枝分かれする虹の決め手はハンバーガー型の水滴 26
ストーリー by reo
男のロマンです 部門より
男のロマンです 部門より
rm -fr 曰く、
米 Google のグラフィック部門 SE の Iman Sadeghi 氏は、二重の虹よりも発生が希少な「枝分かれする虹」(参考画像) について、発生の機序を仮定してシミュレーションを行い、「ハンバーガー型の水滴」(burgeroid) が決め手であることを示したそうだ (CNN.com Blogs の記事、Discovery News の記事、ACM Transaction on Graphics に掲載予定の論文 (PDF) より) 。
スペイン・イギリス・スイスの研究者のほか、映画「AVATAR」の制作に協力した Henrik Wann Jensen 氏 (CG-ARTS 協会の解説ページ) の指導のもと、Sadeghi 氏はカリフォルニア大サンディエゴ校で博士を取得するためにこの研究をまとめた。虹の光学的な解釈はルネ・デカルトの 17 世紀の仕事にさかのぼるが、それをコンピュータでシミュレートできるようになったのは、より最近のことだという。
一般によく知られる「二重の虹」は球状の水滴の中で光が二回反射する機序により見られることが知られているが、一方の「枝分かれする虹」は球状の水滴では説明できなかった。Sadeghi 氏は球状の水滴に加え、大きく平らな「ハンバーガー型」の水滴が均等に漂うことで虹の枝分かれが起きることをシミュレーションによって示した。「この研究の応用はきわめて狭い」と彼は述べ、「だが、映画の製作者らが虹を科学的に再現したかったら、僕らのところにくるしかないさ」とも付け加えたという。
せめて、日本人らしく (スコア:0)
大福型と訳せないものか
Re: (スコア:0)
機序を鬼女と訳し間違えるよりはずっといいでしょう
層なんですよ山本さん (スコア:0)
ハンバーガー型というから水滴が層になってるのかと思いきや、
バンズ型ってことなんですね。
Re:層なんですよ山本さん (スコア:1)
いえ、ハンバーグ [google.com]型ってことだと思いますよ。
Re:層なんですよ山本さん (スコア:2)
"hamburger" を Google検索すると、次候補で "hamburger steak" が出ますけど、"burger" だと "burger king" とかですね。英語圏文化はよく分かりませんが、"burger" でハンバーグ(ステーキ)の意味にも使われます?
# それはそうと、マックのハンバーガーはかなり薄っぺらいので、せめてビッグマック型と言ってほしいな。>オリジナル論文
Re: (スコア:0)
ただしソースは
デミグラス英語wikipediaですが、英語圏は当該の料理はSalisbury steakと呼ぶ [wikipedia.org]のが一般的なようで、
「Hamburg steak」は「a popular Salisbury steak dish in Japan.」、つまり
「日本において洋食化された料理」みたいに捉えられてますね。
パン粉使うのは「日本のハンバーグ」特有みたい。
ハワイのロコモコは日本の影響下とされてる。
Re:層なんですよ山本さん (スコア:2)
なるほど、ありがとうございます。
ああ、そもそも元論文には "burgeroid" なんて一言も書かれちゃいねえ。"non-spherical drop shapes" とか書かれていますね。バーガー型(burgeroid)と書かれているのは英文解説記事のほうだけでした。
phasonさんのコメント(#2065664) [slashdot.jp]にもありますが、よく知られているように、落下する水滴は細かいとほぼ球状のままですが、やや大きなものはまんじゅう型にひしゃげます。球状の水滴による虹とまんじゅう型の水滴による虹では色が現れる位置(というか角度)が異なるので、それがうまく混在すると枝分かれした虹になるということなんでしょう。
Re:層なんですよ山本さん (スコア:1)
Re: (スコア:0)
環水平アーク [wikipedia.org]などはもっと曲率が低くて、ほぼ水平に
一直線だったりしますが、どういう仕組みなんでしょうかね。
太陽方向に見えたり、いろいろ条件が違いますが。
Re:層なんですよ山本さん (スコア:1)
>ほぼ水平に一直線だったりしますが、どういう仕組みなんでしょうかね。
散乱体の形状が効いています.
