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バイオテック

ガンは 10 億年前の生命の姿? 20

ストーリー by reo
遺伝子のルフラン 部門より

capra 曰く、

ガンとは何か ? という問いに、原始の多細胞生命との類似性を見出している研究者らがいるそうだ (Australian Life Scientist の記事本家 /. 記事doi: 10.1088/1478-3975/8/1/015001) 。

研究者 Paul Davies と Charlie Lineweaver は、ガンは細胞間の協力を司る原始の遺伝子によるという研究を発表した。この原始の遺伝子は、生命がより発達してから現れた遺伝子によって抑制されているが、何らかの理由でこれが働かなくなると発現するという。

この考え方からすると、ガンは突然変異による制御不能で凶暴な細胞ではなく、より原始的なレベルに先祖がえりしてしまう細胞であり、いわゆる「セーフモード」でのブートに例えられるという。どちらにせよ生命を危険に晒すことの多いガンだが、原始的なものであるとすればその変異の種類には限りがあると考えられるという。その原始の遺伝子を突き止め解明すれば、多くのガンに対応できる新たな治療や予防を開発できるのではないかとのことだ。

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  • by imaic (31975) on 2011年02月15日 12時58分 (#1903142) 日記

    ガン細胞では嫌気性呼吸(解糖系)が亢進しているという事実があり、そのことを
    指しているのかと思いますが、アポートシスの抑制(ミトコンドリアの異常?)と
    かいろいろなことが起きているので、そう単純ではないのでは。

    個人的には「セーフモード」というよりはリソースを食いつぶしてシャットダウン
    (死)に至らしめる危険なアプリケーションというイメージがしっくりくる。
    あるいは無限に増殖するブラクラ?

    • 著者としては解糖系の亢進などの機能獲得とガン細胞同士の協力があるため従来のモデルはよくないという主張のようです.
      恐竜が絶滅した理由について時々専門外の分野の人が仮説を発表するように,思考実験だけで発表された仮説という感じで
      特に取り上げる必要もないとは思いますが,日本人的にはガン細胞は「試作機が量産機よりも強いガンダムの法則」を持っ
      ていた,といった方が面白いかな,と.

      この論文をアレゲな人が書いたとすると・・

      ・セルがカルシノジェネシスするとリミッターが解除されて量産機が試作機と同等になることは諸君も知っているだろう
      ・オールドタイプたちはこの状態をただの暴走だと思っていた
      ・しかし,これはセルが古代の記憶を取り戻したのだ
      ・単なる暴走でない証拠に暴走したセル同士が共鳴し合い,封印された遺伝子をフルセットで活性化している
      ・この記憶は6億年前のもの,そして「暴走」には法則と限界がある
      ・それが証明されれば私の正しさが分かるはずだ

      などなど.

      --
      kaho
      親コメント
    • 敢えてセーフモードに例えるなら、クラスタ構成のPC一台が異常動作して、セーフモードで起動したためにクラスタに参加出来なくなった状態でしょうかね?

      でも、PCには自己増殖機能が無いんで、「セーフモード」と「がん」が繋がる感じがしませんね。

      どちらかと言うと、
      >あるいは無限に増殖するブラクラ?
      の方が近い感じじゃないかと。
      ポップアップに因る自己増殖機能は元々ブラウザに有る機能だし。

      で、ポップアップ抑止のアドオンがセーフモードで停止すると無限増殖のブラクラが作動するなら、元記事の主張に近いのかな?
      でも、そんなブラウザは普通無いから、やっぱ外してる風味が強いなぁ。

      --
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    • by Anonymous Coward

      私は門外漢ですが、直感的には、アポトーシスは多細胞生物全体を生かすために
      個々の細胞が犠牲になることですから、単細胞生物には必要なかったはずだと思います。
      とすると、アポトーシスが効かなくなるというのは、まさに昔の単細胞生物への
      先祖返りだと思えます。

      • by imaic (31975) on 2011年02月15日 14時44分 (#1903229) 日記

        がん細胞の特徴としてはいろいろありまして、他にも「血管新生因子」というたんぱく質の
        一種を出している、というのがあります。

        これはがん細胞はもの凄い勢いで増えるものですから、太い血管がないと生きていけない。
        なので「血管新生因子」を出して血管を誘導してくるのです。

        さすがに単細胞生物時代に先祖返りという説ではこういう機能は説明できないと思います。

        こういう細かい所に目をつぶったとして、ガン化=ミトコンドリア異常説というのは昔から
        ありまして、10億年前の先祖返りというのはミトコンドリア獲得前になりますので、同じ
        ことを言ってるような気もするのですが。

        親コメント
        • 素人ですが、
          「酸素欠乏になると血管新生因子を出す」という通常の反応があると考えると、
          そこは健康な細胞と同じだとも考えられると思いますが、どうなんでしょうか。
          つまり、ガン変異の直接の結果ではないと。

