
ほとんど光を反射しない漆黒の惑星が発見される 45
ストーリー by reo
日焼けした女の子の季節です 部門より
日焼けした女の子の季節です 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
「今まで知られている中でもっとも黒い惑星」が発見された。名称は「TrES-2b」で、光の反射率が 1 % 未満で、石炭よりも黒いという (英国王立天文学会のページ、ナショナルジオグラフィックのページより) 。
TrES-2b の軌道はその恒星から 480 万キロメートルしか離れていないが直径は木星の 1.27 倍程度の大きさを持つ、いわゆるホット・ジュピター。光の反射率が低いためほとんどその姿は確認できず、光を多く吸収してしまうためその温度は 980 ℃ほど。見渡す限り真っ黒な惑星というのにはロマンを感じるが、さすがにこの温度は耐え難い。あまりの熱さに表面の一部は「燃えている炭や電気ストーブのコイルのようにかすかに赤く輝いている」とのことで、観測できるものなら観測してみたいところだが難しそうだ。
ホット・ジュピターはどんなに暗くても水星レベルが限界というのが定説らしく、ここまで黒い原因についてハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者、David Kipping 氏によれば「気体状のナトリウムと酸化チタンが極めて大量に存在するためか、あるいは何かわれわれのまだ考えつかない異質なものによるもの」とのこと。
ナショナルジオグラフィック日本語版の記事 (スコア:2)
あれ? 6.5ppmって650万分の1なんでしょうか?
Re:ナショナルジオグラフィック日本語版の記事 (スコア:1)
確かに、1/6.5*10^6 ではなくて、6.5/10^6 なんだから
大体 1/15*10^4 か
実は極端な楕円軌道とか (スコア:2)
反射率1%以下な惑星なんて存在する気がしません。何らかの仮定が間違っているのではないでしょうか?
反射率の計算は以下の流れでしていると思います。
反射率:光度上昇量、惑星の半径、惑星-主星間の距離から算出。
惑星の半径:惑星の遮蔽率、主星の半径、惑星-主星間の距離から算出。
主星の半径:スペクトルから推定。
惑星の公転半径:惑星の周期と主星の質量から算出。
主星の質量:光度、距離、スペクトルから推定。
ここで、惑星-主星間の距離は、太陽系の惑星を見る限りほぼ一定(円軌道に近い)なので、
たぶん公転半径を使っていると思います。でも、もしこれが楕円軌道で、たまたま
近日点が地球側に近い側、遠日点が地球から遠い側だったら・・・?
主星からの視直径が小さくなるので、その分反射する光の量も小さくなります。
そのため、円軌道だと思って計算すると反射率が本来よりも小さくなってしまいます。
#ここまで書いて思いついた第2の可能性。
#発見された天体は実はどこかの要塞で、表面が鏡面コーティングされているために地球には殆ど
#光が反射されないんだよ!
##理想的な球だと、惑星表面の微小領域しか地球に向かって主星の光を反射しない
Re: (スコア:0)
>もしこれが楕円軌道で、たまたま近日点が地球側に近い側、遠日点が地球から遠い側だったら・・・?
そう言う極端に円からずれた軌道の場合は、速度変化が大きいため検出できます。
Re: (スコア:0)
> ##理想的な球だと、惑星表面の微小領域しか地球に向かって主星の光を反射しない
実は、「微小領域しか地球に向かって主星の光を反射」ならば、そうでない場合より明るく見えます。
(以下、極端な例だけど詭弁じゃないよ)
理想的な球で、なおかつ表面が鏡面になっている場合などを考えてみましょう。
(真っ暗になるとか、表面が鏡面ではなく乱反射する方が明るいと思った人は、考えが足りないよ)
鏡面コーティングな球体について (スコア:1)
おっしゃるように明るく見える場合もありますが、そうでない場合もあるのでは?
理想的な球で、なおかつ表面が鏡面になっている惑星、主星、観察者の3者がいるとします。
単純化のために、それぞれは充分離れているとします。
このとき、観測者が観測する光量は、
・完全に乱反射する表面の場合:惑星の断面積に比例
・完全な鏡面の場合:惑星の断面積に無関係
となります。これより、
・惑星が小さい場合:鏡面のほうが明るい
・惑星が大きい:乱反射の方が明るい
ことがわかります。
#よって、「表面が鏡面コーティングされた要塞だから暗く見える」は、少なくともACさんの説では否定できないと思います。
##常識的にありえないだろっ!っていう否定はできるけどw
##まあ、だから本文には入れていないんだけど。
Re:鏡面コーティングな球体について (スコア:2, 参考になる)
既に別コメにてツッコミが入っていますが,
>完全な鏡面の場合:惑星の断面積に無関係
にはなりませんね.
半径の小さい球面鏡ほど,同じ面積に入射する点光源からの光をより広い立体角に反射しますので,反射光の光密度が下がります.
