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医療

生後1歳までに全身麻酔を受けると短期記憶力が低下するという研究結果 44

ストーリー by hylom
どうしてこうなるのだろうか 部門より
eggy 曰く、

生後1歳までに全身麻酔を受けた子供は、短期記憶が損なわれてしまうという研究結果が公開された。読解力、教室学習、エピソード記憶などに影響が及ぶことになるという(VergeSlashdot)。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGreg Stratmann麻酔学教授が、生後1歳までに全身麻酔を受けた6~11歳の子供28人を対象に回想力の実験を行った。実験の方法であるが、まずコンピューター画面上の任意の位置にさまざまな色の枠線で囲った80個の絵を見せた。そして5分後に、枠線を取り除いた160個の絵を先程とは別の位置で見せ、その中から先程見た絵を選ばせた。また、絵を思い出すことができた場合は、枠線の色や、絵が表示された元の位置を尋ねた。その結果、全身麻酔を受けたことのある子供は、そうでない子供と比べて、色に関する正解率が20%劣っていたとのこと。また、空間認識力は21%劣っていたとのこと。

また、ラットを使って臭気に対する回想力の実験を行い、先程と同様に麻酔を受けたことのあるラットと、麻酔を受けたことのないラットを比較した。すると、麻酔を受けたことのある全てのラットは、臭いの回想力が皆無であったとのこと。一方の麻酔を受けたことのないラット群で臭いを記憶する能力に問題があったのは、17匹中たった2匹しかいなかったとのこと。

今回の2つの実験により、乳児の時に全身麻酔を受けると後の人生で記憶力が害されることが実証された。また最近の他の研究でも、麻酔が子供に発達障害や注意欠陥多動性障害のリスクを及ぼすことが指摘されている。子供に麻酔をかけることに、より慎重になるべきなのだろう。

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  • by Anonymous Coward on 2014年06月14日 8時13分 (#2620971)

    そもそも全身麻酔を施して手術をする、って時点で命に関わる状況なわけで、
    後の人生に影響よりも、まずは今を生きる事が優先されるべきだと思うのですがね。

    仮にASDやADHDになる可能性があると言っても、
    そういうリスクが有ると思って育てていくのと、
    何も気が付かずに大人になってある日気が付くのとでは、天地程の差が有るので、
    治療を受けた子供とその家族に対して継続したサポートがあれば、問題が軽減できるのではないかと。

    • Re:まずは今を生きる (スコア:4, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2014年06月14日 10時17分 (#2621006)

      「わっ、怖!子供には全身麻酔させないようにしないと!」みたいにしか思わせない取り上げ方って問題ですよね。

      例の国内では小児に使えない鎮静剤のニュースとかも、大学病院のICUにいる子供って時点でそもそも重篤であるって事が忘れられて、ひどい医者が理由も無くルールを守らなかったみたいに取り上げられているし。

      親コメント
      • by renja (12958) on 2014年06月14日 11時06分 (#2621028) 日記

        ワイドショーと同じ
        話題性最優先

        --

        ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
        親コメント
      • by Anonymous Coward

        子供相手だと大人しくさせるために局部麻酔で済むオペでも全身麻酔使うって事はある筈だが、
        そういう場合にどっちのリスクをとるかの判断材料が一個増えたってだけでしょ。
        リスクのある治療なんて珍しくもないんだから、非致死性リスク一個でぎゃあぎゃあ騒ぐ奴が悪い。
        両方のリスクを提示して、それでもオペが失敗するリスクを患者(家族)が選ぶなら選べばいい。

        例の麻酔は、ほかの手段やほかの麻酔薬が使えない状況だったならそう説明すればいいでしょ。
        子供への使用を解禁するための研究を兼ねて投与してた、みたいな事ぬかしてなかったか?
        しかも患者家族に確認も取らずに使用してるとか、リスクのある治療行為でそれはダメだろ。

        • by digoh (17917) on 2014年06月16日 11時54分 (#2621568) 日記

          「例の麻酔」の件はいろいろマズい話がありそうだ、というのは同意しますが、それはそれとして、
          「○○人も死亡例が出ている。これは大過ぎです!使用と関係があるのは間違いないでしょう!」
          って言い切るタレントとかコメンテーターとか記者とかは落ち着けよって話かと。

          親コメント
    • そう意味のあるニュース? って疑問。
      全身麻酔をする状況という時点で、別の問題があるわけで、その影響が考慮されているか?
      ま、ラットでの実験はそうらしいですが、、、。

      薬を飲むと副作用がある程度のニュース価値しか感じないのはダメ?
      副作用も個人差があるので、医者はそれを考慮する必要があるのであり、全身麻酔も同様。
      素人にできるのは、その医者が信用できて、任せる事ができるのかの判断だけじゃないかと思います。
      素人が全身麻酔が危ないから、うんぬん言うのは、医者を信用していないと言っているように感じる。

