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サイエンス

「働かない働きアリ」は交代要員として必要であるという研究結果 114

ストーリー by hylom
働かない人間は交代要員……? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

アリの集団には必ず8割の働くアリと2割の働かないアリが居る、という逸話は非常に有名だと思われるが、北海道大などの研究チームの調査の結果、これらは働くアリが疲れた時に代わりに働く交代要員であることが明らかになったという(北海道新聞毎日新聞)。

今回の研究結果は、北大大学院農学研究院の長谷川英祐准教授の研究チームらが16日に英科学誌「Scientific Reports」に発表したもの。チームではシワクシケアリを用いて1匹ずつ異なる色を付けて個体識別した上で8コロニーを1か月以上に渡り観察した。その結果、最初に働いていたアリは時が経つと休むようになり、代わってそれまで働いていなかったアリが活動しだすことが確認されたという。また、コンピュータシミュレーションで働くアリばかりのコロニーと働かないアリが含まれるコロニーを比較した結果、働くアリばかりの場合、一斉に疲労でダウンしてコロニーが滅亡してしまうケースがあり、集団の存続には働かない交代要員がいると有利なことも明らかになった。

この結果に対して、研究を行った長谷川准教授は「一見無駄な働かないアリも、集団の長期的存続には欠かせない。人間も含め、短期的効率を求めすぎると、組織が大きなダメージを受けることがある」とのコメントを残している。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 休憩中の働きアリを短時間のみの観測で働かないアリであると誤認しただけで。

    • by Anonymous Coward

      うん
      すごいのは発見したことでなく
      証明したことじゃないかと

      # まさか休息なしで成り立つと思ってた人はいないわ。。。うぉっ!?、失礼いたしました上官殿っ!

    • by Anonymous Coward

      この人の過去の本を読むと分かるんだけど、働かないアリは日常的には全く働かないらしい。
      # 少しだけ働く奴もいるらしいが。
      「交代要員」と言うと代わる代わる休んでいるように聞こえるけど、奴らは巣が本当にやばくなった時にだけ交代する。
      どちらかというと、「非常時要員」とか、スラド的には「火消し屋」というのが近いと思う。

      • > 「火消し屋」
        たいていは常時火がついてるんで火が消せるくらい優秀な人は稼働率100%だと思う
        親コメント
      • by Anonymous Coward

        毎日新聞の記事の文章の

        最初よく働いていたアリが休むようになると、働かなかったアリが動き始めることを確認した。

        という文を見ると、非常時要員よりは交代要員に近い代わる代わる休んでいる人たちに見えるんですが、実際は交代ではない感じなのでしょうか…?
        元論文まで当たらないとニュアンスまでは分からないかな?

    • 人間は脳の30%しか使っていない!

      同時にすべて使ってるわけじゃないだけで、100%使ってた。

      みたいな話ですな

  • by uippi (9904) on 2016年02月19日 16時42分 (#2967308) 日記

    ここ [asahi.com]にも掲載されていましたが(ソース的な信ぴょう性は勘弁)、心が折れるのは結局疲労が溜まるのが原因と軍隊や自衛隊では認識されているというし、無理をしたって良い効果は得られないという当たり前の話なんでしょうね。
    会社で言えば確かに人件費というコストは見逃せないのですが、特定担当者が一人だけの所と、最低ツーマンセルを組めている所では離職率も違う印象です(あくまでも個人の意見です)。

    サーバでもHot/Coldスタンバイを確保してダウンタイムを減らそうとするのに、人間に限っては最低人員で稼働率100%を目指そうってのは虫のよい話なんでしょうね。
    アリの例で言うならば、稼働時間に応じたラウンドロビン的なアプローチという感じなのでしょうか。

    • by Anonymous Coward

      効率の話かと言うと、ちょっと違うと思う。
      それであれば全てが同等に行動すれば良いだけなのだけど、これはそうではないよね?
      それぞれ行動の活性度が違う。
      これって行動を多様化させることにより組織自体の靭性を上げようとしているんじゃないかな。
      一定行動に陥るってことは、一網打尽で全滅し易いってことでもあるから。

  • by EchoRelinquish (35648) <echo2944NO@SPAMgmail.com> on 2016年02月19日 15時58分 (#2967270) 日記

    我々は働きアリ未満だ

    --
    一人以外は全員敗者
    それでもあきらめるより熱くなれ
    • by Anonymous Coward

      え?いま勤務中のサボり合間の休憩ですよね?

