2015年のノーベル物理学賞はニュートリノが質量を持つことを示した2氏が共同受賞 69
ストーリー by hylom
連続で日本人が受賞 部門より
連続で日本人が受賞 部門より
headless 曰く、
2015年のノーベル物理学賞は、東京大学の梶田隆章氏と、カナダ・クイーンズ大学のArthur B. McDonald氏の共同受賞となった。授賞理由は、ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見(概要、読売新聞、NHK)。
梶田氏は大気ニュートリノがスーパーカミオカンデに到達するまでに2つの種類の間で変化することを発見。一方、McDonald氏が率いる研究グループは、太陽ニュートリノが地球に到達するまでに消失するのではなく、サドバリーニュートリノ観測所に到達した際には異なる種類として観測されることを示した。
ニュートリノの種類が変化するためには、ニュートリノが質量を持つ必要がある。両氏の発見は長らく質量を持たないと考えらえていたニュートリノが、わずかながらも質量を持つことを示すもので、量子物理学における歴史的な発見となった。
ダークマター (スコア:2)
ダークマターの正体はニュートリノではないか?って話無かったっけ?
今回の成果でどうなったんだろう?
Re:ダークマター (スコア:1)
ダークマターの質量にマダー?
the.ACount
あれま (スコア:1)
この前のカミオカンデのノーベル賞に含まれてると思ってたよ!
the.ACount
Re:あれま (スコア:1)
この前のカミオカンデは、ニュートリノ天文学を切り開いた成果に対してだったと思う。
素粒子物理学というより天文学だね。
SN1987A様々。
今回のは天文学寄りではあるけど、素粒子物理学としての受賞。
標準理論で示されていたことを実験で否定し、ニュートリノに質量があると証明した。
同じような装置使っていても上がってくる成果が違うから、受賞も別々ってことだねぇ。
Re: (スコア:0)
当時から、もう一個くらいとれそうだという話は聞いていた。
誰かもらえそうだったのに早死にした人がいたような話もあった。
Re:あれま (スコア:1)
今回の受賞者の兄弟子にあたる方ですね。
戸塚 洋二
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%B8%E5%A1%9A%E6%B4%8B%E4%BA%8C [wikipedia.org]
カミオカンデの歌 (スコア:1)
祝受賞!
https://www.youtube.com/watch?v=7AeYthSloBU#t=88 [youtube.com]
# タレコミ段階のコメントは反映されないのか
-- う~ん、バッドノウハウ?
二度あることは三度ある (スコア:1)
>McDonald氏が率いる研究グループは、太陽ニュートリノが地球に到達するまでに消失するのではなく、
>サドバリーニュートリノ観測所に到達した際には異なる種類として観測されることを示した。
小柴グループ以外でも巨大水槽実験やっているのですね。いや、これだけ成功している訳だから
他所でやっていても不思議はないですが。
対する日本側は2025年稼働予定ハイパーカミオカンデで、スーパーカミオカンデの約20倍の
約100万トンの巨大水槽を使った実験を計画。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%... [wikipedia.org]
カミオカンデ、スーパーカミオカンデ共にノーベル賞メーカーになりましたが、
今度のハイパーカミオカンデにも期待できますかね。
Re:二度あることは三度ある (スコア:2)
Re:二度あることは三度ある (スコア:2)
カミオカンデのときから陽子崩壊の観測が目的のうちだから
二度あることはというより、ハイパーで確認できれば
三度目の正直というべきでは
Re:二度あることは三度ある (スコア:1)
>当時の理論で陽子崩壊を観測
正しくは「最も短い半減期を予想する理論候補で」
結果は観測できなかったので、その候補は落ちた。
the.ACount
カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:0)
ノーベル賞は研究者個人に贈られるものですが
カミオカンデやスーパカミオカンデには,研究者の才能・努力だけでなく数十億円の税金も投入されています
昔から日本では物理学研究が盛んでしたが,それに加えて潤沢な研究資金があったからこそノーベル賞につながった,と言っても過言ではないと思います
これからも日本は国策として大学・研究機関にはどんどん税金を投入して,毎年ノーベル賞を取るような豊かな国にしてほしいとおもいます
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:5, すばらしい洞察)
>これからも日本は国策として大学・研究機関にはどんどん税金を投入して,
>毎年ノーベル賞を取るような豊かな国にしてほしいとおもいます
ノーベル賞は結果であって目的ではないでしょう。
「ノーベル賞を取ること」が国策としての目的になったら、
ノーベル賞と関係ない分野は評価されなくなるし研究費の投下も少なくなってしまう可能性がある。
それは社会の発展への貢献、人類の英知の探求という意味では歪んでいる。
よく言われるのはノーベル数学賞はないこと。他にも例えば近大マグロは日本の水産業を救う重要な養殖学の発展だけどノーベル賞に該当する分野はない。
他にもノーベル賞に該当しないが社会に貢献する研究、人類の英知を広げる研究はたくさんあるだろう。
Re: (スコア:0)
>「ノーベル賞を取ること」が国策としての目的になったら、
どこかの国をディスってる
Re: (スコア:0)
政府は、2001年に策定した科学技術基本計画の中で、「50年間で受賞者30人」という目標を掲げました。
ディスりたくもなるでしょ?
