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サイエンス

社会主義に長く晒されていると、ズルするようになるという実験結果 138

ストーリー by hylom
環境で変わるのは確かだとは思うが 部門より
eggy 曰く、

ミュンヘン大学とデューク大学の研究チームが合同で行った実験によれば、社会主義はモラルにゆるみを生じさせることが分かったとのこと(EconomistSlashdot)。

実験では、被験者としてベルリンの住民から任意に250人を選出し、サイコロを40回振らせて、数字の合計が最も大きい人を勝者とするゲームを行った。このゲームでは、サイコロを降る前にサイコロの上面か下面どちらかを選び、振ったあとに指定した面の数字が自分の得点となる。しかし、どちらの面を選んだのかを申告する必要はなく、たとえば、本当は上面の数を選んでいたのに数の大きい下面の数を記録するという「ズル」が可能となっていた。正直に申告を行えば、4や5、6と同様の頻度で1、2、3という数が記録されるはずだが、実験の結果、被験者の中にはズルしたのではないかと疑わしくなるほど大きな数ばかりを記録する人がいたという。

ゲームの終了後、被験者らに年齢とドイツのどの地域の出身であるかを訊ねたところ、旧社会主義国家である東ドイツにルーツを持つ人の方が西ドイツで育った人より平均して2倍ほどズルを行う傾向があることが分かったとのこと。また、ベルリンの壁が崩壊する前まで東ドイツで過ごした期間を訊ねたところ、より長期にわたって社会主義に晒されていた人の方が、高い数字ばかりを記録していたことが分かったという。ここから、資本主義の中で育った人の方が、より高い倫理観を備えているという結論が得られたという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 建前平等な社会 (スコア:5, すばらしい洞察)

    by NOBAX (21937) on 2014年07月24日 7時31分 (#2644689)
    競争がないので、努力しても報われない状況では、
    他人と差をつけたければズルするしかないでしょう。
    • Re:建前平等な社会 (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2014年07月24日 8時12分 (#2644704)

      次は「SIビジネスに長く関わっているとズルするようになる」という実験結果はよ。

      #「できました!」とバグだらけのソースを遺していった前任者とか、
      #「できました!」と矛盾だらけの仕様書を遺していった設計者とか……

      親コメント
    • by nemui4 (20313) on 2014年07月24日 9時39分 (#2644756) 日記

      >他人と差をつけたければズルするしかないでしょう。

      差をつけるつもりで、ミスコン全員同じ顔にしてしまう国はちょと違うか。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 12時38分 (#2644873)

      努力しても報われないとは限らないんですよ
      旧ソ連ではものすごく能力の高い労働者に対しては平均月収の4倍以上の報酬を与えていたそうです
      もっとも、4倍以上の報酬をもらえるのはトップクラスの人だけなので、大半の人にとっては努力=無駄ですが

      http://rodo.info/oldsite/bulletin/bn/0311/soviet2.html [rodo.info]
      > それから、スタハーノフ労働者というのは非常に優遇されるわけです。賃金、ボーナス、別荘、休暇、配給の特権的供与などがあります。一般の労働者の待遇とそれほど違わない、一~二割の割増ならいいですが、相当の格差になると労働者のなかに「励み」という感情よりも、露骨に「そねみ」「ねたみ」感情が生じます。
      > 一部のスタハーノフ労働者を非常に優遇するということは、その他の労働者が非常に貧しかったということです。『資本論』にもでてきますが、出来高賃金というのは、賃金の全体の水準を低く抑えたまま、ごく一部の労働者にとびぬけた待遇をあたえることによって、労働者の生産意欲を刺激せんとするものであって、資本家にとって一石二鳥である。スタハーノフ運動というのはこっちの方を拡大再生産するものでありました。
      > 本当に自発的な労働を発揚するためには、物質的な刺激というものが必要です。ただし、物質的な刺激というものは、極度に制限されたごく一部の労働者だけにいきわたるものであっては効果がないどころか、逆効果になる。本当に労働の刺激と、それにこたえる報酬が組み合わされていませんと、一方ではものすごい不平等、その一方では、それと矛盾するようですけれど、「悪平等」が存在する。つまり、一握りのスタハーノフ労働者は潤うけれども、その他の労働者は「どっちでもいいや」という存在として処遇される。あるいはそのように労働者が意識する。それが、労働者の立場からすると、「働いても、働かなくてもいいや」ということにもなります。もっと極端にいうと、「社会主義的に働いて、資本主義的に稼ぐ」という言葉が出てきます。社会主義的に働くというのは、「適当にはたらいとけ」ということ、「資本主義的に稼ぐ」というのは、ほかでアルバイトをするということです。

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  • by miyuri (33181) on 2014年07月24日 6時52分 (#2644675) 日記

    数が大きいと、何か良い事でもあるの?