    • by Anonymous Coward

      機械ならばコールドスタンバイ機の存在意義が認められるというのに、俺たちときたら……。

  • by ikotom (20155) on 2016年02月19日 17時04分 (#2967341)

    どんなタイトルだったか忘れてしまったんだけどね・・・。

    だいぶ昔に読んだアメリカのビジネス本(邦訳)に
    「全員が100%頑張ってる状態というのは組織にとって悪である」
    「逆に、仕事をしていない人が一定数いる状態がベストである」
    っていう話が載ってったよ。

    最初は、なに馬鹿なこと言ってんだって思ったんだけど、
    「これはボトルネックの問題だ。全員が全力を出しているということは
    見方を変えれば全員がボトルネックになっているということだ。
    仕事というのは常に予期せぬ事態が起こるのだから、そういうときに
    対処できる予備の人員がいないと、1つのボトルネックの『詰まり』が
    あちらこちらに伝播して、たちまち全てが崩壊する」

    と言われて、なるほどなあと思ったよ。

    # ごめんうろ覚えで……。知っている人が居たらタイトル教えてPlz.

    • うーん、つまり一億総活躍社会ってこの考えに逆行してるんですかね。
      いや、活躍しながら休むべき時はちゃんと休めればいいんでしょうけども

      --
      一人以外は全員敗者
      それでもあきらめるより熱くなれ
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 19時28分 (#2967469)

        あぁ、分かった。なぜ1億2千万人の人口社会で1億総活躍だったのか。
        2千万人は休憩してるだけだったのね…。

        #明日になったら本気出す。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        違います。
        見た目がんばって無いようでも活躍しているんです。

      • by Anonymous Coward

        人間には働き蟻と違って決まった休日があるから。

        まあない人もいるから、こういう話が盛り上がるんだけど。

    • by baronet (18986) on 2016年02月19日 19時58分 (#2967481)
      トム・デマルコの「ゆとりの法則」ではないでしょうか?

      この話題を見て最初に思い出しました。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      そんなことは当たり前だろう。稼働率100%の状態では仕事が増えたとたんに回らなくなる。
      だから普段は定時前後で退社できるような人員配分にして仕事が増えれば残業で対応する。
      潤沢な予算でこれをやるのが軍隊なんでしょうね。

      • by Anonymous Coward

        このコメントがナチュラルに「定時前『後』」になっちゃうのが現状を表しているんだろうなあ。
        定時に帰れるわけがないみたいない。

    • 単純に全員が100%頑張れる想定でスケジュール組まれると、本当に困ります。
      体調が悪い日だってあれば、プライベートの用事で早く帰りたい日だってあるのに、
      スケジュールが100%前提になっていると誰かに影響を出さないと早く帰れません。

      結局責任感のある優秀な人ほど休めなくなって、体調が悪くなって遅延分を残業でカバーして、さらに体調が悪くなって…と辞めていってしまいます。
      そもそも100%なんて順調にいった日しかこなせないのに、それを求めたら求められた方はたまったものではない。

      # 弊社では、社長がさらに一歩進んで全員が120%頑張れる前提でスケジュールを立てたところ、
      # チームの中核メンバーが全員辞めて最終的に社長が仕事を外されました。精神論はほどほどに。

    • by Anonymous Coward

      ボトルネックといえばTOC(Theory Of Constraints:制約条件の理論)紹介ビジネス小説の

      クリティカルチェーン
      http://www.amazon.co.jp/dp/4478420459 [amazon.co.jp]

