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バイオテック

ヌタウナギのスライムから、超強力な衣料用繊維を作り出せる 15

ストーリー by nabeshin
生きている限り働いてもらいます 部門より
danceman 曰く、

ヌタウナギは外敵に対する防御手段として体側に並ぶ孔から粘液を放出するが、カナダ大学の研究チームが、このヌタウナギの粘液を取り出し、繊維として再構成することに成功した(本家/.Discovery News記事より)。

タンパク質から成る粘液は、水中に放出されると強力な繊維に変化し、ヌタウナギを捕食しようとする外敵の喉を詰まらせて防御する働きがある。この粘液を採取し、蚕の繭から絹糸を紡ぐように繊維を取り出せるのだという。

研究チームは、繊維に変化する粘液が作り出されるメカニズムを理解し、粘液を作る遺伝子をバクテリアに移植して、産業用繊維に活用できる規模にまで養殖できるようにすることを目指しているとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 繊維? (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2012年12月10日 20時53分 (#2287789)

    >>タンパク質から成る粘液は、水中に放出されると強力な繊維に変化し、ヌタウナギを捕食しようとする外敵の喉を詰まらせて防御する働きがある。

    本当に粘液が繊維に変化するのか?
    化学繊維には溶かした原料をノズルから酸だかアルカリ溶液だかの中に押し出して作り出すものがあるそうだが、ヌタウナギの粘液は本当に水中でいきなり繊維に変わるのか?
    空想が入り交じった適当訳の雰囲気が。。。。。。

    • Re:繊維? (スコア:5, 参考になる)

      by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2012年12月10日 22時04分 (#2287816) 日記

      この原料,中間径フィラメントっちゅう繊維状のタンパク質の仲間です.
      中間径フィラメントというのは,こんな感じで分子がどんどん寄り集まって細い繊維を作ります.

      http://www.youtube.com/watch?v=FoDniO676Dw [youtube.com]
      (1分あたりから)

      で,こういったものは(分子によって)様々な条件で凝集が起こったり起こらなかったりします.
      この手のタンパクを糸だとかゲル化剤として利用する生物は,体内では凝集しにくいけど外界の条件では凝集するようなタンパクを使って至りだとか,使用直前に凝集のための何かを混合してから吹き出したりします.

      ヌタウナギのネバネバの粘液状態は,あれは内部的には既に繊維化しているものです.その繊維状のものが水だのなんだのを取り込んでゲル化してるわけですね.寒天と同じようなものです.あれもゲル化状態では分子が凝集して繊維を作り,水を抱え込むことで固体になっています.

      今回のも似たような事をやっていて,取り出したタンパク質を希釈しておいて,そこにイオンを作用させると固化することを見出し(水だけだとダメらしい),イオンの種類だのタンパク質濃度だのを変えながら実験して,ファイバー(とかフィルム)の物理特性がどう変わるかを検討しているようです.

      論文自体は
      http://dx.doi.org/10.1021/bm3011837 [doi.org]
      で.

      親コメント
    • Re:繊維? (スコア:4, 参考になる)

      by shibuya (17159) on 2012年12月10日 21時27分 (#2287799) 日記

      化学繊維には溶かした原料をノズルから酸だかアルカリ溶液だかの中に押し出して作り出すものがあるそうだが

      たとえばビスコース [wikipedia.org]。
      高校時代の部活では化学部でビスコースレーヨンこうやって作ります…というショボい実演を文化祭でしていました。モントリオールオリンピックの頃。
      あれに負けないくらい不純物の臭い悪臭が記憶に染み付いて、長い年月を経ていい思い出になるのかと思うとむねがあつい(棒読)

      親コメント
    • Re:繊維? (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2012年12月10日 21時47分 (#2287808)

      粘液というのは繊維状タンパク質が絡み合ってできる。
      血液が空気に触れてぬるぬるの粘液になるのも、フィブリンという繊維状タンパクのせい。
      空気に触れて繊維になるタンパクがあるのだから、水に触れて繊維になるタンパクがあっても不思議はない。

      親コメント
      • by SanPierre (37035) on 2012年12月11日 13時21分 (#2288139) 日記

        そもそも、絹糸もクモの糸も、虫の体内では液状の物質ですよね。
        絹の場合、吐き出されるときに機械力と脱水反応で絹タンパクの構造変化が起こり、繊維化するようです。
        参考:http://www.tuat.ac.jp/~asakura/image/PDF/healthist_jp.pdf [tuat.ac.jp]
        # なぜかこのPDFはページ順が入れ替わってますが

        酸の中で…というところでは、釣りに使うテグスの昔の作り方を思い出しました。クスサンの幼虫を裂いて絹糸腺を取り出し、酢につけてから引き伸ばすというやつです。
        参考:http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/cc/73.htm [tokushima-ec.ed.jp]
        考えたこともなかったのですが、これも酢酸による化学反応が効いているんでしょうね。

        親コメント
  • by the.ACount (31144) on 2012年12月10日 22時58分 (#2287840)

    服の状態になってる繊維を再び粘液に戻す技術希望

    --
    the.ACount
    • by Anonymous Coward

      全部を粘液に戻さずに粘液に覆われた触手状になるのがいいな。

  • by FFFF (45890) on 2012年12月11日 7時33分 (#2287930)

    やっぱり「ヌタウナギ」って馴染めないなあ〜
    「メクラウナギ」の世代だから…

  • by Anonymous Coward on 2012年12月10日 22時02分 (#2287814)

    Hagfish(鬼ババア魚)
    http://www.youtube.com/watch?v=Bta18FdkVcA [youtube.com]
    http://www.youtube.com/watch?v=pmaal7Hf0WA [youtube.com]

    窒息する位、ネバネバです・・・
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8C%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE [wikipedia.org]

  • by Anonymous Coward on 2012年12月10日 23時55分 (#2287864)

    どういうわけかウナギイヌと空目して止まらない
    なんのファンタジーかと微笑みも止まらない

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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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