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サイエンス

恐怖の記憶は子孫に継承される 54

ストーリー by hylom
引き継がれるトラウマ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

マウスを使った実験で、個体の経験が遺伝的に後の世代に引き継がれる現象が明らかになった(朝日新聞)。

オスのマウスの脚に電気ショックを与えながらサクラの花に似た匂いをかがせ、この匂いを恐れるように訓練。その後、メスとつがいにして、生まれてきた子どもに様々な匂いをかがせた。すると、父親が恐怖を感じたサクラの匂いのときだけ、強くおびえるしぐさをみせた。孫の世代でも、同様の反応が得られたという。

父マウスと子孫の精子のDNAを調べると、嗅覚制御する遺伝子に変化の跡があり、脳の嗅覚神経細胞の集まりが大きく発達していた。これらの変化が親の「教育」によるものでないことを確かめるため、父マウスから精子を採り、人工授精で子を育ててその脳を調べると、同様の変化が見られたとしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by NOBAX (21937) on 2013年12月09日 13時12分 (#2508752)
    ダーウィン涙目。
    ネオ・ラマルキズムまさかの大勝利。
    • by Anonymous Coward

      放射脳遺伝子とか軍靴遺伝子やら反共産主義遺伝子の有無が、ああ云った違い=遺伝子レベルの相互理解不能を生むのか。なるほど。

    • by Anonymous Coward

      大型哺乳類などの場合は、別かと思います。また獲得形質というより記憶が残るケースかと思います。

      最初の個体にとってはそれは記憶であり、次世代には形質として残るという話かと思います。

      # 昆虫類(G等)の場合は、親が卵を生む段階で遺伝子として子孫に記憶を引き継ぐという話を聞いたことあります。

    • by Anonymous Coward

      タネは「怯える仕草」かね。この判定に実験者の恣意が入ってるとか。

      二重盲検法でやっても再現されるかな?

      • by Anonymous Coward

        賢い馬ハンスを思い出しますね。

    • by Anonymous Coward

      DNAに情報を逆転写するのかしら?

  • by PEEK (27419) on 2013年12月09日 13時12分 (#2508753) 日記

    英人がタコをデビルフィッシュと呼んで恐れるのはクトゥルフの記憶だな。

    日本人はクトゥルフを食べてたんだろう。

    参考:「妖神グルメ」

    --
    らじゃったのだ
    • by Anonymous Coward

      クトゥルフを食ったという記述あったっけ
      クトゥルフに食事を作ったんだと思ったんだけど。

      #PS.1 再刊されているから(ソノラマじゃないけど)、読みなおそうかな。
      #MOTTAINAIを実践しているいい作品ですよね、

      #PS.2 カールビンソンのタコさんウィンナーを思い出した。

      • by PEEK (27419) on 2013年12月09日 16時20分 (#2508846) 日記

        いちおうクトゥルフを調理してたって記述から。

        調理法を知ってたんだったらたぶん食べてもいたんだろうと。

        #The Cthulhu Mythos Filesは全巻揃えてる。(ソノラマ文庫版の「妖神グルメ」も持ってるけど)

        --
        らじゃったのだ
        親コメント
      • by meamcarrier (41359) on 2013年12月09日 22時43分 (#2509049)
        クトゥルフにクトゥルフを調理してたはず

        はずっていうより、何十年も経ってるのに情景が思い浮かぶ描写だったな
        #まずは心臓から
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 22時38分 (#2509046)

    的外れすぎるコメが多すぎないか。
    朝日の記事なんだから、理解できてない記者が理解できないまま読者の興味を引くように記事にしてるんだろうな~とか思おうよ。
    40以上コメがあって、エピジェネティクス [wikipedia.org]に触れてるのが1コメだけで、そのコメも馬鹿な蛇足のせいで-1。

    日本語でもちょっと検索すれば色々でてくるよ?
    オススメ:科学ニュースの森さんの恐怖は遺伝する? [livedoor.jp]の記事は(コメに蛆が湧いてるけど)詳しくて解りやすい。

    背景:
    生物は遺伝子変異を繰り返し、それが生存に有利であると次世代へと受け継がれ進化していく。
    遺伝子の変異は生殖細胞が作られるときに起こるため、高等動物の場合は生まれた後に手に入れた
    獲得形質の遺伝は起こらないと思われていた。しかし実際には、エピジェネティクスという現象により、
    獲得形質の遺伝が起こることが示されている。
    (改行は引用者付与)

