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原子力

政府想定の「毎時0.23μSvの空間線量=1年間の被曝線量で1mSv」は実体と大きく違い、実際の被曝線量はもっと少なくなる 78

ストーリー by hylom
詳しくはWEBRONZA記事をどうぞ 部門より
masakun 曰く、

このほど朝日新聞 WEBRONZA に東京大学早野龍五教授へのインタビュー記事「福島の放射線の量を正しく理解してほしい」が掲載されました。福島県伊達市の放射線量と住民の被曝の関係について論じた最新の早野論文から、福島原発事故後に政府が提示した「1時間あたり 0.23マイクロシーベルト(0.23μSv/h)」という除染基準について、「1時間あたり0.23マイクロシーベルト(0.23μSv/h)の空間線量がある地域で生活しても、年間の追加被曝線量は1ミリシーベルト(1mSv)に達しないこと」が関係者に衝撃を与えているそうです(第1論文)。

そういえば伊達市のガラスバッジについて、かつて週刊朝日がスクープとして「個人線量計が最大4割低く表示」福島県内の子供が危ない!」を掲載していましたが、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏に同調する側の意見も聞いてみたいものですね。また一連の議論が分かりにくい方は、除染に関する有識者との意見交換会(平成26年6月15日)にある資料4-2「伊達市の除染について」(PDF)が助けになるかもしれません。

福島県北部の伊達市では、2011年8月から外部被曝線量を測定できる「ガラスバッジ」を市民に配布して測定を行っている(放射能対策 vol.11)。ここから得られた外部被曝線量に関する情報と、原子力規制委員会による航空機モニタリングで得られた空間線量を元にデータ分析を行ったところ、「1時間あたり0.23マイクロシーベルト(0.23μSv/h)の空間線量がある地域で生活しても、年間の追加被曝線量は1ミリシーベルト(1mSv)に達しない」という結論になったそうだ。これは、政府による「毎時0.23マイクロシーベルトという空間線量は外部被曝線量に換算すると年間1ミリシーベルトになる」(環境省による「追加被ばく線量年間1ミリシーベルトの考え方」文書PDF)主張とは異なるものとなっている。

また、個人線量と空間線量の関係性を調べた別の研究データでも、同様の蛍光が見られたという(Isotope News 2015年11月号掲載論文「個人線量と空間線量、行動パターンとの関係─実測データから解析すると─」)。

早野氏は原発事故による放射能の影響は時間が経つにつれて小さくなるというデータも論文にまとめている。これらも合わせて、「多大な予算をかけて進められる除染作業の効果」への疑問も投げかけられている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 20時14分 (#3174197)

    蛍光がみられるようでは終わりだな...

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 16時41分 (#3173985)

    除染作業が過剰である、とか不要である、ならわかるケド「効果が無い」っていうのは
    意味が全く分かってないか悪意があるとしか思えない表現

    • > 除染作業が過剰である、とか不要である
      なぜならば、(このレベルなら除染しても)効果がないってことではないですか。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      混乱して矛盾してる典型例

    • by Anonymous Coward

      費用対効果を考えれば意味は全くないよ。5年ほど時間が過ぎるのを待つ方が、除染より効果が有るんだから。被災者の新たな生活の支援に使う方が余程良かった。単なる身内での補助金山分けの手段だよ。

      • by Anonymous Coward

        それは「過剰である」じゃないのか

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 18時02分 (#3174076)
    • by masakun (31656) on 2017年03月13日 20時43分 (#3175847) 日記

      福島事故直後に都合よく唱えられていた、自然界に存在しない放射性セシウムは排出による防御機能が進化しなかったので人体にだんぜん蓄積するのだという市川定男の説があったが、ホールボディカウンタを用いた住民検査で、放射性セシウムは筋肉に一様に広がったあと尿として排出され、体内量が時間とともに減ることが確認されている。

      坪倉正治さん(2)放射線の情報どう伝えるか 正しさだけで人は動かない : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞) [yomiuri.co.jp]

