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第 114 番原子の追加、まもなく ? 29

ストーリー by reo
うんたんっていうラテン語はないですか 部門より

原子番号第 114 番元素 (暫定名: ウンウンクアジウム) が周期表に追加される見込みとのこと (New Scientist の記事) 。

第 114 番元素は 1999 年にロシアのドゥブナ合同原子核研究所で確認されていたが、これまで追試で確認されていなかった。昨年 9 月にカリフォルニアの ローレンス・バークレー国立研究所 の研究者らが追試に成功し (doi:10.1103/PhysRevLett.103.132502) 、今月にはドイツの重イオン研究所の研究者らが同様に成功した (doi:10.1103/PhysRevLett.104.252701) 。これらの結果を受けて IUPAC の委員会は正式な追加に向けて動いており、まもなく結論が出るらしい。

陽子数 20 のカルシウムと陽子数 94 のプルトニウムを加速器で衝突させる方法で生成する方法。昨年のローレンス・バークレー研は 2 個の第 114 番元素を確認したが、今月の重イオン研の結果では 13 個を確認。うち 12 個は数十分の 1 秒でより軽い原子に崩壊したが、残る 1 つは 3.6 秒間存在したという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 崩壊モードの違いと相対論効果を考えても、なんか妙に長いですね

    中性子がちょっとだけ多くてマジックナンバーになった...わけはないと思うのですが

    # こういう、ちょっとした謎から大きな発見があったりするのかも

    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
    • 訳がおかしい (スコア:5, 参考になる)

      by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年06月25日 13時05分 (#1785449) 日記

      ドイツのグループのPRLの論文を眺めてみたところ,寿命はもっと長そう.
      で,タレコミ文が参考にしていると思しきNew Scientistの記事を見てみてようやく納得.

      原文:just a few tenths of a second
      タレコミ文:数十分の一秒

      ここが問題ですね.a few tenthsは数十分の一ではなく,十分の一が数個分,つまり1秒弱から数分の1秒程度を指します.これを誤読したのでしょう.
      #a few(いくつか)/tenths(数十)ではなく,(1 / tenth)がa few個,という構造です.

      なぜかtenthsの場合は誤解する人が多いのですが,例えば2/5だって英語で書けばtwo-fifthsなわけで,単に複数形のsが分母側(後の語側)に付いているだけです.

      論文中で出てきている崩壊時間は0.2から3.6秒程度ですので,まあこのぐらいは誤差の範囲でしょう.
      (ランダム性由来の分だけで1桁ぐらいの幅は出る)

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      後に、不安の島と改名されることとなる
    • by Anonymous Coward

      「俺が残る!」
      「いや俺が残る!」
      「…じゃあ俺も」
      「どうぞどうぞ」
      みたいな感じ

  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 10時44分 (#1785365)
    命名まだ~
    おねがいだからサイタミウムだけはやめて
    • by Anonymous Coward
      ノヨリウムらしいですよ
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 11時01分 (#1785370)
    >うんたんっていうラテン語はないですか部門

    ラテン語で「1、1つの」を意味します。

    #それは「雲丹」
    • Re:部門名 (スコア:5, 興味深い)

      by sandakoru0319 (40318) on 2010年06月25日 11時48分 (#1785387)
      元素の系統名は、ラテン語とギリシャ語の語幹から作られているわけで
      例 unum(中性) -> un
      類似の規則により、tantum(only)を tan と省略することにすると
      「世界は究極的には、ただ一つの要素から出来ている」ということを
      かつて、ラテン語で示していた表現 unum tantum から
      Untan を導くことが出来ます。
      つまり「うんたん」は、世界の究極的構成要素がただ一つであることを示すラテン語であると考えられます。
      親コメント
      • Re:部門名 (スコア:2, 興味深い)

        by Anonymous Coward on 2010年06月25日 11時55分 (#1785394)

        つまりあの歌は「世界は唯一の要素でできている」って歌っているのか。
        “唯”が歌うにはふさわしい歌詞だな。

        親コメント
        • by Anonymous Coward
          単音で音階もないカスタネットにもふさわしい。
          • by Anonymous Coward
            ブブゼラでもよさそう
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 12時11分 (#1785409)

    >昨年のローレンス・バークレー研は 2 個の第 114 番元素を確認したが、

    寿命が短い原子を2個とかごく少ないのをどうやって観測するの?
    軌跡から、質量を逆算するの?

    • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年06月25日 13時20分 (#1785464) 日記

      通常,この手の短寿命種は崩壊から逆算します.

      まず発生させた原子を検出器に電磁場で誘導して導入します.ここで質量選別もかけて(要は普通の質量分析装置と似たようなもので,四重極やら八重極電極やらリフレクトロンやらで選別します)余計な原子が混ざらないようにします.寿命が短すぎる原子はここで崩壊してしまうので測定できません.

      検出器中に打ち込まれた原子はそこでトラップされ,次々に崩壊していきます.この際に発生するα線,β線等はトラップ位置周囲の検出器で全て検出され,どのタイミングでαやβ崩壊が起こったのか,またその時出てくる放射線のエネルギーはどのぐらいか,などが記録されます.

      そのうち,崩壊の起こるタイミング&出てくる粒子のエネルギーが,既知の元素と一致するようになります.これは,未知の原子が崩壊を重ね,ついに既知の元素にたどり着いたことを意味します.

      そこで,この既知の元素から,記録されたαやらβやらの崩壊の逆過程で上っていく事で,発生した元素を推定します.
      例えば一回α崩壊を起こすと原子番号は2つ,質量は4つ減りますから,未知の元素が一度α崩壊して既知の元素Aになったとすれば,この未知の元素はAより原子番号が2つ大きくて質量が4つ大きい原子なんだな,とわかります.

      こんな感じの話が確か113番元素見つけたときにあったよなあ,と検索して出てきたのがこれ.

      http://wwwndc.jaea.go.jp/JNDC/ND-news/pdf87/No87-12.pdf [jaea.go.jp]

      中盤以降に実験関連の話が載っています.

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 12時12分 (#1785410)
    ウンウンキレジウム
  • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 12時48分 (#1785436)
    ウンウンペンチウムがUFOの燃料であるという伝説がありましたね。
    • by Anonymous Coward

      >ウンウンペンチウムがUFOの燃料であるという伝説がありましたね。

      ありましたねえ。
      しかしWikipedia [wikipedia.org]によれば、ソレは116番だとあります。

      #でもTVでボブ・ラザーは「エレメント115」って言ってた覚えがあるんだけどなー

      • by Anonymous Coward on 2010年06月25日 13時55分 (#1785495)

        >その説によると、核子を打ち込むことにより、ウンウンヘキシウムは他の元素からステップアップさせることで発生し、
        >ウンウンヘキシウムが崩壊することで反物質を産むというものであった。

        この「他の元素」という部分が115に相当してたはずです。(115 -> 116 -> 崩壊 -> 対生成 -> 対消滅)
        なんで、115ではなく116にこの話を載せたのかは、よくわかりませんが。

        親コメント
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