    あと、↑の記事の元記事 [nature.com]。

    以下、正確ではないけど、分かりやすいかもしれない例え(ちゃんと知りたい人は↑の記事および元論文参照)。
    まず、定義。
    DNAをjavaで言う所のjarファイルとする。
    狭義の(○○の箇所で××と言う遺伝子が発現しているのが~~とかの文脈で使わかたをする)遺伝子はjarの中の個々のclassファイルに相当する。
    遺伝子(classファイル)が集まってDNA(jarファイル)という事な。
    jar(DNA)は生まれる時に両親のjarを合わせて作られたものを基本固定でずっとコピーして使い続ける。
    (実は生きてる間に部分的にDNAが変わる例外は沢山あるけど次の世代には引き継がれない)
    同じように子供が出来た時は自分のjarと相手のjarから適当にクラスを取り出して混ぜ合わせて新しいjarを作る。
    それから、遺伝子を元に生成されたタンパク質はメモリ内にロードされたクラスに相当する。

    環境変化に対応する為に運用中にシステムに変更は必要だけどこの変更はjarじゃなくて、iniファイルをチューニングして対応する(エピジェネティクスによるDNAの修飾)。
    同じインタフェースを実装したクラスが何種類もあって、どういう状況でどのクラスを使うかはiniで制御してるみたいなのをイメージすると分かりやすいかも。
    もしくは、一部のクラスのコンストラクタ引数(初期設定)をiniから読み込んでるとか。

    で、今回の研究では、jar(DNA)は変わらないはずなのに運用の過程で入った修正(香りと電気ショックの関連)が次の世代に受け継がれてるぞ?って事。
    素人目には「jar(DNA)が固定で変わらない、変わっても引き継がれない」と言う定説が覆されたようにも見える結果にみえるけど、
    上述のようにiniがが次の世代にも引き継がれたと言う内容。

    この辺を研究する分野がエピジェネティクス。
    今回の研究もこの辺の第一歩で詳細な仕組みが解明されたわけじゃない。
    人だとどうなる?とか、恐怖以外は?とか、どんな流れで精子に反映されてる?とか、一度覚えた条件のキャンセルの仕方は?とか今後の課題が沢山ある。

    あ~。ここまで書いといてなんだけど、生物の事詳しい人じゃないからね。
    高校ですら生物やってないし。
    だから色々間違ってると思います。ごめんなさい。

    • by otterb (41547) on 2013年12月10日 10時18分 (#2509227) 日記
      エピジェネティクス進歩が速っくってすごいなぁ。 メチル化がここまでくるとは思ってなかったな。 メチル化リセットする薬とかあったとおもったけど体質とか性格とか 生まれつきなものがある程度薬で変更可能になったりするのだろうか。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      馬鹿と名指しされた(#2508969)ですが
      私が貼ったリンクの研究では、具体的にコルチコステロンが神経系のDNAメチル化のトリガーになっているとの知見を得ているのですが、同じような受容体が精巣にもあるかもしれない、という発想はどのあたりが「馬鹿な蛇足」であり、どのように考え直せばいいか、教えてください。
      • 蛇足うんぬんは#2508761。
        このレス夕方に書いたのを忘れてて後から投稿したので、書いたときには#2508969は無かったんだ。
        投稿前にもう一度全部読むべきだった。不快な思いさせてごめんなさい。(でも、#2508969は-1じゃないよ?)

        あと、「馬鹿な蛇足」とは書いたけど、「馬鹿な人」とは言ってないから。

  • ちょっと前にサルでの実験で、ヘビのイメージ画像を見せると恐怖の反応を示す [afpbb.com]って記事を思い出した。

    これは匂いでは無いけれど、視覚情報もその種に対して危険であると認知された場合は遺伝に影響を与えるんですかね?
    記事の結びでは視覚の進化に言及しているんだが、そもそも代を経ても恐怖の対象になっている>言語による文化の伝達が行われそうもない種でも反応を示すってのは遺伝なのかな、と。

    • 関連に入ってないけどストーリーにもなってましたね。

      「ヘビのようなものを見ると警告を発する特殊な細胞」がサルの脳内に見つかる
      http://srad.jp/story/13/10/31/061219/ [srad.jp]

      --
      # SlashDot Light [takeash.net] やってます。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      それは、既存の突然変異と自然淘汰だけで説明できるのでは?
      (蛇を恐れない個性は蛇にやられて淘汰された。一方、猫は毒を克服した。)