      東京電力福島第一原発に近い福島県沿岸部で医療支援を続ける医師、坪倉正治さんらが2011年から続けているホール・ボディー・カウンター(WBC)による内部 被曝 検査。検出率がどう推移したかをグラフで見ると、放射性セシウムを体外に排出する速度が速い子供は、2012年の春には検出率がほぼゼロになった。大人は少し遅く、ほぼゼロになったのは13年の夏頃。そして大人も子供もそれ以降はほぼ検出されていない。この検査を続けることの意味はあるのだろうか。

      --
      モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      除染作業は、外部被爆に対しての対策なので、内部被爆の有無は関係ないですよ。
      効果が見込めないところまで除染作業やってるのを一部止めることで、内部被爆への対策に予算が振り替えられる可能性もあるので、こういう報告が無駄ということもないでしょ?
      • by Anonymous Coward

        重汚染地帯への住民帰還を促すことにしかならないでしょ。
        除染自体意味がない作業なのに、わざわざ外部被曝の線量が低いことを強調するのはなぜ?

        • by Anonymous Coward

          一般に除染には意味があると思われているので、外部被曝の線量が低いことを強調して意味がないことを知らしめるためです。
          あなたの様に理解しているのは特殊なのですよ。

    • by Anonymous Coward

      このリンク先の人も頭おかしいし、日本人は全員放射脳ってことで良いんじゃね?

      科学の素養がないのが放射線のせいかどうかは判別が難できないよね

    • by Anonymous Coward

      学者は学者でも騒いでるのは主に社会学者
      先生のご専門は何ですか?って聞いてみるとおもしろいかもね

      • by Anonymous Coward

        日本も欧米みたいにメディアでは専門分野での発言しか認めないようにするべきじゃない?

        # 外野がトンチンカンな喧伝して、本当に学んだポスドクが無視されるのは異常

        • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 23時12分 (#3174320)

          専門分野の先生が発言しても、編集されて発言の趣旨を捻じ曲げられたりする国です。

          # ブチ切れて講義1回分まるまる愚痴と釈明に費やしてたよ…。
          # いや学生みんなその番組見てるわけじゃないからそんなに焦らなくて大丈夫ですよと思った。

          親コメント
    • by Anonymous Coward

      トカナってムーとかと同じジャンルだろ
      ソースになると思ってんのかwww

      http://tocana.jp/2017/01/post_11932_entry.html [tocana.jp]
      http://tocana.jp/2017/03/post_12538_entry.html [tocana.jp]
      http://tocana.jp/2013/06/post_4422_entry.html [tocana.jp]
      http://tocana.jp/2017/0 [tocana.jp]

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 18時10分 (#3174085)

    良心的に安全値をとって実測の1/4を基準にしたのかはわからないけれど、
    健康被害を与えるギリギリのところに線引きをしてやっていたら犠牲者が
    出る可能性が高まるのだから、結果的に良いことじゃないだろうか。

    それをわざわざアピールする理由ってなんだろ。

    • >健康被害を与えるギリギリのところに線引きをしてやっていたら犠牲者が
      >出る可能性が高まるのだから、結果的に良いことじゃないだろうか。

      年間1ミリシーベルトの基準の意味:坪倉先生の放射線教室:福島民友新聞社 みんゆうNet [minyu-net.com]

      約100ミリシーベルトを超える被ばく「量」では、放射線を浴びれば浴びるほどがんによって命を落とす危険性が増すことが確認される一方、約100ミリシーベルト以下でははっきりせず、放射線によりがん死亡が増えることを示す明確な証拠がありません。あったとしても、肥満・喫煙・飲酒などの生活習慣の方が影響は大きいと考えられています。

      生活習慣偏ればがん影響:坪倉先生の放射線教室:福島民友新聞社 みんゆうNet [minyu-net.com]

      実はこの生活習慣、がんの発症への影響は非常に大きく、喫煙や毎日3合以上の飲酒は、1000ミリシーベルトの被ばく影響と同じくらい。痩せ過ぎや肥満、運動不足であっても100ミリシーベルトの被ばく影響よりも大きいです。

      つまり追加年間1ミリシーベルトという考え方自体安全側に倒したもので、「健康被害を与えるギリギリのところ」ですらない。

      ストーリーにある環境省による「追加被ばく線量年間1ミリシーベルトの考え方」文書PDFのリンクを見れば一目瞭然だが、政府計算では屋外の同じ場所に8時間、木造家屋に16時間留まった生活パターンを仮定している。その仮定が、車で移動したり鉄筋コンクリートの家に住んだりしている生活実態とかけ離れていたことがこの論文で改めて確認されたというだけ。ほんと #3174085 のミスリードはひどすぎる。