Re: (スコア:0)
これのことか?例えの一つにすぎないけど、これをもって「目標を掲げている」と読めるやつがいるなら俺はそっちのほうが心配だし、問題にするんなら「投資に見合う」のほうだと思うがね
http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/honbun.html [cao.go.jp]
(1) 知の創造と活用により世界に貢献できる国の実現に向けて
-新しい知の創造-
「知の創造と活用により世界に貢献できる国」とは、科学を通じて、未知の現象の解明、新しい法則や原理の発見等、新しい知識を生み出し、その知識を活用して諸課題に対応する国である。さらに、そうした知識や知恵を世界に向けて発信し
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:1)
>じゃ目的は何?
ニュートリノじゃないけど微生物の方の大村さんだと
http://mainichi.jp/feature/news/20151006k0000m040043000c.html [mainichi.jp]
>祖母から「人のためになることをしなさい」と言われました。分かれ道に立った時は、それを基準に考えてきました。
というのが行動目的の指針になっているようですね。
人のためにと目的を掲げて、結果的にノーベル賞受賞となるのって素晴らしい。
それが、建前なのか本当なのかはわかりませんが。
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:1)
ノーベル賞が目的化したらロビー活動ばかり増え基礎研究への投資が減るでしょうね。
(正直、人柄の報道は減らして研究の解説に光を当ててほしい。)
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:1)
結局のところマスコミがそういう報道ばかりしかしないのは、
視聴者サイドにも問題があるのでは。
特にワイドショーを見るような視聴者層では……
一人以外は全員敗者
それでもあきらめるより熱くなれ
Re: (スコア:0)
ニュースの見出しが、今日の化学賞については「日本人受賞せず」 [yomiuri.co.jp]ですからね。「日本人は受賞せず、生理学・医学、物理学、化学の自然科学3賞の日本人同時受賞にはならなかった。」だそうな。そりゃ報道に値する大事件だよね。
NHKなど、第一報は「日本人が3日連続で受賞することはできなかった」だけ(誰が、を書いてない)でした。さすがに恥ずかしくなったのか今はさしかわっていますが。
あと、朝日新聞の朝刊には「ニュートリノに重さがあることを発見」という見出しが書いてありました。高校生でもわかる嘘は書かないでほしい。
結局、報道のレベルが低いのも、テレビドラマがつまらないのも、政治家が無能なのも、みんな雪もとい国民のせいなのでしょうけどね。
Re: (スコア:0)
>(正直、人柄の報道は減らして研究の解説に光を当ててほしい。)
研究者とか作家とか芸術家などの「逸般人」は
一般人的な感覚から見た人柄とかで評価してほしくないですね。
むしろ「逸般」しているほうが人間として興味深い。
昔のKyo大の偉い先生(ノーベル賞受賞者かどうかは覚えてない)で、
とうぜん京都のお座敷で遊びなれているので
「芸者の足を舐められるようになったら一人前」とか対談で発言された、ってのを
どこかで読んだことがある。今だったらtwitterで炎上するかな
Re: (スコア:0)
>(正直、人柄の報道は減らして研究の解説に光を当ててほしい。)
俺も、同意する。
STAP 細胞のまだ疑惑が持ち上がる前、
『(おばあさん譲りかなんかの)割烹着で研究しています。」
とか報道してるのみて、呆れた。
バカジャネーノ
Re: (スコア:0)
本田宗一郎氏なんかも芸者遊びしまくってたそうですね。
逸話が色々あるとか。
それはそれ、これはこれだと思います。
Re: (スコア:0)
親コメと別人ですが、
社会貢献、英知の探求のベンチマークとしてノーベル賞だけじゃ難があるということを言ってるんでしょ。
Re: (スコア:0)
ノーベル賞とってなくても、ノーベル賞以上の貢献をしてる人もいっぱいいると思うがね。
逆に、全然貢献もしてないのにもらえたりしてる。特に平和賞。
Re: (スコア:0)
>人類の英知をどれだけ広げたかのベンチマーク
一分野あたり、年平均3~4人、かつひとつの成果しか社会への貢献を認めないって、すごい考え方だね。
