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宇宙

37 億年以内に、50 % の確率で宇宙および時間が消滅する 98

ストーリー by reo
何を買い占めればいいんです ? 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

日米の研究者グループが 37 億年以内に宇宙および時間が消滅する可能性があると発表した (AFPBB News の記事より) 。

これまで科学者たちは「宇宙が膨張を続けており、今後も無限の時間膨張を続ける」としていたが、研究者グループは「物理学の法則に従えば『永久インフレーションを続ける宇宙』は説明できない」とのこと。

他にも色々記事内に難しい説明があることもあり、流し読み程度ではなかなか内容を理解することは難しいかと思われる(タレコミ人もまだ頭がぼーっとなっています)が、なかなか興味深い話である。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • いいニュース (スコア:5, おもしろおかしい)

    by ikotom (20155) on 2010年10月18日 13時34分 (#1842618)

    よかった、50%の確立で time64_t の5800億年問題は発生しないんだね。
    # えーと、64bitだと約5800億年であってるよね・・・

  • そりゃ、まぁ、地球滅亡の危機の時には自転車のチューブを買い占めるのが古来よりの(ry

  • 不老不死の俺ピンチ! (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2010年10月18日 13時20分 (#1842602)
    T/O
  • 元ネタ? (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2010年10月18日 14時00分 (#1842641)

    http://xxx.yukawa.kyoto-u.ac.jp/abs/1009.4698 [kyoto-u.ac.jp]

    arXiv:1009.4698
    "Eternal inflation predicts that time will end"
    Raphael Bousso, Ben Freivogel, Stefan Leichenauer, Vladimir Rosenhaus

    Present treatments of eternal inflation regulate infinities by imposing a geometric cutoff. We point out that some matter systems reach the cutoff in finite time. This implies a nonzero probability for a novel type of catastrophe. According to the most successful measure proposals, our galaxy is likely to encounter the cutoff within the next 5 billion years.

    • それですね (スコア:5, 参考になる)

      by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年10月18日 15時05分 (#1842690) 日記

      あと,タレコミにある「日米の研究グループ」ってのはちょっと変.メインの著者のR. Bousso先生が東大の客員か何かもやっていてそっちの所属も書かれているだけで,実際はアメリカのグループのみ.
      計算そのものは同じ著者の以前の論文
      Phys. Rev. Lett., 97, 191302 (2006) [doi.org]
      に基づいたものであって,他のカットオフに従えば数値は多少変動します.

      でまあ内容なんですが,分野外なんで不確かな点が多いのはご勘弁を.

      そもそもの発端は,宇宙論の進展に従って出てきたMultiverseと言うとらえ方にあります.真空が正のエネルギーを持っているような時空はインフレーションを起こして無限に広がっていく(現在の我々の宇宙もこれだと考えられている)のですが,もしこの「真空」が最安定状態ではないとすると,真空はいずれよりエネルギーの低い状態に相転移を起こし,異なる物理定数(というか物理状態というか)を持った空間へと崩壊します.古典的な宇宙論では,このような相転移は光速で宇宙全体に広がるわけですが,インフレーション宇宙ではこの伝播速度よりも宇宙の膨張速度が大きい(なぜなら各部位が同じ割合で膨らむので,遠く離れた二点は高速を越える速度で遠ざかる.しかも膨張は加速しつつ決して止まらない)ため,相転移が宇宙全体には広がりません.
      これが何を引き起こすかというと,広大な宇宙のいくつもの場所でいくつもの異なる相転移が始まり,しかも互いが光速以上で離れているため互いに何の相関ももてない(光円錐の外に居るから),と言う状況です.こうして生じた部分空間もまたインフレーションを起こし,その内部でまた部分的に相転移が起こり……と,果てなく膨張する宇宙の内側に,無限個の新しい宇宙が生まれ,そしてその中でまた……と,多数(というか無限)の互いに無関係な宇宙が存在するわけです.ここから,こういった描像はMultiverseと呼ばれます(Universeがたくさんあるところからの造語.まあ,Multics → Unix の逆パターンですかね).