そのため当然受光側で受ける光の強度は弱くなりますから.
Re: (スコア:0)
鏡面であろうと乱反射であろうと、周囲に全反射される光の総量は変わらない。
周囲に反射された光のうち、観測者の観測器に飛び込む光の割合も変わらない。
なのに観測される光量は同じじゃない!!ふしぎ!!
断面積に無関係なので地球サイズの極めて曲率半径の大きな鏡とパチンコ玉の反射光の明るさは同じ!!ふしぎ!!
Re:鏡面コーティングな球体について (スコア:1)
なんか、語調が舐めくさってて相手するのが嫌になってきましたが。
環境光の場合はおっしゃるとおりの結果になります。
しかし、点光源の場合は異なりますね。
Re: (スコア:0)
ヒント:惑星の母星は、面光源。
惑星が凸面鏡だとするよ。
そこには、縮小された母星が写る。点光源ではない。円盤として写る。
道路のコーナーミラーで太陽を見る、あるいは月を見るとわかるだろう。(月と太陽は見かけの大きさが同じ)
惑星が小さいと、曲率が大きくなる。その結果、恒星円盤は小さく見える。
惑星が大きいと、曲率が小さくなる。その結果、恒星円盤は大きく見える。
結局、惑星の大きさに比例して、恒星光の総量が比例することになる。大きな惑星の方が明るく見えるってことだ。
※理想的な点光源と理想的な球面鏡の場合どうなるか私にはわからないが、その理想状態は存在できない気がする。思考実験はできても、量子論的に無理が生じたりしない? 無限小の極限とか出てきちゃうよね。
Re:鏡面コーティングな球体について (スコア:1)
#2005286 [srad.jp]、#2005303 [srad.jp]とまとめてコメントで。
定性的に議論しててもらちがあかないので、計算してみました。
単純化のため、ある表面の散乱光は入射光を180度の範囲に均一に散乱する、としました。
以下、結果だけ。
・面光源/点光源関係なく、鏡面でも明るさは天体の断面積に比例する(皆さんのおっしゃるとおりです、当方の誤り)。
・鏡面の場合、主星の姿を映し出している面積は、惑星の半径をr, 主星の半径をR, 主星・惑星間距離をdとするとsin^2(arctan(d/R)/2)。
面積あたりの反射光強度は主星と同じ。
・散乱面の場合、有効な反射面積は惑星の断面積と同じ。
面積あたりの反射光強度は主星に対しarctan(d/R)/π。
試しにd/Rを1~10000000000で変化させて大小関係調べてみたところ、明るさは常に散乱面>鏡面という結果が出ました。
また、d/Rが小さいほど散乱のほうが明るく、散乱・鏡面ともにd/Rが大きくなるにつれ同じ値に漸近しました。
ただ実際には単純化条件(均一散乱)が不成立なため、あるd/R以上は鏡面のほうが大きくなると思われます。
Re: (スコア:0)
>理想的な点光源と理想的な球面鏡の場合どうなるか私にはわからないが
点光源でも一緒だよ。
(点光源から見て)同じ立体角を占める異なる曲率のミラーがあったとする。
ミラー全体に当たってる光量は一緒だ(点光源から見た占める立体角が同じだから)。
で、幾何的に、点光源から広がった球面波がミラーに当たってそこから一定距離L離れたところまで反射される状況を考えると、曲率の大きな鏡の場合は広い立体角に反射する(より広い範囲に反射する)のに対し、曲率の小さい鏡だとより小さな立体角に反射する。
同じ光量を一方は広い立体角(=ある決まった距離L向こうでは広い面積)、もう一方は小さい立体角(同じく狭い面積)に反射するんだから、後者の方が明るいのはすぐわかる。
Re: (スコア:0)
Re:鏡面コーティングな球体について (スコア:1)
ご高説を伺いたいので、ぜひ正解を教えて下さい。その際には大小関係も議論できるようにお願いします。
Re: (スコア:0)
別ACだけど、少なくとも
>明るさは常に散乱面>鏡面という結果
ってのがおかしいのはすぐわかる。
同じ量の光を反射してるんだから、どこかで観測すると明るいんなら別などこかでは暗くないといけない。
Re:鏡面コーティングな球体について (スコア:1)
相似形であれば特定方向面の比率は同じ。
大きさの違う相似形の集合を考えると、合計面積が同じなら各物体の大きさによらず特定方向面積は同じ。
散乱面を微小物体の集合と考えると、単一物体より合計面積は増える。
従って、散乱面の方が特定方向面積は大きい。
陰になる効果が無視できて反射率が同じなら散乱面の方が明るい。(大きさが波長程度になると成立しないが)
満月が球面反射より明るいとか読んだような気がする。
the.ACount
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
http://arxiv.org/abs/1108.2297 [arxiv.org]
#思而不学則殆
Re:実は極端な楕円軌道とか (スコア:2)
スートリーにあるリンク先(英国王立天文学会)にも、同じPDFへのリンクがございますです。arXivよりこちらのサイトの方が軽い感じ。
http://www.astro.princeton.edu/~dsp/PrincetonSite/Home_files/darkest_w... [princeton.edu]
反射や軌道についてもいろいろと書かれていますね。
# 有朋自遠方来 不亦楽乎 それが/.Jのメリットかな。
Re: (スコア:0)
全体が植毛紙で覆われたようになっている。
カメラのレンズの内側の乱反射防止に使われているのと同じやつ。
細かい黒い毛に覆われ、静電気で全部の毛が鉛直方向にピーンと立っている。
古典的なパラドックスが解決できる(かも?) (スコア:2)
宇宙空間が無限の大きさを持っていてもオルバースのパラドックスを
起こさずに済むかも知れませんね。
#え? エネルギー保存則から来る可視波長以外の放射?
