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テクノロジー

東海大が波動エンジンを開発 55

ストーリー by reo
冷却水は波動水 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

東海大の研究者らが廃熱を高効率に回収できる「波動エンジン」を開発、公開した (Car Watch の記事より) 。

波動エンジンは、例えば雷鳴に代表されるような大きな温度差が音 (波) になる現象を利用したエンジン。気体の共振を利用するため「可動部分がない」こと、熱力学の上限となる理論上カルノーサイクルで動作するために「高効率」なこと、パイプを使った簡単な構造から「ローコスト」であることが特徴とのこと。

しかし、どうしても波動エンジンというと某宇宙戦艦の方をイメージしてしまう。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 熱音響機関 (スコア:5, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2012年05月31日 10時36分 (#2163990)

    熱音響機関の(ほどほどに易しく、ほどほどに難しい)説明

    http://www6.ocn.ne.jp/~seisan/632/632-51.pdf [ocn.ne.jp]
    http://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=24-4-t04.pdf&dir=41 [nagare.or.jp]

    熱力を囓ってた人なら説明を追えると思います。
    #タコニス振動とか懐かしいなあ。

    概要だけいえば、熱を吸収して膨張したガスがちょっとずれたところで熱を放出しつつ冷却&収縮、その体積変化がガス全体に伝わり、ある臨界を超えると自励発振するようになる、というものです。これにより、熱源の熱から音波という仕事が引き出されます。
    音波に伴う気体の膨張・圧縮は同時に熱の吸収・放出を伴うため,全体としては熱源で吸熱、放熱部で放熱というサイクルを持つ熱機関となります。温度差のあるところで熱を移動し、音波という運動として取り出す、というものですね。温度差から音波への変換は、理論的にはかなり(カルノーサイクルに近いところまで)効率を上げられます。
    音波から他の形への変換はまた面倒なのですが、例えば圧電素子を使って電力にするとか、音波の周期振動でダイレクトにピストンを駆動するとか、そういう手法があるにはあります(ただしエネルギー密度などの関係で効率は結構低い)。

    ここ数十年ぐらい盛んに研究されているのですが、ちゃんと解析しようとすると開放系の熱力みたいなもの(壁面との熱のやりとり、気体の断熱および等温圧縮・膨張)と流体力学(気体の運動)を同時に解いてやる必要があって面倒なようです。まあ最近は計算能力が上がってきているので、ある程度力業で解いたりも出来るようですが。

    むしろこの手の熱音響機関は冷凍機(パルス管冷凍機など)として優れていて、
    ・機械的駆動部分がないので安い
    ・機械的駆動部分がないので小さくできる
    ・機械的駆動部分がないので信頼性が高い
    ・熱効率が高く、入力に対し冷凍機出力が高い
    と言った特徴があります。
    冷凍機として使う場合は、高温熱源と排熱部を使って音波を発生しておいて、この音波が移動する途中で冷却部の熱を吸収&放熱部で排熱、という形になります。

    • by SteppingWind (2654) on 2012年05月31日 11時11分 (#2164031)

      熱力学的自励振動を使った機器といえば自励振動型ヒートパイプ [jsrae.or.jp]がありますね. この場合, 作動流体の輸送が目的なので比較的実装が簡単なのでしょう.

      例えばCPUクーラー [okaya.co.jp]などで一般向けにも販売されていたのですが, 誰か使ってた人いらっしゃいますか? 当時から安定的に自励振動させるのは難しそうだとは思っていたのですが, 最近の負荷によって頻繁に発熱量が変化するCPUだとさらに実装が難しそうですね.

      親コメント
    • by bero (5057) on 2012年05月31日 11時41分 (#2164062) 日記

      >冷凍機(パルス管冷凍機など)として優れていて

      よくわからんけど冷蔵(凍)庫とクーラーの仕組みは同じらしいので、その特徴はクーラーにも応用可能?

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        >その特徴はクーラーにも応用可能?

        実例があるかは知らんけど、冷房的な用途を目指した研究は見た覚えがあるので、不可能ではない、ってとこじゃないかと。
        ただこの手の熱音響機関はある程度高温部の温度を上げないと音波が出てこないので、「部屋の冷却」というような用途の際に効率がよいのかどうかは謎。
        (一端を結構加熱しないといけないので、室外機に相当するものの温度はそれなりに高くなっちゃうかも)

    • by Anonymous Coward

      冷凍機として使う場合は、高温熱源と排熱部を使って音波を発生しておいて、この音波が移動する途中で冷却部の熱を吸収&放熱部で排熱、という形になります。

      すごく…永久機関っぽいです…

      • Re:熱音響機関 (スコア:4, 参考になる)

        by taka2 (14791) on 2012年05月31日 12時58分 (#2164154) ホームページ 日記

        ぱっと見には永久機関ぽく感じるのもわかりますが
        原理をちゃんと理解していれば、そんな疑問は氷解するんですけどね。

        熱音響機関というと謎の機関っぽいですが、「スターリングエンジンみたいなもの」と考えれば理解しやすいんじゃないかと思います。

        スターリングエンジンは、「温度差からピストン(ディスプレーサ)の往復運動への変換」もしくは「ピストンの往復運動から温度差への変換」ができる可逆機関です。
        熱音響機関というのは、空気などの媒質が、「ディスプレーサ」の働きをしていると考えてください。
        「温度差」から「空気の微小な往復」=「音」への変換をしたり、逆に
        「音」=「空気の微小な往復」から「温度差」への変換をしたりできるわけです。

