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サイエンス

新たなパワー半導体材料、酸化ガリウム 47

ストーリー by headless
成功 部門より
s-kei 曰く、

NICTは株式会社タムラ製作所および株式会社光波と共同で、酸化ガリウム(Ga2O3)を用いたFETを開発、世界初の動作実証に成功した(プレスリリースEE Times Japanの記事Applied Physics Letters掲載論文の概要)。

現在、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といったワイドギャップ半導体が注目を集めており、研究開発も活発に進められている。酸化ガリウムはSiCやGaNよりもバンドギャップが大きく、単結晶基板の作製も容易だ。そのため、高耐圧・低損失のパワーデバイスを低コスト・低エネルギーで製造できる可能性を持つが、これまではほとんど研究されてこなかったという。今回開発したMESFETでは、非常にシンプルなトランジスター構造にも関わらず良好な特性を示したとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • ガリウムを使ってるんだからロボットの名前はガリアンにしよう!

    ……あれ?

    --

    ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
    • by Anonymous Coward

      ・・・・と我が王子は深い眠りにつくように素敵に打ち切られBut I know. I know for sure.

    • by Anonymous Coward

      元素名は(実在・神話の)地名や人名やから来てるものがありますから、
      名前の由来をたどると一緒かもしれませんよ。

  • 素材ネタなのでコンデンサの村田製作所かと思ったらトランスのタムラ製作所だったでござる。

  • by Anonymous Coward on 2012年01月07日 21時32分 (#2077506)

    バンドギャップは4.8eVらしいですけど
    何eVくらいから絶縁体の扱いになるんでしょうか

    • 半導体ってそれ自体は物理的に絶縁体と殆ど変わらないし、明確な定義はないでしょう。
      少なくともバンドギャップの大きさで区別はしないはず。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        > 半導体ってそれ自体は物理的に絶縁体と殆ど変わらないし、明確な定義はないでしょう。

        それはそのとおりですね。

        > 少なくともバンドギャップの大きさで区別はしないはず。

        バンドギャップの大きさで区別する場合もあります。
        というか、すくなくとも私の周辺では、そう考える人が多い。
        それでも、具体的にいくら以上が絶縁体か、という数値ははっきりしないけど。

    • by Anonymous Coward

      簡単に言えば『抵抗』を変えられる・『抵抗』が変わるものが半導体
      バンドギャップの値や抵抗の値そのもので区別するわけじゃない
      (ギャップを乗り越えて電流を流すような制御が出来れば半導体)

      • > 簡単に言えば『抵抗』を変えられる・『抵抗』が変わるものが半導体

        トランジスタという命名は、transferableな(伝達性を持たせることのできる、変化できる)抵抗器 resistor ですから、まさに、おっしゃる通りですね。

    • by Anonymous Coward

      #2077512のコメントにもあるけど、明確な定義はない。絶縁体の中で抵抗が低いものを何となく半導体と呼んでいる。
      だから人によってその範囲は結構違っていて、例えば106Ωcm以上の抵抗率ものを絶縁体と呼ぶ人もいれば、その区切りが109Ωcmの人もいる。バンドギャップで判断して5eV以上を絶縁体という人もいるし、実用上の観点からドーパントを入れてきれいに抵抗の低いものを作れるものに限って半導体と呼ぶ人もいる。

      • by Anonymous Coward

        一方、金属はバンドギャップがない(フェルミ面を持つ)ものですから明確ですね。
        でも半金属とかグラフェンとか言いだすとややこしいけど。
        (さらに、ハーフメタルを半金属と勘違いするやつが現れたりすると収拾つきません)

    • by Anonymous Coward

      一般的にダイヤモンドは絶縁体とされますが,5.5eVです。
      でもダイヤモンドで半導体素子を作るという話もありますからね。

      室温(約 0.025eV)でキャリアが励起されるかどうかが半導体か絶縁体かが決まるという感覚です。

      • by Anonymous Coward

        > 室温(約 0.025eV)でキャリアが励起されるかどうかが半導体か絶縁体かが決まるという感覚です。

        よくわからないのですが、いわゆるワイドギャップ半導体を、真性半導体のままで使うことってあるのでしょうか?
        (p型やn型と接合して、そこからi型にキャリアを流し込んでくる、というのは、あるかもしれませんが)。
        原理上は、絶対零度でない限り、どんな高いバンドギャップでも励起確率は完全にゼロではないですが。

