ヒト脳プロジェクト、スーパーコンピューター上に脳モデルを作製してシミュレート 29
ストーリー by hylom
電脳がついに 部門より
電脳がついに 部門より
eggy 曰く、
南アフリカの神経科学者Henry Markram氏は、スーパーコンピュータ上に完全なるヒト脳モデルを作製しシミュレートすることを目指している。Markram氏によれば、科学者が脳を完全に理解するのを唯一邪魔するものは意欲の欠如であり、人間の脳のニューロン860億個及び、ニューロン同士を結合するシナプス100兆個をシミュレートするHuman Brainプロジェクトは実現できるとしている(本家/.、WIRED記事)。
このHuman Brainプロジェクトが成功すれば、脳モデルを切り開いて脳の病気の原因を調べることが可能になるのだという。またロボットに繋げることで、全く新しい知能技術を開発することができ、仮想メガネをかければ、自分の以外の脳を体験することができるようになるのだそうだ。
Human Brainプロジェクトに対する見方は賛否両論であり、イスラエルBar-IIan大学のMoshe Abeles氏が主張するには、「脳は個々に異なり、またそれぞれの脳はその日その日で変化している。一つの脳をとっても、我々が全てを把握するというのは実際的に不可能である」とのこと。一方で、Tronto大学のRandy McIntosh氏はHuman Brainプロジェクトは技術的には可能であると話している。遺伝子と病気との関わりを研究するために、まずはゲノム配列の解析を行ったヒトゲノム計画と同様に考えることができるとのこと。
Hi, This is M-M-M-Max Headroom! (スコア:2)
シミュレートされたモデルは記憶を持つのかな? 感情は?
Two minds, but with one single memory!
Re:Hi, This is M-M-M-Max Headroom! (スコア:2)
Re: (スコア:0)
猫をサーバー室で飼えば大丈夫。
自我が目覚めそうになったら猫リセットが発動する。
Re: (スコア:0)
「まずいですね。 ZikZakCorp.が記憶と感情について考え始めましたよ。」
「自分がシミュレーションプログラムであることに気付きそうになったら、構わん、シャットダウンしろ。」
夢見るコンピュータを夢見て良いのだろうか? (スコア:2)
脳活動データから夢を解読!? [nationalgeographic.co.jp]
コンピュータが夢を見るように成るとしたら、コンセントを抜かれる夢を見るのかな?
熱暴走の夢を見て、スリープ状態から突然起き上がるのかな?
Blue Brain (スコア:1)
プロジェクトの後継プロジェクトってことかな・・・?
研究者は同じですよね。
Re: (スコア:0)
スパコンの性能が上がって、人間の脳をシミュレートするのが現実的になったからじゃない。
ニューロンは一秒に2〜300回発火するらしいから。単純計算で300回×860億=約300兆回、京やセコイア辺りなら何とかできるんじゃない
発火していないシナプスは計算を端折っていいわけだし。
Re:Blue Brain (スコア:1)
シミュレート以前に, 神経系の動作モデルってどの程度解明されているんでしょう? いかにスパコンの性能が上がっても, 間違ったモデルからは間違った結果しか出ないでしょうし.
よしんばモデルが正しいかもしれなくて, 何らかの計算結果が出た時に, それが実際の脳の動作と同じなのか, 検証する方法はあるのでしょうか? 癲癇の発作の様なマクロな発火現象なら, 比較的簡単に検証できそうな気もしますけど.
Re:Blue Brain (スコア:3, 参考になる)
一個の神経細胞の動作モデルはほぼ解明済み。
現在はマクロの動作が不明なので、アメリカで脳マップを作ろうとか、
今回のシミュレートしようとかの研究が進んでる。
検証方法だけど、PET とかで部位の活動量を測定できるので、
ある程度の比較はできると思う。
最終的には学習させて人間と同じように、筋肉を動かそうとしているかとかを確認する手もある。
(チューリングテストっぽいけど、特別な名前は付いてるかな?)