        熱音響機関による冷凍機というのは、
        スターリングエンジンを2台用意して、そのピストンを直結したようなものです。
        ピストンの代わりに、「音」で運動エネルギーの伝達を行っているわけです。

        この2台あるどちらの熱機関(スターリングエンジン/熱音響機関)にも、「高温部」と「低温部」があります。

        入力側熱機関では、
        「高温部」に高温熱源を、「低温部」は室温を使います。
        高温部の温度は下がり、低温部の温度は上がり、
        そういう温度移動の結果として運動エネルギーが生まれます。
        そこで、高温部には高温熱源の熱をどんどん供給し、
        低温部には、室温の空気などでどんどん冷却します。

        その運動エネルギーが伝わった先の、冷凍側熱機関では、
        「高温部」に室温を、「低温部」に冷却対象を使います。
        運動エネルギー→温度差への変換結果として、
        高温部の温度は上がり、低温部の温度は下がります。
        より温度差を有効に使うため、高温部を、室温の空気などで冷却し、できるだけ室温に近づけます。
        そうすると、低温部側は、室温よりどんどん温度が下がっていく、ということになります。

        こうやって、高温熱源からの熱による冷却が実現できるわけです。

        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 12時39分 (#2164126)

        いや、永久機関とは違うよ。
        簡単に言ってしまえば、

        1. 高温熱源Aから低温廃熱部Bへ熱を移動する際に引き出せる仕事でヒートポンプを駆動
        2. ヒートポンプによって冷やしたい別の場所Cから熱を吸い出す

        という過程だから。
        身の回りのクーラーだって、発電所の高温部(A)から廃熱部である大気(B)へ熱を移動する過程から仕事を引出し、それを使って部屋(C)を冷やしてるでしょ?それと同じこと。
        (具体的な実装方法は相当異なるけど)

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        永久というか・・・すごいB級の匂いがする。

        • by Anonymous Coward

          ピュアオーディオ業界が黙っていないな

          「無酸素銅を素材にした熱音響機関はB級よりA級動作に近くなり、歪みが少なく広がりのある澄んだ音色で…」

  • とりあえず目立ってページビュー稼げばいいやみたいな名前つけたのはどこのどいつだ。

  • by minet (45149) on 2012年05月31日 10時47分 (#2164004) 日記

    CPUの冷却ファンをCPU自身の発熱でスターリングエンジンを動かして回す、っていうのを見たことあるけど、
    今回のこれもそういう用途に使えるのかな?

  • 徳川機関長がログインしました。
    --
    にゃんぱすー( ´ ▽ ` )ノ 器の大きな人の唄を歌います!
  • by adeu (2937) on 2012年05月31日 10時18分 (#2163968)
    波動と聞くとヤマト以外に、オーディオ関係とか、いろんな方面の人が沸いてきます。結構怪しい雰囲気に聞こえて仕方ないので近寄りがたいです
  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 10時20分 (#2163972)

    こちらに詳しい
    http://ctt.doshisha.ac.jp/contents.html [doshisha.ac.jp]

    • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 10時32分 (#2163984)

      一応、こちらも。

      東海大学工学部動力機械工学科 | 押野谷・長谷川研究室
      次世代の電気自動車に向けての研究 [u-tokai.ac.jp]

      本人たちは、どこにも「波動エンジン」などという用語は使っていませんね。
      # まぁ、記者のインタビューで冗談半分に言ったのかもしれませんが。

      親コメント
      • Re:熱音響機関 (スコア:3, おもしろおかしい)

        by prankster (12979) on 2012年05月31日 11時10分 (#2164029)
        ># まぁ、記者のインタビューで冗談半分に言ったのかもしれませんが。
        知り合いが新聞の科学欄のインタビューでスーパーコンピュータ上の計算機化学プログラムについて語ったとき

        普通のパソコンを自家用車に例えればスーパーコンピュータはF1マシンといったところです。プログラムを書いてる人はF1レーサーですかね。

        と軽く冗談入れたら見出しに「スーパーコンピューター 操るにはF1レーサー並みのテクニックが必要」と書かれてのけ反ったそうです。
        # コンピューターじゃない、コンピュータだ!<ツッコミ所が違(ry

