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今年のノーベル物理学賞、グラフェンの分離に成功した研究者が受賞 15

ストーリー by hylom
グラフェンがどんなものかは関連記事をどうぞ 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

10月5日、スウェーデン王立科学アカデミーが今年のノーベル物理学賞受賞者を発表した。今年の物理学賞受賞者は、グラフェンの分離に成功し、さまざまな性質を発見した英マンチェスター大のアンドレ・ガイム教授(51)と共同研究者のコンスタンチン・ノボセロフ教授(36)となった(読売新聞)。

グラフェンは炭素原子が六角形の亀甲状に並ぶ、という構造の物質で、ガイム氏らはグラファイト(黒鉛)に粘着テープを貼っては剥がす、という作業でグラフェンを分離、さまざまな有用な性質を持つことを実証した。グラフェンは非常に安定している上に硬く、また電子移動速度が速いといった性質を備えており、現在では非常に注目されている物質となっている。

なお、ガイム教授は2000年にイグノーベル賞を受賞しているとのことで、ノーベル賞とイグノーベル賞の両方を受賞するという史上初の快挙を成し遂げている。

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  • 早すぎる (スコア:3, 参考になる)

    by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年10月06日 19時11分 (#1836253) 日記

    いや,グラフェン自体は面白い物質ですし,基板上でCVD使って作るしかなかったグラフェンを簡単に作って見せたってのは確かに研究としては素晴らしいのですが,ノーベル賞かって言うとなんだか違和感が.
    今後グラフェンの研究から派生して一大研究分野ができるとか,何らかのすごい使い道が,というところまで行ってからの受賞なら納得ができるんですが,

    グラフェンの単離に成功 → 面白そうだからみんな研究しようぜ!(現状)

    というレベルでの受賞は早いんじゃないかなあと.

    ブラッグのX線回折みたいに「明らかに今後凄いことになる」って見えるんなら話は別なんですが,グラフェンはまだ海のものとも山のものともつかない状況ですし……

    • by NOBAX (21937) on 2010年10月06日 21時01分 (#1836313)
      >面白そうだからみんな研究しようぜ!(現状)
      という状況ではないと思いますよ。

      カーボン・ナノチューブとグラフェン,突き抜けた物性をデバイス開発に生かす [nikkeibp.co.jp]
      みたいだし、
      グラフェンや量子ドットを活用,次世代デバイス,応物学会で続々 [nikkeibp.co.jp]
      なんで、旬なんでしょう。
      飯島さんにも、あげればよかったのにとは思いますが。
      親コメント
      • Re:早すぎる (スコア:4, 参考になる)

        by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年10月06日 21時27分 (#1836326) 日記

        >という状況ではないと思いますよ。

        いえ,ちょうど現在みんなが飛びついたところです.
        ちょっと前のナノチューブみたいなもんです.
        #……というか,ナノチューブで行き詰まった人々も多数参入しています.

        と,自分のコメントを読み返してみたら書き方が悪いですね.

        >面白そうだからみんな研究しようぜ!(現状)

        って書きましたが,これは
        「面白そうだからみんな研究しようぜ!」で今に至る
        とかそういう書き方の方が良かったかも.

        状況は当時のナノチューブと全く一緒で,

        新しい物質系が出た → 飛びついていろいろ測定 → とりあえずいろいろ物性が出る

        というところまで来ただけです.
        当時はナノチューブも,高い熱伝導性が出た,電子の状態がワイル方程式で書けて面白い,高い易動度が出た,凄い光学特性が,化学的安定性を生かしてナノデバイスとして云々,といろいろ発表がなされ,「今後の微細電子素子を担うのはナノチューブだ!」と勇ましいことまで言われたわけですが,結局行き詰まって撤収しつつあります.
        #ナノチューブに関しては,(先日飯島先生も愚痴っておりましたが)ほとんどの企業が撤退してしまいましたしね.
        #そういう意味ではフラーレンも同じなのですが,あちらは「炭素で斬新な物質系ができる」というパラダイムシフトを起こしたんでまあありかと.

        現状ではグラフェンも全く同じで,ディラックコーンに由来する面白い特性が出た,高い易動度が出た,高い化学的安定性を生かして電極材料に,シリコンデバイスを代替するのはグラフェンだ云々と,まあ大勢飛びついていろいろ言っている状況です.が,本当にこれがそういったデバイスにまで発展するのか,発展しないにしても面白い物理系が開けるのか,に関してはまだ何ともいえない状況なんですよ.
        #いえ,私自身過去に日記で取り上げているように,グラフェン関連で面白い研究はいくつもあるんですよ?(1 [srad.jp],2 [srad.jp],3 [srad.jp],4 [srad.jp])
        #ただ,それが新しい一分野と呼べるものにはまだなっておらず,既存の固体物理/表面科学の研究対象を変えただけにとどまっているだけで.

        そういう観点からすると,

        >飯島さんにも、あげればよかったのにとは思いますが。

        というよりは,むしろまだどちらも授与には値しないんじゃない?というふうに感じられるんですよね.
        もちろん,今後凄い分野に発展する可能性は秘めています.が,それを見定めてからでもいいんじゃないかと.

        親コメント
        • 確かに、今年の物理学賞はなんだか先走り感がありますよねぇ。
          基本的にグラフェンはまだ、CNTの延長でみんなで面白がってるだけという印象なので。

          そもそもノーベル物理学賞って、「え、今さら??」ってむしろ逆に遅すぎる人にあげる感がありますしね。2000年のノーベル物理学賞なんて、「集積回路(IC)の発明」ですからな。
          (ノーベル賞は他界された方は対象外なので、「お墓に入りそうな人から優先的にあげてるんだ」とか揶揄する口の悪い人も……)
          親コメント
          • Re:早すぎる (スコア:3, おもしろおかしい)

            by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年10月06日 22時03分 (#1836349) 日記

            >「お墓に入りそうな人から優先的にあげてるんだ」とか揶揄する口の悪い人も……

            「あのテーマは絞っても4人居るからな.誰か死んだら授賞式だ」とか言う先生も.
            ……実際に推薦とかその後の調査とかに参加してる人だから,冗談に聞こえないのが怖いところ.いえ,冗談なんですけどね.……冗談だと思いますよ?

            親コメント
    • これでこの先, 面白い成果が出てこなかったら, 低次元物性全般が対象外になっちゃうなんてことも.

      親コメント
  • セロハンテープで作ったというのがスゴイ、
    脱毛か
    って書いていたら、

    ノーベル化学賞ゲット来た。
  • nano tube [aist.go.jp]は残念でした。
    でも、衝(笑)撃度はGecko Tapeのほうが上だと思うの(動画 [vimeo.com])。トカゲといいカエルと言い(動画 [youtube.com])好き物だわね。
  • by Anonymous Coward on 2010年10月06日 18時37分 (#1836226)

    ノーベル財団認めているということは単に「論文の共著者だた!」だけじゃない貢献だったということでしょう。
    30代でこれだけの成果おさめているというのに、おれらときたらorz

  • by Anonymous Coward on 2010年10月06日 18時43分 (#1836229)
    紙一重どころか両取りですか
  • by Anonymous Coward on 2010年10月07日 17時24分 (#1836775)
    T/O
    • by Anonymous Coward

      経営がやばいと噂され続けている毎日新聞がとうとう読売新聞に救済合併されたのかと思った(誤

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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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