生命の定義を多数決で決める 70
チューリングテスト的に定義できんかの 部門より
capra 曰く、
「多数決による生命の定義」を突き詰めた研究者がいるそうだ (Byte Size Biology の記事、本家 /. 記事より) 。
例えば Wikipedia の生命のエントリには「基本的には生きているものと死んでいるもの、あるいは物質と生物を区別する特徴・属性などを指す語、あるいは抽象概念」とあり、「現代の生物学では、代謝に代表される、自己の維持、増殖、自己と外界との隔離など、さまざまな現象の連続性をもって生命とする場合が多い」とも記されている。
今回発表された分析では 123 件に及ぶ異なる生命の定義を分析したとのこと。接続語などを省いた後、似たような意味を持つ単語を定義と使用頻度ごとに分類したところ、10 個のグループに分けることが出来たという。グループはそれぞれ「生命」「システム」「物質」「化学的(代謝)」「複雑さ (情報)」「再生」「進化」「環境」「能力」とカテゴリ分けされた。これらから生命を定義するとすれば、例えば「生命とはエネルギーおよび適した環境を要する、変化 (進化) を含んだ自己再生能力を持つ代謝する物質情報システム」とでもまとめることができるかもしれないが、「物質の存在は既に『適した環境』を示唆している」といった理由からこの定義はさらに凝縮され、最終的には「生命とは変化を伴う自己再生 (Life is self-reproduction with variations)」という定義が導き出された。
この定義では自己再生および変化するソフトウェアやウィルスなどは生命と定義されるのかといった問題もあり、若干行き過ぎな念を拭えないが、なかなか面白いアプローチではあるかもしれない。
凝縮しすぎだ (スコア:2)
凝縮しきったものだとライフゲームのグライダーとかも生命になっちゃうし
水が凍る現象も生命とか言いたくなっちゃうかもしれませんね。
あと生命とか宇宙人とかの話題になるといつも思うのは
「サイズやタイムスケールが人間と大きくかけ離れていないもの」って定義が無意識に追加されますよね。
Re:凝縮しすぎだ (スコア:1)
いやあホイルの暗黒星雲 [wikipedia.org]やウルトラQのバルンガ [onasake.com]の様な天体スケールの生物(?)を想像するのは現在では難しくないと思います.
現実の生物でも造礁サンゴやストロマトライト [livedoor.jp]の様に, 成長に地質的な時間がかかるものがいますから, タイムスケールについては人間中心で考えるのはダメというのは確かでしょう. またサイズについてもウイルスやモネラあたりと比較すれば106倍(容量としては1018倍)のオーダーになりますから, あまりあてにはならないはずです.
Re:凝縮しすぎだ (スコア:1)
オラフ・ステープルドンのスターメイカー当たりだとどうだろう?
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
水は生きているとかいう派閥がまた復活しそうだな
Re:凝縮しすぎだ (スコア:1)
「火」も同じですね。自己再生と言えるかどうかは微妙ですが、物質の状態が一定の秩序を持って複製していくような…
「社会」とか「文化」っていうのもどうでしょう?その遺伝子は「ミーム」だとか何とかいうのを聞いたことがあります。「物質」の語を省略してしまうと、こんなものまで「生命」に入ってしまうのでしょうかね? スタートレックに出てくる「ボーグ」なんかは、まるで宇宙をまたに掛けた巨大なウィルスのようにもも思えます。ボーグも社会のひとつですけど。
(≧∇≦)
Re:凝縮しすぎだ (スコア:1)
ミームは、生命は物質に属するモノではなくそこに宿るモノ、という論者から見れば立派な生命ですね(正確にはその構成要素、かな)。
#動いてないプログラムは生命じゃないけど現在活動中のプログラムは生命かも、みたいな?解釈に自信があるわけではないです(^^;)
噂・口伝で生き残る伝説の存在、妖怪だの幽霊だの宇宙人だの黒服の男だの何だのの類いは、人間の知識という世界の中で
変化しつつ複製される(成長したり滅びたり混ざったり新たな存在に進化したり)立派な生命の形と言えるでしょう。
延長して行けば、人に宿るとされる「知性」「人格」も結局そこに含まれる一様式に過ぎないのかもしれません。
人の身体なんてただの乗り物、自意識なんて乗り物の制御プログラムに過ぎず、他者に見える部分が本質ッスよ!(極論)
Re: (スコア:0)
> 「サイズやタイムスケールが人間と大きくかけ離れていないもの」って定義が無意識に追加されますよね。
「サイズやタイムスケールが人間と大きくかけ離れているもの」は、
生命であるかもしれないし生命ではないかもしれないけど、
人間の観測能力の限界から、判断困難なので、
議論の対象とはしない(現時点では「分からない」ものとして棚上げする)
…と言うだけの話じゃないの?
