「加熱すると縮む」鉄化合物の合成に成功 16
ストーリー by hylom
先端施設をフル活用 部門より
先端施設をフル活用 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
愛媛大が、加熱した際に膨張するのではなく、収縮する鉄化合物の合成に成功したらしい(プレスリリース)。
通常の物質は温度を上げると膨張し、温度を下げると縮むが、今回合成された鉄酸化物SrCu3Fe4O12は、「氷点以下で大きな負の熱膨張を示す」とのこと。また、「この物質における負の熱膨張は、ストロンチウムサイトの状態が関与する銅-鉄間の電子のやり取りが原因となって起こり、これまでに知られていた負の熱膨張のメカニズムとは異なるもの」であることも分かったそうだ。
このような「負の熱膨張」を持つ物質を正の熱膨張を持つ物質と組み合わせることで、熱膨張率がゼロとなる材料を開発できるのではと期待されている。
冷やすと抵抗ゼロなかんじ? (スコア:2, 興味深い)
とっても、銅酸化物系超電導物質的な雰囲気のする物質名だなと思って プレスリリースを見たら、「新規材料による高温超伝導基盤技術」っていう研究領域からでた物質なのね。 肝心の転移温度はなんぼなんだろ?
Re: (スコア:0)
>肝心の転移温度はなんぼなんだろ?
これは確かスーパーにはならなかった気が……
まだ実用化は遠い? (スコア:1, 参考になる)
プレスリリースによれば、この素材が加熱すると収縮する温度域は摂氏マイナス100度から0度ぐらいで、常温では普通に熱膨張するようですね。
この技術の延長で負の熱膨張が起こる温度域を常温に持ってこれるものなんでしょうか?
Re:まだ実用化は遠い? (スコア:5, 参考になる)
似たようなものというか, 負の熱膨張と通常の膨張を組み合わせて熱膨張を小さくする合金ってのは19世紀に開発 [wikipedia.org]されています. 当然, 広い領域で実用化ずみです.
今回のは負の熱膨張が特に大きいってのがキモですね. それに-100℃から0℃なんていうと, 液体窒素やLNGよりずいぶんと高温だと感じちゃうので, このままでも応用分野は広いんじゃないでしょうか.
Re:まだ実用化は遠い? (スコア:2)
氷点下以下の作業が普通の業界だといろいろ使い道がありそう。
超伝導関係とか。
Re:まだ実用化は遠い? (スコア:1, おもしろおかしい)
0度から4度という狭い領域で、かつ液体でもよければ水という便利なものがございます
Re: (スコア:0)
ガリウムの方が良くね?
Re:まだ実用化は遠い? (スコア:1, 参考になる)
この物質は2009年に京大グループから報告されたLaCu3Fe4O12 [kyoto-u.ac.jp]の系でしょう。LaをSrで全置換することで、負の熱膨張が起きる温度が100℃付近から0℃以下になるわけです。ということは、LaとSrを適当な割合で混ぜることで、負の熱膨張が起きる温度領域を自在に変更できるかもしれません。
緊箍児 (スコア:1)
呪文を唱えると縮む金属はまだですか?
らじゃったのだ
こう言う物質で (スコア:0)
繊維状の物を作ったら筋肉と同じような構成の動力になったりとかしないんでしょうかね
#某アニメの熱膨張の台詞も意味がかわったり?
Re:こう言う物質で (スコア:1, 興味深い)
「バイオメタル」で検索!
(バイメタルじゃないよ)
Re:こう言う物質で (スコア:3, 興味深い)
それ、買ってみて実験してますがパワードスーツ見たいな物は力無さすぎて多分作れないです。
動く尻尾作ろうとしてるんですが…筋肉にするなら束ねて!と思うものの…
うまくシリコンに沈めるのもドライブするのもなかなか難しく…
#新しく買わないとなぁ…
氷点=摂氏零度、は補足不要なお決まりなの? (スコア:0)
このプレスリリースの中でも他の値や文言についてはいちいち明示しているのに、この氷点という語だけ唐突に出現して何の補足もないので意外に感じました。
Re: (スコア:0)
サイエンスの世界で、一般に物質が溶けたり固まったりする温度を指すときは、融点とか凝固点と言いますね。
なので、氷点と言えば摂氏0度を指すものとして、注釈なしでも通用するでしょう。(辞書的には両方の意味があります by 広辞苑)
Re: (スコア:0)
むしろサイエンスの世界ではあまり氷点って使わないかも……
Re: (スコア:0)
文学の世界だな