      ザ・ゴール
      http://www.amazon.co.jp/dp/4478420408 [amazon.co.jp]
      共に著エリヤフ・ゴールドラット

      かな?
      ザ・ゴールは生産管理?(に限らないTOCの紹介)、クリティカルチェーンはプロジェクト管理

      • たしかにボトルネックについてゴールドラット著は判りやすく書いてるけど
        今回の件についてはちょっと当てはまらないな。

        効率が落ちている所(ボトルネック)を探してそこを改善しなければ
        改善だー! って大号令でどこもかしこも改善していたのでは無意味、
        それにボトルネックを改善したらまた別の所がボトルネックとなる
        それを探してまた改善、というサイクルで改善を進めなくてはならない。
        自分の所さえ改善できさえすれば良いんじゃなくて全体をみて
        ボトルネックを狙い撃てという話

        だったと思ったよー _(:3 」∠)_

        親コメント
  • 発表されたのはたぶんこの論文だと思います。オープンアクセスって書いてあるんで、全文公開されてるのかな?

    Lazy workers are necessary for long-term sustainability in insect societies
    http://www.nature.com/articles/srep20846 [nature.com]

  • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 16時16分 (#2967282)

    長谷川英祐准教授は、「働かないアリに意義がある [amazon.co.jp]」という新書を2010年に出して、結構話題になっていました。
    この新書も、「働かないアリがいる集団の方が環境ストレスに強い」という内容だったと思います。

    新書は観察から導き出されたものだったと思うので、今回は実験とシミュレーションで確かめられたということが新しいのでしょうか。

    • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 16時53分 (#2967325)
      だいぶ前に読んだのでうろ覚えですが、あの本では個体識別せずに、働くアリと働かないアリの割合だけを見ていたような。
      たしか、雨が降るなどの天変地異で勤勉なアリがいなくなったときに、働かないアリが働くようになって、働くアリと働かないアリの割合は一定に保たれるみたいな話だったと思います。
      今回は、天変地異などおこらなくても、日常的に交代勤務をしているということが確認できたということではないでしょうか。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 16時42分 (#2967309)

    シミュレーションの蟻の活動アルゴリズムが実際に即しているという保証はあるのだろうか。
    シミュレーションの使いどころを間違ってない?

    • by Anonymous Coward

      前提条件として、働くアリが一定時間で休むとして、シミュレーションをしたんでしょう。
      一定時間で休むというのは観察の結果から。
      実際のアリが休まず働いても疲れないとすれば前提が崩れる。

      どっちにしろアリが全滅するまで何度も実地で実験したら何年かかるか。
      だからシミュレーション。

    • by Anonymous Coward

      長期間による観測から作られた生態モデルでしょうから大丈夫でしょ。
      直接アリさんからOK貰う以外に保証を担保する方法あるんですかね、いや有るんでしょうけどそれはそれで別研究でしょうし。

      • by Anonymous Coward

        シミュレーションが何かを「明らか」にすることは無くて、
        シミュレーションで大体の「あたり」を付けて
        実際の実験で明らかにするというのが普通だと思うが。

        • by Anonymous Coward

          アリの群れから働かないアリを取り除いても必ず2割は働かないアリになってしまう、という大前提があるので、
          2割が働かない群れと1割が働かない群れと全員が働く群れの生存率の比較はシミュレーションでしか出来ないと思う。
          これを実際の実験で明らかにできたら逆に凄い。

          • by Anonymous Coward

            では「働くアリばかりの場合、一斉に疲労でダウンしてコロニーが滅亡してしまうケースがあり」と
            現実には起きえない条件設定をしたしミューレーションの結果は意味があるのか?
            働く蟻ばかりという環境で蟻が実際どういう行動をとるのかは、知りえないのに。

            ていうか、これって蟻は「活動サイクルの内2割の時間は休む」という生物で、
            サイクルの始まりの時間はばらばらにずれているから、集団で見ると、
            常に2割の個体が休んでいる状態という話じゃないの?

