Elsevierの雑誌に掲載されるCERN研究者による高エネルギー物理学分野の論文、無償公開へ 6
ストーリー by hylom
よりオープンに 部門より
よりオープンに 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
欧州原子核研究機構(CERN)とElsevierが協定を結び、CERNに所属する研究者が著者として含まれている論文をオープンアクセスにすることが発表された(カレントウェアネス・ポータル、プレスリリース)。
2015年および2016年に出版された下記の4誌に掲載される、CERNに所属する研究者が1人でも著者として参加している論文が対象。また、2014年に出版された論文についても同様の条件でオープン化されるという。
- Nuclear Instruments and Methods A
- Nuclear Physics A
- Physics of the Dark Universe
- SoftwareX
CERNはSCOAP3 という、高エネルギー物理学分野の査読付きジャーナル論文のオープンアクセス化を進めるプロジェクトを主導しており、3月にはオープンアクセス化された論文が5000件に達したことを発表していた。
機関リポジトリ (スコア:4, 参考になる)
学術機関リポジトリ [nii.ac.jp]
理論物理では出版前に中身はほとんど同じプレプリントを公開することが多いので、読みたいという実用面では困らないかもしれませんが、実験装置の開発に関わる論文はプレプリで出されることはほとんどありません。
機関リポジトリで公開されると、そのような論文も読むことが可能となります。 SCOAP3は参加している雑誌はオープンアクセスになるのに対して、機関リポジトリはその機関(大学、研究所)に所属する人が書いた論文のみが、その機関からダウンロードできるという違いがあります。
例えば、実験分野でよく投稿される Nuclear Instruments and Methods A は SCOAP3 には含まれないのでオープンアクセスではありませんが、CERNの機関リポジトリで公開されているものは自由に読めます。
SCOAP3 Repository [scoap3.org]
ちょっとびっくり (スコア:0)
Elsevierはオープンアクセス推進派の間では悪名高い出版社だったんですよね。
http://www.theguardian.com/science/blog/2012/apr/24/life-elsevier-open... [theguardian.com]
今回の件がどういう経緯で実現したのかわかりませんが、同じような流れが続くといいなと思います。
僕も研究者の端くれですが、自分の書いた論文をオープンアクセスにしようとすると結構な額のお金を出版社に取られて、納得いかない気持ちになることが多いので。
Re:ちょっとびっくり (スコア:1)
これも出版社側にそれなりの対価を払っていたはず。著者が払わないだけで、CERNは払ってます。
>自分の書いた論文をオープンアクセスにしようとすると結構な額のお金を出版社に取られて、納得いかない気持ちになることが多いので。
それならそんな論文誌に出さずに、もっと安価にオープンアクセスが可能になる雑誌に出すか、それこそarXivあたりに出せば良いだけの話で。
「多くの人が読んでる論文誌に載せたうえで、安価にオープンアクセスにしろ」なんて一方的な主張は通らんでしょ。
もっと主体的に、安価にオープンアクセスが可能な媒体に積極的に投稿するなりなんなりして盛り立てていかないと。
Re: (スコア:0)
おたくの業界は業界誌に投稿する前にアイデアや結果の発表はできんの?
Re: (スコア:0)
金額に納得いかなければオープンアクセスにしなくてよいのでは。
かなり高額なので、それなりに気合いが入っているときでないと、やらないと思います。
分野によっては、オープンアクセスでない論文はまともな業績とみなされない、ということが
あったりするのでしょうか?
Re: (スコア:0)
自分の金じゃないのに何が不満なのでしょうか。
学振会とか研究機関が怒るなら分かりますが。