        親コメント
  • 元記事にある
    > コンピューター上でトライ&エラーが可能な波動エンジンの設計が可能となり
    の部分が重要な気がします。

    概念・仕組み自体は以前からあったものですから。それをより効率よく検討・設計できる手段を確立した、という点がより評価されるべき部分かと。

    …それにしても、可動部分が無いのであるのなら某宇宙戦艦の120%演出できませんねw;
    #パイプを回転させると効率UP!とかないだろうし

    --
    ~パタポン教徒~
  • いや、駆逐艦ですけどね。それにアメリカ海軍ですけどね。
    SETAC project: Shipboard Electronics Thermoacoustic Chiller [psu.edu]
    スプルーアンス級駆逐艦・デヨ [wikipedia.org]のレーダー方位変換器の冷却機として、1週間ほど実証試験を行ったみたいです。
    開発元はペンシルベニア州立大学。
  • 想定できる用途って、熱を発生する産業機械や自動車のエンジンと併設して、
    排熱を利用した発電機として使うようなことなのですね。
    単に、効率が良いと。

    自身が発する熱を再利用して無限に動くエンジンみたいな想像してしまった。

  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 10時29分 (#2163979)

    この機関つかってピンポン玉とかボールを飛ばして波動砲と名付ける気がしてならない。

    # あそこの大学出身者はノリがいいから・・・と思ったらオレの周り全部こんなノリのやつばっかだったorz

    • by Anonymous Coward

      ノリついでに、研究者の中に「真田」を含めるとか?

    • by Anonymous Coward

      その装置に、ヤ○トと名付けるか「ア○ーヘッド」と名付けるか意見が割れそうだ。
      後者の方がシリーズ化できて面白そうだが。

      「弾をばら撒けるようにしてみた」
      「よし、デ○タと名付けよう」
      「こっちは連射できるようにしたぞ」
      「ならラグナ○ックだな」

      • by Anonymous Coward

        待ってくれ、そのままエスカレートさせたらトンデモ変態機体ばかりになってしまうではないか

  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 11時12分 (#2164035)

    大事なのはエンジン内にエネルギー充填120%が可能かどうかですよね

  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 12時24分 (#2164105)

    放射能除去装置を取りに行く計画ですか?

  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 13時54分 (#2164212)

    phason氏の解説がないのか。クラスチェンジ [srad.jp]以後忙しくなったのだろうか。

    • いや,今回の件に関しては説明が難しいんですよね.
      というのもすでに他のコメントにもあるように,熱音響現象自体は100年近くの歴史のある研究対象ですので,温度差から音波(といってもかなり変位の大きなものなので,一般的にイメージする「音」というよりも,ピストンの振動に近いようなレベルの変位として取り出せる)を作る,というようなこと自体は目新しさがありません.
      ですから,今回の発表の肝はあくまでも「高効率化」とか,そのための設計ツールの開発だと思うんですが,それに関する詳しい説明が見あたらなかったもので……
      #それに恐らく,その手の細かい部分は分野外の人が見てもあまり面白くない.

      熱音響機関の原理自体としては,気体の小さな部分に注目すれば,
      0. 左右に伸びて外部熱源などで温度勾配のある管を用意しておく
      1. 何らかの揺らぎなどで微弱な振動が一時的に発生する
      2. 気体の小部分に注目すると,この振動によりちょっと左(=ちょっと高温)とちょっと右(=ちょっと低温)の間を行ったり来たりする
      3. 気体はちょっと高温側で熱を吸収し,ちょっと低温側で熱を放出する
      4. 熱の吸収・放出に伴い気体の温度も変わり,膨張・収縮を起こす
      5. この気体の膨張・収縮が最初の振動とカップルし,振動を増強する方向に働く(=振動がどんどん増幅される)
      6. 巨視的な振動となり,音波が管全体に行き渡る.この音波が気体の各部分の振動を引き起こし,熱を移動し,それに伴い振動が強められ……と自励発振する.

      という流れです.
      熱勾配のある管と,内部の気体と熱のやりとりをしやすい部分を作っておけばよいので,非常に簡単な構造で音波が発生できます.
      またこの熱音響機関で発生する音波は振幅が非常に大きいので,管の一端にピストンを付けるだけで簡単に力として取り出せます.
      例えば動画だとこんなものがあります.
      http://rikatanrikatan.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/rikatanrikatan-.html [cocolog-nifty.com]
      http://www.youtube.com/user/keiii1963?gl=JP&hl=ja [youtube.com]
      (下の方の熱音響エンジンの部分)

      見てわかるとおり,構造は非常に単純です.
      このやたらと単純な構造の一端を加熱するだけでピストンが駆動できます.
      #ただこの例だとあまりにも単純なものなので,発振が不安定ですが.

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 22時32分 (#2164542)

    「熱エネルギー・ラッパ」。

    素直な感想としては、何かのパーツにこんなのが入っていたら、五月蝿くて嫌だな、と。

  • by Anonymous Coward on 2012年05月31日 23時43分 (#2164572)

    ’80年代のSF小説に、そんなのがあった。
    人工知能を備えたアンドロイドが中南米のゲリラ村に隠れていた時、スクラップの鉄パイプとスピーカーの永久磁石と銅線で作ったスターリング機関で、焚き火を熱源に発電してた。

    #みんなは、これ読んでないのか・・・?

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

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