    • by miyuri (33181) on 2014年07月24日 7時03分 (#2644680) 日記

      Some 250 Berliners were randomly selected to take part in a game where they could win up to €6 ($8).

      あー、そういうことか...。

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      • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時16分 (#2644687)

        社会主義による結果の平等といえば聞こえがいいけれど、結局のところ、リソースに限りがあるから、皆が等しく虐げられた貧しい社会にしかならない。正直者が馬鹿を見る社会になるので、結果として、ズルするようになり、赤信号、みんなで渡れば怖くないという状況になる。

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    • by Anonymous Coward
      数の論理と言えば民主主義じゃないか!

      #違ぅ・・・
  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時09分 (#2644683)
    ばれるズルをするか、
    ばれないズルをするか。
    • by Anonymous Coward

      うん、これ正解だと思う。
      社会主義って皆が一緒という社会だから、困ってずるする時は皆お互いやってるって分かってやるんだよね。
      資本主義だと、建前上はただの競争という事になってるから、周りを出し抜いてもうけるためにする隠れて不正を働く、というのはあると思う。

  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時14分 (#2644684)

    資本主義の中では「ズル」がばれやすいからやらないってだけ。
    で「ズル」がばれやすくなってるのは倫理観が高いからではなく、
    そういうシステムのほうが得をする人が多いからでしょ。

    倫理観とか変なもの持ち出さないほうがいい。

  • by SAMASAMA (36708) on 2014年07月24日 7時35分 (#2644691) 日記

    そもそも東ドイツってホントに社会主義だったの?
    社会主義のような何か、ではなく?

    --
    少し…頭冷やそうか…
    • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 8時28分 (#2644712)

      相変わらずこういう議論が出るけど、一種の社会主義だったことは事実。
      ただし、ロシア革命からドイツ革命に渡る論争を押さえないと正確な議論は出来ない。
      大雑把な話を書くと、
      マルクスエンゲルスの門下生でマルクス派の教皇と呼ばれていたカール・カウツキーは一定のルール、立憲主義的に革命を推進すべきと主張していた。
      当時の政治情勢からそれが最善と判断し、レーニンらのルール無用の路線を批判した。
      これに対してレーニンはロシアでの実践を背景に激しくカウツキーを批判し、背教者、ユダと断じた。
      ロシア革命の成功により国際的にも影響力をもったレーニンは自分たちこそ正当なマルクス主義だと主張した。
      強権主義的な体制も目的のためには必要なものだとされ、法よりも党が優先される体制が出来上がった。
      一部の左翼は、このような体制は反動勢力から身を守るために必要だったと主張している。
      しかしソ連崩壊後公表された当時の資料を見ると話がすこし違うことがわかる。
      当時の社会主義体制を揺るがしていた要因は、労働者代議員やアナ系の兵士たちで、彼らに対する弾圧強化をレーニンが指示していた証拠が大量に出てきた。
      更に彼らが不信感をもった原因を調べると、ボルシェビキ政権のルール無用の自分勝手な政策が原因だったことがはっきりしている。
      要するに、カウツキーを批判し、ルール無視の路線をとったことで、身内での不信や不満が蓄積し体制維持が難しくなって強権化したというのが実態。
      カウツキーをパウロと見るか、ユダと見るかで話がかなり変わると思う。
      最近また、法なんて紙切れじゃん、そんなもの守ってたら子供やばあさん守れねーよと言い出すバカが増えてきたので、この辺、もう一度押さえておく必要があると思う。

      親コメント
    • by renja (12958) on 2014年07月24日 7時58分 (#2644700) 日記

      ここのコメント見てると、「社会主義=社会主義国家の政治体制」だと勘違いしている人も多そうですね。
      社会主義国家と言われる国々が正しく社会主義を実現していたわけがないのですが。

      社会主義というのは、少なくとも現代人には不可能な理想だと思います。
      みながみな公明正大で寛容な善人でなければ成り立たない。

      --

      ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      庇うんだ。

      • by Anonymous Coward

        こういうのをプロパガンダって言うんやで。
        正当性があれば適当な事言ってもいいって
        それ君らの嫌いな韓国人のメンタルと同じだよね。

    • by Anonymous Coward

      だな。
      社会主義を実践しようとする社会体制が歪みを生じやすいだけなんだが、
      資本主義者主体の教育で社会主義=悪だという思い込んでる連中が多い

      • by Anonymous Coward

        > 社会主義を実践しようとする社会体制が歪みを生じやすい

        悪だろ、それは。

  • がちのゲーマーであれば、ゲームで賽の目をごまかすと言うのはまずやらない。
    ゲーマーはゲームを楽しむためにために遊んでるのであって、勝利はそのための手段でしかない。イカサマで勝っても楽しみは得られない。