      • by Anonymous Coward

        従来はそういう理屈づけだったけど、実は違ったかも知れないね、という話でしょうよ。
        蛇にやられない為に蛇を恐れる個体を産むようになったのか、
        たまたま蛇を恐れる個体が産まれたのかでは、
        随分と意味合いが違うように思います。

        • by Anonymous Coward

          旧来の説が間違っているかもしれないのは、
          もちろん常に間違っているかもしれないのですが。

          確認されたわけでもない実験を一つ見て、
          かなり条件の違う他の物まで旧来の説を否定するのは。

          トンデモと紙一重だと思います。

          • by Anonymous Coward

            いきなり訂正。

            否定するはかなり言いすぎですね。
            違うかもしれないと言い出すのは、ですね。

    • by Anonymous Coward

      ちょっと前に本気の宗教談話(飲み会)に無宗教代表として参加したのだが
      キリスト教系の彼いわく、人間が蛇を本能的に苦手なのはアダムとイヴの記憶だとか何とか言っていた。

      爬虫類好きな俺はキリスト教の神に見捨てられているのだなと思った。

  • by poquitin (42421) on 2013年12月09日 14時09分 (#2508778)

    この手のニュースって最近ちょくちょくある気がするのだけど、体の各所の細胞のDNAは生まれた時からずっと変わらないけれど、生殖細胞(精子だけかな)は後天的に獲得した情報を反映して変化している可能性が高いってことでいいのでしょうか>詳しい人

    • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 14時14分 (#2508782)

      そう考えると、若い時の子と年齢重ねた後の子だと、かなり変わってきそう。
      年の離れた兄弟とか、おもしろいサンプルになるのかねぇ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 15時50分 (#2508834)
      遺伝子発現を制御するだけだと思われていたメチル基のマークが、実は子孫に伝わるようだ、というのが最近の知見のようです
      遺伝する獲得形質 [nikkeibook.com]

      こうしたメチル化マークは生殖細胞の段階でいったん消去されるのがふつうなのだが,豪シドニー大学の遺伝学者が率いるグループが1999年,毛色遺伝子のメチル化マークがメスの生殖細胞で保存されているのを発見した。DNAの変異と同様に,メチル化マークが子孫へ受け継がれていく可能性があるわけだ。
       このマウスから,人間の肥満に関する手がかりも得られそうだ。アグーチ・バイアブル・イエローは食べ過ぎによって肥満しやすい。2008年,ベイラー医科大学のウォーターランド(Robert A. Waterland)は,この形質が子孫に遺伝し,世代が進むにつれて強まって,「太った母マウスの子どもはさらに太る」ことを発見した。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        横レスですが、リンク先よみました。
        メチル化した部位が遺伝するらしいということはわかりましたが、
        メチル化する部位に関する記述が不明瞭で、どうにも突然変異のように思えます。

        「脳で経験したことが精巣とリンクして関連部位をメチル化させる」
        っていうプロセスがあまりピンと来ません。

        • by Anonymous Coward

          今回のに当てはめてよいかはわからないんですが
          思春期のストレスは神経エピジェネティクス機構の障害を引き起こし、成体の行動パターン・神経系を障害する [nagoya-u.ac.jp]
          のように神経系のDNAメチル化はストレスで引き起こされるようです。

          これのトリガーはホルモンらしいので、血液にのって体内を巡るなら、精巣に影響することはありそうに思えます。

        • by Anonymous Coward

          >メチル化する部位に関する記述が不明瞭で、どうにも突然変異のように思えます。

          メチル化に限らないんですが、周辺状況に応じて遺伝子自体がいろいろと修飾されたり、DNAをコンパクトに巻き取っておくためのタンパク質であるヒストンが修飾されたり(これによりDNAのどこが巻き付くかなどが変わる)することが最近になってよくわかってきました。
          これは、同じ遺伝子であっても環境に応じて(=必要性に応じて)遺伝子の発現のしやすさを変え、必要性の高いものをたくさん作ったり、不必要な部分の発現を抑えたり、といった制御になっているのだと考

    • by Anonymous Coward

      体の各所の細胞のDNAは生まれた時からずっと変わらないけれど

      単一の個体でも個々の細胞で微妙に異なるし、しかも時間と共に変化しているそうだよ。
      分裂複製や破損修復が意外と完璧ではないので差異が生じるんだとか。

      それが更に、後天的な経験で方向付けられてる、って研究なんじゃないかな。>詳しい人

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 17時15分 (#2508884)

    その足がwrite enableのpinだったってことじゃね?

