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陽子の大きさは想定よりも小さかった、かもしれない? 57

ストーリー by reo
陽子と言えば南野 部門より

insiderman 曰く、

陽子の大きさが想定されていたものよりも小さいということが分かったそうだ (ギズモード・ジャパンの記事doi:10.1038/nature09250Nature News の記事より) 。

素粒子に関する専門的な知識がまったくないタレコミ子には何を言っているのかちんぷんかんぷんなのだが、高エネルギー加速器研究機構/東京大学数物連携宇宙研究機構 (IPMU) の野尻氏が自身のブログでこの件について述べている (氏のブログ記事) 。また、Twitter でもあれこれつぶやきが交わされている (Togetter まとめ) 。

これらによると、結局のところ実験で計った結果と理論上の計算結果の値が違っていて、これは理論上の陽子の大きさが実際とは異なるのが原因ではないか、という話のようだ。ただし、理論的な計算は非常に難しい上に誤差も考えられるため、本当に陽子の大きさが今まで考えられてたものよりも小さいかはまだ検証の余地がある、という段階のようだ。

なお、素粒子実験に関する「発見」の困難さについては同じく野尻氏のブログ記事「タコのパウルと素粒子実験」が興味深い。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 陽子の質量 (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2010年07月14日 12時53分 (#1794981)

    > 陽子と言えば南野部門より

    6月27日の「南野陽子 Beauty Book」の発売イベントの記事 [daily.co.jp]によると、

    トーク法の紹介や、アイドル時代はトップシークレットだった体重も公開しているとあって、「レディーストークなので、男性陣は読まないで!!男性陣は買うだけ買って、飾っといて下さい」とむちゃなリクエスト。

    とのこと。

    陽子の質量は想定よりも重かったかもしれない。

  • 流し読み (スコア:5, 参考になる)

    by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年07月14日 13時45分 (#1795017) 日記
    プロトンの基本的な性質(電荷、質量等)を正確に測定するのは、理論の検証などの面から超重要.
    (理論的に計算した値とつきあわせることで,理論の正しさなどが検証できる)

    ラムシフト(低次の近似ではエネルギーの等しくなる2sと2pの準位が量子電磁力学(Quantum ElectroDynamics:QED)的な補正項により微妙にエネルギーがずれる現象)には陽子の大きさ(的なもの)に依存する項があるから,ラムシフトを正確に測定することで大きさ(的なもの)の情報を得ることが出来る.

    通常の水素原子に比べ,ミューオン水素(水素原子の電子の代わりに,ミューオン(電子の世代違いで,質量が200倍ほどな事以外は電子と同じ性質の素粒子)がプロトンの周りを回っている原子)を使った方が,質量が大きいためプロトンに近いところを回ってることにより効果が大きく見えるだろう.

    だからミューオン水素の分光でラムシフトを測定し,QEDでの計算結果と比較.

    そうしたら微妙にずれていた.

    可能性としては,

    ・計算のもととなっている過去の実験結果の誤差
    ・計算に入れていない高次補正項の効果
    (この辺の計算は非常に複雑かつ解析的に解けないので,適当な次数までの摂動計算ぐらいしかできない.得られる計算結果は厳密解ではないので,高次の項が効いてくるような現象ではもととなる理論が正しくとも計算の打ち切りの効果で結果にずれが生じる)
    ・実はQEDの不完全さが見えている

    とかが考えられるね ←今ここ

    とかそんな感じで.
    可能性としては高次補正項とかその辺が大きい(ミューオン使ったことで高次項が見えやすくなった)けど,万一QEDとかが違ってたら面白いよね(多分そんなことはないけど),とかそんな感じかと.

    以下余談.
    背景としてはいろいろありますが,
    1. QEDはどこまで正しいのか?
    2. 計算手法はどの程度妥当性があるのか?
    といったものがあります.

    まず1に関してですが,QEDはその定量性も含め凄まじい精度で検証されており,今のところ物理理論の中で最も精度良く検証されている理論です.しかしながらQEDが完全な理論でないというのは多くの人の認めるところでもあります.それはQEDが電磁気力を扱うものであり(電弱理論によりさらに弱い力が統一されます),世界の基本となる残り二つ,核内の強い力と重力とが同じ理論の一部としては統一できていないからです.
    不完全な理論であることから,物理学者はQEDがどこかで現実世界からずれてくるのではないか,という期待を持っています.理論物理学者の多くが信念として持っている(まあ,必ずしも正しいとは限らないのですが,今のところ正しいと考えても良さそうな雰囲気の漂っている)「4つの基本的な力がある一つの理論で説明できる」(4つあるように見えるけど,ある一つのものの違う側面が現れているだけである),という観点に立てば,電磁気的な相互作用であっても,他の力と関係する影響が微妙には存在しても良いはずです.そのため,精度をぐんぐん上げながらどこかで理論と実験がずれる日を心待ちにしているわけです.
    これは過去の多くの物理の発見がそうであったように,新しい・より上位の完成された理論は,古い理論が破綻して現実とずれてくる,そういう発見に始まるためです.
    (理論と現実がずれると言うことは理論がどこかおかしいと言うことだから,実験結果を説明できる新しい理論が必要になる.勘違いされることも多々ありますが,実は物理学者は,理論に合わない(実験上のミスではない)実験結果が大好きです)

