SpaceX社、「世界最強の打ち上げ能力」を持つFalcon Heavyロケットを発表 13
ストーリー by hylom
商業宇宙開発計画を進めているSpaceX社が、Falcon Heavyロケットを2013年に打ち上げると発表した。(UniverseTodayの記事、SpaceX社のページ)
注目すべきは低軌道 (LEO)への打ち上げ能力が53,000 kgで、現役最強のDeltaIV Heavyロケット(22,980 kg)を抜いて、世界最強の打ち上げ性能を持つロケットとなるとのこと。
過去のサターンVロケット(118,000kg)やエネルギアロケット(88,000kg)に比べると絶対的な性能は劣るが、DeltaIV Heavyに比べると6倍の費用対効果であると主張している。このロケットの活躍によって今後の宇宙開発がますます進展することを期待したい。
果たしてまともに飛べるだろうか? (スコア:3, 参考になる)
Falcon9の1段目には、Falocon1で使われたマーリンエンジンが9本束ねられていて、Falcon Heavyではその1段目が3本束ねられていて、合計27器のエンジンが一斉に火を噴くことになる。これはソ連版月ロケットN-1 [wikipedia.org]の30器にせまるものだ。
N-1の失敗の原因が30器のエンジンをすべて制御しきれなかったためという説もあるので、今回のFalcon Heavyはまともに飛べるだろうか今から心配でならない。
Re:果たしてまともに飛べるだろうか? (スコア:1)
27本全部が全部成功する確率は
0.99^27 = 0.762 なんだけど
The Falcon Heavy is designed for extreme reliability and can
tolerate the failure of several engines and still complete its mission.
って数本失敗しても大丈夫ってこと
なんだけど、その仕組みが複雑だよね。
まあ、27本とか100本とか同じモノを
大量に生産すればコストは抑えられるし、
成功する確率はどんどん高くなるハズ。
love && peace && free_software
t-nissie
Re:果たしてまともに飛べるだろうか? (スコア:1)
新たに大型のエンジンを新設計する場合のリスクを考えると、枯れた設計を束ねる方が早いという考えももっともだと思います。
今現役のソユーズ/プログレスは1段2段あわせてエンジン20本束ねてるわけですから、27本ぐらいそれほど問題ないかと。
ソユーズ自体、世界初の人工衛星を打ち上げたスプートニクから1/2段目は変わっていないですし、そのスプートニクですら、当時のICBMを流用、なんて代物ですし。
制御関係問題についても、そっち方向の技術は昔に較べて格段に進歩してますから、今時なら問題になりにくいでしょう。
Re: (スコア:0)
> 今現役のソユーズ/プログレスは1段2段あわせてエンジン20本束ねてるわけですから
ソユーズのエンジンは1基につき燃焼室/ノズルが4基という設計なので、エンジン数は5基です。
「打ち上げ」能力 (スコア:0)
LEOに最低でも2000トンの質量を打ち上げるSSME+SRB [wikipedia.org]が既に存在する。
Re:「打ち上げ」能力 (スコア:1)
たしかにスペースシャトルの質量は2000t以上あるが、
ロケットの打ち上げ能力っていったら通常ペイロードの質量のことだろ?
リンク先のWikipediaの情報によればシャトルのLEOペイロードは24,400kg。
DeltaIV Heavyの能力は上回っているが、今回発表された新型の半分だぞ。
さらにいえば、追加ミッションで6月にもう一度飛ぶものの、
本来は2月に打ち上げられた飛行で退役していたはずなので、
もはや現役とは見做されていないかと。
よく「読めない」といわれるLiberdade
Re:「打ち上げ」能力 (スコア:1)
SSME+LRB、という打ち上げシステム、として見た場合、
離陸時重量が109,000kgのオービター(24,400㎏のペイロード込)、
の打ち上げ能力がある、と見ることが出来るのでは?
実際にそういうロケットを作ることは、
スペースシャトルのコンセプトの否定にもつながるので
政治的に難しかったと思いますが。
Re:「打ち上げ」能力 (スコア:2, 興味深い)
ジョージ・W・ブッシュ大統領のぶちあげたコンステレーション計画 [wikipedia.org]の要となる二つのロケットのうち一つ、CaLV(Cargo Launch Vehicle : 後のAres V [wikipedia.org])がそれに近いです。
(#1931852さんのおっしゃっているShuttle-Cのコンセプトを受け継いだ模様)
CaLVの方はちょっとすぐには探し出せないですが、Ares Vは低軌道に188トンの貨物を投入できる怪物ですね。
紆余曲折があって変更されちゃいますが、当初の案では第一段がスペースシャトルの外部燃料タンク下にSSMEを5機取り付けたもので、更に左右に5セグメントのSRBを配置するという、スペースシャトルのパーツを再利用して開発を早めようとした変態ロケットです(^^;)
残念ながら開発は難航し、最終的にはオバマ大統領にとどめを刺されてしまった訳ですけど……。
Re:「打ち上げ」能力 (スコア:1, 参考になる)
それがまさに「Shuttle-C [wikipedia.org]」ってコンセプト。
エンジン部だけにした貨物専用使い捨てシャトルを作って、低軌道に100トンの荷物を持ち上げようってハナシね。
Re: (スコア:0)
使い捨てだったらLEO100トン級だった打ち上げを年数回やってたアメリカ半端ねえ
普通の国なら1回で数年分の予算が吹っ飛ぶ
いかにシャトルが無駄の多いシステムだったかって事でもあるが
Re: (スコア:0)
多分最後には、中にカプセル入れて打ち上げてシャトル本体はISSの付属品にでもする計画が有るんですよ。きっと。
Re: (スコア:0)
>LEOに最低でも2000トンの質量
200トンじゃねーの?
これはもう (スコア:0)