    ドイツと言えば世界一のボードゲーム大国、地域ごとのゲーマーの割合に影響される可能性もあるんじゃないかと……。

    ただし、でかい目を出した方が勝ちというルールだけだと、賽の目そのものをコントロールできる可能性もありますが(笑)

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 17時52分 (#2645106)

    旧社会主義国が概ね「赤い貴族」による「貧困の強制」で、結果として「カネこそすべて」「ズルしたが勝ちだ」という現実になってしまった。という話は自分も多く聞いた。
    が、コメントをざっと読んで気づいたのだが、旧東独市民が、「資本主義」とは異なる、「崩壊した体制の難民」であるといった認識が見られない。ので自分が書いてみる。

    ここは大体想像なのだけど、東独時代の一般市民は、「熱烈な共産主義者であるふりをしていた」に過ぎなかったと考えている。
    適当に働いて、適当な時に結婚やら出産やらといったイベントを重ねて、引退したら年金生活、といったライフコースをごく当然に考えていたはずである。

    「ドイツ統一」は周知のとおり西が東を飲み込む形で収束したが、その結果「西側のルール」に馴染んでいなかった旧東独市民(とくに女性)は、経済弱者となってしまった。
    これまで彼らが「普通に」働いていた国営企業は潰れたり併合されたりして消えてゆき、失業者となった彼らには旧西独市民による偏見(怠惰にして無能)が残った。
    児童生徒の作文集(ドイツ統一と子どもたち 突然、何もかも変わってしまった) [amazon.co.jp]などにも、これまで気にしたことのなかった「利潤追求」が家族を締め上げる話が色々書かれていた。
    荒々しい資本主義の中に、遅れて経済競争に参加した彼ら(もちろん、高齢者ほど不利)は企画者が期待する「フェアプレイ」を身につける余裕は、なかなか持てないと思う。

  • by AnamesonCraft (46460) on 2014年07月25日 11時32分 (#2645559) 日記
    バイエルン人が
    「これだから薄汚れて血の穢れた不潔なプロイセン人は。バイエルンはこれ以上プロイセンを養えない。独立すべき。」
    ってのに屁理屈を付けるためにやってるだけだよねえ…。(´・ω・`)
  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時03分 (#2644681)
    念じてサイの目をコントロールしていたのです(たぶん、きっと
  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時06分 (#2644682)

    東側が多く、この研究もズルである、という結論になったら笑う

  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時15分 (#2644685)

    社会主義になる前の時代と比較でもしないと因果関係を「結論づけられないのでは?

    • 社会主義国の多くが、人間不信と賄賂でボロボロになっているという事実がありますが。

      # 人間不信の結果として粛正に走るのか、粛正されるから人間不信になるのかは不明ですけど。
      # そして、保身のために賄賂が……
      #
      # 三権分立って凄いシステムなんですねぇ。

      --
      notice : I ignore an anonymous contribution.
      親コメント
      • 三権分立と言うか権力分立制と対立する語は権力集中制であって社会主義とは関係なくってよ。
        ソビエトが社会主義制かつ共産党への権力集中制を採って他の国もそれに倣っただけで、社会主義国=権力集中制と言う訳ではない。(尤も権力集中制採ってない社会主義国ってちょっと記憶に無いけど。)

        そういう訳でこの実験結果も社会主義制の下で暮らしたからそうなったって結論は早計だと思うの。
        「東ドイツの社会制度下に長く晒されていると、ズルするようになる」ならとりあえず合ってはいると思うけれど。
        親コメント
        • >(尤も権力集中制採ってない社会主義国ってちょっと記憶に無いけど。)

          共産主義革命の旗印が「プロレタリア独裁」なので、党指導部に権力が集中するのは致し方のないところ。

          親コメント
        • 尤も権力集中制採ってない社会主義国ってちょっと記憶に無いけど。

          共産党が指導的立場を採って、究極形態である共産主義に移行することを目的としているからですね。
          社会主義は、共産主義に移行するための一段階。

          マルクス的には、資本主義が高度に発達した後、共産主義に移行すると予言されています。
          しかし、当時の社会主義国では、資本主義が高度に発達してはいませんでした。
          なのでしかたなく、共産党指導体制を採りました。

          …というのが建前ですね。

          社会主義というと、社会民主主義も含む場合もあり、そういう意味では、権力集中制でない社会主義(社会民主主義)国家もありますね。

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      • by Anonymous Coward

        それは社会主義が原因ですか?弾圧政治が原因ですか?

  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時34分 (#2644690)

    現地指導しないと(使命感)

  • by Anonymous Coward on 2014年07月24日 7時49分 (#2644697)

    育った環境の影響がこれほどまで残る可能性があるというのは怖いものだ
    偽証罪が日本の427倍の国の人も、育った環境が悪かったんだろう

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ研究家

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