  • by Anonymous Coward on 2012年01月07日 22時38分 (#2077525)

    唯一生き残っている真空管の活躍する送信管も、このFETで代替できるのかな? 悲しいようなうれしいような。

    • Re:大電力送信 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2012年01月08日 2時19分 (#2077568)
      既に放送機はMOS FETへの置き換えが進んでいるから、送信管が駆逐されるのは時間の問題かと。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        数百ワットではなく、100kW級の送信はまだ真空管の独壇場でしょう。軍用レーダーも真空管が使われているしね。
        • by Anonymous Coward on 2012年01月09日 11時04分 (#2077922)

          100kW級も固体化されてますよ。
          全固体化(MOS-FET)中波放送装置http://www.nec.co.jp/bv/hoso/am.html [nec.co.jp]
          この種のものは複数の出力段の出力を電力合成して所望の電力を得ます。

          軍事レーダもアダプティブアレーのレーダなんかは固体化されてます。
          でも単一大出力のレーダとか長波の大電力送信設備なんかは当分電子管なんでしょうけど。
          後他の方が書いていた電子レンジも。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          電子レンジを忘れないでね

  • by Anonymous Coward on 2012年01月07日 23時11分 (#2077534)
     データ見る限り見事にノーマリーオン型FETなわけなんですが、うまく閾値制御ができるかどうかが問題かと。GaNにしろSiCにしろそこが問題で実用化に時間がかかっているわけで……。
  • by Anonymous Coward on 2012年01月07日 20時05分 (#2077464)

    使い易いデバイスを安定供給してくれよ。
    新しいデバイスなんでお高いです。では使えんよ。

    • by Anonymous Coward on 2012年01月07日 20時49分 (#2077491)

      トランジスタだってICだって「電子頭脳」だって、最初は「新素材/新技術でお高いです」だったものが、
      時代と共に改良され、コストダウンされて安くて安定した物が大量供給されるようになったわけで、
      上記の発言はその辺りの発明及び技術の進歩というものを知らない無知無学ゆえの発言と
      取られても仕方ないと思う。

      親コメント
      • by atdp117 (41595) on 2012年01月08日 6時31分 (#2077588)
        トランジスタやICの実用技術の開発は軍事と航空宇宙分野からの要求と、それに伴う資金投入が有ったから発展したと言っても良いと思います。
        そう言った事業で開発した技術を民生品に展開するという開発モデルだったわけです。
        だけど現在は高くても買ってくれる客が限られるから、昔の開発モデルが通用しなくなってるんですよ。
        デバイスメーカがSiCや酸化ガリウムを開発するも、低コストになる(=市場での競争力になる)であろうのが大きなモチベーションになっています。
        安くて高性能なものをいきなり求められる時代なんです。
        親コメント
        • by BIWYFI (11941) on 2012年01月08日 14時27分 (#2077657) 日記

          半導体の発展が軍事主導なら、日本の半導体メーカが存在する事は無かった筈なので、筋違いかと。

          半導体は、同一の単結晶を延々加工する関係で、TATがどうしても長くなるから、量産でのコスト削減には大規模設備が必須で、これは少数生産で十分な軍用とは相反するんだよね。
          特にCMOS関連だと、完全に民生と軍用の順序が逆転してて、民生で成功して安定したから軍用に取り込まれた物が多いかと。
          アプリケーション的には、軍用を民生展開した物も多いけど、これは、製造とは別の話。

          で、結局の所、量産設備に膨大な投資が必須という点で、新技術が足踏みする間に、リスクの少ない既存技術の発展が追い越してしまうのが今までのパターンかと。

          新素材の場合は、使える形の原料も大量に手配出来ないと量産出来ない訳で、建屋の建設やらから始めると軽く十年は掛かる世界。
          場合に拠っては化学プラントから製造が必要な事もお忘れなく。

