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雑誌「クロワッサン」の「放射線によって傷ついた遺伝子は子孫に伝わる」という文言が話題に 148

ストーリー by hylom
さぁどうする 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

雑誌「クロワッサン」の7/10号の表紙に放射線によって傷ついた遺伝子は、子孫に伝えられていきます」というキャッチコピーが掲載され、非難の声が上がっている(問題の表紙に対してTwitterで言及しているつぶやき)。

放射線によって遺伝子が損傷した場合でも、それが遺伝するという調査結果はなく、科学的には「遺伝子の損傷は遺伝しない」という方向でコンセンサスが取れているはずである。主婦層などに人気の高い雑誌の、しかも表紙ででこのような発言を掲載するのは不用意であると思われるのだが……。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2011年06月30日 19時36分 (#1979575)
    結局微量放射線への被曝の影響なんて現代の科学(含む統計学など)では解析不能な部分で、
    「影響がある」とも「影響がない」ともいえないのが真実であり、
    それ故LNT仮説なんてものを採用しているわけです。

    学術の世界では、既存の常識への反論・異論はしばしば学問の発展につながることもあり尊重されますので
    「放射線は微量でもきわめて重大な影響がある」と言おうが
    「微量の放射線の影響はほぼなし」と言おうが全くの自由ですが、
    それはあくまで学者として主張をする上での前提(現在の科学は誤りを含んでいる)などがあるわけです。
    一般人相手に一方的な学者の意見を採り上げるマスメディアなどは故意に流してるとしか思えません。
    (本当に無知の可能性もわずかながらありますが)
    現在では「影響があるか分からない」が正解であり、それ故野放しになっています。

    さて、私たちは日常的にDNAに損傷をきたし修復されると行った生活をくりかえしています。
    転写エラーも日常的に起きています。
    DNA=遺伝情報=超大事でなんか神がかっていて壊れるわけがないという印象があり、
    少しでも影響を与えてはいけない、と一部の方々が過剰反応しているのかもしれません。
    私は仕事柄2000~4000μSvも被爆させる検査を毎日オーダーし、
    時には一部の組織に合計60000000μSvもの放射線をあてていますが、
    みなさん背に腹は代えられないようです。
    必要性が極めて薄いのに、1000μSvくらい脳に被爆する検査をまだ小さい子供にするよう強くお願いされることもあって困っています。
  • 面白い現象 (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2011年06月30日 19時47分 (#1979585)
    ハワイに「飛行機で」行って「真っ黒に日焼けした」人が
    数μSvの放射線計測量に怯えるんですよ。
  • 馬鹿は遺伝する (スコア:4, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2011年06月30日 19時10分 (#1979551)
    子供の知能の母親から遺伝する。
    だから子供に過度な期待するなとでも書いた方がよっぽどマシだな。
  • 科学的見地に立ってもアウトなら,人権倫理的な意味でもアウト。
    編集長更迭レベルのポカですねえ。
    被爆者の立場になってみれば絶対表に出ることのないキャッチフレーズですわね。
    中身をまだ読んでないのでなんともいえませんが,
    その本文のなかから,わざわざそこを抜き出し表紙に持ってくる感性に愕然とします。

  • 死産 (スコア:2, 興味深い)

    by shesee (27226) on 2011年06月30日 19時13分 (#1979554) 日記
    受精卵・未受精卵が電離放射線でDNA損傷を被った場合、発生不良で死産になる可能性が高く、損傷が遺伝する可能性についてはデータが乏しいじゃないのか。正確には
    • by scanner (19808) on 2011年06月30日 20時37分 (#1979629) 日記

      いわゆる「被爆二世」と呼ばれる方がいますし、終戦後日の浅い頃は様々な
      差別があったときいておりますが、はっきり被爆の影響といえるような症状が
      出たという話は聞きませんね。
      現在のところ、「被爆二世」に対する施策は定期的な健康診断のみです。

      親コメント
    • Re:死産 (スコア:3, 参考になる)

      by Meth610 (31617) on 2011年06月30日 22時24分 (#1979698)

      植物の種子に重イオンビーム照射だとか
      発癌物質投与だとかをして
      人工的に突然変異を生み出すという実験があります。
      スペースシャトルに種子を持ち込むというのもそうですし、
      育種ではガンマフィールドが有名です。