無知の知と言うか、分からない事を知ってるから除外してるだけで、
「無意識に追加」はしていないと思う。
Re:凝縮しすぎだ (スコア:1)
>無知の知と言うか、分からない事を知ってるから除外してるだけで、
まさに無知の知と仰るとおり、そういうことを意識して回答してる人は少ないんじゃないの?って意味です。
分かって除外してる人って少ないんじゃないかなーって。あなたは分かった上で除外していたのかもしれませんけど、多くの人は、ってね。
「地球は生命」って考え方は比較的浸透してますし、ちょっと宇宙に興味を持つ人なら「恒星の一生」ってのも考慮に入るでしょうけど、
じゃあ台風は?とか山は?とか大陸は?小惑星は?とか
あるいは地底で長い時間をかけて生成される岩石結晶は、とか
そういう所ってわりとちょっとも考慮する前に対象から除外してるんじゃないか、って。
Re: (スコア:0)
確かに岩が生命か否かは、実のところ良く分からない。
半生命 (スコア:2)
池上高志(複雑系科学) [nhk.or.jp]
生きているのでもなく、死んでもいない (スコア:2)
國枝武和(くにえだたけかず) [nhk.or.jp]
ポンコツとコオネは? (スコア:1)
あなたが生命だと思うものが生命です。
Re: (スコア:0)
> あなたが○○だと思うものが○○です。
○○にはほとんど何でも好きな言葉を入れられるね。SFとか有名だけど。
一見かっこいいけど「議論は一切拒否します」とほとんど同義なんだけどね。
Re: (スコア:0)
> 一見かっこいいけど「議論は一切拒否します」とほとんど同義なんだけどね。
元々、「その話は結論出ねーし荒れるから黙れ」って意味ですし。
Re: (スコア:0)
「ただし他人の同意を得られるとは限りません」の注釈もつけないと
何か問題が? (スコア:1)
>自己再生および変化するソフトウェアやウィルスなどは生命と定義されるのかといった問題
ソフトウェアやウィルスが生命と定義されると何か問題があるのでしょうか?私にはまったく何が問題なのか思い当たりません。赤痢やペストを保護しろという動物保護団体も聞いた事が無いし、社会的にも問題ないと思います。
ソフトウェアやウィルスが人間と定義されると、法的な問題が発生するとは思いますが、そこまで進化するのはだいぶ先だと思うし気にしなくてよいのではないでしょうか?
再帰 (スコア:0)
Re: (スコア:0)
生命の定義をした瞬間に、生命を再定義することになるから、生命を定義しなおして、…あれ?
