熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことが証明される 74
ストーリー by hylom
分かるような分からないような 部門より
分かるような分からないような 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
慶應義塾大学理工学部の齊藤圭司准教授らが熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことを証明したそうだ(慶應大学の発表、PHYSICAL REVIEW LETTERS掲載論文)。
熱エンジンは、熱を動力などの別のエネルギーに変換するシステム。受け取った熱のうちどれだけを変換できるかは「効率」、単位時間当たりにどれだけのエネルギーを出力できるかは「仕事率」と呼ばれるが、今回の研究成果では効率を高めようとすると仕事率が低下することを示す関係式を導出できたという。これにより、効率を高めるほど単位時間当たりに得られる最大出力は低下するということが示されたという。
熱力学においてはいくつかの法則が発見されているが、今回の成果はそれに加わる新たな法則となる可能性があるという。
慶応大学の方のリンク先PDFが素晴らしい (スコア:3, 参考になる)
論文は日本語でおk、というべきあれだが
(英語で論文読めるひとはいいよなぁ…)
慶応大学の発表資料PDFの方はものすごく丁寧に
わかりやすく解説してるから、一読お薦めするよ(゚∀゚)!
(概要)
両手に花というハーレムエンドは理論的に実現不可ということを理論的に導き出しましたorz
Re: (スコア:0)
プレスリリースに載っているグラフ[図2]を見ると、熱効率を上げると単調に仕事率が減っていくというわけではなく、
「最大の仕事率を得られる熱効率」というピークが存在するようだ。
単純増加や、単純減少でないということは、
同じ仕事率、(プレスリリースの絵[図3]で言えば、ピストンの膨張スピード)
のとき、2種類の熱効率(廃熱の量)をとりうるということになるんだが、
それがどういうことなのかイメージがわかないw
おしえて、えらいひと。
Re:慶応大学の方のリンク先PDFが素晴らしい (スコア:1)
(サイクル当たりの出力)≦定数×(低温側熱浴温度)×η(ηc-η)
#ηは機関の効率、ηcはカルノー効率
とあるので、効率の限界は上に凸の放物線になるということでいいと思う
そして導出過程に「有限出力での最も効率的な量子発電」みたいな論文からの引用があるので理解は放棄した(ぉ
Re: (スコア:0)
η(ηc-η)がまんまな意味・・・と言ってもしょーないか。
「効率を上げると出力が下がる」
という物理現象を示している。
Re:慶応大学の方のリンク先PDFが素晴らしい (スコア:1)
ピストンを内部の気体の運動スピードより速く動かすと、熱源に接触しても熱が伝わりきる前にピストンが動いてしまい効率が悪いとかかな?
ブルーバックスの「熱とはなんだろう」って本の準静的過程のとこに、音速を超えてピストンを動作させたらどうなるかなんて話が少しだけ出てました。
エンジン内部で熱というか圧力のムラが生じるとかなんとか。
でもそう考えると、ゆっくり動かした場合も仕事率が減っていくのはどう説明すればいいんだろう?
Re:慶応大学の方のリンク先PDFが素晴らしい (スコア:1)
あ、仕事率って単位時間あたりの出力だから、いくら出力が多く得られてもそれに膨大な時間がかかれば仕事率は低くなっていくってことか。たぶん。
で、速く出力を出そうとすると、それを阻害する要因(熱力学的な)が絡んでくるっていう話でいいのかな?
