HIV ワクチンの臨床試験、フェーズ 1 を無事に通過 24
ストーリー by reo
かつては不治の病だったと呼ばれる日 部門より
かつては不治の病だったと呼ばれる日 部門より
eggy 曰く、
遺伝子組み換え不活化全粒子 HIV ワクチン (SAV001-H) の安全性と耐性を調べるため、世界初となる臨床研究 (SAV CT 01) フェーズ 1 試験が今年 3 月より開始され、盲検化及びランダム化されたプラセボ対照試験として行われた (本家 /. 記事、Western News の記事より9 。
18 歳から 50 歳の HIV 患者による登録は順調に進んでおり、今のところ SAV001-H を筋肉注射された登録患者からは局所反応や中毒症状などの副作用は見られていないという。同研究の資金援助を行う製薬会社の Sumagen Canada はこの中間結果を受け、SAV001-H の安全性、そして人間体内で免疫反応を起こす効力を確信しているとし、ワクチンの免疫原生や有効性の確認するフェーズ 2 臨床試験を行う用意もできているとのこと。
この臨床研究が成功すれば、世界で初となる商用 HIV ワクチンの実現に一歩近づくことになる。
フェーズ1? (スコア:1)
かの地では区分が違うのかもしれないけど, これって通常言うところのフェーズ2 [takeda.co.jp]試験じゃないんでしょうか? フェーズ1と言うと, 普通は「健康成人」に対して投与して毒性なんかを観るものですし. それともHIVみたいな緊急性の高い(最近のHIVの発症制御治療を見ると, それほど高いとも言えない気がするけど)用途については, いきなり患者に投与して毒性を観たりするのかな?
Re:フェーズ1? (スコア:3, 参考になる)
原文を見ても第I相だと言ってるんですね。
ワクチンの試験には詳しくありませんが、
不活性化が不十分だった場合に健常人がHIVに感染するかもしれない、ということでリスクが小さくないことと、
投与対象が感染者に限られるだろうこと、毒性・代謝関連は健常人とさほど変化がないことが期待できることから
第I相試験も感染者のみを対象に行うってことにしてるんでしょうかね。
緊急性が高い場合でも、第I相を飛ばすことはまず無いかと。ごく少人数・短期間でやる可能性はありますが。
その代わり、第II相・第III相を短縮したり合体させたりしますね。実際こちらの方を短縮した方が早く世に出るので。
(認可・販売後に追跡調査ガッチリやるとか追加の試験をやるとかと引き替えに)
商用 HIV ワクチン (スコア:0)
があるなら非商用 HIV ワクチンが既にあるの?
Re:商用 HIV ワクチン (スコア:2)
手術前の検査でHIVの検査をしましたが、
同意書に、「発覚した場合も医師がワクチンを打ったりするだけで、不利な取り扱いはしません」的なことが書いてありました。
効果が短いのかなんなのかわかりませんが、あることにはあるのでは?
Re: (スコア:0)
そりゃ研究段階とか治験段階とかは非商用ワクチンだろ。
不治の病であることに変わりない (スコア:0)
インフルエンザワクチンで防ぐことはできるけど
インフルエンザを治すわけではないのと同じ。
Re: (スコア:0)
え?インフルエンザって不治の病だったんですか?
Re: (スコア:0)
天然痘のように根絶されてるわけではないとか言いたいのかも。
Re:不治の病であることに変わりない (スコア:1)
ワクチンは罹患を予防することはできるが、罹患したらワクチンでは治せないという意味でしょう。
Re: (スコア:0)
HIV患者で試験するのは、治療目的ではない。
Re: (スコア:0)
ド素人なんですが
通常:HIVに感染->抗体が無い->発症->死亡
ワクチンあり:HIVに感染->ワクチン投与->抗体ができる->体内のHIVウィルス消滅->治る
こういうことにはならないんですかね?
