
米アマースト大学の研究者チーム、擬似的な磁気モノポールの作成と観測に成功 23
ストーリー by hylom
片割れ 部門より
片割れ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
理論物理学者ポール・ディラックは、1931年に量子力学の観点から磁気単極子(磁気モノポール)が存在することを予測した。磁気モノポールとは、通常の磁石はS極とN極を有しているのに対し、S極かN極のどちらか一方のみで構成された磁性粒子のこと。ディラックの論文から約85年後の昨年9月、米アマースト大学物理学教授David S. Hall氏とフィンランドのアールト大学のアカデミー研究員Mikko Mottonen氏は、この磁気モノポールを擬似的に再現し。その撮影に成功した。この研究は電子の発見に匹敵する画期的な成果だといえる(PHYS.ORG、nature、slashdot)。
この発見に関する論文は1月29日にnature誌に掲載された。David S. Hall氏らのチームは、ディラックの理論を調査するために革新的なアプローチを用いた。それはボース・アインシュタイン凝縮によって発生する人工の磁場環境で合成磁気モノポールを作り出して観測するという方法。制御された環境で量子力学的実体を観察することはこれまで前例がなかった。
stapみたいに (スコア:2)
案外よく発生してるのに気が付いてないだけとか?
例えば、キミがモノをポールしてるときとか?
なんだか良く判らないけど (スコア:1)
Re:なんだか良く判らないけど (スコア:5, 参考になる)
首都大のやつは,何というか,ある特殊な状況で起こる現象を,式変形していろいろ無理矢理にまとめると,モノポールの状態を表す式(によく似た形)に持って行けるよ,という感じのものです.
で,そこで出てくる項はいくつかの効果を変な形に取り込んだものなので,物理的な意味のよくわからない物理量です.
「ある系で,いろいろな物理量を混ぜてよくわからない二つの量に再編成したら,それらの間の関係がモノポールと同じに書けるよ」
というものなので,ちょっとよくわかりません.
かなり無理矢理な形なので見通しも悪く(変なかんじに組み合わせて作られているので,その新たに定義した物理量が何を意味しているのかよくわからない),理論的に検討するのも面倒くさいし,実験的にも(通常測定できるものとは違う訳のわからない物理量の複合物をはからないと行けないので)やりにくい,と.
その一方で,もうちょっと素直にモノポールによく似た挙動が現れる系がいくつか知られています.
それがスピンアイス系における点欠陥であるとか,超細い磁石の先端(ほとんど幅の無い針先から磁束が四方八方に出るので,出来る場がモノポールのものと非常によく似ている)などです.
こちらは近年かなり注目されていて,ScienceだのNature系の雑誌だのに定期的に出てくるホットなトピックです.
今回のもこういった系の仲間で,さらに「一つの擬モノポール」を作ってその特徴を調べられる,といった点が新しくなります.
既存のスピンアイス系などでは,結晶中に無数に生じた擬モノポールの統計的な量をはかっていたわけですが,そういったものを真空中にぽつんと作る事が出来るよ,と.
感覚としては,これまでバルクの金属を測って電子の性質を議論していたものが,一個の電子を取り出して実験できるようになった,という感じでしょうか.
解説記事で他に挙げられている点としては,
・量子系のシミュレーション精度が上がってきていて,実用的になっている点が示されている.
・BECの流れの制御で磁場を生み出す手法が進歩すれば,局所的に強い磁場などを作る手段となり得る.
などがあります.
Re:なんだか良く判らないけど (スコア:3, 参考になる)
関連ストーリーにあるやつですね(phason氏の解説 [srad.jp]は必読)
今回の話も、「擬似的に再現」などと書かれているので警戒してしまいます…
Re:なんだか良く判らないけど (スコア:1)
Re: (スコア:0)
かたやNature、かたやJPSJって、本当に成果の価値がそんななのか、それともアピールが下手なのか...
Re: (スコア:0)
論文では、(snip)この過程でモノポールが生成されることを理論的に明らかにしているという。
理論として示したのと、実際に造るのはやぱりラベルがちがうんじゃないでせうか
#ただ、「磁気モノポール(の流れ)の観測」は過去Natureに載ってるんですよね。Letterだけど。
Measurement of the charge and current of magnetic monopoles in spin ice
http://www.nature.com/nature/journal/v461/n7266/pdf/nature08500.pdf [nature.com]
磁気モノポールを単離したのが初めてなのかな?