          ちなみに、既存設備を転用出来ない限り、量産不可能なんだから、安くて高性能な物がいきなり出るなんて事は滅多に有り得ない。

          と云う訳で、今回の話題は、原料や部品レベルからの量産可能性を考慮してるのかが結構疑問だったりする。
          原理的に量産可能でも、既存設備が微妙に対応してないから歩留まりが上がらないとかって事が平気で起こるのが半導体の世界だし。

          --
          -- Buy It When You Found It --
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          • by atdp117 (41595) on 2012年01月08日 15時23分 (#2077675)
            トランジスタ、ICの初期技術の開発は米国によるものが大きいと思いますが、これらは軍事関連産業の主導によるものです。
            日本はこれらの技術を米国から技術導入をしています。
            プロセス技術だけでなく、回路設計手法、生産テスト、パッケージ技術等土台となっている技術です。
            日本の半導体産業は民生品が引っ張って来たわけですが、技術のルーツは軍事で有ると書きたかったのです。
            日本は一から投資する事は到底出来なかったでしょう。

            >ちなみに、既存設備を転用出来ない限り、量産不可能なんだから、安くて高性能な物がいきなり出るなんて事は滅多に有り得ない。

            あり得ないんですが、市場はそれを求めているんですよ。
            頭の痛い問題なんですがこれは事実なんです。

            歩留まり件は同意です。SiCもまだ手こずっている位ですから、酸化ガリウムが市場に出てくるのはかなり先になるんでしょう(あるいはたち消えてしまうかもしれない)。
            CMOSに混載できて、大手のファウンダリーが対応すればかなり状況は変わるんだろうけど。。。
            親コメント
            • by Anonymous Coward

              結論としては、税金の無駄だからとっととNICTを仕分けろということでよろしいですね。

            • by Anonymous Coward

              > 日本の半導体産業は民生品が引っ張って来たわけですが、技術のルーツは軍事で有ると書きたかったのです。

              この技術を欲したでしょうし出資もしたでしょうが、それをもって、ルーツは軍事であると言うのはどうかと。

              • by atdp117 (41595) on 2012年01月08日 16時20分 (#2077687)
                トランジスタの最初のアプリケーションは軍事機器向けでした。
                ICはアメリカ政府が飛翔体向けに小型で信頼性の高い電子回路を搭載する一手法を各企業に開発させた成果の一つです。
                もちろん、その後民生品に使われ出して色々改良されて発展してきましたが、その発展の過程では土台の技術が使われている以上、ルーツは軍事であると考えてます。
                親コメント
              • by Anonymous Coward on 2012年01月08日 17時38分 (#2077709)

                トランジスタは、AT&T社が大陸横断電話を実現するために
                真空管に代わる高信頼性で長寿命の増幅器がほしくて開発を始めました。
                実際AT&T社のベル研究所にて、ショックレー・ブラッテン・バーディーンにより発明されました。

                電話は一応、軍事目的に利用可能ですが。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                半導体素子の研究に膨大な軍事費が投じられた事実は否定しませんが、軍用分野では一時的に実用化されたものの、極めて高コストであるがゆえに立ち枯れで消えてしまった技術が無数にあって、それらは、今の半導体技術の支えには残念ながらなっておりません。アメリカ空軍は、GaAsで作ったNMOSのZ80なんてのを特注で作らせていたという噂も聞いたことがありますが、現在、GaAs製CPUを積んだパソコンがありますか? 私自身も、人工衛星向けに作られたアメリカ製のハイブリッドIC、ひとつ350万円を仕事で使ったことはあり、高いことは高いけど、最終製品が民

              • by Anonymous Coward
                > 必要な製品に必要な部品を妥当なコスト
                それを実現するのが大量生産による1個あたり開発コストの低減化なんだけどね。モノ作ってる人間のくせにそれが分かってないとはね。
                ご優秀なあなたが量産家電メーカー技術者の1000分の1の給料で1000倍の開発量こなせるんなら多少は吠えてもいいけど。
              • by Anonymous Coward