Re:不治の病であることに変わりない (スコア:1)
要はワクチンってのはウイルスの部品、あるいはウイルスが作り出す物質の一部でできてるので、
感染者なら体内に売るほどある物質でできてるようなもんなので、感染者に打ってもあまり意味なさそうです。
(感染者の免疫機構が敵を認識しても排除しきれないのは、免疫が届きにくいところに隠れていたり、免疫に勝てるほどの数を得ていたりするからです)
とはいえウイルスの感染の仕組みも免疫の仕組みも複雑なので、全く意味が無いかは分かりませんが。
Re: (スコア:0)
ということは、HIV感染者の免疫機構でもHIVウィルスは「敵」と認識できているのですか?
Re:不治の病であることに変わりない (スコア:1)
程度問題を無視して言えば、その通りです。
感染初期に軽い風邪様症状が現れたりするのもそのせい。
ただ免疫のアラートレベルも色々あるんで、感染者の体内で具体的にどの程度かなどは詳しくないです済みません。
Re: (スコア:0)
わたしもド素人なんですが
HIV の特徴かつ最も脅威なのは、免疫システムを破壊するからで、
HIV そのもので人が死ぬわけでは無く、免疫システムが無くなった状態で、
通常は問題ない細菌/ウィルスに感染して(肺炎等で)死ぬ。って話なんですが
免疫システムが壊れている状態で、ワクチンが意味を持つの?
Re:不治の病であることに変わりない (スコア:2)
保菌と発症は別ですね。
HIVに感染しただけならば、体内にウイルスが居る、というだけで免疫は破壊されていません。
その後何年何十年後に免疫機構が破壊される「免疫不全症候群」を発症して、感染症などで死に至る。
Re: (スコア:0)
ワクチンは基本的に予防のためのものなんで、後追い投与は意味が無いはず。
ワクチン投与の部分に分子標的薬というか、血清というか、有効な抗体を入れる事ができればあるいは…。
HIVが完全に直った、と言う人が出れば、その人から抗体を取り出すことで多少は…でも映画 [wikipedia.org]みたいに簡単にはいかないとか。
抗体については定番ですが抗体物語 [kyowa-kirin.co.jp]などをどうぞ。
暴露後接種 (スコア:2)
#今はどちらの呼称を使うのかな。犬には限らないからとこっちをつかってた。
<URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/rabies.html>
によると、
・暴露前接種していた場合でも、暴露後接種する。
・日本ではガンマグロブリンは認可されていない。
とのこと。
感染の立ち上がりが遅い場合は、ワクチンでも有効なようです。
Re: (スコア:0)
> ・日本ではガンマグロブリンは認可されていない。
治験ができないから?
Re: (スコア:0)
「ワクチン」って堂々と書いてるのに何言わずもがなのことを書いてるのか、
と思ったらひとりだけ治療薬に読み替えてる人が居た…
Re: (スコア:0)
ごく、真っ当な事で以下解説ページ
特定非営利活動法人エイズワクチン開発協会(AVDA)
http://www.avda.jp/06_vaccineq&a/vaccinneq&a.html [www.avda.jp]
全然関係ないけど (スコア:0)
iPS細胞でAIDSをどうにかならないものなんだろうか。
破壊された免疫システムを復元するような。まぁ、復元してもまた壊されるから継続して処置しないといけないんだろうけど、
破壊の速度と復元の速度がどれくらいなのかってとこか。
Re:全然関係ないけど (スコア:3, 参考になる)
関連リンクにはないですが
幹細胞移植によりHIV感染の治療に成功
http://srad.jp/story/10/12/16/0430222/%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E%E7%A... [srad.jp]
という話がありましたね。
「生まれつきHIV耐性を持つ人の幹細胞移植を行う」ことで免疫システムを置き換える方法です。
Re:全然関係ないけど (スコア:4, 参考になる)
もういっちょ。
iPS細胞でも有名なタカラバイオは、HIVのMazF遺伝子療法ってのを開発中です。
このページ [takara-bio.co.jp]の3番目の項目。
患者自身のヘルパーT細胞にmazFって遺伝子を導入するんだそうで、
HIVの増殖を抑制し、しかもそのT細胞は体内に存在し続けるんだそうです。
〜◍