#・・・見なかったことにして下さい。
如何なる内容であろうとACでの書き込みは一切無視します。
Re: (スコア:0)
いや、可視以外を無視したところで、結局恒星が無限に(かつ無期限に)あれば全部同じ温度にならなきゃならんので、可視光でも明るく光り輝きます。
#その時は当然今回の惑星も明るく輝く……というか温度高いからガスが全部ばらけて飛ぶか?
Re: (スコア:0)
反射率が低い→吸収率が高い→高温になる→黒体輻射による放射が増える
ということですよね、結局。
平衡に達するまでの十分な時間があれば、温度に応じた光を発するはずですね
まつざきしげる (スコア:1, おもしろおかしい)
の方が黒いと思えるのは日本人の証拠
Re: (スコア:0)
酸化チタン (スコア:1)
酸化チタンってよく美白剤に配合されてませんでした?
ま、この温度になって全然働きは違うんでしょうが、黒くなるって印象がないもので。
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Re:酸化チタン (スコア:3, 参考になる)
そちらの酸化チタンはTiO2(固体).
ホットジュピターに沢山あるとか言われているのはガス状のTiO(とバナジの酸化物VO)などのモノオキサイドです.
これら酸化物が気化-液化して雲を作ってるとか言う話もあったような.
Re:酸化チタン (スコア:1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E5%8C%96%E3%83%81%E3%82%BF%E3%83%B3 [wikipedia.org]
Re: (スコア:0)
つーか普通に白色顔料です。
太陽光の光触媒効果で自滅してペンキが白く粉を吹くアレですね。
減少増大 (スコア:1)
惑星が暗いから光量の増大が小さいのはわかる。
減少も小さいのは何故なんだろう?
Re: (スコア:0)
>減少も小さいのは何故なんだろう?
National Geographic本国版の原文の方がもうちょっとニュアンスがわかりやすいのですが、その部分は手法そのものに関する言及です。
「(反射は輪をかけて小さいけど)そもそも惑星が恒星の前を横切るときですら、ライトの前をハエが横切るぐらいの変化しかないんだ」って感じで。
ステルス惑星が発見される? (スコア:1)
これって、「ステルス」「スキルス」惑星?
宇宙だね~、何でもアリってのが面白うございます。
Re: (スコア:0)
そうそう、クロオオアリとかモハメドアリとか
シャネルズ (スコア:0)
つまり (スコア:0)
忍者だな!
なぜ石炭と比較 (スコア:0)
Re: (スコア:0)
黒い天体というとコレ [wikipedia.org]を連想されるからじゃない?
Re: (スコア:0)
何からしいので、石炭というか炭(カーボン)と比較してもいいんじゃない?
Re: (スコア:0)
ビタミンCの量をレモン何個分と言うようなものなのでは。
Re: (スコア:0)
まあ、世間様には石炭で出来た太陽とかそれに酸素を供給する森林惑星も有るという説も。
きっと (スコア:0)
きっとバッツーラの本拠地 [wikipedia.org]ですな
昔のCM探したけど見つからない…
Re: (スコア:0)
老眼がすすんでしまって
パッソルとかパッソーラとかそっちかと思った
まだ誰も言ってないので… (スコア:0)
モノリスに覆い尽くされてるからじゃね?
Re: (スコア:0)
まさかの彗星ニビルか!? (スコア:0)
http://chitekizaisan.blog28.fc2.com/blog-entry-3057.html [fc2.com]
「ちなみに、ニビルの質量はなんと木星の4倍もあり、地球などはピーナッツほどにしかならないほど小さくなってしまうという大変巨大な惑星だ。しかしそんな巨大惑星がなぜ今まで発見できないかというと、信じられないことに人の目には見えず、赤外線か何かでしか見えないという。」
というところが今回の内容と結構一致してたり