Re:慶応大学の方のリンク先PDFが素晴らしい (スコア:1)
最大効率なら準静過程で無限時間かかるから出力ゼロ。
最低効率はゼロだから出力もゼロ。
中間にゼロでない出力がある。
まーこんなとこでイイか。
the.ACount
Re: (スコア:0)
エンジンを温めきった後に冷やしきると熱効率が最大になるけども、それには時間がかかる、という所までは感覚で分かります。
しかし、それ以上はさっぱり。
エンジンの温めきる/冷やしきるサイクルを短くしたり、複数用意してサイクルをズラしたりすれば、効率上げたまま出力も上げられそうな気がします (#3107474 [srad.jp])。
Re: (スコア:0)
ハーレムエンドが実現不可なんじゃないよ。
どっかに最適状態があって、それ以上増やそうとおもったら個々の満足度は下がっちゃうよ、みたいなもんだよ。
でも必要な出力のために入力を増やせば効率は低くても規定の満足度は達成できるのだから、
ハーレムしたかったら充分稼いで充分床仕事も頑張れ、という話に(なってたまるかー)
「できないこと探しじゃない。できることを探すんだ! もっと熱くなれよ!」(熱浴から熱を取り出し続ける (スコア:2)
これって、「非平衡系の熱力学」あたりの研究から出てきた成果の一つ、という理解でいいのでしょうか。
参考: phasonさんによる「身近だけどよくわかってない」ものリスト #1982866 [science.srad.jp]
Re:「できないこと探しじゃない。できることを探すんだ! もっと熱くなれよ!」(熱浴から熱を取り出し (スコア:1)
古典的な熱力学だと準静的過程 [wikipedia.org]が前提になってたりするわけですけど, その縛りを外したところで一般的に成り立つ法則が証明されたってことでしょうかね.
直感的には「仕事率が高い」≒「熱エネルギの変換速度が大きい」ほど, 効率が小さくなるってのは納得できるものがあるんですけど.
Re: (スコア:0)
「脳筋の奴らが無駄に暑くるしいだけで、仕事が全然進まない法則」みたいなのを想像した。
Re: (スコア:0)
むしろこの場合は「頭でっかちの奴らが効率効率と熱中すると、仕事が全然進まない法則」ではないかと。
Re: (スコア:0)
脳筋、頭でっかち、どちらも(望まれる方向への)最大出力は小さいから
仕事が全然進まないと言う点では、どちらも正しいよ。
そしてどちらも、周りが愛想尽かして与える燃料も少なくなっているから、効率は良いよ。
合点が行った (スコア:1)
長時間働くと仕事のやる気がなくなるのもこれだったんだ!
これで上司に説明が出来る!
Re:合点が行った (スコア:2, おもしろおかしい)
「私の仕事率が低いのは、効率を重視しているからです。
最大の仕事率を達成するためには、作業の効率を落とさざるを得ません!」
これでスラドを見る言い訳はばっちりだ
Re:合点が行った (スコア:1)
仕事率が低いのなら、賃金が減るけど、いいんだな?
並列化すれば良いように見える (スコア:0)
門外漢ですが、効率を上げて出力が下がるのであれば、並列化すれば良いのでは?
それとも何か見逃してる?
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:5, おもしろおかしい)
「100人月の仕事なら、2000人で並列にやれば1日で終わるよね?」
あなたは今、多くの人を敵にまわした!
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:1)
ひきこもり男児には家を出ると七人の敵がいるのだから想定の範囲ではないかと。
Re: (スコア:0)
エンジンはそれぞれに依存が無いから、スケジューラ不要だし、スケールアウトもしやすいはずでしょ。
Re: (スコア:0)
まあ真面目に考える枝でもなんだろうけど、
比較としてやりやすいよね、というのは正しいとして、
相互作用はあるしエネルギー供給路や冷却効率の問題もあるから
スケールアウトは簡単ではないし、
並べりゃ並べただけパワーが上がるとはならないねー。
Re: (スコア:0)
「100人月の仕事なら、2000人で並列にやれば1日で終わるよね?」
あなたは今、多くの人を敵にまわした!
20時間 x 30日 x 100人 = 60,000時間
60,000時間 / 2,000人 = 30時間
あれ?24時間ですら終わらない。。。
前提がくるっとる (スコア:0)
これがデスマか…
Re: (スコア:0)
そうだね。計算してみようね。
○100人月の仕事を100人でやる
=そのうちの5%の人が1ヵ月で90%を作る。残り10%もその人たちがその後作りなおす。
5%の人は一日あたり9/1000を作る計算になる。
○2000人日の仕事を2000人でやる
=そのうちの2%の人が作る。
2%の人は一日あたり9/1000を作るので、1日で360/1000ができる。
早くても3日くらいかかるんじゃないかな!
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:1)
200万人いたら1秒でオワタ
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:1)
それをやったのが船舶用多気筒大型低速ディーゼルエンジン。
太っといピストン(燃焼室に対して表面積を減らす≒並列化)を、ゆっくり動かして、気筒数で必要出力を稼ぐ(=並列化)。
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:1)
気筒を多くして1気筒あたりの排気量を下げると冷却損失が増えるらしいです。
断熱材が進化すれば多気筒の復権もあるか?