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:2)
「カミオカンデは日本のプロジェクト」それはそうですが、日本のプロジェクトだけでは小柴先生のノーベル賞につながるニュートリノの検出はできなかったとどこかで読んだ記憶があります。探してみたけれど見つかりません。スラドには詳しい人がいると期待していますが。
Wikipedia の記述 [wikipedia.org]では「カミオカンデは、このまれに起こる衝突を検出することで間接的に陽子崩壊を実証することを目的とした。」に続いていきなり「カミオカンデはニュートリノの衝突を検出するため、超純水をつかう。」となっていて陽子崩壊とニュートリノの間の話がつながっていません。ググって見つかった範囲では、小柴先生の ニュートリノ天体物理学の誕生 [gakushikai.or.jp]にはそれらしいことが少し書いてありますが。
核子崩壊を観測しようと思ってカミオカンデをつくったけども、理論が間違っているらしいことが分かった(これはこれで成果)。その後にニュートリノを観測しようと思ったが日本の予算としては陽子崩壊のための設備ということになっているのでできなかった、という話だったように思います。
というコラボレーションの結果としてニュートリノ検出は(奇跡的に小柴先生の在任中に)なったのですから、国威高揚的な「日本のプロジェクト」には若干もやもやとした感じがします(私の記憶違いならすみません)。もちろん主導的な役割を果たしたのは日本なのですから、それを誇りに思って良いということは当然ではあるのですが。
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:2)
それはそれでしょう。民主党時代の事業仕分けをけなす発言が多いですが、現実には一般会計における歳出・歳入の状況 [mof.go.jp]などにあるように収入と支出の差はますます離れるばかりで破綻が近づくばかりです。
# まずは「我が軍」の費用から削減すべきと思いますが。
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:2)
「目先の大きな予算を減らすことで、日本の未来まで台無しにするところだった」には同意しますが、今の借金をずんずん増やしていくやり方も、日本の未来まで台無しにしているとは思いませんか。年収の倍も金を使うなんて正気とは思えませんよ。
Re: (スコア:0)
今の日本のビッグサイエンスはバブルのころの貯金でなんとかしている側面が強いんですよね…
バブル崩壊から30年弱、そろそろ次の投資がないとマズイんですがね。第三の矢としてガツンと予算措置をお願い致したく。
Re: (スコア:0)
個人的には予算規模は十分だと思います。
日本は過去15年、研究予算はほぼ横ばいで、これはイギリスやカナダなどと同じ様な傾向ですが、日本以外のこれらの国々は論文数を着実に伸ばしています。
一方で、日本は2004年の大学法人化以降から、全く論文数が増えていないところが減らしています。
やはり、できる研究者ほど出世して研究ができなくなる今の制度をなんとかするべきだと思いますね。
Re: (スコア:0)
論文数についてですが、これは研究者数とそのアクティビティの指標ということですよね。こちらも重大問題なのはご指摘のとおりです。
>やはり、できる研究者ほど出世して研究ができなくなる今の制度
も問題ではあるのですが、これは多かれ少なかれ昔もそうだったと思います。むしろ大きく変わったのは博士号取得後まもない研究者が安定した身分で研究できなくなった点です。
ビッグサイエンスに関しては、アイデアももちろん重要ですが、やはりハコモノに依存するところ大ですので、ドカンとお金を投入しないとノーベル賞クラスの成果は出てきにくいです。
どちらか二者択一といわれれば、若手研究者の安定雇用の拡大を取らざるを得ないと思いますが。経験するとわかるのですが、本当に「貧すれば鈍する」で、アイデアもわかなくなってくるんですよ…
Re: (スコア:0)
もう少し長い期間で見ると、イギリスとカナダは、1990年代に比べると2000年代はかなり研究予算が増えています。
確かに、ここ10年は増えていないですが。イギリスはEUから、カナダはアメリカから研究費をひっぱってこられる
のがだいぶ違うのかもしれません。
日本の論文数が減っているのは、雑務が増えて研究時間が減ったのと産業界が論文を書かない傾向になったことが
要因の一部です。
参考: http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/3 [cao.go.jp]
