仕方がない時に、
    いままではお茶を飲んでも少しだけしか目ざめませんでしたが
    ある時たまたまもらった缶コーヒーを飲んだら、
    お茶の方がカフェイン多いとおもってたのに、すっごく目がさめました。
    単純にカフェインの量だけきまるんでしょうか?

    それから必要な時に、目覚める薬としてコーヒーのんでます。でも、苦いです、まずいです、にがい薬みたいです。

    • コーヒーに含まれる不純物がカフェインの作用を強めるため、
      カフェイン単体で摂取するよりコーヒーとして摂取する方が強く利きます。

      なお、お茶もコーヒーも溶媒(お湯)に溶け出すカフェインの量は同程度です。
      (カフェインの含有量は茶葉の方が多いが抽出される割合が低いため)
      --
      notice : I ignore an anonymous contribution.
      親コメント
      • by y_tambe (8218) on 2010年06月04日 13時30分 (#1774672) ホームページ 日記
        えーと、その辺りももちろん無関係ではないのですが、要因としては小さめです。いちばん大きな理由は、いれるときに使用する「コーヒー豆」と「茶葉」、それぞれの量の問題です。

        緑茶や紅茶では、1杯あたりの茶葉の使用量は3g前後ですが、コーヒーではコーヒー豆12g前後。1gあたりのカフェイン含量は茶葉の方が多いのですが、1杯あたりになると、量を沢山使うコーヒーの方が多くなります。

        どちらも、1杯あたりのカフェイン量にはかなりのばらつきがありますが、概ね1杯150mlとすると、コーヒーは80〜120 mg(平均100 mg)、紅茶は60〜80 mg(平均70 mg)、それ以外の緑茶やウーロン茶は種類によっても変わりますが15〜50 mg程度(手前味噌ですが、参考 [google.com])ということで。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      そんなあなたに「MAXコーヒー」!

      #北関東限定だったなんて思わなかったあの日...
  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 13時37分 (#1774676)

    あらゆる物にカフェインフリーを謳っている物があってビックリします。
    そんなに嫌わなくてもいいのにね…

  • by Anonymous Coward on 2010年06月04日 16時53分 (#1774765)

    コーヒーに限定して言えば、真に危険なのはカフェインじゃないだろう
    さらに極めて強い中毒性や数々の危険性を持つ溶媒DHMOが大量に…
    #これはきっとDHMOメーカーによるスケープゴートキャンペーン

  • by Anonymous Coward on 2010年06月05日 6時16分 (#1775014)

    唐辛子の辛味成分であるカプサイシンもあるね。
    あれもアルカノイドの一種なのかな?

    食べなれていると、ハバネロはともかく、ハラペーニョ程度ならどうってことはないし、牛丼に七味を蓋を開けて流し込むくらい掛けないとって感じだけど、しばらく辛いの食べてないと、万願寺とうがらしでさえ辛いって思う。

    覚醒を狙うなら、カフェインとカプサイシンを掛け合わせた飲み物とかどうだろう。

    • by Anonymous Coward

      > 唐辛子の辛味成分であるカプサイシンもあるね。
      > あれもアルカノイドの一種なのかな?

      アルカノイドだけに利便痔オブDOHに

typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

読み込み中...