気筒を減らすほど効率で有利、振動に不利
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2500M_V20C11A5000000/ [nikkei.com]
>熱効率を考えた場合、1気筒あたりの排気量には最適値がある。
>排気量が小さすぎれば「2乗3乗則」によって燃焼室のS/V比(表面積/容積)が大きくなり、表面からの冷却損失が増える。
>逆に大きすぎれば火炎の伝播(ぱ)距離は長くなり、燃焼時間が延びるので熱効率は下がる。
>燃焼に時間がかかり過ぎてピストンが下がってしまうと、熱エネルギーを有効な力に変換できない。
Re: (スコア:0)
どうどうときとうの話をするなんて、なんていやらしい!
Re: (スコア:0)
カメは関係ないだろ…
Re: (スコア:0)
ピストン運動の話だよな。
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:2)
上死点で燃焼室になんの燃料を噴射するのです?
# 熱効率の高いディーゼル機関の話ですよね。
Re:並列化すれば良いように見える (スコア:1)
内燃機関なんて古いってんで、一足早くEVな人が多いようですよ?
# 一文字違いでえらいことにorz
Re: (スコア:0)
断熱材が進化すれば多気筒の復権もあるか?
放熱ロスの他に、摺動接触面積(=(ピストンリング幅×周長+ピストンスカート接触面積×接触圧力)×単気筒当たりの数×気筒数)×摺動長も、多気筒の場合、燃焼室体積に比し相対的に大きくなります。
加えて気密漏れも多気筒ピストンエンジンは相対的に増えます。
Re: (スコア:0)
なるほど。ということは、超潤滑の技術も必要となってくるのか。
Re: (スコア:0)
並列化に必要なコスト(装置代、場所)を考えると、ただ並列にすれば良いというわけでもない。
Re: (スコア:0)
並列化しても熱効率は上がらないのでは?
投入した熱の何割をエネルギーに変えられるかが熱効率なのだから。
# 並べたところで比率は変わらない
Re: (スコア:0)
熱効率は上がらなくてもトータルの仕事率は
単体の仕事率 x 並列数
になるでしょって話。
Re: (スコア:0)
その理屈だと
消費税8%の商品を2つかったら
8%x2で消費税16%になりますよ
Re: (スコア:0)
まずこの話には、熱効率と仕事率の2つの「効率的なもの」が出てくる事に気付くことから始めよう
Re: (スコア:0)
仕事率は「割合」じゃないのよ。そこのところを理解しなさい。
Re: (スコア:0)
入力が分割されることかな。入力値そのものの可能性もある。
Re: (スコア:0)
この法則が正しいなら、並列化をどんどん進めても最後には個々の熱機関の効率が下がってしまうのだと思われます。例えば、元の熱源を100分割して100台の熱機関に投入することである程度の効率と出力を得ることができても、元の熱源を一万分割して一万台に投入しても個々の熱機関はもはや効率の悪い動きしかできなくなるのではないでしょうか。また分割と統合の過程でもロスが生じると思われます。
Re: (スコア:0)
(サイクル当たりの出力)≦定数×(低温側熱浴温度)×η(ηc-η)
という情報からして、サイクルつまり単一の系の中での話だと思うの。
言うなればピストン一個に閉じている限定の話。
そりゃV8とか並列化したら出力上がるわな。
やかんでお湯を沸かす時 (スコア:0)
強火で短時間で沸かすより中火で時間をかけて沸かすほうがガス代の節約になるってやつか!
Re: (スコア:0)
それ別の「エネルギーに変換」してないだろ。
Re: (スコア:0)
しかしさらに弱火にすると、薬罐からの放熱ロスがバカにできない。
りろんてきには高効率 (スコア:0)
でも実際に時間かけて仕事させたら、
よっぽど断熱されてない限りは熱が逃げるんじゃないの。
Re: (スコア:0)
急いで仕事したらもっと廃熱が逃げるよ、という話では。
Re:りろんてきには高効率 (スコア:1)
急がば回れは正しかった
昔の人はすごいというお話