      ところがここで問題が生じました.こういった無限に増殖していく宇宙内での物理定数(各宇宙内では定数だけれども,異なる宇宙内では数値が違う)平均値やらその統計的性質やらを計算してやろうとしても,どうにもこうにも普通に言うところの「確率」がまっとうな値として求まらなかったのです.
      (これは決して数え上げる対象が無限個だから,と言うわけではありません.無限のものであっても,その統計的性質を数えられるという系はいくらでも存在します)
      そこで物理学者は,仮想的に様々な"カットオフ"を導入し,宇宙の増加をここまでカウントするよ,と言う制限をし,スタートからそこまでの間での平均値やらを求める事にしました(このカットオフをどうとるか,と言うこと自体,様々な手法があります).そして,統計的性質を算出した後に,このカットオフをどんどん遠ざけることで近似的に「最初から無限遠まで全部計算した」事にするわけです.例えば,等比級数rn (ただし0 < r < 1)の和を無限までとる際に,ある定数iまでとってΣRn=(1-ri+1)/(1-r),その後iを無限に飛ばして1/(1-r)を得る,とかそんな感じです.
      しかし今回の場合,一つ問題が残りました.それは,カットオフを「無限」に完全に飛ばすことが出来なかったのです.カットオフはどんなに大きな値でも存在さえしていれば問題なく統計的性質が算出できたのですが,無限とした瞬間に確率や値が無意味な値しか与えなくなりました.それでも通常は,「まあきちんとした計算法が開発されるまでの繋ぎだし」とか「カットオフはどこまででも大きくできるんだから,事実上無限と一緒だろ」と気にしていません.

      ところが今回この著者が突きつけたのは,「カットオフが有限の値じゃないと物理量が意味のある値にならないし,今までいくら頑張ってもカットオフを置かない手法は見つかっていない.と言うことはカットオフ自体が本質的に必要なものであって,Multiverse全体に関して何らかの終焉がないと物理的に意味のある宇宙が構築できないんじゃないの?」という主張です.
      と言ってもまあ,著者もそこまで確信しているわけではなく,「俺ちょっと思いついちゃったんだけど,こういう事なんじゃねぇの?」というアイディアレベルに近いのですが.

      なお,arXivにある論文でいくつかのFAQに対する回答もされています.結構議論としては本質に関わってきますので,ちょっと2つだけ紹介.

      Q:カットオフは存在すれば良いんだから,どれだけ後でもかまわないよね?だから寿命とか意味無くね?
      A:カットオフが遠ざかれば遠ざかるほど,新たに生じる宇宙が指数関数的に増え,その結果生まれてからカットオフまでの寿命が短い宇宙が増える.そのため「平均寿命」は伸びない.

      Multiverse化する宇宙では,時間が経てば経つほど各所から新しい宇宙が生じ,宇宙の総数は増えていきます.例えば,10年に1世代,10個の新しい宇宙を生む条件だったとしましょう.カットオフが10年なら,終わる宇宙は1つで,寿命は10年です.カットオフが20年なら,終わる宇宙は10+1個で,平均寿命は(10*10+20*1)/11=10.9年です.カットオフが30年なら終わる宇宙は110+10+1個で,平均寿命は10.99年です.とまあ,どれだけカットオフをのばしていっても,平均寿命は11年に収束していくだけです(凄く長い寿命の宇宙もごく少数存在するけど,短寿命の宇宙の割合が指数関数的に増えるため平均寿命が延びない).
      そのため,論文中で計算されている「寿命」も平均寿命です.極々わずかな(何せ指数関数的に短寿命な宇宙の方が多い)可能性で,我々の宇宙が長い寿命な宇宙に属する可能性も残りますが.

      Q:カットオフは単なる計算上の都合でしょ?
      A:でもカットオフを使わずに物理的に整合性のある結果を与える手法は知られてないんだぜ?

      以下,少しだけ追記.
      なお,問題が生じるのは,宇宙の真空が準安定な真空状態であり,無数のさらにエネルギーが低い別の準安定状態に崩壊でき,さらにインフレーションが無制限に続く場合です.多くの研究者は,インフレーションは無数に続くかも知れないけれど,準安定な状態は無限にはない,と考えています(インフレーションにも終わりが来る,と信じる少数派も居ます).ただし,現在までのところ,TOEの有力候補である弦理論(というかM理論)では準安定な真空が無数に生じてしまい手に負えない状況です.理論家の多くは「いずれ理論が進歩すれば,この中で本当に安定なものが小数であることがわかるに違いない」と信じていますが,それはわかりません.

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      • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年10月18日 15時21分 (#1842704) 日記

        計算されている37億年以内が50%というのは,「50%で駄目だけど,残り50%はずっと長生きできるよ」と言うことではなく,「計算した結果,宇宙の平均余命が53億年ぐらい.観測結果のパラメータからフィットした余命の確率分布からすると,宇宙の寿命が37億年以下の可能性がちょうど50%」と言うことです.
        10%の確率で残り20億年以内,20%の確率で残り25億年以内,(中略),80%の確率で残り70億年以内,90%の確率で残り100億年以内,とかそういう奴ですね(ここの数値は適当なため,意味のある数値ではありません).

        なお,ここで計算されているのは著者が以前に提案したあるカットオフのしかたでの数値です.別なカットオフ法を使うと多少前後します.