未発見とは? (スコア:0)
もしかしたら地球上にいくつかぐらいはあるかも知れないけど、もしそうだったとしても、
それを見つけ出すだけの探査・観測技術が存在しない、から、
地球上に存在するなら観測されるはずの現象が観測されていないから地球上には多分存在しないと見なされている、まで、
「見つかっていない」と言っても色んな状態が考えられるわけで。
SF作品あれこれでも扱いがまちまちだったりして、結局どうなのかが、この手の話題を見るたびに気になります。
Re: (スコア:0)
モノポールがやたらに存在しないのはインフレーションがあったから、ということになってます。
ごく微小な領域が急激なインフレーションを起こした結果として今の宇宙があるなら
初期の磁気的な偏りが生み出すはずのモノポールは生成されないということで
整合性が取れるのだとか
逆にモノポールがないことから初期宇宙の発展がある程度推測できるというか
モノポールがない宇宙はこうあらねばならなかった的に束縛できるようですね
Re: (スコア:0)
モノポールを探す実験をしている処はありました、今も探しているかは知りません。
でも、信頼の置ける「発見」はなかったと思います。
結果的に他の方のコメントの通り、本物のモノポールはこの宇宙に存在しないだろう、というのが大勢です。
もし、本物のモノポールの存在を示したら、ノーベル賞が貰えるでしょう。
SFの中で設定がまちまちなのは、現実に追いつかれる心配の少ない便利な「バズワード」として使われている場合が多いためでしょう。
Re:未発見とは? (スコア:2)
平成19年(2007年)の論文ですから割と最近でもモノポール探査はやってますね。
Re: (スコア:0)
本気で探している人が居て、ある日、発見されてもおかしくはないぐらいでしょうか?
確か、Q.E.D.という漫画で、モノポールを発見した振りをして大金を騙し取ろうとする詐欺のようなネタがあったんですが、
それが、ありえる詐欺として描かれたものなのか、
あり得ないホラ話に騙される人々として描かれたものなのか読み取れずじまいで気になっていました。
永久機関を発明したと偽る出資詐欺とかだと分かりやすいんですが(笑)。
Re:未発見とは? (スコア:2)
ディラックのにしろ大統一理論のにしろ、モノポールが発見されれば人類のエネルギー事情は激変するんですけどねえ。
Re: (スコア:0)
モノポールなら、裏庭に落ちてたよ。
Re: (スコア:0)
おじいちゃん、それは空のサンポールよ。
Re: (スコア:0)
モノポールはあるけど生成するには太陽質量1個くらい必要だよとかそういうオチじゃないの。1
Re: (スコア:0)
#2538478 ですが、若干付記しておくと、もともとはビッグバンがあったとするのなら
大量のモノポールが生成されるはずで、それが見つからない/観測できないという事実は
ビッグバン宇宙論の大きな矛盾点の一つでした。
少し古めの宇宙本やポピュラー科学、SFなどにモノポールが良く出てくるのはその影響があったと
考えられます。(大量に)存在するはずなのに見つかっていないという調子で語られてたわけですね。
アラン・グースがインフレーションを思いついたのはモノポールが見つからなないのは何故なのか
という疑問が出発点になったとされてます。
インフレーションはいろいろと謎を残しているものの、いくつかの観測結果がよく整合することも
わかっているので、現在ではモノポールは存在しないかあっても極めて稀だろうという
感じになってまして、昔のポピュラー科学やSFとはそこが少し違ってきてるわけですね
Re: (スコア:0)
さぁ、君もモノポール鉱脈を見つけて一攫千金だ!
モノポール爆弾 (スコア:0)
南青山の方だったっけ?
Re:モノポール爆弾 (スコア:2)
表参道では?
らじゃったのだ
モノポールエンジン (スコア:0)
2199の成功を受けても、流石にリメイク [wikipedia.org]は無えだろうな。(言霊?)
Re: (スコア:0)
一方、こちら [wikipedia.org]のアニメ化は早すぎたかも知れない。
Re: (スコア:0)
追加:後で気付いたけど、2199に追加された設定の亜空間回廊(ワームホール:太古にアケーリアス文明が構築した、超空間ネットワークを応用、数万光年という通常のワープよりもはるかに長距離を跳躍できる、バラン星他に出入り口=亜空間ゲートを有する施設)って、2520の次元運河(ロココ星に残されていたゴーダ文明の遺跡が入口となっている異次元航路)の設定と似ているんだよな。
まさか。