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原子力

宇宙基地用の小型原子力発電装置開発へ 24

ストーリー by reo
つぎは失敗しません、御期待下さい 部門より

capra 曰く、

月や火星などの基地の発電装置として小型原子力発電装置が検討されているそうだ (American Chemical Society のニュースリリース本家 /. 記事より) 。

宇宙での原子力発電装置の使用については、アメリカ化学会 (ACS: American Chemical Society) の開催した第 242 回大会にて発表されたとのことで、実現への第一歩を踏み出したと言える。現在火星探査などでは太陽電池または燃料電池が採用されているが、発電量や安定供給を考慮すると原子力発電装置に軍配があがるという。宇宙での原子力発電装置の仕組みは所謂原子力発電所と基本的には同じだが、その発電量や原子炉の制御、また使われる素材などは全く異なるものになるという。原子炉の大きさは幅約 45 cm、高さ約 76 cm という小型サイズのものが想定され、冷却塔はいらないとのこと。例えば月の無人基地用であれば、およそ 8 世帯分の電力にあたる 40 kW 程度発電できるようなものになるという。

なお、2012 年には NASA と米エネルギー省が共同でデモ装置を開発する計画とのことだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 12時42分 (#2012781)

    数年前になんかそんなニュースを見たような気がしたんですが、なんかやってませんでしたっけ?これかな?

    2006-02-21 NASA、月面基地用小型原子炉技術に注目:JAXAと協議 [spaceref.co.jp]

    しかしながら、NASAが興味を示しているのは、月での原子力発電である。グリフィンによると。技術者チームが昨年日本を訪問し、日本の小型原子力開発の視察を行ったとの事。そのときにNASAとエネルギー省の関係者は月面原子力発電について日本から簡単な説明を受けた。

    エネルギー省アルゴン国立研究所、フランスの原子力エネルギー委員会と共同で作業を進めている日本の研究者らはナトリウム等の液体金属を冷却材として使用している高速中性子原子炉を研究している。研究には、月面に応用可能な200Kw級のリチウム冷却式原子炉も含まれている。この原子炉はRAPID-Lと呼ばれている。(Aerospace Daily & Defense Report)

  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 11時34分 (#2012716)

    月や火星なら宇宙放射線が降り注ぎ放題でちょっとやそっとの放射線は誤差の範囲だからな

    • by Anonymous Coward

      放射線は元コメのとおりだけど、
      このサイズはチュルノブイリ
      http://blog.livedoor.jp/showa_shonen/archives/51059579.html [livedoor.jp]
      で、中性子とかガンマ線とか遮蔽出来るんだろうか?
      放射性物質が飛散すると悲惨だ。重力が弱い分ずっと広がるだろう。
      そもそもどうやって冷却するんだろう?
      日陰はマイナス100度くらいだっけ、微妙にあっためながら冷却液体を循環させるのかなー
      太陽電池とか温度差発電や原子力電池(核物質の自発的崩壊熱を利用)の方が、運搬時での失敗とか考えたらいいんじゃなかろうか。

      • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 13時32分 (#2012830)

        >放射性物質が飛散すると悲惨だ。重力が弱い分ずっと広がるだろう。

        風に乗って拡散する心配がないので、放物線を描いて落ちる範囲しか汚染されません。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        > 放射性物質が飛散すると悲惨だ。重力が弱い分ずっと広がるだろう。

        太陽フレアを浴びる場所だと気にする必要は無いと思うよ。。
        あらゆる場所が放射化しているだろうし、そもそも宇宙服無しでは動ける環境でないしw
        そもそも常に被曝しているし。。

        > 太陽電池とか温度差発電や原子力電池

        軌道上にあるなら、太陽光発電がベターだろうし、
        地表で且つ常もしくはかなりの時間太陽へ向いている場所であるなら、
        温度差発電がベターなような気がする。(電池への充電も考慮)
        ただ、両方とも月面基地のような場所(常に日陰の場所がある)では
        使い物にならない(送電施設を作れば出来るとは思うけど、物資を送る事が困難)
        原子力電池は、極少量の電力を安定的に長期間とりだすものなので、
        今回の用途みたいなものだと、巨大になりすぎる気がする。。

  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 11時40分 (#2012721)

    こういうのをクラスター化して、一つの発電設備にすることってできないの?
    事故ったら、ワイヤーが切断されて、下のプールにドボンするみたいな。

    と思ったけど、1本で8世帯分しかないんじゃ相当な大きさになっちまうか。

  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 11時45分 (#2012723)

    月の地震はマグニチュード5レベルがなんと10分間も続く [gigazine.net]
    だそうです。はたして耐えられるだろうか。

    #最大震度も知りたいところ。

    • by hpn_smile (11442) on 2011年09月01日 11時58分 (#2012738) 日記

      浮かせて免震構造にすれば大丈夫なのでは?

