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宇宙

「重力波」の痕跡を観測、宇宙が膨張していることを示す証拠となるか 48

ストーリー by hylom
人類の敵の痕跡でないことを願う 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

米カリフォルニア工科大や米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームが、「重力波」の痕跡を発見したことを発表した(MSN産経ニュースウォール・ストリート・ジャーナルDiscoveryslashdot)。

アインシュタインの一般相対性理論では、ビッグバンが発生した直後に重力波が発生することが提示されていたが、これは今までに一度も証明されていない。この「痕跡」が本当に重力波のものであれば、「宇宙が膨張している」説の裏付けとなる。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2014年03月20日 21時04分 (#2566808)

    大栗先生のブログ記事
    原始の重力波 [exblog.jp]
    原始の重力波 その2 [exblog.jp]

    肝心の結果ですが、宇宙初期の量子ゆらぎでできた重力波の強さを表す r 比と呼ばれる量が
    約0.2であるとの発表でした。これは、予想されていた値よりも大きく、驚きでした。(中略)
    r 比が0.2であったということは、インフレーションのエネルギーが、
    ヒッグス粒子の質量をエネルギーに換算したものより14桁も大きい。
    一方、一般相対論と量子力学を統合するプランク・スケールと比較すると、2桁下です。
    ですから、これまで素粒子物理学で実験されてきたエネルギーよりはるかに大きく、
    超弦理論のように一般相対論と量子力学を統合する理論のエネルギーには近いということになります。

    • by tol (19142) on 2014年03月22日 18時38分 (#2567617)
      ここのrは上の書き込みである、「KEK 羽澄http://www.jahep.org/hepnews/2008/Vol27No4-2009.1.2.3Hazumi.pdf [jahep.org]: 宇宙背景放射偏光測定が拓く超高エネルギー物理学, 2009年」の文章中のrと一緒なのでしょうか?もし、そうでしたら、この文章中で「・・・r0.2(95%C.L.)という結果が得られています・・・」とあります。
      親コメント
  • なにやら色々省略されたり間違った記述だったり誤解を招きそうだったりするんで補足.

    ・ビッグバン理論には,色々説明に難点のある部分もあった(だいぶ昔).

    ・それを解決するために,インフレーション理論(*)が提唱される(そこそこ昔).

    *インフレーション理論:宇宙誕生直後の10の数十乗分の1秒という短時間の間に,体積が10の数十乗倍にも増えるような急速な膨張(インフレーション)が起こったとする説.「現在の宇宙があまりにも平坦すぎる」等の旧ビッグバン理論の問題点を解決できる.
    この説においては,インフレーションの後に宇宙が超高熱に加熱され,これをビッグバンと呼ぶ事が多い(宇宙の誕生→インフレーション→ビッグバン)

    ところが,ビッグバンに関しては証拠が集まりつつあるものの,インフレーションに関しては「これを認めると色々説明がうまくいく」という事はあっても,実験的な証拠が出ていなかった.
    #背景放射の揺らぎあたりは間接的な証拠とも言えますが.

    ・インフレーションでは非常に高速に膨張するので,初期宇宙にあった様々なものが大きく引き伸ばされる.
    (まだ人類は成功していないが)相対論と量子論がきちんと統合されるものなら,初期宇宙の「時空そのもの」にも微小な量子ゆらぎが存在するはずであり,これもインフレーションに伴い引き伸ばされた巨大な時空の歪みへと変換される.これを(まだ未完成だが)量子重力なども含めて考えると,初期宇宙にあった時空の揺らぎは引き伸ばされた結果重力波となる事が予想されている(原始重力波).
    #だったと思うんですが,この辺の理屈はうろ覚え.

    ・これとは別に,宇宙にはビッグバンの超高温の名残である背景放射(現在ではマイクロ波領域)が充満している.
    重力波がもし存在すると,光は重力波(=時空の歪み)によって散乱され,特徴的な偏光面が現れる(水面で光が反射すると,特定の偏光面だけ残るようなもの).
    通常の物資の粗密によっても光は散乱されるのだが,重力波による散乱だと偏光面がらせん状に巻いたような特徴的な散乱光(Bモード)も出てくる事が判明している.

    ・ということは,背景放射(非常に弱い)の偏光面を観測してBモードが見つかれば,それは重力波によって散乱されたものだと考えられる(*).

