2014年のノーベル化学賞は、蛍光顕微鏡を開発した3氏が共同受賞 11
ストーリー by hylom
化学っぽくないお話 部門より
化学っぽくないお話 部門より
headless 曰く、
2014年のノーベル化学賞は、米ハワード・ヒューズ医学研究所のEric Betzig氏、ドイツ・マックスプランク研究所のStefan W. Hell氏、米スタンフォード大学のWilliam E. Moerner氏が共同受賞した。授賞理由は超解像の蛍光顕微鏡の開発。光学顕微鏡では光の波長の半分以下の解像度を得ることはできなかったが、3氏は蛍光分子を使用することで制限を破り、光学顕微鏡をナノメートルの世界に導いた(プレスリリース、読売新聞、日経新聞、毎日新聞)。
Stefan W. Hell氏は2000年に2つのレーザー光を使用するSTED顕微鏡法を開発。STED顕微鏡法では、1つのレーザー光で蛍光分子を励起させ、もう1つのレーザー光がナノメートルサイズの範囲を除いて脱励起させる。サンプルのスキャンをナノメートルずつ繰り返すことで、高い解像度を得ることが可能となる。
Eric Betzig氏とWilliam E. Moerner氏は個別の研究で、1分子顕微鏡法の基礎を築いた。1分子顕微鏡法では個別の分子の蛍光を制御し、異なる分子を光らせて同じ範囲を繰り返し撮影した画像を重ね合わせることで、高い解像度を得ることが可能となる。2006年にはEric Betzig氏がこの技術を初めて実用化した。
これらの「nanoscopy」と呼ばれる顕微鏡法の開発により、生きた細胞内での分子の様子を観測することが可能となった。現在では世界で広く使われており、人類の利益となる新たな知識を日々生み出しているとのことだ。
原理の解説 (スコア:2)
件の超高解像度蛍光顕微鏡の原理については日経サイエンスの記事がわかりやすいです。
2014年ノーベル化学賞:細胞内の生命現象を見る超高解像度の蛍光顕微鏡の開発で3氏に
http://www.nikkei-science.com/?p=44326 [nikkei-science.com]
PALMが受賞でSTORM外れ。 (スコア:1)
一分子励起とSTED、PALMってことは、STORMのXiaowei Zhuang先生涙目?
PALMとSTORMって非常に近い技術だけど、NikonのおかげでSTORMの方がなじみがあるんで、
#どっちが先だったっけ?ほぼ同時期という印象なんで調べたら、STORMの論文のほうが1か月早いみたい。
ところで、TIRFとか、それ以前に共焦点とか蛍光顕微鏡そのものは受賞していないのね。
青色半導体レーザー (スコア:0)
中村修二氏の発明品が応用されている?
Re: (スコア:0)
青色光使ったのってあったっけ?
大抵は緑~赤じゃね?
Re: (スコア:0)
波長が短いほうが有利だから青を使ったものもあるんじゃない?
Re: (スコア:0)
映像記録のブルーレイは青色半導体レーザーを使っているのでは。
STAP細胞の観察映像 (スコア:0)
一番良く知られている蛍光顕微鏡の使用例でしょうかね。
部門が狂った? (スコア:0)
青色LEDの物理学上の新しさはよくわからんし、
蛍光顕微鏡の化学上の新しさもよくわからない。
どっちかというと青色LEDは化学賞がふさわしく、
蛍光顕微鏡は医学生理学賞がふさわしいかに思える。
私の勉強不足なんだろうけど
Re: (スコア:0)
新規性というよりも発展への寄与だと思われ。
部門がおかしいのは同意。
Re: (スコア:0)
それはともかく回折限界を超える工夫そのものは応用範囲広いみたいよ
Re:部門が狂った? (スコア:1)
応用物理~生物物理あたりなんで、物理学が一番しっくりくると思います。