Re:Blue Brain (スコア:1)
好意的なコメントしかついてなくてびっくり。裏で同業者がコソコソとこんなのBullshitだよねっていってるのよくみかけるけど、表向きには沈黙を守っているのが不思議でしょうがない。研究資金が巨額すぎなのでビビっているのだろうか。
だいたい神経細胞が302個しかなくて何十年もまえから電顕レベルで神経細胞のシナプス結合まで詳細にわかっている線虫でも、線虫の行動を説明できるようなコンピュータモデルは存在しないので、アプローチそのものに本質的に問題がある。ぜんぜん計算量の問題じゃない。神経細胞もどんなチャネルを発現しているか、チャネルの分布はどうなのかとかで、電気的な性質がまったく変わる。線虫では電極刺して電気生理の実験ができないのでこのへんが進まないのが問題。人間の脳で必要な実験できるわけないのでみんなマウスかラットを使う。データの蓄積があるマウスかラットの脳のモデルならまだしも人間の脳なんて無理。
個々の神経細胞の性質の違いを無視して適当に均質化したりランダムにパラメータをえらんだモデルを作っても、現実からかけ離れたまるで意味のないモデルができるだけ。このプロジェクトの根拠となる彼らのPNASの論文では神経細胞の結合はランダムで問題ありませんでしたという結論なのでまじめにコネクトームをやる気が無いのは明らか。
Re: (スコア:0)
まるで意味がないということはないんじゃないか?
正確性に欠けると言っても、数種類の神経細胞の性質を調べた上でモデルを作ってるわけだし、このモデルを作り上げることで得られるデータはそれなりに意義があると思う。
Re:Blue Brain (スコア:1)
モデルを単純化すること自体は全然悪いことではないんです。D. Marrみたいにモデルを徹底的に単純化して、モデルの詳細に起因しないような一般的な結論を引き出すことで役に立つ予想ができます。
リアリスティックなモデルも、パラメータ領域を網羅的に計算して、主張が成り立つパラメータ領域を決定したりして、一般的な結論を引き出すこともできます。これには神経細胞の数を抑えないと計算量が膨大になるので1000分の1モデルとかにします。
ただSejnowski [nih.gov]も言っていますが、リアリスティックなモデルでは我々の脳の理解が足りないのでモデルを制約する条件が足らずにフリーパラメータがあり過ぎでなんでもできてしまうのが問題です。そのようなフリーパラメータだらけのモデルは本物と同じ保証がまるでありませんので、具体的な予想を立てるのには向きません。
このプロジェクトではモデルでは神経細胞は半端に単純化して、コネクティビティもランダム、でも神経細胞の数だけはリアリスティックに膨大な数にする(膨大なフリーパラメータで網羅的にはカバーできない)というチグハグな悪いとこ取り合わせたようなモデルでもって脳疾患の治療に役立つような具体的な予想を引き出すという、無理を言っているのが問題です。
Re: (スコア:0)
ソースはGigazineですが
2013年……人間の脳の機能をシミュレーションするのに必要な演算が可能に。
2025年……人間の脳の神経をシミュレーションするのに必要な演算が可能に。
http://gigazine.net/news/20090315_supercomputer_power/ [gigazine.net]
脳のモデルも結局、古典的なニューラルネットワークモデルが
大規模になっただけのものと考えられている。
脳レベルのニューラルネットワークを計算可能になるのが2013年(!?)