      劇薬の方が、薬効があったりするのですね。当然、副作用も強烈。 放射線治療で髪が抜けたりするし。
      鎮痛剤も最後は、麻薬と聞くし。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2014年06月14日 10時14分 (#2621005)

        単なる「副作用」ならおっしゃる通りだね。
        でも記憶障害は「後遺症」と呼ぶべきものでしょ。

        髪が抜けるという症状でたとえるなら、治療中だけハゲになるのとその後一生ハゲになるのでは意味合いが全然違う。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          どうでもいいっちゃどうでもいいかもしれないけど、
          副作用と後遺症は相反する概念じゃありません。
          別に副作用に「一過性の」といった意味はありません。
          この場合の後遺症は副作用の一種。
          麻酔薬の副作用として、記憶障害という後遺症がある、という話。

      • by Anonymous Coward

        possibilityがあるだけで研究としては価値があります。

        そこに研究費を投じるべきかどうか、社会として関心を持つべきかどうか
        あるいは、科学的興味がわくかどうかということになりますからね。

        結論のでた情報だけを収集したいというなら、そもそもニュースじゃなくて
        医者に聞けばよいじゃないか。

      • by Anonymous Coward

        >劇薬の方が、薬効があったりするのですね。

        これは単純な話ではない。
        副作用が無くても効果がとんでもなく高い薬剤もあるし(昔のペニシリンとか)、効果が高いからこそ多少の副作用があっても使われるという側面もある(効果が低くて酷い副作用の薬剤なんぞ使う意味が無いから)。

      • by Anonymous Coward

        副作用とか後遺症とかがある事が認められれば、
        次はそういった物が無い、あるいは少ないものの開発につながったりとか

    • by northern (38088) on 2014年06月14日 11時53分 (#2621045)

      何かを得るためには何かを失わなければならない。
      リスクとリターンのバランスを考えないとね

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      そうなったって言う研究結果ですよね。慎重になるべきだって言っているだけですよね。

    • by Anonymous Coward

      そのための研究結果では?
      この結果が無ければ『継続したサポート』をするべきなんて発想も出てこないんじゃ

    • by Anonymous Coward

      そうなんだよー。心臓に先天的な欠陥があって手術必須だったし。

      小児科で同じ病室だった別の子は、生後半年たっても自宅に帰れず、手術手術なんて状態だったし。

    • by Anonymous Coward

      出産時の麻酔も影響があるのでしょうか。

      • 母体に硬膜外麻酔ってのは聞いたことがあるが、吸入とかする?

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        それはないんじゃね?
        欧米の先進国だと4割が帝王切開、ほとんどが無痛出産だって言うし。

        • by Anonymous Coward

          件数が多いとそれによるリスクが判明してる可能性は高いけど、
          新生児の手術も件数はそこそこある筈なのに今更判明した訳で。

          可能性がゼロとは言い切れんと思うぞ?

    • by Anonymous Coward

      当歳児はよく知らないけれど、
      小児歯科では結構、大人の安易な判断やエゴで全身麻酔してしまうようですね。

      ・何本もの治療が一回で終わるから。
      ・痛がるのを見ているのが辛いから。
      ・押さえつけるのが大変だから。

      大人でも、全身麻酔以来思考力が落ちたという人が結構いるのに、
      「痛くなくてすむ、夢のような治療~♪」なんて安易に考えるとほんとに痛い目にあうということを
      世の親たち(と、歯磨きしない子供たち)はよく知っておくべき。

      • by Anonymous Coward

        アメリカの親知らず抜歯は全身麻酔で4本全部抜いちゃうんだとか。

  • by Anonymous Coward on 2014年06月14日 13時50分 (#2621071)

    使わざる負えないんだよな
    生まれてすぐ麻酔して手術しなければ、全盲になってしまう病気とかもあるし

    • by hahahash (41409) on 2014年06月14日 15時06分 (#2621092) 日記

      大人なら局所麻酔で済むような状況でも、
      乳幼児の場合は全身麻酔をせざるをえない。
      っていう事情もあるしなぁ。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        新生児の体内でも使えるような内視鏡とか腹腔鏡が開発されれば、これまで全身麻酔を使っていたケースのいくらかは局所麻酔で対応できるかもしれませんね。
        #実際は、動きを抑えるためにも全身麻酔でしょうが、それでも強度を下げることは出来ると思う。

        小さい内視鏡や腹腔鏡は大人にとっても切開部位をより小さくするなど利点をもたらすので、
        そういう方向での開発が進む一助になるかも知れませんね。

    • by Anonymous Coward

      × 使わざる負えない
      ○ 使わざるを得ない

      「お」じゃなくて「を」

  • この種の記事って、大抵が「○○をすると平均よりも下回る」って話だよね?