Re: (スコア:0)
ぼくらはみんないきているいきーているからいきるんだぁ
Re:再帰 (スコア:2, おもしろおかしい)
みんなみんないきているんだともだちなーんーだぁ
の人が愛と勇気だけが友達と主張している件について
Re: (スコア:0)
導かれる結論
アンパンは生物ではない
飛んでる (スコア:0)
Life is self-reproduction with variations って、物質や代謝や適した環境を全部削除しちゃってる。
どれか一つでも残さないと。
中学の頃、生物とは1.代謝し、2.自己増殖する物だって習った。
Re: (スコア:0)
でも、何らかの代謝(もしくはエネルギーのどこかからの摂取)無しでself-reproduction(自己複製)は物理的に不可能だし、適した環境が無ければそもそもself-reproductionなんて不可能なんで(だって、どれだけ極限的・劣悪な環境でも増殖できるものってあり得ないし)、そういう意味ではself-reproductionという語を含めた段階でその両者は明示されなくとも自動的に含まれてくる気がする。
Re: (スコア:0)
で、タレコミの文章
「この定義では自己再生および変化するソフトウェアやウィルスなどは生命と定義されるのかといった問題もあり」
へループ。
Re:飛んでる (スコア:1)
それはself-reproductionとvariationsの定義というか、バランスというか、自己再生といってもまったく同じに戻る必要はなく、変化といってもまったく異なる様になる必要はなく、この二つは相反しつつもバランスをとって共に両者が共存して続いている状態、なのかな。
短期でぐちゃぐちゃに変化して滅ぶのは自己再生が足りないけれど、いずれ滅ぶ生命が生命であるのはただ長いからというわけではなく、ある時間的空観空間的スケールでも、それよりミクロでもマクロでも、それぞれでそれなりにバランスされたself-reproductionとvariationsが存在するかどうかのような気がした。
#が、星の誕生と崩壊のプロセスはどうなのだろう。
Re: (スコア:0)
ソフトウェアやウイルスが変化を伴う自己再生をしているなら、
定義に合致するので生命です。
変化や自己再生をしているが、生命ではないと主張したいのなら、
まずそれらが生命でないと断じる理由を提示しないと、議論が進められません。
Re:飛んでる (スコア:2)
「細胞でできている」という定義を加えることがありますね。
これでいちおう、伝統的な生命観に乗っ取った生物を定義できる。
#細胞の定義は? でトートロジーに陥る危険あり
Re: (スコア:0)
ソフトウェアや、ウィルスは、ほかのハードウェアの上でないと複製できない(=自己複製できない)ので生命じゃないですね。
Re:飛んでる (スコア:1)
人類は地球と言うハードウェアがないと存続できないので、生命じゃないですね。
でも、放送大学ではウィルスを生物に入れてたけど。
the.ACount
Re:飛んでる (スコア:1)
「生物の定義」として、昔からいろいろな条件が提唱されてきたわけですが。
その中に「外界との明確な仕切り」があげられることがあります。
その上で考えた場合、地球と人間の「仕切り」は明確です。
リソースさえあれば、地球はなくとも宇宙船で暮らすことだって可能でしょう。
つまり、人間と地球は不可分ではないのです。
反面ソフトウェアとハードウェアは絶対不可分であり、ハードウェアが存在しない状況でソフトウェアが存在することは不可能でしょう。
フィクションの話ではありますが。
「攻殻機動隊」の自意識を持ち、自身を生命体と主張したトロイプログラム「人形遣い」を生物と定義した場合、一見「ソフトウェアが単体で生物たり得ている」様に見えますが。
敵側の目的である「人形遣いをスタンドアロンのアンドロイドに追い詰めて、それを破壊する」この行為自体が、ソフトウェアは単体で存在できないことを物語っている様に思います。
#放送大学ってのは、生徒も教師も「老後の道楽」みたいなものなのでなあ……
Re:飛んでる (スコア:1)
地球なしで人類の存続可能性は証明されていない。
地球と同じ環境での人類存続も証明されていない。
#宇宙での生命まで講義してる放送大学が生物定義を狭くするわけがない。
the.ACount
Re:飛んでる (スコア:1)
ほかのハードウェア上って表現は曖昧すぎるのでは?
