学術雑誌で特定の論文を引用するように強要することが横行? 41
ストーリー by reo
横行かどうかは知らないが、あるよね 部門より
横行かどうかは知らないが、あるよね 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
米国で行われた調査で、「学術雑誌に論文を投稿する際、その学術雑誌で過去に掲載された論文を引用するよう圧力を受けた」ということが横行していることが判明したという (朝日新聞デジタルの記事) 。
調査は米国の人文・社会科学系8分野の研究者が対象で、約 6700 人が回答。そのうち過去 5 年間で先のような圧力を受けたことがあるという研究者は約 1300 人にも上ったという。
日本でもこのような「圧力」はあるのだろうか?
それよりも (スコア:3, 興味深い)
その学術雑誌の論文を引用するよう要求するのは、その学術雑誌に対して利害関係にある人つまりエディターだろうけど、
そんなの聞いたことがない。
むしろレビュアー(たいてい、同じ分野の他の研究者)が、自分の論文を引用しろって言うことのほうが多いと思う。
「俺が先にやった仕事をおまえは見落としてる」というツッコミだから、べつに問題ないというか正しい指摘なんだけど。
Re:それよりも (スコア:2, 興味深い)
私は大学で博士やってますが、実際にありました。
しかも「これを引用しろ」ってのが微妙にズレてるんですよね…。
その雑誌は(その強要の効果か)近年急激にインパクトファクターを上げているようです。
Re:それよりも (スコア:1)
雑誌の発行元にとってもメリットがある
部外者が見ても該当論文を引用することの妥当性は容易に評価できない
これでは発生を食い止めるのは至難の業ですね。
人文系では匿名性を排してオープンに審査するところもあるみたいですが
不正が起こらないよう配慮できればそちらの方がいいかもしれないですね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
博士研究員じゃね?
Re: (スコア:0)
せめてどの分野の学会誌の話かくらい書いたら?
Re: (スコア:0)
レビュアーが誰かがはっきりわかるような査読ってないと思うんですけど・・・分野によってはあるんですか?
Re:それよりも (スコア:3, 参考になる)
該当分野の先行研究に関する調査が不足しており新規性を判断出来ない。
例えば、似通ったテーマに対して同様のアプローチを取った論文として
下記4件があるため、少なくともそれらを調査し差異を明確にすること。
とか査読コメントに書いて、4本中に自分のを含めるとか。
Re: (スコア:0)
分野によっては「これが理解できるのは世界で2人しかいなくてそのうち1人は論文の著者」とかで事実上バレバレになってしまうことも。
Re:それよりも (スコア:2)
むしろ投稿する段階でレビューアを直接指名することも多いのでは?
ホワイトリスト(この中から選んでね♡)とブラックリスト(この中からは選ばないでね><;)をつける場合もあります。
エディタの仕事軽減とレビュー期間短縮のためなんでしょう。
Re: (スコア:0)
ホワイトリストは、必ずしもその中から選ぶというものではないですけどね。
...というのは表向きで、実際にはその中から選ばれることが多いのでしょうか?
さすがにエディターやったことないから分からない。
Re: (スコア:0)
あれ、イヤだよねえ
いつも「誰を選ぶか」で悩む
(僕は友達が少ない)
Re: (スコア:0)
あれ、イヤだよねえ
いつも「誰を選ぶか」で悩む
(僕は友達が少ない)
この(隠れ)リア充め!