後はソフト
Re: (スコア:0)
まず「間違った結果しか出ない」ってのは逆。間違った結果が出るからモデルの間違いが分かる。
それに「比較的簡単に検証できそうな」マクロな発火現象が検証できるだけで十分凄いと思うんだけど。
そんな内部の現象に踏み込まなくたって、チューリングテストみたいなのも出来るだろうし。
どうして最初から完璧に現実と一致するシミュレーションじゃないといけないって厳しいハードルを課すのかな。
やっぱり脳科学がそれだけデリケートな分野の学問ってことなんだろうか。
Re:Blue Brain (スコア:1)
デリケート=迷信に支配された人は闇雲に反発する。
迷信に配慮したオブラート用語ですね。
the.ACount
無理無理 (スコア:0)
> 仮想メガネをかければ、自分の以外の脳を体験することができる
できませんよ。他人の脳で処理された情報を自分の脳で処理するだけだから、
自分の体験にしかなりません。
マルコビッチの穴の最後の状態を意味しているなら、その表現で大丈夫です。
Re:無理無理 (スコア:1)
なんか脳以外の身体をなめ過ぎてる感じだなぁ。
ホイホイ着脱可能なものじゃないだろう。固有のデバイスに最適化されてるOSなんだし。
きっとみんな微妙にデータフォーマットが違ったりするぞ。
しかも、記憶がどのように積み重ねられていて、どう使ってるのか分かってないでしょ?
先は気が遠くなるほど遠い。
# 脳に最低限の生命維持機能をつけ、電気的な入力で教育する。
# さて、普通の人間の意識・知能になるだろうか。
Re: (スコア:0)
攻殻のテーマですね。
スカイネット発動 (スコア:0)
ついに来たか
Re: (スコア:0)
全裸のおっさんが現れるのか?
技術的には可能である (スコア:0)
> 技術的には可能である
この表現は人によって受け取り方が異なるため
経験上大体において微妙な(もしくはろくでもない)ことになる。
技術者:「技術的には可能である」 → 「実際問題としてはできない」
営業・発注者:「技術的には可能である」 → 「可能である」
Re: (スコア:0)
> 技術者:「技術的には可能である」 → 「実際問題としてはできない」
俺:「技術的に不可能である」 → 上司:「それでもやる!」 → 3ヶ月後の上司:「やっぱり不可能でした」
Re: (スコア:0)
たしかに問題なく出来るなら可能としか言わないから、技術的に可能というときは技術以外の要因でできないね。多くの場合はお金か時間。
懐かしい (スコア:0)
ルマたん!
#フェザータッチ・オペレーションもよかったよね
ほんの一例 (スコア:0)
記憶や感情に関わるシナプス回路形成って
万人共通なのかな
むしろ学習によって形成される回路にこそ
ヒトたる回路があるんじゃないかと
コミュニティ単位で常識が異なるように
人それぞれで微妙に大きく価値観が異なるように
一 (人) 例 としてシミュレートするのは意義があるけれど
この辺りを捉え違えると
出来上がったけど破堤しまくりってなことになりそう
# 電脳化wktk
Re:ほんの一例 (スコア:1)
遺伝によって相当程度決まってないと、ほとんどの人がマトモな知能を持てないだろうな。
フレーム問題は試行錯誤で解決できるほど甘くない。
解決には進化レベルの時間を必要とした。
the.ACount
ソフトが再生できんだろ (スコア:0)
シナプス接合だの(つまりハードウェア)は構造解析で何とか再現できるかもしれんが、心(つまりソフトウェア)は再現できんだろ。
PCで考えてみればいい。ハードが再現できたからって、それだけで中で動くソフトまで再現できるか?
記録媒体に入ってるソフトが解析できなきゃ、ソフトは再現できん。記事のでは、そこまではろくに踏み込んじゃいない。
#ハードの振る舞い(output含む)を見て、「こうだろ?」という類推による劣化版作成は、多少はできるかもしれんが。
まぁ、脳解析のとっかかりとしての意義はあるとは思う。
Re: (スコア:0)
そのソフトウエアにしてもHDDなりFlashなりのはーどうぇあのうえにのっているわけだから、丸ごと再現すればいいだけ
Re: (スコア:0)
プログラムは後から配線を変更できない。コンピュータに様々な処理をさせるための手法。
脳の場合は、シナプス接合自体がプログラムでありデータ領域。動的に再構成可能なワイヤードロジックみたいなもの。
シナプスから伝わる電気信号は、接続の強さによって重み付けが変わり。それが閾値一定以上になるとニューロンが発火する。
そうやって論理回路を構築して情報処理を行うわけで、