      この実験ですが、ほとんどの種子は正常に発芽します。
      というか、未処理区と発芽率に差異が出ません。
      不稔(不妊の植物バージョン)性個体もほとんど生じません。
      そもそも外から見て分かるような突然変異が生じる場合すら稀です。

      DNAには損傷に対する修復機能があります。
      非機能領域の方が圧倒的に多いので、損傷が影響を及ぼす可能性は非常に低いのです。
      また多くの遺伝子は機能的に冗長なコピーが数から数十存在します。

      親コメント
    • Re:死産 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2011年06月30日 19時43分 (#1979581)

      ほとんどが致死。
      たまたま生き残っても高い確率で不妊。
      これらも含めて「子孫には伝わらない」という結果になる。

      親コメント
  • 蒸発型のリンクだったのか、消されたのかはどっちでもいいけど、ちょっと確認してみた。
    柳澤桂子 [twitter.com]でひっかけてみたら編集が悪いのか柳澤氏がこういったのか疑問なかばだったので
    もうクロワッサン [twitter.com]で検索し直したら3tweetsに分けて引用している人がいた。

    http://twitter.com/hashimoto_tokyo/status/86346189754204160 [twitter.com]
    http://twitter.com/hashimoto_tokyo/status/86346201020112896 [twitter.com]
    http://twitter.com/hashimoto_tokyo/status/86346213896617984 [twitter.com]

    インタビュー本文で述べているのは遺伝子の損傷が原因で突然変異という話。ならそりゃ現在の定説どおり。
    表紙の煽情的キャッチコピーは、編集が発言を捻じ曲げた説に一票ですかね。

    • by Anonymous Coward on 2011年06月30日 19時44分 (#1979583)

      どうかしら?
      柳澤桂子氏の著作の説明を見ている限り、「化学物質による害は遺伝されないが放射能によるそれは遺伝されるから恐ろしい」と主張しているようです。
      これはもうどうしようもない間違いで、生命科学者を名乗るべきではないレベルですね。
      経歴を見る限りENU [wikipedia.org]による変異体の作成を知らないはずはないでしょうが、それ以外の化学物質もDNA損傷を引き起こすものなどいくらでもあります。
      件のTwitterからの孫引きで申し訳ないですが

      >「…子孫に伝えられていきます。長い間にDNAの損傷が人類の遺伝子のプールに蓄積され、何万年か後に突然変異が頻発するかもしれません」

      これはすごい新説です。まあ「かもしれない」なら何とも言えるでしょうし、PCRすら発明される前に研究の道からは離れているようなので、もしかしたら分子生物学は何も知らないのかもしれませんが。

      雑誌本体は両論併記でも、電車の広告や表紙に一方だけ書いているなら、編集部の扇動ぶりもひどいものです。
      偏った言い方をすれば(かつては生物学を研究していた)トンデモ文筆家と社会不安を起こしてでも雑誌を売りたい出版社の見事なコラボというところでしょう。

      親コメント
    • 上の AC さんも書いている通り [srad.jp]、「遺伝子の損傷が原因で突然変異」ってのが
      定説だという話は聞いたことないです。
      というか、柳澤氏のコメントは全体的に意味不明です。
      (編集の手が入っていることを考慮したとしても、)専門家の発言とは全く思えません。

      ちなみに 2-3 個目のリンクにある近藤誠氏のコメントの方は、
      少なくとも自分の知識の範囲では何の問題も無いように思えます。

      # 多分ホントの専門家の方に対して上から目線なコメントでごめんなさい

      その twitter で引用している人の意図は良く分からないのですが、
      とりあえず柳澤氏と近藤氏のコメントは全然意味が違います。

      それなりに被爆した人が後に子供を生んだ場合、先天的異常が有意に
      多かったりはしない、という調査結果は良く知られてます。とりあえず
      本人への影響はともかく、次の世代への影響はおおざっぱには「無い」と
      言っても大丈夫でしょう。少なくとも変に不安を煽る必要は無いです。
      という意味で柳澤氏のコメントはよろしいもんじゃないです。

      一般的には大丈夫だけど、直接放射線を浴びた精子や卵子が
      そのまま使われちゃったケースでは、遺伝子の突然変異が増える
      可能性はきっと低いけど無いとは言えないというかデータが少ない
      からたしかなことは言えないけどきっと多分可能性は低い。
      っていう感じの近藤氏のコメントは至極真っ当なものだと思います。