Re: (スコア:0)
システム的には分からないようになってるけど、「○○と××と△△という先行論文が非常に関係が深いので引用するべき」とか言うコメントで全部同一グループの論文(しかも同じぐらい関係しそうな別グループの論文もあるのに、そっちには言及無し)とか、そういうコメントで指摘されてる論文が「え?それ要らなくね?」って論文だったりとかで「絶対このreferee、そのグループの関係者だろ……」ってのは時々ある。
言われる前に (スコア:3, 興味深い)
エディターから言われたことは無いけど、自分からそういうことを考慮することは(多少は)無くもない。
例えば同じような内容を扱うアメリカのジャーナル(Journal of American ○○)と欧州系のジャーナル(European Jouenal of ○○)がある、って事は多い。同じ分野だから、どちらにも似たような関連する仕事は出ている。
もちろん、出そうとする仕事に非常に関連の深い重要なreferenceは変わらないんだけど、それ以外の雑多なreference(『最近この分野の研究が多く行われており[1-10]』、とか)では、前者に出すときはまあ同じ出版社の出してる論文を多めにしとくか、とか、それで駄目で後者に出し直すときには同じ欧州系雑誌のreferenceにちょっとだけ入れ替えてみたりとか。
効果があるのかというとほとんど無いような気もするが、まあ、おまじないレベルで。
入れ替えても問題ないreferenceなら、僅かでもエディタに気に入られた方が通る確率がほんのちょっとだけ上がるわけで、ならやっとくかなあと。
#refereeの判断が割れてエディターに判断が一任され、かつボーダーの場合にしか効果がない。
Re:言われる前に (スコア:2, 興味深い)
国内の工学系学会論文誌に投稿したときに,上席からその学会の論文誌をリファーしたほうが喜ばれるから,できるだけ入れなさいと言われたことはあります.
「国内の論文誌なのに,リファーがIEEEとかACMばっかりだなんて…何とかしなきゃ…」,というキモチが学会の中の人にあるんだとかどうだとか聞きました.
もっとも,ぼくの論文のリファレンスは,結局すべて IEEE系 国際会議とか ACM とかになっちゃったんだけどね….
Re: (スコア:0)
信学会とか情処ですね。わかります。
SEOみたい (スコア:2)
そのうちゴミ論文を大量発行して引用数を稼ぎますよ、という業者が現れるに違いない。
Re:SEOみたい (スコア:2)
Re: (スコア:0)
Re:SEOみたい (スコア:1)
ネタにマジレスだけど、impact factorの算出に使われる雑誌は決まってるから、適当な雑誌を作ってもあんまり意味がない。
Re: (スコア:0)
でたらめに作った論文が査読通ってしまったって実験無かったっけ?
Re:SEOみたい (スコア:4, 興味深い)
ソーカル事件ですね。「知の欺瞞」という本になっています。
ボグダノフ事件というのもありますが、こちらは執筆者が自分たちの論文はまっとうなものだと主張していたはず。
人から聞いた話ですけどね (という事ほど信憑性の低いものもない) (スコア:2)
条件付き採録の査読コメントで、「これこれこういう先行研究があるけど、それとの比較検討や優位性の主張がないとね」と指摘され、けれどもその時は特定の論文を引用するようにとは言われなかったそうで、そのコメントに従って該当する関連研究を調べたところ研究会の技報ぐらいしか見つからなかったらしいんです。でも技報もリファレンスに入れて先行研究との比較検討を行った形で修正して (それが十分ではなかったのかもしれない) 再度投稿したところ、結果はリジェクト。その時のメタレビュアーのコメントには「条件付きの採録時のコメントに対して十分な修正が行われていない」とかあったらしく、で、例のコメントを寄せたレビュアーからは「今度からこの文献をリファーするべきだね」みたいな事が書かれてあって (いや、これは僕の悪意による偏向が入っているな) 、そこにはまだ条件付き採録時にはパブリッシュされていなかった論文が示されていたんだそうで。
まあ今度はその論文を引用して書けばいいだけの話ですけどね。でも博士過程の学生さんにはそんな潤沢な時間はないでしょう?誰もがオーバードクターできるような家庭環境にあるわけでもなし。結局、博論審査に必要なあと1本に満たず、その知人は博士課程を中退して企業に就職しました。それが良いことか悪いことか僕には判断できませんが、あの査読者は自分が一人の学生の人生を変えているのだという自覚があったのやらどうなのやらと思わずにはいられないのが正直なところです。まあもちろん、一人の学生の人生のために学術誌のクオリティを貶めるわけにはいかないのも確かですが。でも本当に貶められるほどのクオリティだったのかと (リジェクトされた論文も、その学術誌も) 僕は思うんですけどね。
Hiroki (REO) Kashiwazaki
Re: (スコア:0, フレームのもと)
>まあ今度はその論文を引用して書けばいいだけの話ですけどね。でも博士過程の学生さんにはそんな潤沢な時間はないでしょう?