Re: (スコア:0)
今の政府的に親学とか水伝とか江戸しぐさとかに大きく研究費出しそうだ。
Re: (スコア:0)
ノーベル賞の賞金は個人にとっては大金かもしれませんが、国の予算規模とは比較になりませんよ
Re: (スコア:0)
利益には、お金に換算できないものも含めないとね。
ニュートリノに質量があったと分かった所で、おなかはふくれないわけで…。
権威有る名誉も大事だけど、ノーベル賞もらうことだけが成果じゃないわけだし。
1つの成功の裏には何百何万っていう数の失敗や、敗者が居るわけで。
研究者は知的欲求に従い「人生を投げ打って」研究しちゃうわけだけど、
だからといって本当に「人生を投げ捨てて」しまってはいけない。
こいつぁ芽が無いな、って研究でも、最低限研究者が生きていけるぐらいの支援がなければね。
裾野が広いから、頂も高くなるわけで。
実際、ノーベル賞受賞研究でも、成果が出るまでつまはじきだった人も多いわけで。
青色LEDも、寄生虫の薬も、そんな裾野の縁の研究から上がってきた成果だ。
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:1)
いや、いや、質量もあったことだし、食べるとお腹がふくれるかも
Re:カミオカンデは日本のプロジェクト (スコア:1)
ニュートリノの調理方法はどうなるんですかね。
やっぱお茶漬けにして食べるのでしょうか。
Re: (スコア:0)
神岡のおいしい超純水でもどさないと胃袋に検知されず、事実上食べられません。
Re: (スコア:0)
今は事業仕分けよりもっとむごい学問自体の選別が進行中。
Re: (スコア:0)
国民の幸福/国威発揚 : priceless
隣国の嫉妬 : meaningless
事業仕分けはもういいです。
質量があるって、無いのがあるのかよ (スコア:0)
宇宙物理だの素粒子物理は訳分からん。
宇宙の90パーセント以上はいまだ未知の物質だかエネルギーなんだろ。
素粒子に重さが無いとかも意味分からないし。
ビッグバンの前はどうだったんだよ。宇宙は広がってるって、ではその外は何?
Re:質量があるって、無いのがあるのかよ (スコア:2)
その疑問(知的欲求)の最先端を走っている人たちの成果が今回のですよ。
その先を知りたければ、今から追いかけてもいいし、彼らがゴールにたどり着けるよう支援するのでもいい。
Re: (スコア:0)
>素粒子に重さが無いとかも意味分からないし。
ニュートリノ以前に、光子も無質量です。だからこそ光は光速で動いています(というか、光速からどうやっても減速出来ない)。
Re: (スコア:0)
光の速さ(位相速度)はc以下になります(v=c/n,n:媒質の屈折率)。物質との相互作用で決まるのです。
ニュートリノは他の物質とほとんど相互作用しないので,超新星爆発の後,光より速く地球に到達するらしい。
Re:質量があるって、無いのがあるのかよ (スコア:1)
「超新星爆発の光は高密度の気体の中を通ってからでないと出られないので、どうしても気体の分だけ相互作用があって出てくるのに時間がかかります。
ニュートリノは真空中の光速cに近いとはいえ、あくまでもcより遅いのですが、あまりにも相互作用しないので爆発の中心から直接まっすぐ地球に届いてしまうため、まるで光よりも早く到達したかに見えます。」
という意味ですね。
※光より速くなっちゃった、どこで失敗したのかわかんない、誰か助けてと叫んでたグループあったな
Re: (スコア:0)
PC組み立てで不具合出たら、1にコネクタ、2にケーブルを疑え、ってのがあったけど、
超光速のアレは結局コネクタ緩んでた、って結論だったね。
あと、超新星爆発の光は、実は爆発時に生成された重量元素の核分裂で光ってる方が大きいので、第一報はニュートリノで観測される方が多くなりそうです。
ちょっと前に話題になった、ベテルギウス付近からニュートリノ? というヤツ(誤報)も、そろそろ光るんじゃないか、まだ光らないな、みたいな話になってたね。
Re: (スコア:0)
これニュートリノが出てから光が出るまで何万年とか何百万年とかだっけ
いやぁ星って大きいよな…
Re:質量があるって、無いのがあるのかよ (スコア:1)
そんな大きな数字、どこから出てきたのでしょうか?
SN 1987A [wikipedia.org]の場合、ニュートリノ検出から可視光確認まで2~3時間のようです。
ついに東大から受賞者が出たのか (スコア:0)
京大へのコンプレックスもようやく解消されるな