  • by northern (38088) on 2013年12月09日 19時41分 (#2508957)

    最近、不登校や引きこもりが増えてるのは、親から学校や会社での恐怖を受け継いでいたためだったのか

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 20時42分 (#2509001)

    私もこのニュース詳しくないので、どれが原論文かわからないのですが、これでしょうか?


    "Parental olfactory experience influences behavior and neural structure in subsequent generations"
    Brian G Dias and Kerry J Ressler,
    Nature Neuroscience (2013) doi:10.1038/nn.3594

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 13時53分 (#2508771)

    王道のグロコラ画像の「蓮コラ」。
    穴が無数に規則的にあいている画像をみると嫌悪感を覚える人が多いですよね。
    それも恐怖の記憶が遺伝的に伝わっているのでしょうか。

    • by t-wata (10969) on 2013年12月09日 18時17分 (#2508905) 日記

      黒板に爪、とかも何か遠い昔、人類に共通する祖先が経験した恐怖から来てるのかもね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 17時46分 (#2508893)

      蓮画像に対する恐怖は人類の進化に根ざした自己防衛本能
      http://jp.sciencenewsline.com/articles/2013090311190002.html [sciencenewsline.com]

      正式にはまだ認められてないんですけどトライポフォビアとか言うんですって、怖いですわねぇ、奥様

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      最初に蓮コラを見たときは寒気がしました。
      数年後、馬バエというものを知ったときに、同じ寒気を感じると同時に、
      皮膚に穴が開くことに対する恐怖心はきっと寄生虫を避けるために人類が獲得してきたのではないかと思いました。

      # さらにたぶん……自分は吹き出物とかができると全て絞り出したくなってしまうのですが、たぶんそれも根源は同じかなと。

      他に黒板を爪で引っかくとか、多くの人に共通の嫌悪感ってのは、きっと何か危険回避のために
      獲得してきた性質なんでしょうね。

    • by Anonymous Coward

      何でか知らんが、「グラコロ」と読んでしまった…

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 14時05分 (#2508776)

    樹上生活だった頃の記憶だなんて話を聞いた事があるけど、ありえる話って事なのだろうか。

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 14時58分 (#2508806)

    覚えておけるほどDNAの情報って書き換え簡単で容量もあまってるものなの?

    • > 嗅覚制御する遺伝子に変化の跡があり

      とありますから、

      何種類かある臭覚受容体の組み合わせを使った「臭いのパターン」で恐怖を感じる「回路」あるいは「プログラム」は既に作り込まれていて、そのパターンを指定するビット列の数ビットだけ変更しているのではないでしょうか。例えば8種類(8ビット)で 0x1Aなら猫(を含む食肉目の動物)の臭いのパターンで、0x2Bなら桜(を含む花)の香り相当するとか。これなら、ネズミの暮す環境に応じて恐怖を感じるべき天敵の臭いを変更することが容易になります。

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 16時05分 (#2508837)

    俺様の先祖は足に電気ショックを与えられながら饅頭を食っていたのか!

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 16時33分 (#2508852)

    桜の香りってほんとにほのかなのに。普通の実験者ならもっとハッキリした香りを試験に使うだろう。

  • by Anonymous Coward on 2013年12月09日 17時44分 (#2508891)

    思い出せるようなことが記憶というのではないのかいな
    元の記事では経験が引きつがれるという言い回しにしてるのになぜに変えるの
    ドラえもんの子孫が(あったとして)青い色だったとしても子供はその理由は思い出せないだろう

    • by Anonymous Coward

      思い出せるようなことが記憶というのではないのかいな
      元の記事では経験が引きつがれるという言い回しにしてるのになぜに変えるの
      ドラえもんの子孫が(あったとして)青い色だったとしても子供はその理由は思い出せないだろう

      朝日新聞の記事のタイトルがそうなってますね。素人受けを狙うとこういうタイトルになるのでしょう。

        > ドラえもんの子孫が(あったとして)青い色だったとしても子供はその理由は思い出せないだろう

      耳を齧られたという理由を思い出せなくても、ネズミを見た時に、親ドラえもんが感じたのとの同じ恐怖を感じることが出来るなら「理由の記憶」は継承しないものの「恐怖の記憶」は継承していると言っても大外れではないような。
      さらに加えると、この場合、黄色い子ドラえもんにネズミを見せると青くなることで、強烈な恐怖が継承されていることが確認できると思われます。

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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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