    *実際には,単なる重力レンズ効果によってもBモード変更は現れる.ただし,そのスケールがかなり違ってくる.重力レンズによるBモードは角度スケールが小さく,原始重力波によるものはより大きなスケールを持つ(と予測されている).
    従って,大きなスケールを持つBモードが見つかれば,恐らく原始重力波由来だと考えられる.

    ・このため背景放射が原始重力波によって散乱された結果できるBモードを観測しようといくつかの施設で観測が行われていたが,今回ついに「それっぽいものが見えた(ように思える)」という報告が成された.

    という感じの流れです.
    まとめると,
    ・大きな角度スケールを持つ背景放射のBモード偏光(らせん状の偏光面)が見つかった.
    ・と言うことは多分巨大な重力波由来(波長が数十億光年以上になるような超巨大重力波)
    ・そういう超巨大な重力波は,初期宇宙のインフレーションでのみ生じると予想されている(通常の天文現象でそこまで大きなスケールが生じるのは非現実的).
    ・とするとインフレーション理論の初めての観測的な証拠に!

    • by Anonymous Coward

      毎度お疲れ様です、わかりやすくてとっても参考になります。

      >宇宙の誕生→インフレーション→ビッグバン

      一時期、この手の解説本を読みまくったけど、イメージが違うなぁ・・・
      また最新のを読み直してみるか

  • 「インフレーション理論」がわからなかったのでウィキペディア [wikipedia.org]を見てみたら、本題でないところで吹き出した。

    インフレーションという命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである。

    うぃきぺでぃあはべんきょうになるなあ

    ちなみに inflation はもともと膨張という意味で、当然というか何というか、経済学での意味の方が後。

    • by Anonymous Coward on 2014年03月21日 7時54分 (#2566978)

      それはWikipediaの方が正しい。
      もともとのネーミングはA. Guthによるものだけど、そこでは"inflation"ではなく"inflationary"が使われている(Inflationary Universe)。
      inflateとかinflationとかだと確かにもともとの膨張という意味から取った、ってのもあり得るんだけど、inflationaryという語になってくるとこれはもう経済用語。

      というかまあ、Peeblesの本とかにも書かれているように、言い出したGuthを含めた天文学者がそういう意味でつかってるんで。

      親コメント
      • そういう説明なら、 Guth が経済学での意味を意識していたことについては納得するけど、

        インフレーションという命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである。

        が正しいことにはならないよ。

        Inflationary Universe という命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである。

        なら正しいかもしれないけど、それすら「なぞらえた」と言うよりも、単に inflation (膨張) と 、当時米国で問題になっていた経済のインフレとを掛けた駄洒落だと受け取る方が自然じゃないのかな。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          なんか見苦しいな。

          なぞらえたっていうのは普通記事にあるくらいの意味でつかわないかな?

          比喩の一種なんだから、
          厳密にいうと違うに決まっているというか、
          まあ無粋。

          • なぞらえたっていうのは普通記事にあるくらいの意味でつかわないかな?

            言葉をいい加減に使っているときにはそういう変な使い方もするけど、ちゃんとした言葉を使う場面では使わないよ。

            それと、僕は #2566982 で (1) そもそも「Inflationary Universe という命名は宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである」でなく「インフレーションという命名は宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである」と書いている時点で全然駄目、 (2) 仮に「Inflationary Universe という命名は……」だったとしても「なぞらえた」の使い方が変、と二つの指摘をしたのだけど、より重要な指摘である (1) の方は反論できないからか何なのか知らないけど無視しておいて、「仮に (1) の点を除いたとしても (2) がある」という方にだけ反論して「見苦しい」とか「無粋」とか罵倒してくる人って、何がしたいのかわからない。

            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2014年03月21日 10時11分 (#2567011)

              いや、あのですね……。
              そもそも「単に inflation (膨張) と 、当時米国で問題になっていた経済のインフレとを掛けた駄洒落」と、「インフレーションという命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである」は、別段矛盾せずに両立することは理解されていますよね?
              「『なぞらえた』の使い方が変」というご指摘は、#2566978AC氏の説明の後半にある

              というかまあ、Peeblesの本とかにも書かれているように、言い出したGuthを含めた天文学者がそういう意味でつかってるんで。

              を無視されていますよ。
              一例を引用するなら、米PBSニュース [pbs.org]で物理学者Sean Carroll [wikipedia.org]氏が

              The term cosmic inflation was coined around 1980, when the ordinary economic inflation was also very much in the news. And it was Alan Guth, who was a young physicist at the time, who came up with the idea that we need to explain certain very basic features of the universe.