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      • 素人の疑問 (スコア:3, 興味深い)

        by Sinraptor (22797) on 2010年10月19日 0時39分 (#1843056)

        ◆Multiverseに関して
        ・相転移はどこで起きる可能性もあるのか?
         ある日、月軌道で相転移が起き、次の瞬間地球がそれに飲み込まれる、なんてのもあり?

        ・2つの相転移が近い場所で起きたらどうなる?
         2つの相転移が光速で拡大する過程で接触したら、どうなるんだろうか?

        ◆今回の理論について
        ・Multiverseでは宇宙の中に宇宙ができるわけだけど、外側の宇宙が崩壊したら、内側の宇宙も崩壊する。
         今回の37憶年というのは、その辺も計算に入れての話なのだろうか?

        ・崩壊した跡地はどうなる?
         崩壊したら瞬時に1点に収縮するのか?
         ビッグクランチとは違うんだよね?

        --
        //Sinraptor
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      • by the.ACount (31144) on 2010年10月19日 15時19分 (#1843402)

        以前スラドの記事に出た、
        WMAPの観測結果から「宇宙はポアンカレの正十二面体空間」
        http://srad.jp/science/article.pl?sid=03/10/11/206229 [srad.jp]
        てのは考慮されてるのかな?
        (有限サイズの閉じた宇宙)

        --
        the.ACount
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  • by Anonymous Coward on 2010年10月18日 13時03分 (#1842584)

    それこそ物理学の法則も何もあったものじゃない気がするんだが。
    まあどうせ実際に見届けられる人間なんか誰もいないんだから何でも言いたい放題だよね(冷めるだの潰れるだの引き裂かれるだの消滅するだの…)。陽子崩壊が観測できなくても反証不可能な大統一理論といい、本当に科学なの?

    • by Anonymous Coward on 2010年10月18日 13時26分 (#1842607)

      ビッグバン仮説だって、提唱以前の物理法則を覆す爆弾発言だったわけで、そこから、あるいはそこへと遡る様々な観測や考察により少しずつ裏付けを得てきたわけですが、その辺りはどうお考えですか?
      今の自分の知識は既に十分であり、その自分に理解できない以上それは科学ではない、とでもいうような態度は子供じみた見苦しいものです。

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    • 「37 億年以内に、50 % の確率で宇宙および時間が消滅する」という命題が真である確率がどの程度か、その根拠はなにか、もしくは確率を見積もれるのか無理なのか、それはなぜか、その辺りをしっかり論じてくれれば、科学っぽいと言っていいんじゃないかな。

      真かどうか検証もどうしようもないことをのほほんと言ってるだけなら、MMR の方が面白い分ずっとマシです。

      AFPも「日米の研究者グループが発表した。」だけじゃなくて、どこにどう発表したのか教えてくれればありがたいんだけどね。

      親コメント
    • 宇宙の加速膨張は暗黒エネルギーによって起こっている。
      この暗黒エネルギーは宇宙が膨張しても変化しない。(今の所、そう仮定してる)
      しかし、膨張のブレーキとなってる物質エネルギー質量は宇宙膨張により密度が減少する一方。
      質量が0に近づき、加速力が減らないなら、速度は限りなく増大し、速度の増大は加速度をさらに増大させて有限時間で無限大となる。(空間の膨張には光速度の限界はない)
      膨張速度が無限大となった時点で、以後の時間は存在しない。
      それが宇宙の終り。

      大まかな微分方程式を書くと、
      v : 膨張速度, F : 加速力, m : 物質エネルギー質量の密度
      として、v'=F/m, m'=-3v (v>0,F>0,m>0)
      これを変形すると、m''=-3v'=-3F/m
      これは有限時間で m=0 (すなわち v'=無限大) となる。
      (たった今でっち上げたから、間違ってても責任取らないよー)

      --
      the.ACount
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  • つまり (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2010年10月18日 13時30分 (#1842613)

    えーっと、今の宇宙はバブルってこと?

  • by Anonymous Coward on 2010年10月18日 14時01分 (#1842642)

    宇宙の歴史の、3/4をすでに消化しているという主張なんだからもうすこし驚くべきことだろう。本当ならばね。

  • by PEEK (27419) on 2010年10月18日 15時43分 (#1842724) 日記

    待ち合わせ場所が無くなってるかもしれないんですか?

    By弥勒

    --
    らじゃったのだ
  • by the.ACount (31144) on 2010年10月19日 15時04分 (#1843389)

    弥勒菩薩は56億7千万年後だぞ。

    --
    the.ACount
  • by Anonymous Coward on 2010年10月18日 13時03分 (#1842585)
    ぼーよみ
  • by Anonymous Coward on 2010年10月18日 13時28分 (#1842610)
    何億年も後のことを真顔で言われてもねぇ……
typodupeerror

日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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