大人が新しい言語を習得しにくいのは、意識して分析的に考えるから? 28
考えるな感じろ 部門より
言語習得は大人よりも子供の方が得意であるが、これは大人の発達した脳が言語習得の邪魔をしているためという論文が発表された(Science Daily)。
子供のころのほうが新しい言語を覚えやすいという話は以前から言われている。実際、思春期に終わるとされている「言語習得期」の脳は言語の音を分析したり、それらの音を組み合わせて単語や文章を構成できる能力に秀でているという。そして、この期間が終了すると認知能力が発達して言語構造の理解を邪魔するため、新たな言語を理解するのが格段に難しくなるという。
さらに大人の場合、習得しようと頑張れば頑張るほど混乱してしまう言語要素があることがマサチューセッツ工科大学のMcGovern Institute for Brain Researchが行った研究で明らかになったとのこと。これによると、大人は「言語を意識して聞き過ぎるために習得しづらい」ことが分かったという。
これは「頭で覚える」陳述的記憶と、「体で覚える」手続き記憶の両方が言語習得に関わっているという説を裏付けるものであるという。陳述的記憶と手続き記憶は脳の異なる部位が使われるが、意識的に言語に耳を傾け陳述的記憶が活性化すると言語の形態論的習得の邪魔になると考えられるそうだ。
逆に子供が複雑な言語要素を簡単に身につけてしまうのは、陳述的記憶に使われる前頭葉前皮質が大人ほど発達していないからとも考えられるという。
なお、この研究で行った実験では被験者を2つのグループに分け、それぞれに3つの単語を1フレーズとする人工言語の録音を10分間聞かせたとのこと。一方のグループにはこの言語を「流し聞き」させ、もう一方のグループにはこの人工言語の単語を意識しながら聞くよう指示したという。
その後のテストで録音に含まれていたフレーズを元に正しい語順と誤った語順を識別させたところ両グループの成績に差はなかったが、録音には含まれなかった単語の入ったフレーズの語順の正誤を判定させたところ、意識的に聴いていた被験者よりも受動的に聴いていたグループの方が格段に成績が良いという結果になったそうだ。
NHK「子供と大人の学習メカニズムは異なる」 (スコア:5, 興味深い)
この間やっていたNHKスペシャル「人体 ミクロの大冒険」は興味深かった。
iPSの山中先生が出演していた番組。
ヒンディー語話者でないと馴染みの無い発音について、生後6カ月の赤ちゃんは違いに反応するが、
10カ月を過ぎると違いに気づかない。
幼い頃は脳神経活動が活発なのだと考えられていたが実際には、毒蛇の作る猛毒に近い物質により
新たな神経回路を作る活動を強制的に止めていた事が分かった。
それならばとマウスの猛毒物質を抑制する実験をした所、マウスの脳細胞が死んでしまった。
学習能力を落とすべき理由があったのだ。
しかし、年を取った後も、過去に作られた神経回路を高速化するという別のメカニズムによって、
新たな学習が可能になる。子供と大人の学習メカニズムは異なるのだ。
#視聴記憶と、個人ブログの視聴内容メモを参考。
考えるな 感じろ (スコア:1)
きっちり理解できなくてもいいから、
何となくその言語の言い回しとかに慣れておくのが重要だ、ってことかな?
だとすると、大人が学習する場合には、通常の学習以外に、
音楽を聴くとか、吹き替えじゃなく字幕で映画を見るとか、
外国語のゲームなんかをやるのもいいかもしれない。
#All your base are belong to us
#に、違和感を感じるようになれるかどうか。 とかそんな話なのかもしれない。
Re: (スコア:0)
違和感を感じるようになれるかどうか
まずは、ここに違和感を覚えるようになるところから始めようか
Re: (スコア:0)
方法は俺が知っている。俺に任せろ。
Re: (スコア:0)
以前から、言語学習には単純にその言語に触れる機会/使う機会を増やせばよい、という話はありますな。
日本人が英語を話せないのは、教育の仕方が~というのもあるにしろ、そもそも学校での時間数が必要の半分にも満たないから、だとか。
※ 海外では、学校での英語学習の時間が長い、のではなく、普通の授業を英語でやらざるえないor自国語の娯楽が少ないので英語に接せざる得ない、から英語に触れる時間が長くて覚えられる、とのこと。
Re: (スコア:0)
大人になると、すでに知っている何かに当てはめようとしますね。
Re: (スコア:0)
子供だって、経験で身に付けた何かに当てはめないと、言語は使えないのでは?