通常の虹ですと散乱体がほぼ球形なんで,入射光と反射光がある角(約42度)を成す全方向に強い散乱が生じます.つまり,入射光に対しリング状に散乱されます.
逆に観測者を一点に固定して考えると,観測者-水滴および水滴-太陽,という二つの直線が42度になる位置の水滴からの散乱が強く見えますが,こういった位置関係になる水滴の場所はリング状になりますので,円弧として見えます.
一方,circumhorizon arcに関しては,薄い板状の氷の結晶による散乱になります.こういった微結晶は地面に対して水平に浮いていますが,ここに高い角度から太陽光が入射すると,側面で一度屈折して結晶内に入り,底面から水平に近い角度で飛び出てくることになります.
http://www.atoptics.co.uk/halo/chaform.htm [atoptics.co.uk]
結晶の水平方向の配向(六角形の向き)は乱雑なため,水平方向ではいろいろな方向に光が飛んでいくのですが,平板の向き自体はほぼどれも地面にほぼ平行であり,また結晶の形状がどれもほぼ同じため,散乱光の「地面に対する角度」(=地面から見上げたときの角度)自体はほとんど同じになります.
そのため,「見上げたときの角度が変わらない方向」にだけ散乱光が見える=水平に伸びて見える,ということになります.
Re:層なんですよ山本さん (スコア:1)
>環水平アーク
なんか聞き覚えあるなと思ったらエルミナージュ3の大陽宮内のマップ名だった。
環水平アーク
右幻日
左幻日
環天頂アーク
真日の間
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
結局、曲率から水平の場合はやっぱり平板な結晶からという推論
だと思うのですが、実験的に再現できるのかな?
Re:層なんですよ山本さん (スコア:1)
>実験的に再現できるのかな?
平板状六角晶で地面に平行,と仮定してしまえば,後はまあ単なるプリズムみたいなものなんで実験というほどでもないですね.
#平板状の浮遊してる微結晶が水平になりやすい,ということはかなり昔から分かってますし.
実際には多少の回転もあったり,柱状晶(六角板状晶が鉛筆状に伸びたもの.こちらは逆に六角形の面が横を向く)が入っていたりしますが,それぞれの場合でどんな散乱が起きるか,という結果は何かで見た覚えが.で,実際に見られるアークと良く合うよ,と.
(形状が規則的で面の数も少ないので,多分計算はかなり単純だと思います.屈折率の異なる面への入射や内部での反射をせいぜい数回行うだけなんで)
一部変なアークとかがあって,双晶とか二段階で成長した結晶のようなものを仮定しないと出ないものとかもあったはず.
「散乱」ねー、用語としては屈折 (スコア:1)
が適切。水滴や氷の結晶内部での屈折による全反射を考えると上記の説明はわかりやすくなる。虹の色に分かれるのは、波長による屈折率の違い=分散ですし。
Re: (スコア:0)
や、それは分野依存だと思う。>「用語としては」
#比較系表現の「短波」が、学者の所属する分野によって100kmくらいの波長の海の波だったり、
#3ミクロンくらいの赤外だったり、ラジオ短波だったりするのと似た感じ。
雲とかエアロゾルとかで光がどうなるの、って大気光学系の分野だと
それぞれの粒子によって、「光が散乱する(scattering)」っていう言い方が専門用語。
もちろん、内部ではマクスウェルの方程式に従った物理現象が生じているんだけど、
虹とか扱おうというスケールだと、雨粒一個一個の内部のマクスウェルを解いてる場合じゃない。
Re:「散乱」ねー、用語としては屈折 (スコア:1)
あー,迷ったんですよね,散乱にするか屈折にしとくかで.
結局,屈折に限らず液滴(および結晶)内での反射過程も含んでいるし,元論文も散乱になってるんで散乱にしときました.