単なる実行環境という意味なら、他のコメントの指摘通り、人間を含む全ての生命(と一般的に呼ばれてるモノ)は、地球という環境がないと存在できませんし。
ウィルスは、ほかのハードなりソフトなりの「機能を利用」しないと活動できない点が、スタンドアロンで活動できる「生命」との違いだったと思います。
ソフトウェアも、単体で自己複製できるなら、この定義では生命になるんじゃないでしょうか。
Re:飛んでる (スコア:1)
外見にだまされやすいところなのですが。
寄生生物は「食っている肉が生きている肉」というだけで、それ以外は普通の生物と何ら変わりません。
「自分の体の中で」代謝し、繁殖する仕組みを備えています。
反対に、ウイルスが生物と扱われないのは「自分の中で」代謝や繁殖する仕組みを持たないことが理由です。
受粉にしても、それは単なる手段なだけで。
極端な話「ちんこを使わない男は生物じゃないよねーwww」と、いうのと同じ理屈なのではないかと思います。
Re:飛んでる (スコア:2)
>それが生命でないかどうかは別としても区別して語られるべき境界は有ると思われます。
植物が生命でないかどうかの議論を置いておいても、観測的事実から、動物と区別して語られるべき境界はある。それが生命であるかどうかを議論しているときに、その中で区別すべきかというのは別の問題。
Re: (スコア:0)
その状態は我々が地球上或いはそれを模した環境の中でのみ自己複製が出来ることと本質的な差があるかどうかかね
Re: (スコア:0)
> ソフトウェアや、ウィルスは、ほかのハードウェアの上でないと複製できない(=自己複製できない)ので生命じゃないですね。
飛んでます。
一足飛びに書かずに、まずは
「ほかのハードウェアの上にしか複製を作れない場合、それは自己複製とみなさい」
と言う貴方のオリジナルの定義を宣言してください。
それは「宣言するまでも無く自明」な事ではないでしょ?
で、その定義に基づくと、
ひとつの宿主の上で子を作って共生する事はせず、
他の宿主へと卵を送るような寄生生物は、生命じゃない?
…って、それ以前に、
「ほかのハードウェアの上でないと複製できない」
ってのは何の定義なんです? 貴方がウイルス作る際の自分ルール?
ひとつのハードウェアの中で複数のファイル内の同一ウイルスが活動する『必要性が』 無いだけで、
コピーそのものはひとつのハードウェアの中でも複数のファイルに複製されるし、
それらがそれぞれプロセス立てて活動する場合もあるでしょう。
これでわかった!地球はいきているだ! (スコア:0)
キチガイがとおりますよ。
Re: (スコア:0)
人類が火星をテラフォーミングして植民でもすれば「増殖した」ってことになるのかな.
Re:これでわかった!地球はいきているだ! (スコア:1)
風邪ひいたり(氷河期)もしますしねw
Re:これでわかった!地球はいきているだ! (スコア:1)
そういや月もイズミコ [wikipedia.org]との間に子供作ってたっけ。
らじゃったのだ
Re:これでわかった!地球はいきているだ! (スコア:1)
地球を一つの多細胞生物とみなすのであれば、増殖したと考えて良いかと思います。
self reproduction "with" variations (スコア:0)
変化と自己再生が両方起こっている必要がある,という点が絶妙な定義なのかも.
そもそも変化と自己再生って相反する現象ですよね(変化しすぎれば「自己」を再生したとは言えなくなってしまうし,完全な自己再生は変化を伴わないコピーだし).
変化と自己再生の双方と見なせる境界領域を「生命」と呼ぼう,という考えにはそれなりに賛同できそうです.
そうなると今度は,どこまでの変化を許容するのかという問題が発生する気もしますが.
Re:self reproduction "with" variations (スコア:2)
大腸菌でいえば、
・自己再生=分裂による増殖
・変化=接合による遺伝子交換
定義によっては (スコア:0)
生殖機能を無くした動物は生物ではないということにたどり着くのでしょうか
Re:定義によっては (スコア:1)
個体のことじゃないから。
君がどうであっても人類が生物であることに関係ないのだよ。
the.ACount
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
別に生殖機能が無くなっても細胞が増殖していればいいのでは?
生物学ではreproductionを再生とは言わない (スコア:0)
regenerationと混同するでしょう。
自己増殖が一般的な訳では?
フォン・ノイマン・マシンの定義に近い。
Re:生物学ではreproductionを再生とは言わない (スコア:1)
「増殖」だと増えなきゃいけないような気がする。
絶滅危惧種はどうする?
the.ACount
Re:生物学ではreproductionを再生とは言わない (スコア:1)
その辺の落としどころは「自己複製」あたりですかね。
しかし絶滅危惧種は単に個体数が減少していっているというだけで
生体として増殖するポテンシャルはある(環境が許せば増えることが可能)という意味で
「増殖しているとは言えない」とは言えないとも思います。