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サイエンス

世界初の「人工光合成」に成功 25

ストーリー by reo
光合成の定義を紐解いてみた 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

トヨタグループの豊田中央研究所が、水と CO2、太陽光だけを原料として有機物を合成する人工光合成の実証に世界で初めて成功した (プレスリリースPDFDOI: 10.1021/ja204881d より) 。

「水から電子を抽出する酸化反応」と、「抽出した電子で CO2 を還元して有機物を合成する還元反応」の 2 つを光エネルギーで促進させるものとのことで、半導体と金属錯体から構成される新しい光触媒を開発したことで成功したという。

ただ、現在太陽光エネルギーの変換効率は一般的な植物による光合成効率の 5 分の 1 程度という 0.04 % と低いそうで、まだ実用化には多くの課題が残っているとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • とりあえず、効率悪くても CO2の削減には、使えないですかね。
    副産物の蟻酸がくせものか・・・・・・・・・
    • by Anonymous Coward on 2011年09月23日 13時27分 (#2023660)

      控えめな表現のプレスリリースにあるとうり、あくまでも今回は付加的要素の無い本物の(?)人工光合成が実現可能であることを実証しただけですね.
      今まで出来なかった(出来ないと思われていた)ことが出来るようになったので、研究が進めばCO2削減に役立てることも可能かもしれません

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      副産物じゃなくて、主産物なんじゃない?

      酢酸まで持っていけると、お酢の原料として売れるのに。

  • by Seth (1176) on 2011年09月23日 11時50分 (#2023635) 日記

     緑色した方々が、またまた出現し始めるのですね(走召糸色木亥火暴)

    --
    "castigat ridendo mores" "Saxum volutum non obducitur musco"
  • by Anonymous Coward on 2011年09月23日 12時05分 (#2023638)

    工学、物理の業界からナマモノを研究テーマとしてやってきた人の間には、二つの憧憬となる対象があります。光合成と筋肉です。
    どちらも人工機械では未だに成し遂げられていない高性能を誇っているように見えるからです。
    #数学からやってきた人はチューリングパターンに魅せられます。

    • by Anonymous Coward on 2011年09月23日 13時20分 (#2023657)

      高性能とだけ言うと勘違いする人が出ちゃうかも。
      確かに量子効率は高いですし多段の機構で低エネルギー光子を使うあたりは非常に見事なのですが、太陽光全体に対する効率は非常に低いんですよね。

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  • 電田とどっちがCO2に有効かなー
  • by Anonymous Coward on 2011年09月23日 14時25分 (#2023670)

    これってどのくらい凄いニュースと捉えればいいのでしょうか?

    1.人類初の人工光合成。将来のノーベル賞間違いなし。
    2.これまでわざわざ誰もやろうとしなかった。CO2問題でニーズが変わってきた。
    3.たしかに人工光合成なんだが、(従来では外部から電荷を付加するなど)独力で実現できるくらい触媒の性能が上がっただけで、従来研究と比べた独創性はない。とか。
    4.そのほか

    • by Anonymous Coward on 2011年09月23日 15時54分 (#2023706)

      1.人類初ではないです。
      光化学的には、NADHなど還元剤(犠牲試薬)と光触媒を使って、CO2→CO or HCHOくらいまでできています。
      問題は、還元剤が必要なこと。
      還元剤を作るのにエネルギーを大量消費したら、CO2収支悪くなりますから。

      2.これまで、長きにわたって試みられてきましたが、京都議定書のあたりから力がいれられるようになってきました。
      この5~6年で1で書いた光触媒の効率や耐久性は上がってきていましたが、犠牲試薬の縛りからは逃れられなかった。

      3.1,2に書いたように、従来からCO2還元はやられています。量子効率(光の利用効率)も、今回のよりはいいです。
      (ほかの方法でできたかは知りません。)
      今回の件のオリジナリティーは、犠牲試薬を使わないこと。
      犠牲試薬の還元機能を、水の光分解(本田-藤嶋効果)で生成したプロトンを使うのがミソ。
      プロトン交換膜は、燃料電池(DMFC用かな?)の転用かと。

      4.最近この分野は見てないので、今の詳しい事情は分かりませんが、
      従来は、光アンテナ部と還元部、といった機能分離型触媒とかで研究が進んでいましたが、物理的なセパレート型は初めてかも。
      今回のは、半導体部分、プロトン交換膜、光還元触媒部分、と従来品との組み合わせだけでもカイゼン点はたくさんあるね。
      効率向上に期待します。

      ギ酸なら、CO2よりも貯蔵するのはラクだし、工業原料としても使えます。
      発電所の隣にこのシステムを置けば、CO2収支が改善できる可能性もでてきましたね。
      燃焼で生成したCO2と水をシステムに導入してギ酸生成。生産物は工業的需要家に販売・・・なんて妄想もしちゃいます。
      そんなことができるように、効率改善や低コスト化(Ru高いってば)に励んでいただきたいものです。
      メタノール(CH3OH)や、さらにC-C結合まで行って酢酸ができたら、鼻血ぶー、でしょうな。

      早く会社にJACS掲載号こないかな。(電子版だと別費用かかるからヤダ)
      昔さわったことがあるのでAC。

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      • by Anonymous Coward

        > 昔さわったことがあるのでAC。

        ギ酸を?