    一方2に関してですが,最近の理論はごちゃごちゃしているうえに,きっちりと正確な結果が算出できるものなどほとんどありません.ほぼ全ては,何らかの仮定をおいて計算量を減らしたり,適当な次数で近似を打ち切ったりした暫定的な値です.ここで問題になるのは,果たしてこういった計算手法が正しいのか否か,という点です.それを検証するために,非常に基本的な系で実験を行った結果と,ある簡略化した手法で計算した結果をつきあわせて,その簡略化の妥当性を検討します.そうしてある程度妥当性があると思えるようになれば,その手法をもうちょっと複雑な系に適用して欲しい答えを算出する,というようなことになります.そのため,どういったときにその計算法がずれてくるのか,とか,そもそも正確に計算できているのか,などの検証は常に続けられることとなります.
  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 15時58分 (#1795103)
    編集者さんは、なんかすごい記事を見つけちゃったよ、みんなに知らせなくちゃという気持ちなんでしょうが、

    陽子の大きさを求める際、別のファクターを考慮したら、今までの理論と比べて小さくなったよ。
    ということだけなんですが、このファクターを考慮すること自体が正しいのか、仮に正しいとしても、
    計算結果は正しいのかということが、今後、多くの研究者によって検証されることになるんでしょうね。
    ただ、こういったことって、物理の世界じゃ日常茶飯事なんですけどね。

    この論文を読んで思ったのは、新たなファクターを追加したところで、今の標準理論とのずれが
    ほとんど無いというところが、見所だったりして。

    確か、物理定数の値の見直し(CODATA調整値)がもうそろそろ行われるので、変更になったら、
    理論の変更なしでも、こんぐらいの誤差が出たりするのかな。
    • by Anonymous Coward
      編集者もそうかもしれませんが、まずはタレこみ主では?
    • by Anonymous Coward

      センセーショナルな感じにしておかないと

      「100兆分の3ミリ小さいと駄目なんですか?」

      って言われちゃうじゃないですか。
      わからない人にもスゲーって思わせるようにしとかないと。

  • by PEEK (27419) on 2010年07月14日 13時13分 (#1794997) 日記

    ようこのようは太陽のよう!

    #ようこのようはひらがなよ、というのもあったっけ。

    --
    らじゃったのだ
  • どうなるんです?
    体重を求める計算式とか変わったりします?

  • by ken2 (27347) on 2010年07月14日 15時57分 (#1795101)

    ミューオンがでかかった! ってことだったりして。
    レプトンに内部構造はないとされてるけど、実は、とか。

  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 13時05分 (#1794992)
    検証の予知
  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 13時14分 (#1794999)
    何か?
  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 13時48分 (#1795023)
    マクロなスケールで見ると大きさって測れるけど、よくみるとスッカスカの空間に分子の粒が均等に並んでいるだけだし、原子も陽子と中性の周りのスッカスカの空間を電子が回っているだけだし、陽子までいくとよくわからないんですが、大きさの定義ってなんですかね?ポテンシャルが一定の閾値を超えるライン? 存在確率が閾値以上の空間?
  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 14時16分 (#1795038)
    × まだ検証の予知がある
    ○ まだ検証の余地がある
  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 15時13分 (#1795076)
    過去形になってるから
    今と(大)昔とで陽子の大きさが違っていたっ!
    っていうとんでも発見だと思った。
  • by Anonymous Coward on 2010年07月14日 19時07分 (#1795229)

    陽子や中性子などの核子同士、あるいは核子と電子や光子などを
    高エネルギーで衝突させる実験では核子の「形状因子」を調べる。

    形状因子とは
    「こういうエネルギーで粒子同士を衝突させた時、この相互作用で見たら
     粒子はこういう形に見えてるとみなせる」
    という粒子の構造(構成要素の分布)を表す関数。
    大ざっぱにいって、高エネルギー現象ほど粒子の内部構造が見えてくる。

    量子色力学で核子の構造を計算するのは非常に困難なので
    理論で正確に陽子の状態を予測するのは当分無理だろう。
    現象論なら当然つぎはぎ。実験と比較してズレを見つけ、修正していくのは当たり前だね

  • by Anonymous Coward on 2010年07月15日 10時37分 (#1795495)

    その差分は、ミノフスキー粒子が関係しているはず。

    そういえば、陽子ちゃんとと中性子ちゃんとで「原子核アタック」なんてのもあったな。

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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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