              For example, it looks similar, it looks smooth all over the place. And so, if in the very earliest moments, the universe went through some enormously fast, super-accelerated expansion, it’s like pulling at the edges of a sheet, and that expansion would actually smooth things out.

              と説明されています。

              「わからないなら書かなきゃいい」んですよ。

              親コメント
              • そもそも「単に inflation (膨張) と 、当時米国で問題になっていた経済のインフレとを掛けた駄洒落」と、「インフレーションという命名は、宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたものである」は、別段矛盾せずに両立することは理解されていますよね?

                なるほど、両方ともであるという可能性は考えていませんでした。

                で、ご指摘いただいた PBS ニュースのページと動画をチェックしましたけど、べつに宇宙の急膨張を物価の急上昇になぞらえたなんて言っていませんね。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                ますます見苦しくなってきた。

              • by Anonymous Coward

                ほうっておくしかないね
                fcp氏独自の「なぞらえる」の使用法に関する拘りなんて聞いてもしょうがない

                一般的には
                「なぞらえる」の類語 [weblio.jp]

                意義素:何らかのものに暗に言及した表現をすること
                類語:引っ掛けて言う ・ 引っ掛ける ・ なぞらえる ・ もじる ・ 引っ掛けて表現する ・ まねて言い替える

                「掛けた駄洒落」だろが「(洒落て)なぞらえた」だろがどっちでもいいわ

              • by Anonymous Coward

                外国語を日本語に翻訳する時点でも、方向性が変わっちゃうからね。
                2語が1語に統一(されたように見える)とか。

            • by Anonymous Coward

              笑ってないでなおせば?

            • by Anonymous Coward

              ここで間違いを認めれば一時の恥で済むぞ。

              • by Anonymous Coward on 2014年03月21日 17時27分 (#2567175)

                やっぱモデレーションに「無粋」ってのがあった方がいい気がするなw
                この手の自分の失態を認められない恥ずかしいコメとか、訃報にくだらねージョーク書くヤツとか相手に

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                fcp氏においては今日が初めてな展開でもないし、一生の恥として貫かれるのでしょう。

            • by Anonymous Coward

              >反論できないからか何なのか知らないけど

              いや反論するまでもないと思って書かなかっただけですが。
              一部か全部かで、なぞらえたかどうかが変わることがないですから。

              書かなきゃわかりませんでした?

              • by Anonymous Coward

                論議中、「不利な立場」の側がそれを仰っても・・・

                1+1=2 は説明するまでもなく当たり前、というのとこれは、違うものなので
                >書かなきゃ
                には繋がりませんよ

        • by Anonymous Coward

          そもそも、本当に命名者がそういう比喩のつもりで命名したのかどうかが問題であって、
          そこで言葉尻を捕まえてあーだこーだ言うことに何の意味が?

          • そもそも、本当に命名者がそういう比喩のつもりで命名したのかどうかが問題であって、

            そうだよ。だからインフレーション理論のインフレーションが物価の上昇になぞらえて命名されたのであればウィキペディアの記述は正しい。僕は、 inflation はもともと「膨張」という意味なのだから、「宇宙の膨張を物価の上昇になぞらえて inflation と命名する」なんてのは非現実的だと言っている。

            #2567011 [srad.jp] の人が「一例を引用する」なんて言っているから、「物価の上昇になぞらえて inflation と命名された」という証拠かと思って見てみたのに、単に両方の意味の inflation が会話の中に出てくるだけで、何の証拠にもなっていないし。

            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2014年03月22日 16時10分 (#2567547)

              そんなにグズグズ言うのならちょっとくらい自分で調べればいいのに。

              ここのインタビュー [athome-academy.jp]で提唱者の一人である佐藤勝彦 [wikipedia.org]氏が

              このインフレーションという名は、物価水準が急上昇する経済用語「インフレーション」にちなんで付けられたものです。

              と仰ってますよ。

              これで満足されましたかね。

              親コメント
              • ありがとうございます。僕もちょっとくらいは自分で調べたのですが、そこまで行き着けませんでした。

                あなたは「提唱者の一人である佐藤氏」とおっしゃいますが、「inflationary universe」という名前を付けたのは Guth 氏の方ですね。それでも、当時の状況をよく知る人の言として尊重します。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                単なる「由来」と、後日使われるようになった「新しい用法」の違いを気にしたって意味がないだろ?
                単純な意味で後者が前者の一部ではないのは当然だ。

                で、それとソースがなければ納得しない・あっても納得しがたいと思う、に繋がるのはなぜだ?何かの意地?