                そのGaAsのICは、結局CMOSに性能で負けて今の状況になっているのでは?
                利益を上げられない技術は進歩が止まってしまうんですよ。

                軍事云々は知りませんが。

              • by Anonymous Coward

                なんでワンオフ設備開発と量産家電開発を一緒に考えなきゃならないのよ。
                っていうかおまえ等どっちも軍需起因でないということが言いたいはずだろうに、そこから先で議論を間違えてるだろ。

        • by Anonymous Coward

          はぁ・・・
          今や青色発光ダイオードで当たり前に使われている窒化ガリウムの長年に渡る下積み研究に、軍事費や航空宇宙研究の金がそんなに投じられましたっけか?

          > 安くて高性能なものをいきなり求められる時代なんです。
          求められるから何? 求めに応じないと研究者は死刑ですかね? ものすごく傲慢な物言いで、吐き気がするんですが。

          • by Anonymous Coward

            死刑にはならないでしょうが、リストラされる可能性は高いですね。
            シリコンデバイスの進化は恐ろしいスピードで起きてますから、
            早期に利益を回収して研究開発費を増やさないと存在自体が無かったことにされてしまいます。
            いつまでたってもGaNが本格的に実用化されない理由も、そこに一因があります。

          • by Anonymous Coward
            流石に死刑にはならないでしょう。
            ただし、食い扶持が無くなる=死刑 という解釈であるとすれば話は違ってきます。

            この分野の研究者なら少なからず危機感を抱いていてもおかしくないと思いますが。
      • by Anonymous Coward on 2012年01月07日 23時01分 (#2077533)

        性能はショボイけど安価で大量に販売されていたCMOSが、
        大きな売り上げに支えられた豊富な研究開発費によって劇的に性能が上がり、
        物性上は高性能なはずの化合物デバイスを駆逐してしまった歴史があります。

        今では信じられないかもしれませんが、GaAs HBTでスパコンを作ろうとしていた時代も有るのですよ。

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      研究者は一番乗りが大事
      開発者はてっとり早く儲けられることが大事

    • by Anonymous Coward

      まあ実用化まで遠いのはいつもの事でしょう。
      ただ欧米メーカーの独占にならんように早いこと開発してほしいな。

    • by Anonymous Coward

      >新しいデバイスなんでお高いです。では使えんよ。

      高くても良い、ってとこから使ってくんだから問題ないだろ。
      何でもかんでも安くないといけないわけでもあるまいし。小遣いの少ない子供じゃないんだから。

    • by Anonymous Coward

      > 使い易いデバイスを安定供給してくれよ。
      > 新しいデバイスなんでお高いです。では使えんよ。

      新しいデバイスは普通お高いです。知らないんですか?
      ご所望のお安い&安定供給されたデバイスも以前は高かったものです。
      なので、5~20年も待てばお安くなるんじゃないかな?
      < メジャーにならなきゃ、消えているかもしれんがw

  • by Anonymous Coward on 2012年01月08日 9時13分 (#2077601)

    >非常にシンプルなトランジスター構造にも関わらず良好な特性を示したとのこと。

    良好な特性を引き出す為にごてごてした構造にしているものなんてないんじゃぁない?

    • by glasstic (32934) on 2012年01月08日 18時24分 (#2077730) 日記

      >良好な特性を引き出す為にごてごてした構造にしているものなんてないんじゃぁない?

      Siで言う、スーパージャンクション構造のことを言ってるのでしょうか。
      http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20060306/114189/ [nikkeibp.co.jp]

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      昨今流行りのハイブリッドカーって、良好な燃費を得るためにガソリンエンジン+モーター+バッテリー+コントローラというゴテゴテした構造になってるね。

    • by Anonymous Coward

      高圧に耐える電力用トランジスタは、すごく複雑な構造ですし、構造とまで言わないものでも、不純物濃度の傾斜とか、いろいろやってますね。

typodupeerror

あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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