            つまり、2割休むというのは生存戦略ゆえとかじゃなくて、休みなしで働き続ける
            ということができない生物が、各々勝手なサイクルで活動している結果
            そういうように見えるという話。

            • by Anonymous Coward

              >現実には起きえない条件設定
              現実には起こりえないとは言い切れないだろう
              そこも含めて検証すべき

            • by Anonymous Coward

              いや、だから現実のアリがもし100%働いたらどうなるのか?というシミュレーションでしょ?
              その結果100%働くのは種の存続に不適切なことがわかった。
              だから現実のアリは100%働かないのだろう。

              という話でしょうよ。意味のあるシミュレーションに見えますが。

            • by Anonymous Coward

              #2967377 によると交代勤務じゃないようですよ。

              これはあくまで働かないアリの有る無しのモデルの比較なので実際のアリの行動そのままである必要はありません。
              「働く蟻ばかりという環境」の場合の挙動も「うち2割が働かなくなる」と言うのが調査済みです。

              たまたま2割の怠け者が無駄として生まれるのではなく、常に2割は働かないように
              調整されているのがすでに解っているわけです。
              なぜ「働かなくなる」のか、言い換えれば「2割が働かないこと」がどのように
              生存戦略に有効であるのか、と言う仮説の検証なので「これこれこのように生存
              戦略に有効である」と言うことが説明できれば良いんですよ。

              まぁ、各々勝手なサイクルで動くとしても同時にダウンしないように何らかの
              調停機構を備える必要があるし、それが常に2割を保つ理由を説明せねばならな
              いわけで。それこそ「素数ゼミ」はなぜ「素数」なのか、といった感じに。

    • by Anonymous Coward

      これはアリに関する仮説の検証なので、厳密に実際に即している必要はありません。

      検証したいことは働かないアリがコロニーの持続に貢献していると言うことで、働かないアリの
      有る無しの2パターンの比較。
      で、働かないアリが居ない方では一斉ダウンの破局が見られたが、居る方では破局が起こらな
      かったので、役に立ってますよと。

      あくまで実際のアリの観察から得られた知見の検証であって、シミュレーションアリから新しい
      知見を得てるわけじゃないです。
      そもそも実際に即していたら100%働き蟻にしたところで20%は働かないアリに変わってしまいます。

  • 集団の長期存続に役立つ行動は短期存続に役立つ行動に優越するんでしたっけ?
    あれは種の利益対個体の利益の話か。

    長期生存と短期生存の葛藤に関してはこれが参考になります。

    世界の設計図 [www.takamura.website]

    • by Anonymous Coward

      長期生存に有利な形質を持つ個体or共同体が自然淘汰により長期的には残るという事でしょう。
      そういうスケールの場合、個々の個体の意思はあんまり関係ないので問題にならないかと。

  • by saratoga (23467) on 2016年02月20日 13時51分 (#2967891) 日記

    > 働くアリばかりの場合、一斉に疲労でダウンしてコロニーが滅亡してしまうケースがあり、集団の存続には働かない交代要員がいると有利なことも明らかになった。
    どこぞやの会社のことかと。

  • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 16時22分 (#2967288)

    が、証明されたってことでしょう

    • by Anonymous Coward

      みんな一斉にタバコ吸いに行くなってことでしょ

      # 行くならだれか人身御供を・・・

  • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 17時57分 (#2967396)

    やっとおいらも認められたってわけだな

  • by Anonymous Coward on 2016年02月19日 19時26分 (#2967467)

    交代の合図を出しているんだろう。
    「あ。なんかこいつ具合悪そう」とか気遣ってるのか。
    それとも何かしらのフェロモンがでているのか。

    • by Anonymous Coward

      疲れたら出る化学物質があって、
      それでコミュニケーションしてるのかもね。

      それだと「倒れるまで働いてやっと交代」みたいな感じだけど。

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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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