どちらも有りだな (スコア:0)
単一粒子(今の場合は水滴一個か)を取り出して見てる場合はまあ屈折(&反射)でも確かに良いな。全体を合わせて虹の原因として考えると、多粒子からの寄与を考えるんで散乱の方が良い。
だからある一つの粒子との関係において光がどう進んで行くかを話してるなら屈折(プラス反射)という語の方がわかりやすいだろうし、その現象が多数の粒子で同時に起こって虹を形作ってる、という視点から見るなら散乱の方がふさわしい。
面倒臭いのは、屈折もまた散乱現象によって生まれてる点か。個々の原子・分子による散乱が合わさったもののある特定のケース(均質で連続な媒体と近似できるケース)を屈折と呼んでるわけだ。そう言う意味では、全ての屈折は散乱と呼んでも間違いではない。わかりやすいかどうかは別として。
あとは均一媒質と見なせない場合は散乱か。分光なんかで出てくる分子による散乱とか。
Re: (スコア:0)
結局、水滴の大きさなんじゃね?
Re: (スコア:0)
CNN日本記事 [cnn.co.jp]の訳が「ハンバーガー型」になっています。
Re: (スコア:0)
もしかして:川崎さん?
きっと (スコア:0)
枝分かれする虹・ハンバーガー
マクドナルドのマークから思いついたに違いない。
次は (スコア:0)
なぜそういう水滴が多量に発生するのか?ですね。
Re:次は (スコア:3, 興味深い)
雨滴がある程度大きいときはこういった形状になります.
小さいと相対的に表面張力の強さが強いんで球状,中ぐらいだと空気抵抗が効いてきて今回のような下が潰れた球,もっと大きくなるとさらに空気抵抗が大きく効いて裏返したお椀の様な形になります.
さらにサイズが大きくなると,お椀状に凹んだ部分が空気に押される力に耐えきれなくなり,雨滴は分裂してまた小さいサイズになります.
Re: (スコア:0)
>大きく平らな「ハンバーガー型」の水滴が均等に漂うことで虹の枝分かれが起きることを
>シミュレーションによって示した。
だからといって虹の枝分かれの原因が、「ハンバーガー型」の水滴ということにはならない
ということに注意。
逆もまた真ではないですよ。
でどこが科学的なの?
Re: (スコア:0)
>でどこが科学的なの?
既存の理論を拡張し、より現実に近い状態のものを計算できるようにした点、およびそれに基づく計算により、実際の観測結果を良く再現できるようになった点。
すでに知られていた事実:
・球形粒子による散乱の理論(ローレンツ=ミー理論)
・雨滴の形状が実際にはサイズに依存し球からずれること
新たに行ったこと
・ローレンツ=ミー理論を拡張し、雨滴が大きい場合(=非球形の場合)にも適用できるようにして散乱を力任せに計算
・観測された実際の様々な虹に対し、雨滴サイズをフィッティングパラメータとして計算を行い、観測結果と比較し良い一致を得る(Fig.12の枠で囲まれた部分がフィッテング、それ以外が観測結果)
・非球形粒子による光散乱を取り扱えるようになったよ
Re: (スコア:0)
>大きく平らな「ハンバーガー型」の水滴が均等に漂うことで虹の枝分かれが起きることを
>シミュレーションによって示した。
だからといって虹の枝分かれの原因が、「ハンバーガー型」の水滴ということにはならない
ということに注意。
逆もまた真ではないですよ。
でどこが科学的なの?
「反証可能なこと」ですよ>科学的
(1) 「ハンバーガー型」以外の水滴形状でも作れるってシミュレートできたよ!
(2) シミュレーションの条件が間違ってるよ!
(3) 実際に枝分かれした虹が出てるときに、観測したけどそんな大きな水滴ないよ!
(4) 虹ができそうなときに、大きな水滴ができるように薬剤まいたけど、枝分かれした虹なんてできなかったよ!
こんな研究があったorこの論文の後に成果が出たなら、
「虹の枝分