それが博士課程の学生さんの『お仕事』です
本業なんだから時間が無いはずはありません
>あの査読者は自分が一人の学生の人生を変えているのだという自覚があったのやらどうなのやらと思わずにはいられないのが正直なところです。
そんな自覚は必要ありません
査読者が人生を変えたのではなく、学生自らが自分の人生を変えたのです
Re:人から聞いた話ですけどね (という事ほど信憑性の低いものもない) (スコア:1)
仕事ならちゃんとそれに専念できるように金を払え。以上
Re: (スコア:0)
それは俺が小学二年生のときに担任に言った言葉だ
Re:人から聞いた話ですけどね (という事ほど信憑性の低いものもない) (スコア:1)
Hiroki (REO) Kashiwazaki
Re:人から聞いた話ですけどね (という事ほど信憑性の低いものもない) (スコア:1)
時間は限られてるよ。
研究自体の進行具合と博士号の審査日程がうまくかみ合うように、発表内容と発表先を選ばないといけない。発表に至るまでにかかる時間は数ヶ月単位。そしてできるなら、時間をかけていい論文にして、すこしでもいい雑誌に出したい。
私は博士後期課程に4年いたんで、時間の余裕は(かなり)あったけど。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
うちは投稿中の論文は業績に仮カウントしていたよ。
Re: (スコア:0)
エディタとしては、そういう抗議が来ないように、来たとしても理由を説明出来るよう客観的な判断を下すべきですし。
数人の査読者のコメントを纏めてエディタの最終判断とする段階で、
「査読者Aの不採録理由1と3は妥当だけど2は無茶だな、最終判定からは消しておこう」とか。
それに対して、実際に「査読者Aの理由2は不当だ」みたいな抗議が来たこともあり、
「エディタとしても不当と思われたのでそれ抜きで最終判断は行ったがその結果、不採録となった。
そのため、最終判定の理由説明にA-2は含めていない」と説明して納得頂いたこともあります。
むしろ「A-2はスルーした」と明記すべきだったかも知れません。
覆りかねないような怪しい判定を下すような仕事が適当な方々にプレッシャーをかける意味でも、ぜひ抗議すべきだったと思います。
Re: (スコア:0)
もしそれが本当なら、正式なルートでクレームを入れるべき内容でしょう。本人の責任と言うよりは教授の責任ですが、まぁ博士課程学生ならもう大人なわけで、それは戦っても良いはず。
それだけの戦闘力のない教授の下で博士を取ろうとしたのであれば、それはまぁ、しょうがないんじゃないですかね。
Re: (スコア:0)
リファーすべき論文が後付けで増えるのはあまりにアンフェアですね。フルペーパーとレターだったりすると査読→掲載のタイムラグの違いから、査読者がネタパクって投稿しても間に合ったりする可能性もありますし……。
Re: (スコア:0)
Hiroki (REO) Kashiwazaki
もうね (スコア:1)
いちおうAC
素直に引用すればいいじゃん (スコア:1)
だいたい,インパクトファクタやらサイテーションインデックスで論文誌や論文を評価しようとするのがいけないんだよ。
そんなものを客観的評価と考える方が間違っている。
それをやって評判を落とした人は知ってる (スコア:0)
某学会で。
少なくともエディターはそういう査読はみてるし、悪い評判は広がりやすい。
Re: (スコア:0)
今回の記事は、「編集者(エディター)からそういう圧力を受けた」だから、レフェリーから言われたのとはまたちょっと違うと思う。
#そういうレフェリーはそれなりにいるが、エディターでそう言ってくる人は今のところ見たこと無いなあ。
博士号なにそれおいしいの (スコア:0)
>米国の人文・社会科学系8分野
日本文化に関する人文系研究者を目指し挫折して、ずいぶん経つから今は違うのかもだけど、
アメリカだと人文科学分野でもインパクトファクターとかあるんだーすごいなー(遠い目