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地球

深部地球探査船「ちきゅう」がメタンハイドレートの試掘に成功 63

ストーリー by hylom
地球のリソースを削り取る 部門より
774THz 曰く、

深部地球探査船「ちきゅう」が愛知県/三重県沖海底からのメタンハイドレートの試掘(分解したガスの採取)に成功したそうです(NHKニュース東京新聞独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構のニュースリリース)。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)等は陸上での産出試験をカナダでおこなっていましたが、海底からのメタンハイドレート由来のガス採取は世界初です。日本近海の海底に眠るメタンハイドレートの現実的な採掘可能量はそれだけで国内の需要を満たすほどとは思えませんし、そう簡単に採算ベースに乗る商業的開発が出来るとも思いませんが、将来的には非常に意義ある結果だと思います。

なお、ガス採取はメタンハイドレート層から水(海水?)をポンプで汲み上げることによってメタンハイドレートを分解する減圧法を用いたそうです(採掘に大きなエネルギーを必要とする温水の加圧注入などはおこなっていない)。

なお、あるAnonymous Cowardによると「気の早い諸君の誤解を避けるために付け加えると、今回はガス採取の実験であり、採取の可否や周辺環境への影響を確認する事が目的である。予定では、商業生産に向けた技術基盤整備が2016年~2018年に行われるので、実際に大量のガスが商業生産されるのは、2030年ごろと思われる。」とのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 普通のガス田と違って、一本立てれば何年もいけるという代物ではなさそうだから、先っちょが掃除機みたいに、フレキシブルになっていてある程度まわりを吸い出すことは出来そうだけど、同じだけのガスを取り出そうと思ったら、プラットホームがかなり必要になりそう。

    まあ、期待はしているんですが。

  • by iwakuralain (33086) on 2013年03月12日 18時13分 (#2341814)

    あるんだろうけど
    コスト的にペイ出来るくらいにいけそうなのかは少し気になるところではある。

    • http://mainichi.jp/select/news/20130313k0000m020071000c.html [mainichi.jp]

      「海底のメタンハイドレートからメタンガスを分離するには▽周囲の温度を上げる▽圧力を下げる▽特殊な薬剤を注入する−−などの作業が必要。
      掘り当てれば噴出する通常のガス田に比べ、井戸1本当たりのガス採取量は10分の1〜100分の1程度とされる」

      とのことで、ただ掘れば吹き出てくるわけではなさそうです。でもってコストは

      「水深約1000メートルの海底を約300メートル掘り下げてガスを取り出す今回の試験採取にかかるコストは100万BTU(英国熱量単位)当たり約50ドル。
      シェールガスの米国での市場価格(約3ドル)に遠く及ばず、日本の天然ガス輸入価格(約15ドル)の3倍以上だ。」

      ありゃりゃ。今のところ実用性はあんまなさそう。
      でも将来的に天然ガスの値段が超上がったらペイはするかもしれないね。
      それに今後技術発展でもうちょっと安く採掘できるようになるかもしれないし。

      親コメント
  • >採掘に大きなエネルギーを必要とする温水の加圧注入

    えっ?神戸大学の技術を使えばエネルギーなんて要らないッスよ!

    神戸大学の教授、「海をダムに見立て発電」という永久機関のような構想を発表
    http://hardware.srad.jp/story/12/03/01/0319257/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%A... [srad.jp]

  • うんうんわかってる。
    ホントはすぐにも生産できるけど、そういうことにしないと各方面から圧力かかるんだよね。

    • 今回は減圧法で産出試験とのことだから、そりゃあ当然周囲から圧力かかっているでしょうね。

      # でないと、ガスが得られない。

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      • Re: (スコア:0, 既出)

        by Anonymous Coward

        ガス抜きが必要ですね

    • 妙な陰謀説はともかく、エネルギー的に採算が合うかどうかさえ微妙では

      1気圧のガスで1立方メートルあたり40-50MJくらいのエネルギーが得られるようですが、
      メタンハイドレートを深海から吸い出してガスを得るのに投入するエネルギーが
      それを上回れば無意味だし、上回らないとしても収支が極めて悪いなら当面は
      掘らないほうがマシという判断もありえますよ。

      ほとんどのガス田は通常は自噴するので、ガスを得るために必要なエネルギーは
      わずかだが、メタンハイドレートはエネルギーを突っ込み続けなければ得られない
      という点は認識しておいたほうがいいでしょうね。

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      • by Anonymous Coward on 2013年03月12日 18時42分 (#2341844)

        吸い出すのは減圧するための水であって、ハイドレートの分解が進めばガスは軽いので「自噴」します
        結局のところ、技術開発によるコスト低減がどの程度進むのかと、他のエネルギー資源とのコスト比較の問題となります(シェールガスは商業的採掘にまで到達しました)
        まあ短期的にメタンハイドレートの商業開発は無理でしょうが、いつかは石油・天然ガス等の他のエネルギー資源の枯渇・高騰という状況が来るはずですから、メタンハイドレートの出番もあるでしょう

        親コメント
        • >ハイドレートの分解が進めばガスは軽いので「自噴」します

          ハイドレートを分解するためにエネルギーの投入が必要なので、それを自噴というのか
          どうなのか微妙ですね。
          シェールガスやシェールオイルも高圧の薬品入りの水で岩盤に亀裂を作って出す必要が
          あるので、従来の油田やガス田とは比較にならないほどエネルギーの収支は良くないと
          思われますが、すでに起きている

          >エネルギー資源の枯渇・高騰という状況

          に加え技術開発が進んだことから採算に載るようになったんでしょう。
          いずれにしても、たとえばガス1立方メートルを得るのに20MJとかエネルギーが要るようなら
          得られるエネルギーは実質半分になってしまうわけで、技術開発で収支を上げないと。
          それが無理でも、本当にエネルギーが枯渇してどうしようもなくなったときに
          仕方なく掘るという最後の手段としては意味を持つでしょうけど。

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        • 海底の環境が自然とガスがハイドレートに封じこまれてしまう高圧と低温にあるわけですから、この条件を崩せる方法があれば確かに自噴します。
          で、考えたんですが発熱体 [meti.go.jp]を海底に埋めればガスとして取り出せるんじゃないかな?

