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バイオテック

iPS 細胞でも拒絶反応が起きる可能性があることが判明 19

ストーリー by reo
ダミープラグではダメなようです 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

米カリフォルニア大サンディエゴ校の研究チームが iPS 細胞においても免疫による拒絶反応を引き起こす例があることをマウスを使った実験で発見した (doi:10.1038/nature10135asahi.com の記事YOMIURI ONLINE の記事より) 。

マウスの体細胞から作った iPS 細胞を同じ遺伝情報を持つマウスの皮下に移植したところ、免疫細胞の攻撃を受け、少なくとも 2 割で細胞の塊ができなかったり、塊の一部が壊死したりしたという。これまでの iPS 細胞の通説を覆すことになるが、再生医療への応用への新たな知見となりそうだ。

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  • そこでiOSの登場です (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Sam.Mem (42350) on 2011年05月17日 10時22分 (#1953652)
    ユーザーとの相性もばっちしですよ?
  • by pongchang (31613) on 2011年05月17日 11時00分 (#1953673) 日記
    自分の遺伝子を持つ細胞を拒絶するのは普通のことじゃないの?腫瘍免疫とか、自分の細胞をやっつけることじゃないの。腫瘍になりやすいから増えるiPSの暴走を止めるブレーキが働いているんだから、むしろ喜ぶべきじゃなかろうかと思う。
    遺伝子つながりでいうと筑波のグループがミトコンドリア変異と拒絶の話をしている(html [tsukuba.ac.jp]・pdf [tsukuba.ac.jp])世代が重なると変異が蓄積するのが老化・加齢ともいえるが、ミトコンドリアが新鮮でないと排除するのも、合目的性があるのでなかろうか。
    • by Anonymous Coward

      「ミトコンドリアが新鮮でないと排除する」というのなら、ES細胞で免疫拒絶が
      起きなかった現象は説明できないのでは。

    • by Anonymous Coward

      >腫瘍免疫とか、自分の細胞をやっつけることじゃないの。

      腫瘍に対する免疫反応は、腫瘍に特異的な(正常細胞ではほとんど、もしくはまったく発現しない)分子を標的とした免疫反応です。ですのでそういう特異的な抗原を持たなければ、異常に増殖しようが本体に悪影響を与えようが免疫系からはほぼ攻撃されません。
      今回の話は、増殖だとかそういう話は関係無しに、iPS化した際の処理によってヒト細胞に元々あった遺伝子の一部が異常発現して免疫反応を誘発していた、というものです。
      変というかなんというか、今まではそれほど検討されずに「まあほぼ本人の細胞と一緒だから免疫系は刺激しないんじゃないの?」と言われていたものが、「実際にはそうじゃないから今後研究とか実用とかする際には気をつけなよ?」という指摘ですね。

    • 免疫細胞からの攻撃である自然免疫による壊死なのか、
      細胞死(アポトーシス)へと誘導される腫瘍免疫なのか
      はまだ不明ですよね。

  • この研究では、iPS細胞はembryonic fibroblastsから作成し、それを別のマウスに移植しているみたい。免疫系の遺伝子は個体の発生段階のある時期に突然変異を起こして、多様性を獲得するから、いくら近交系マウスでも個体が違えば、免疫系には個体差が生じる可能性がある。(もっとも、個体差があったとしても、移植免疫に重要な役割があるMHCなどはきっちり同じになっているはずだから、単純に移植による拒絶は起きない程度の違いしかないはず)

    ただし、この研究では、ES細胞を移植しても拒絶反応は無かったわけで、拒絶が起こったのはiPS細胞だったから、ということは覆せないだろう。

    もし、大人のマウスからiPS細胞を作って、それを同じマウスに移植したら、同程度に拒絶反応が起きるのだろうか? 発生初期?のfibroblastよりも、大人の細胞からiPSを作った方が、より異質性が少ないような気もするけど、どんなでしょう。

    いずれにしても、iPS細胞を移植する場合は精査する必要がある、ということですね。

    • by Anonymous Coward
      もしかすると、
      自分のクローン人間を作って、
      そこから内臓とか移植した場合でも
      拒絶反応が出る可能性もあるってことなんですかね。
      • 免疫反応には軽微なものから激しいものまでいろいろあります。移植の際の拒絶反応はマウスなら、MHCの違いのような場合に起きるので、クローン人間とか一卵性双生児などでは拒絶反応は起きないでしょう。

        ただし、突然変異を利用して構築される免疫系は、詳細に見れば一卵性双生児でも異なっている可能性があるので、何らかの免疫反応が起きる可能性もあるのではないでしょうか?

        親コメント
      • by Anonymous Coward
        一卵性双生児のマウス等で試験してみては?
        #人間の皮膚とか毛根細胞とかだと問題になりそうだし
  • がん化しにくいiPS細胞の判別が可能なようですよ。
    治療に成功しているということは免疫に攻撃されることもないようです。
    まあ脊髄は定着率がいいからかもしれませんが。

    あとこのストーリーの実験は皮下で行っているので、免疫が活発なのかも知れません。

    がん化しにくいiPSで脊髄治療…慶大、京大がマウスで実験
    iPS細胞(新型万能細胞)にはがん化しやすい性質があり、再生医療の実現の
    障害になっていたが、慶応大の岡野栄之教授と京都大の山中伸弥教授らは、がん
    化しにくい細胞を選んで脊髄(せきずい)損傷を治療できることをマウスの実験で
    確かめた。

  • by Anonymous Coward on 2011年05月17日 10時21分 (#1953651)
    そっち方面にも知見が広がったりして
    • 自己免疫は免疫細胞側の異常ですから直接の関係はないでしょう。

      この研究では免疫反応の抗原は特定されていませんが、いくつかの遺伝子の発現量がiPSとESで違うことから、
      iPS作成時に十分にESに近くなかったことが原因であるのではないかと著者は推測しています。

      iPSとESの違いというのはかなり集中して調べられている分野で、ESと殆ど同一に見えるのにESと同じように分化
      (特定の組織への変化)させようとしても途中で止まったり効率が悪かったり現象がすでにいくつも観測されています。
      今回、単純に違いがあるだけではなく、一定の割合で免疫拒絶すら起きてしまうことから、iPSによる再生治療を
      行う場合は単にiPSを作成すればよいだけではなく、より品質の高いiPSを選別する作業が必要であろうという
      事になるかと思います。

      --
      kaho
      親コメント
    • iPS細胞って、ガンの一歩手前ってイメージがあったりするんで
      自己免疫によるガン治療って方面に活用できる話とかじゃない?

      # 完全素人の疑問です

  • by Anonymous Coward on 2011年05月17日 10時49分 (#1953665)
    細胞の塊ってどういう状態の細胞だ?
    • by Anonymous Coward

      『カルス』でgoogleイメージ検索するといい。
      カルスというのは植物に見られる、分化した組織が未分化常態に回帰して増殖した塊。

  • これに影響ないのかだけが心配です。

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