未知の事に対して適切に言葉を使えないのは、大人も子供も同じだと思うけど。
Re: (スコア:0)
「ぐるもうねん」を聞いて"Good morning"として解釈するのは難しいですよね
意味を考えずに丸暗記するようなものかな
Re: (スコア:0)
「ぐるもうねん」が訛った「ぐーてんもーげん」に見えた。
将棋とかも (スコア:1)
おんなじっぽいと思う。プロ棋士の先崎学は、
アマの登竜門である初段、の強さの時期(級位者から二段格になるまで)は数時間だった、とかゆってました。
抽象ゲーム全般にもそういう傾向あるかも。
それと
Amazon.co.jp: ロジカルな将棋入門 (ちくまライブラリー): 野崎 昭弘: 本
www.amazon.co.jp/dp/4480051414
大人が大人になってから将棋を覚えるなら論理で考えるほうがよい、という本です。ちょうど対偶
それが当たり前という話 (スコア:0)
言語は親から遺伝的に伝わるものではなく、代わりに子供はどの母語でも習得できる「言語獲得能力」を持って生まれ、母国語を覚えたら不要になった「言語獲得能力」は衰退するという話は昔からあるわけで
Re: (スコア:0)
昔からあるというのは、具体的に誰の何という説でしょうか。
臨界期説 (スコア:4, 参考になる)
一定の時期より後では言語獲得ができないという臨界期説 [wikipedia.org]というものがあります。 一般化したのは、生物言語学者レンバーグ [wikipedia.org]によります。
第一言語(母語)についてはかなり支持されています。 一方、 第二言語(母語以外)については意見が分かれています。 あるとすると、一部の人が大人になってからでも母語話者なみに習得できるのが 説明しにくい。 ないとすると、外国語学習で上手くいかない人がかなりいるのが 説明しにくい。
臨界期が仮にあるとしたとき、脳機能の局在化 [wikipedia.org]が終ることが有力な説明でした。 今回、新説とそれを支持するデータが出たのですが、 言語学習の狭い部分についての、 言語習得の通常の場面と異なる実験なので、 今後も議論は続くでしょう。
Re: (スコア:0)
> あるとすると、一部の人が大人になってからでも母語話者なみに習得できるのが 説明しにくい。
楽器の演奏のように多くの人にとって大人になってからだと習得しづらい技能でも
大人になってから習得できる人は少しはいる。それはもう、少数の人は特別な資質が
あるんだとしか言いようがない。
第二言語習得についてもそうなんじゃないの。
別に万人に通じる理屈はいらないと思う。
Re:臨界期説 (スコア:2)
> 楽器の演奏のように多くの人にとって大人になってからだと習得しづらい技能でも
> 大人になってから習得できる人は少しはいる。それはもう、少数の人は特別な資質が
だとすると、その「特別な資質」とは何で、それは先天的なものなのか、幼児期の環境によるものか、
大人にになっても特殊な訓練で得られるものか、詳細な仕組みがわかれば、さらにいろいろな発展がありますね。
> あるんだとしか言いようがない。
>別に万人に通じる理屈はいらないと思う。
などと思考停止してしまえば、そこからの発展はありません。
「言いようがない」「あたりまえ」「わかってること」じゃなく、「なぜそうなのか」「実際にはどうなのか」
が好奇心とか探究心というものです。
Re: (スコア:0)
衰退するといってもゼロになるわけではないんだな
プログラミング言語 (スコア:0)
かと思ったら違った。
プログラミング言語を覚えられるのは陳述的記憶だからか。
Re:プログラミング言語 (スコア:2, すばらしい洞察)
子供の場合、
「Apple」 → 「赤い果物のイメージ(映像、匂いなど)」
なのに対し、大人の場合、
「Apple」 → 「りんご」 → 「赤い果物のイメージ(映像、匂いなど)」
と工程が1段階増えるのがネックになってるような気がする。
プログラミング言語の場合は、新しい言語を覚えるのがさほど苦労しないのは、
「for」 → 「反復」
と直接イメージに結び付けて、
「for」 → 「PERFORM」 → 「反復」
とは覚えないからだと思う。(私だけか?)
Re: (スコア:0)
えっ、forは前置詞ではないの?
Re: (スコア:0)
微妙過ぎる。それ子供、大人、という前に「日本人の」って条件付きだよね。
英語圏なら大人でも 「Apple」 → 「赤い果物のイメージ(映像、匂いなど)」 だしさ。
子供だからか大人だからかわからないが、英語が上達しない人、または段階の人は、英語を日本語に変換して解釈しようとするから、そのプロセス分遅くなったり処理出来なくなったりする。
でも、もう少し上達すると、英語を英語のまま理解出来るようになる。
まぁ大人だから、いろいろな知識で、自分にわかりやすいものに変換して理解しようとしてしまうんだろうけど。
子供は、英語と日本語の違いがわからないだろうから、目にしたり聞いた言葉と意味をそのまま記憶してしまうんだろうね。
違いを気にしない状態だと、厳格なルールのあるプログラミングは難しいだろうなぁ。微妙な違いでエラーになるし。
Re: (スコア:0)
> 英語圏なら大人でも 「Apple」 → 「赤い果物のイメージ(映像、匂いなど)」 だしさ。
英語圏 では、「Apple」→「赤、または、緑の果物のイメージ」が正しい。
Re: (スコア:0)
>英語圏なら大人でも 「Apple」 → 「赤い果物のイメージ(映像、匂いなど)」 だしさ。
何言ってんだ?
英語圏だったら「リンゴ」→「Apple」 → 「赤い果物のイメージ(映像、匂いなど)」 だろ。
なんでいきなり母国語から始めてんだよ。
Re: (スコア:0)
体で覚えるプログラミング言語の登場が待たれますね。
Re: (スコア:0)
みたいな感じで説明していますが、そういうことなんじゃないんですかね?
Re: (スコア:0)
つまり、カタカナ化した教育用プログラム言語を、英語の前に教育せよと。
Re: (スコア:0)
というより、プログラミング言語の本質が今ではどれも一緒だから。
prologの発展版みたいのが出てきたら、まともにプログラミングできない人続出だと思うよ。
というか、Javaとか覚えたといって、書いたもの見せてもらったら、もろCだったって経験はみんな多いと思う
音への適応性 (スコア:0)
小さな子供は誰でも訓練することで絶対音感をマスターすることができるが、大人になってからは絶対に無理。また日本人が苦手な英語の R/L や V/B の聞き分けも子供時代なら簡単にマスターできてしまうそうだ。
大人になってしまうと音への適応性のようなものが失われてしまい、それが大人の言語習得を難しくしている一つの要因ではないだろうか?
Re: (スコア:0)
絶対音感をマスターできなくなったら大人としよう。