              • コメント #2567837 は全体的に何言っているのかよくわからないので、反応しない方がいいのかもしれないけど。

                1. 最初からずっと名前の由来の話をしているのに、由来と新しい用法の違いを気にするなとか言われても。
                2. 佐藤氏の話を読んで、「インフレーション理論という名前の由来は物価の上昇だ」という話に根拠があることは納得したよ。

                あなたが何の話を続けたいのかよくわからない。せっかく #2567547 のおかげで話が解決したのに、由来と新しい用法の違いだの、ソースがなければ納得しないのは何かの意地だのと、別の話題を持ち出して混乱させようとしているのなら、やめておくれ。

                親コメント
        • by Anonymous Coward

          なんだか薄桜鬼ファンの原作叩きを見てるような気持ちに…

      • by Anonymous Coward

        ついでに書いておくと、Guthがセミナーでインフレーションの話をした年である1980年はアメリカ(を含めた西側先進国)でインフレがかなり進んで社会的に大問題になっていた頃。アメリカだとインフレ率10%ぐらいは行ったんだっけかな?
        (70年代にインフレ率が大きく増えて問題化し、1981か82あたりで落ち着く。大統領だったFordが"Whip Inflation Now!"とか言ったあげくインフレを悪化させて叩かれたのがこの頃)

        もしかしたらその辺(インフレという語が社会的にやたら使われていた)もネーミングに繋がってるのかも?

  • by tmiura (6268) on 2014年03月22日 17時36分 (#2567595) 日記

    偏光のモードなんて聞いたことがないし、「特殊な渦模様」とだけ書かれていると、何で渦巻なのか、物理的な意味が分からないので、ちょっとググってみたら、熱い文章のチュートリアルがぽこぽこ出てきた。

    偏光のEモード・Bモードというのは、電磁波を記述する測定可能なパラメータであるストークスパラメータのQとUなる成分を座標変換に対して不変な量である発散成分・回転成分に変換したもので、発散成分がEモード、回転成分がBモードと呼ばれる。これはテンソルの微分という操作になるので、一般向けの文章では結果の図に現れる「棒の渦巻」ぐらいしか表現できないってことで納得した。

  • 100㌧ハンマーを振り回したら隣の部屋で検知機が作動するようなレベルで検知できるようになるには、
    あとどれぐらいの技術革新が必要なんだろう…。

    • by Anonymous Coward on 2014年03月20日 22時16分 (#2566862)

      100㌧ハンマーを振り回したら隣の部屋で地震計が作動するんじゃないかな

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        でも俺のもっこりセンサーは反応しないんだよな~

        • シティ・ハンター、懐かしいなあ。
          でも、分かる人の方が少ないだろうと思って、
          少し寂しくなった。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            やだなぁ、続編にあたる「エンジェルハート」の2ndシーズンの8巻がこの週末に発売されたばかりじゃないですか。
            ハンマーの登場頻度は激減ですが。

            ところで、テレビのニュース(何chかは忘却)では「理論的には日本人科学者が30年前に指摘しており・・・」ということでその現象が実測されめでたい、という流れで報じられていた。日本の理論物理すげー! と思ったが、詳しい人が多いはずのここでその話題がいまんとこ出ていない・・・なんか騙されてる?

  • hylom (スコア:0, フレームのもと)

    by Anonymous Coward on 2014年03月20日 20時18分 (#2566778)

    hylomって本当に頭イカレてるんだな。

    「インフレーション理論」を「宇宙が膨張している説」に置き換えるとか、気持ち悪い。

  • 重力波の痕跡というには間接的すぎないの?

  • by Anonymous Coward on 2014年03月20日 22時17分 (#2566863)

    カルテックということは基線長4kmの装置での発見でしょうか?

    TAMA300(基線長300m)では見つからなかったんだよなあ。

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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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