    でも、ある分野で平均を上回る人は理論上半分しか居ない。全分野で平均を上回る人物なんてごく一部で、殆どの人は何処かが平均を下回るって事実を忘れてるんじゃ無いかな?

    これは私的希望だけど、「何処かが常人に至らない人は、別の何処かで必ず常人を上回る」と信じている。
    だから、全てで優秀でなくても、特定分野に優れた人の能力を十分に引き出せる様な社会をつくべきだと思ってもいる。

    で、今回の場合は、短期記憶に障害を抱えるリスクがあるって話しだけど、短期記憶に障害があっても問題なくこなせる職種は在る筈。更には、短期記憶に障害がある方が寧ろ上手く出来る業務だって有るだろう。
    もしそうなら、その方向に向かって学習させて行けばよい訳で、そんな社会が、全人類にとって幸せな世界だと思う。

    //道は遠いとも思っているが、それは別

    --
    -- Buy It When You Found It --
  • by Anonymous Coward on 2014年06月14日 9時09分 (#2620985)

    それで人の顔を覚えるのが苦手なのか(関係ない)

    #むしろ輸血経験者のため献血不可のほうが不便に感じてるけど。献血時のコラボとかコラボとか。

    • by Anonymous Coward

      西館1F中央の大手ですね。

  • by Anonymous Coward on 2014年06月14日 12時35分 (#2621050)

    全身麻酔を受けるような事態を招いた原因にこそ
    機能低下のわけがあるのではと思うんだが
    そこらへんの統計はとってないのかな

    • by Anonymous Coward on 2014年06月15日 21時42分 (#2621450)

      そもそも重大なけがまたは病気があるから全身麻酔をかけるわけですし、長時間の手術を行った可能性も高いでしょうから、母集団が違うでしょう。
      それを年齢と性別だけを一致させるだけで比較して有意差がでるんでしょうか。

      重大な病気の後遺症の影響はないのか。
      →同じ病気で全身麻酔をかけずに手術した子供と比較すべきでは?

      長時間の手術の影響はないのか?
      →同じ手術で時間の長短で比較してみたら?

      いろんな層別をするには28人ではまったく足りないと思いますが。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      原因もへったくれもなくて 先天的なことでしょ それをどうしろと

      • by Anonymous Coward

        どうにかする話じゃなくて、原因の切り分けができてるのかって話でしょ、元コメは。
        この話題は全身麻酔を避ける理由が一つ増える可能性の話だが、
        元コメの予想が真ならば全身麻酔を避ける理由の一つを否定できる。

  • by Anonymous Coward on 2014年06月14日 13時15分 (#2621066)

    脳の重さは生まれたときの赤ん坊で370g~400gで男女の差は殆ど無い。
    この重さは体重の約10%であるから、成人の2.2%と比較すると頭でっかちであることが判る。
    生後の脳の発達は6ヶ月で生まれたときの2倍になり、7、8歳で大人の90%に到達する。
    男で20歳、女で18歳ころ完成する。20歳で完成した脳は50歳ころまで変わらないが、
    以後僅かづつ減少がみられ、60歳を過ぎると減少が目立ってくる。これに対し、
    女は18、19歳から少し軽くなるが50歳ころから重たくなっていく。
    その後は男よりも数年送れて軽くなっていく。
    日本人の脳の重さは、男で1,350から1,400g、女で1,200~1,250gで
    女の方が平均で150gほど軽い。
    http://www.shuyukai.or.jp/about_brain/brain_story/importance_brain.html [shuyukai.or.jp]

    脳の重さが2倍になるという一生に一度の急激な変化の時期に何かあったら、
    影響が残っても不思議ではないな。
    三つ子の魂百まで。
    小学校に上がる頃には脳の発達は9割終わってるのね。

    • 確かに、小さい頃交通事故に遭って麻酔を受けたことがありますが、記憶力が悪く、暗記系の科目にはとことん弱いです。
      20になるまで酒を飲ませるなっていう理由が脳の発達に悪影響を及ぼすからとはよく言いますが、
      酒よりも即効性があって、かつ、全身の神経を麻痺させる麻酔はもっと重篤な影響があってしかるべきなんでしょうね。

      かといって、小さい子供に麻酔無しで手術を受けさせたら、それはそれで精神的な障害が残りそうな気もしますが。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        麻酔無しで手術受けるなんて、大人にだって精神的な障害が残りそうなもんでしょうよ

      • by Anonymous Coward

        > 小さい頃交通事故に遭って麻酔を受けたことがありますが

        一歳未満かつ全身麻酔だったんですか?

  • by Anonymous Coward on 2014年06月15日 3時35分 (#2621255)

    母親全身麻酔だったぽいんです。子供には影響ないですか?

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