          --
          新人。プログラマレベルをポケモンで言うと、コラッタぐらい
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          • by Anonymous Coward on 2011年02月15日 16時57分 (#1903274)

            がん細胞により新生される血管は血管壁の薄い特殊な血管なんです。

            子宮内膜などの特殊な場所で発現することはありますが、健康な細胞は
            そんなものを作りません。

            親コメント
        • アポトーシスが効いてないけど血管新生因子がないからリソース不足ホドホドで増殖が止まるのが良性腫瘍とかいう話も読んだような気がするので、
          今回の話はその関係なのかも。血管新生因子はまた別の由来があるのではなかろうか。

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          • by Anonymous Coward on 2011年02月15日 17時26分 (#1903283)

            アポトーシスの司令塔はミトコンドリアなのですが
            がん化→ミトコンドリアの異常
            なのは分かっているのですが
            ミトコンドリアの異常→がん化
            ではないのです。
            ミトコンドリアの異常であるミトコンドリア病というのがありますが、がんではない。

            これはミトコンドリア病になるような異常は代替機能が働くが、がん化では働かない
            とか一応それらしい説明はされていますが、証明はされていません。
            まあ早い話がよく分かっていないのです。

            親コメント
      • by Anonymous Coward

        「原始の多細胞生命との類似性を見出している」とあるが単細胞まで
        さかのぼる話なの?

    • by Anonymous Coward

      >リソースを食いつぶしてシャットダウン
      >(死)に至らしめる危険なアプリケーションというイメージがしっくりくる。

      同感だけど、もっと単純にfork()&無限ループするBUGでおけ。
      #誰だ?そんな下手くそなプログラミングしやがった奴は。

  • by greentea (17971) on 2011年02月15日 13時19分 (#1903167) 日記

    この世の多くの発がん性物質は、何らかの形で遺伝子を変異させてしまうことで発がん効果を示すと認識しているのですが。
    その認識が正しいとすれば。

    偶然にも、遺伝子を変異させた結果、そのたった数種類のうちのどれかになる確率ってどれくらいあるんでしょう?
    遺伝子を傷つけたときに、ガン以外の何か目立った異常な特性を示す確率は、ガンになる確率よりもずっと高い気がするのですが、あまりそういう話も聞いたことがありません。

    --
    1を聞いて0を知れ!
    • by BIWYFI (11941) on 2011年02月15日 16時20分 (#1903258) 日記

      元記事は、遺伝子を機能する様に変異させた結果ががん細胞なんじゃなくて、抑止する機能を失ったのががん細胞だって主張でしょ?
      変異させるのは、がん細胞が機能する部分ではなく、がん化を抑止する部分で、しかも、動作する方向では無く機能を失う方向なので、変異させる場所の候補は無数に有る訳です。
      正常に機能するには、原則として一種類の正解的な順序でDNAが並んでいる必要が有りますが、機能喪失なら、その中の一箇所の破壊だけで十分なんです。

      あと、遺伝子が傷ついた時に、がん以外の目立った異常を示す現象は沢山在りますよ。
      例えば、抗がん剤の多くは発がん性が在り、健常な細胞の遺伝子を変異させます。
      でも大部分は、単純な細胞死を起すので、がん化せずに、副作用としての各種機能低下に留まるんです。

      寧ろ、ピンポイントでの遺伝子変異でがん化機能を取得する方が異様なんです。
      異常増殖する性質を獲得しても、単なる塊だと栄養が受けられないんで、一定以上の大きさには成長出来ないのが通常の状態です。(良性腫瘍がこのタイプ)
      がんは、内部に血管を作る等、無限増殖する為の特異な機能を獲得しているので、その高機能獲得の理由を先祖返りとするのが元記事ですね。

      つまり、本質的にがん化する物を多数の抑止機構でがん化を防いでいると云う解釈で、抑止機能の破壊ががん化なら、破壊手段は機能獲得手段よりも豊富なので、多数の発がん物質の作用が、がんという同一の結果になる理由の説明としては、説得力が在る気がします。

      でも、これが画期的な抗がん剤の誕生に結びつくかは、個人的には大いに疑問ですね。
      寧ろ、がん化する原因である原始生命体の機能が、実は健常細胞の機能に必須だったとかの落ちが付くんじゃないかと。

      --
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    • by Anonymous Coward

      > ガン以外の何か目立った異常な特性を示す確率は、ガンになる確率よりもずっと高い気がするのですが、
      増殖しないような性質はすぐ死滅してしまうからでしょ。

    • by Anonymous Coward

      「遺伝子が変異したらガンになる」だけではないですね
      今まで発現してなかった遺伝子が機能してしまうとか、今まで機能していた
      遺伝子が機能しなくなったとか、いろいろあります。

      「リン酸化」について調べてはいかがかと。

  • by Anonymous Coward on 2011年02月15日 21時44分 (#1903395)
    火星人ですね、分かります。

    ……あれはインフルエンザか。
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