      # ヒトの精子卵子でこれを検証する実験とかは iPS 細胞なんかメじゃない
      # レベルで倫理的に絶対許されないだろうなぁ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2011年06月30日 19時44分 (#1979582)
      編集部によって傷ついた記事は読者に伝わる
      親コメント
  • by gabill (29206) on 2011年06月30日 20時22分 (#1979617)
    遺伝子の損傷によって遺伝情報の伝達が正しく行われなかったとしても、
    何世代か交配を繰り返せば失われた遺伝情報が復活する。

    と言っても、それはそれでオカルトっぽい。
    なんにせよ断定は誤解を産みますね。
  • クロワッサン怖い (スコア:2, おもしろおかしい)

    by DesKwa (35996) on 2011年06月30日 21時06分 (#1979650)

    放射線で遺伝子が傷ついたクロワッサンを食べると子孫に伝わる

    と読めたのは自分だけか、そうか。

  • by teddygon (41616) on 2011年06月30日 22時47分 (#1979714)
    チェルノブイリ近くに住んでいる動物は、ほ乳類には今の問題は無いようですが
    鳥は先天的な影響がでているらしいです。

    http://news.nationalgeographic.com/news/bigphotos/17908115.html [nationalgeographic.com]
    • by deleted user (12487) on 2011年06月30日 23時46分 (#1979748)

      #1979584 の

      ヒトの場合、放射線照射で体細胞の遺伝子に突然変異が入っても、その体細胞が生殖細胞に変化するわけではないので、子孫には伝わらない。

      でピンと来た。
      卵って生殖細胞そのものですよね。
      あれだけ巨大な細胞が、薄い殻だけに包まれた状態で野ざらしになってりゃ、放射線の影響を受けやすくて当然では。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2011年06月30日 23時09分 (#1979729)

      興味深い。
      人間に観測可能なタイムスケールで分化が起きているのは自然のものか、放射線によるものか。
      ダーウィンフィンチの例もあるので、予断を交えないよう注意したい。

      親コメント
  • 案の定 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2011年07月01日 3時25分 (#1979814)
  • そもそも、測定することはできるのか?
    次号には、測定方法を掲載してね。

  • NHKで見たので探してみました。

    『NHKスペシャル|汚された大地で〜チェルノブイリ20年後の真実〜』(文字おこし)(5)最終回
    http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65734874.html [livedoor.jp]
    『NHKスペシャル|汚された大地で〜チェルノブイリ20年後の真実〜』動画5本まとめ
    http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65733931.html [livedoor.jp]

  • ”科学的には「遺伝子の損傷は遺伝しない」という方向でコンセンサスが取れているはずである”、からつながるリンク先のpdf文章を読むと、少なくともマウスでは375ミリシーベルト以上で影響があったとなっている(メガマウス実験)。これが人の場合にもあてはまるかどうかは別の話で、広島長崎の調査結果から類推すると、どうも人の放射線耐性はマウスよりも高いようであるのだが、これはあくまで類推であり、特に低レベルの放射線の人への遺伝的影響は現在の所はっきり分かっていない、とリンク先のpdfは述べているようだ。このpdfを引用しておきながら、”科学的には「遺伝子の損傷は遺伝しない」という方向でコンセンサスが取れているはずである”、と述べるのは、かなりおかしい。はっきりいってデマである。

    柳澤桂子という作家がまちがっているのは、よく分かってもいない科学的事実に対して「放射線によって傷ついた遺伝子は、子孫に伝えられていきます」と断言してしまったことだろう。正しくは「放射線によって傷ついた遺伝子は、子孫に伝えられていくかどうかはよく分かっていない」と述べるべきだったろうが、これだとクロワッサンは記事にしなかったろう。マスコミとして屑とよぶべきである。

    マスコミがらみで危ないと感じているのが武田邦彦である。震災前は「放射線を少し浴びた方が発癌性が低い」とまで述べておきながら、震災後はまさに手の平がえしで、20ミリシーベルト批判を繰り返して人気を得たらしい。最近原発とは何の関係もないバラエティーに出ているのをみて、日本のメディアってどこまで馬鹿なんだろうと思った。新たな茂木健一郎が誕生しそうである。

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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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