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 12時28分 (#2012758)

      マグニチュードは地震が放出するエネルギーそのもの。
      マグニチュード5相当のエネルギーを10分かかって放出するのなら、いわゆるマグニチュード5の地球の地震より被害ははるかに少ないはず。

      親コメント
      • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2011年09月01日 12時40分 (#2012778) 日記

        >10分かかって放出するのなら

        放出自体はもっと短時間です.
        10分だのと言った長時間続くのは単なる反響(あちこちで散乱された波があまり減衰せずいろんな経路で届くため長く続く)になります.
        #地球のように水分を含んだ岩盤などのダンパーになるものが無いので,なかなか減衰しない.

        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 12時34分 (#2012764)

      リンク先(およびさらにその元のNASA)の記述、間違って(桁落ちして)ますね。
      浅発月震の震源の深さは20-30kmではなく200-300kmと考えられてます。と言っても28例しか知られていないので厳密なところはわかっていませんが。
      このように震源がかなり深いため、震度自体はかなり小さくなります(確か直下型でもせいぜい日本の震度基準で2とかそう言うレベル)。
      #持続時間は長いので、そのあたりの考慮が必要になる可能性はあり。

      また、引力自体が弱いため、そもそも地震時に建物にかかる剪断応力もかなり弱くなる、という発表も聞いたことがあります。

      ただし、月震の観測期間は高々10年弱でしかありませんので、「実はごく希に凄くでかい月震が起きる」という可能性は排除できません。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      なるほど。イメージ的には鉄柱を金属バッドで思いっきりぶっ叩いて、手がジーンと痺れている状態ですね。
      たかだかマグニチュード5で減衰に10分もかかるということは、
      月で大規模な地下核実験なんてやった日には(どれだけ伝搬するのか分かりませんが)
      かなりの広範囲に渡って地表の構造物が薙ぎ倒されそうですね。

      岩盤だけは丈夫そうだから、地表に構造物を作るよりも穴ほって地下に住んだほうが良いのかも。

  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 13時48分 (#2012850)

    かつての米ソの衛星には原子炉(原子力電池ではない)を搭載したものがありましたが、その頃の炉をそのまま作って使うわけにはいかないんでしょうかね。

    • by Yohsa (2572) on 2011年09月01日 14時37分 (#2012890) 日記
      かつての米ソの宇宙用原子炉は原子炉から得られた熱を熱電対で電力に変換してて電気出力が500Wとか4kWとかそんなんだったんですよ。効率も熱電対ゆえ2%に達しなくて出力の割りにサイズがでかい。
      この記事にある計画されてる原子炉は40kWなんで1桁から2桁出力が大きい上にサイズも小さい。だから計画されてるのはもっと別の発電方式で効率の良いものだと思いますよ。

      #去年の冬コミに旧ソ連のそれの研究書が出てたらしいですね。大分後になって知ったけど。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 22時54分 (#2013132)

        はい、当該同人誌の著者です。

        この記事だけでは何とも言えませんが、まぁ一般的に大出力を狙うなら発電効率の高い水銀等を用いたランキンサイクルとかのが魅力的ではあります。
        が、言うまでもなく可動部分の多さがネックとなるわけでして。有人基地であれば修理も可能かも知れませんが…

        一応、SP-100計画の前身であったSPARプログラムで検討されたROMASHKAと同じ熱電変換素子(熱電子)を22万対つかって100kWeの出力を得る原子炉、とかBUK/ENISEY炉と同様に炉内熱電子発電方式で110kWeとかそう言う構想もあるようです。

        いずれにせよ、そのまま使うのは出力と寿命(BUKでは最大で半年程度)の感点から無理ですね。

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  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 15時39分 (#2012931)

    NASA、月/火星向けの小型原子炉を開発中 [srad.jp]
    NASA、月面原子力発電システム開発へ [srad.jp]

    # 冷却塔がないのを利点のように吹聴するのはいい加減止めた方が

  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 15時39分 (#2012932)

    ここ [srad.jp]から何か進んだのでしょうか?

  • by Anonymous Coward on 2011年09月01日 15時52分 (#2012941)

    打ち上げ時に燃料もろとも爆発したら、高度に比例して被爆地域が広がるという理解で正しいでしょうか?
    爆発しても絶対安全な炉心ってのがあるなら、是非とも原子炉に投入して頂きたいですね...

    そういうリスクまで含めて宇宙での核エネルギー利用なのでしょうか?

    • 原子炉を搭載する大型探査機として開発されていた木星探査機JIMO [wikipedia.org]の時は、そういった事故を防ぐために、打ち上げ後に炉心を稼動させる仕組みを採用する計画だったそうです。
      Wikipediaによれば、この設計だと既存の原子力電池よりも安全だとか。

      もっとも、この計画は開発段階で中止となったので、今回のものにその技術が使えるのか/使われるのか、は定かではありませんが。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        なるほど、宇宙に出てから核崩壊を発生させるってことですか。勉強になります。
        核崩壊する物質が載っていることに変わりはないので、遮蔽されずにその物質が降ってきたらやっぱり危険な気がしますが杞憂なのかな...

        起動は宇宙でというのは非常に納得しました。ありがとうございます。

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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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