        • by Anonymous Coward

          元ACです。

          ギ酸くらい触ったことありますけど何か?
          無機酸なら、硝酸(キサントプロテイン反応で黄変したあげく指先パリパリ、大変でした)、
          硫酸(濃硫酸はドロッとしてます)、塩酸(指紋薄くなりました)、王水まであります。
          もっとも、触ったのはどれも希酸ですが。(っていうか、触れちゃった、というのが正確。)
          フッ酸は薄くても怖かったなー(これは手袋で。直で触れた同僚はひどい目にあってましたっけ)
          有機酸なら酢酸(無水酢酸で脱水したあとの酢酸は・・・)が多かったですね。

          え?そんな話じゃない?
          (ネタニマジレスカッコワルイ)

          • 濃硫酸は,触れた瞬間は何ともなくて,一瞬後からカッと熱くなります.なんだろ,じわっと炙られてる感じというか.
            「あちちちちち」とか言いながらすぐ流し台に駆け込んで水を出せば後にはなんにも問題にならないレベルではあるんですが,熱いんですよねぇ.すぐに水で洗える状況じゃないと厳しいことになりますが.
            #ほんのちょっとでも水が混じると,熱さが格段に違います.

            塩酸とか王水(金とは錯体を作るんで溶かしますが,それ以外はまあ硝酸みたいなもんですよね)とかはまあ,それに比べればダメージは少ないというか.
            #でもガスが飛ぶんで周囲の腐食は激しい.その点濃硫酸は使いやすくてお気に入り.

            ああ,あとは濃過酸化水素水とかもきついですね.触れた瞬間は何ともないんですが,しばらくして気づくと触れた部分の皮膚が真っ白になって粉吹いてて,内側から針でざくざく刺されてるような痛みが止まらないという.触れた瞬間に熱くなってわかる濃硫酸の方がすぐ洗えて良かったり.

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            • by Anonymous Coward

              すぐに痛さがきて後腐れの薬品はまだマシと言えます
              某業界では正体不明の無色透明の液体を見たら弗酸だと思えと教育されます

              • by Anonymous Coward

                やっぱり最強はジメチル水銀だろ。
                一滴付いたらダメとか手袋もすり抜けてくるとか怖すぎる。

            • by Anonymous Coward

              ところで,フッ酸は触ると骨が溶けて死ぬ,とかいわれたんですが,本当ですか?
              むかしそのまま(もち手袋・ドラフター内)使ってました。結構怖かった。
              (化学系でなくて半導体関係だったのでちゃんと教えてもらったことない)

              • 骨が溶けるっちゅうか,血中カルシウムをバカスカ食っちゃうんで(非常に溶解性の低いCaF2となってしまう),低カルシウムでショック状態になって死ぬ可能性が高くなります.ある程度大量に浴びちゃった場合は初期段階でいかに体内のフッ素を除いてカルシウムを補給してやるかが結構重要だったはず.

                細胞内外のシグナル伝達などカルシウムは非常に重要な役割をしているのですが,血中のカルシウムは全量で500mg程度と少量しかありません.そのため,あまり多量のフッ酸が浸透するとこのカルシウムをあっという間に食い尽くし,低カルシウム血症で筋肉等がまともに動かない=心臓がまともに動かず死にます.

                また,良くありがちな無機酸ですと皮膚などの油脂部分で弾かれてなかなか深部まで浸透しないのですが,フッ酸は例外的に強い水素結合でコンパクトにまとまってしまう&H-F結合が結構共有結合性であることにより分子としての極性があまり表に出てこず,まるで低極性の分子のように油にもそこそこ混じってしまいます.そのため体内への浸透性が強く,塩酸などに比べどんどん内部がやられてしまいます.
                (酸として強いと言うより,塩酸が弾かれるのにフッ酸は染み込んでしまうと言う違いが効く)

                そのため,(他の酸のように)「後から水で流せば結構大丈夫」(ほとんどが表面にとどまっている)とか思っていると,意外なほど内部に染み込んでいて水で洗ってももう取り除けず,(文字通り)痛い思いをしたりします.
                #塩酸などのように表面が焼けるだけでなく,手の内部まで満遍なくやられて腫れ上がったりする.
                #直火焼きと遠赤グリルのように(違う)

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              • by Anonymous Coward on 2011年09月25日 9時35分 (#2024323)

                phasonさんが詳細を書かれていますが、実際の事故例を一つ。

                実験中、グローブにでできたピンホールからフッ酸が侵入。
                0.1N(もっと薄かったかも)の希酸、少量ということで甘くみて、手技後(←これ最悪)に石けんで水洗いして終わり。
                で、その晩、触れた指に激痛が発生し、指が青黒く大きく腫れました。
                浸食性が高いうえに、爪の隙間からも内部に侵入されたようです。
                翌朝に行った大学病院では、最優先扱いになりました。最悪だと、指切断だったみたいです。
                その後、その方は問題なく復帰しましたが、一ヶ月くらい包帯巻いてたかな。

                フッ酸接触時は、希薄・少量でもマジで即対処が必要です。それで、できるだけ早く医師の指示を仰いでください。
                実験しているといろんなモノとの接触は当たり前で油断しがちですが、
                フッ酸は、希酸でもなめないよう、肝に銘じてください。

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              • by Anonymous Coward

                なるほど,そういうことだったのですね。長年?の疑問がとけました。

      • by Anonymous Coward

        あなたも自分自身で書いてるとおり、
        > 「水と CO2、太陽光だけを原料として有機物を合成する」
        のは今までできてなかったんでしょ。

        記事くらいちゃんと読もうよ、ね?

    •  2と3の間くらいですね、

       2段励起とその間の調整層、炭酸ガス還元の4つのパーツに分けられていて、最初の3つのパーツは見た感じ既知です。
      1段目;チタニア
      調整層:プロトン交換膜
      2段目:InP
      炭酸ガス還元:MCE(これは化合物新規かな)

       主に主張したい新規性はシステムとしての組み合わせを実証したところ、と思います。

       工業人ならこうつくる、という見本のようなもので、一里塚的なエポックはあると思います。
      --
      end
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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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