          親コメント
        • 「自噴」しても持ってくるために液化したりするのにエネルギー使うんだよ。
          ガスはパイプラインで送らないとかなり効率悪いんだ。
          # で、ガスを液化する代わりにハイドレート化して運ぶとエネルギーを節約できるって研究があってだな...。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          シェールガスの場合、薬品を使う上に大量の水を使うので環境負荷が半端ない。
          それに比べたらむしろこっちのほうが有望なんじゃないか?
          深海から汲み上げると言っても溶ければ浮力が働くんだし。
          技術的には面白そうな部分が大きんじゃないかな。

    • by Anonymous Coward on 2013年03月12日 18時52分 (#2341853)

      ガスがないのと生産に至っていないのとでは、外交交渉の手札の価値が全然違うから。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ある意味ガス抜きのためですね

    • Re: (スコア:0, 荒らし)

      by Anonymous Coward

      できるわけないだろ。
      今回は海底からの採掘試験で世界初の成功事例なんだから。

      あ、それとも、実は世界を裏から支配する陰謀組織が、「今回はここまで技術を公開しよう」とか言っているとでも?

      # 例によって例のごとく、実験に成功すると翌日には実用化され、さらに翌日には大規模な商業生産が始まっているとか思っているんだろう。
      # 昔のスペースオペラじゃあるまいし。
      # これだから放射脳の陰謀脳は・・・

    • by Anonymous Coward

      商業ベースに載せるには、専用船作らないとならないしね。

    • by Anonymous Coward
      日本の技術に期待しすぎ。

      所で、核融合より早く実用に辿り着けそうなのに安心したのは自分だけ?
  • by Anonymous Coward on 2013年03月12日 18時27分 (#2341829)

    もし、実用ガス田をこのあたりに作るとしたら、南海・東南海地震とそれに付随する津波の影響を考慮しなければならないでしょう。
    2030年ごろに商業生産と言うスケジュールだと、次回の地震が終わったあとでなければ(または、地震が少なくとも100年位先と判るか)、大規模な施設を建造しても10年程度で破壊されてしまうかもしれません。

    # 技術面の試験(試掘でさえ、ない)なのだから、ここに実用ガス田を作ると決まった訳ではありませんが。

    • 地震以前に、採掘(採収?)がある程度進むと(素人の発想だと)圧力がかかりすぎてその油田は自分の重さでつぶれていくのではと予想してしまうのだが。
      --
      JTSS
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        だからふつうは代わりの媒質を流し込むんじゃなかったか

      • by Anonymous Coward

        砂礫の層にメタンハイドレートが混ざっているような状態なので、一気に潰れるようなことは無いでしょう

    • by Anonymous Coward

      深さ数百メートルあるから海面にある船や設備は大した影響を受けないので、地震や津波について考慮は不要。
      東日本大震災のときに、漁船が港から沖へ逃れて無事だったという例もある。

      • by Anonymous Coward

        えっと、海底に固定しないといけないと思うんだ。
        浮遊式でパイプに遊びを作ってとかも考えられるかもだけど、その場合むしろ横に流されていって結局駄目と思うんだ。
        もっというと固定した海底の状況も変化するかもしれないんだ…。

        • by Anonymous Coward

          津波で横には動かない。主に上下。横は誤差範囲だし、とんでもない上下でない限り満潮干潮で考慮済み。

        • by Anonymous Coward

          自己レス。
          災害時にプラットフォームだけ切り離してただの船になるようにすれば
          プラットフォームは守れるか。
          # 造船・建造技術的にできるのかどうかはよくわからないんだ…。

      • by Anonymous Coward

        そもそも津波は、津=港を襲う大波のことで、船には影響が少ないからこの名前になってるんじゃなかったっけ。

    • by Anonymous Coward

      メタンハイドレートは水深500メートル以上の深さ
      だからまあ、半潜水式のプラットフォームでしょうね。
      当然アンカーで留めるか、GPSとアジマススラスターみたいなので流されないようにする。

      ##つかなんでもかんでも地震に結びつけてウザイよ
      ##プレート境界に住んでるんだからさ―

      • by Anonymous Coward

        ただまあ、メタンハイドレート層は斜面のあたりにあって、そのあたりでの地震による海底地滑りの可能性は指摘されてる。対策は案はあるけど決定打は今のところ無い。
        どの程度の揺れで崩落するのか?とかもまだ研究途上。
        #逆に、ハイドレート層の不安定化で海底地滑りが起こる可能性もホットなトピック。

  • by Anonymous Coward on 2013年03月12日 23時26分 (#2342073)

    ゆとりニート「資源大国!」
    ゆとりニート「経済復活!」

    *「おい、三重の会社が人員募集してるぞ急げ!」

    ゆとりニート「いや・・東京じゃないとちょっと・・」
    ゆとりニート「いや・・三次産業じゃないとちょっと・・」

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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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