      なおスラドでは週刊朝日のスクープ記事について誰も話題にしていないので、「ガラスバッジが3-4割低めに検出する」件については自分のブログ [ameblo.jp]の方でまとめておいた。

      --
      モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      予算削減の援護射撃かな?
      まだ元を断ててない(燃料棒回収)のに早くない?と思うけどねぇ。。

      • by Anonymous Coward

        元(燃料棒及びその融解物)の有無と、福一付近を除く周囲の空中線量・体内被曝は殆ど無関係だと思うけど。

      • by Anonymous Coward

        話をすり替えないように

    • by Anonymous Coward

      0.23(μSv/h)*24(h/d) * 365(d/y) = 2000 (μSv/y) = 2(mSv/y)だから、特に理由なしで最大値の半分にしたんじゃないですかね。実際には屋内で過ごす時間が多いとかそういう話でしょ。

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 18時20分 (#3174093)

    まともに技術の話として取り合ってしまってはいけなかった

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 19時04分 (#3174134)

    Fig4が主張の根拠になっているみたいですが
    外れ値と称して解析から外してる値が沢山あるように見えますがこれはなんなんでしょうね。
    この外れ値を解析に入れると平均地が引き上がりそうですが。

    後は、空間線量と実際の被爆量の関係に回帰直線を引くと従来想定されていたシナリオより傾きが緩やかだったという事のようですが
    ヒストグラムを見るとそもそも政府の安全基準である0.23μSv/hを満たしていない地域が殆どのように見えます。

    結論と図をナナメ読みしただけなので間違っていたらゴメンナサイ。

    • by Anonymous Coward

      Fig4が主張の根拠になっているみたいですが
      外れ値と称して解析から外してる値が沢山あるように見えますがこれはなんなんでしょうね。
      この外れ値を解析に入れると平均地が引き上がりそうですが。

      統計上、他の値から極端に外れていて、測定ミスや別要因による誤差が考えられるような値だから外して正解だよ。
      それを解析にいれると平均値がどうなるかも然程関係ない。

      たとえば、人間5人の身長を測定したとき
      160cm 170cm 170cm 160cm 170m
      というデータが得られたとする。最後の170mはどう考えてもおかしいよねってことで除外するのは常識的な対応だ。
      (これは別に「常識的におかしい」とい

      • by Anonymous Coward on 2017年03月11日 0時08分 (#3174352)

        統計を使えば外すべき外れ値がおのずと判明する思っていませんか?
        データが与えられただけでは何が飛び離れ点か判別することは出来ず、除外するには必ず何らかの仮定が存在します。
        例えば母集団の分布型の仮定であったり、背景にあるモデルを仮定したりするわけで論文にはデータを除外した根拠を書く必要があります。
        分布に対する仮定が必要無さそうに見えるブートストラップであったとしても中心極限定理に従うという仮定が入ります。

        親コメント
    • 論文の中にJapanese-government value of 0.6というのがあるのだけれど、基準の見直しでもするようですね。

      係数0.6(Fig.4の青ライン)だと超過側にはみ出るのが0.7%ということですが、何σとるのが妥当なのでしょうね。

      (分布の低い方の片側は全数含むとして、多い方だけ考えて、はみ出す割合が0.7%だと平均から2.5σ弱くらいってことでいいのかな…Fig.5を見ると、係数0.55くらいだと超過割合が1%、係数0.82くらいだと0.1%のようです。pdfのFig.5を拡大すると確認できます。)

      はみ出たからと言って直ぐにどうかなるわけではありませんが…判断が意外と難しいですね。あとおっしゃる通り、もう少し線量の高い所(「0.23μSv/hを満たしていない地域」を考慮するため)が見たいけど、Fig.4のa)とb)の縦軸(特にa)を何とかして欲しい。

      • by Anonymous Coward

        ごめんなさい間違ってました。0.23μSv/hを満たしていない地域は逆に低い方って意味でしたね。

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 19時41分 (#3174166)

    また内部被爆が無視されてる・・・

    • by Anonymous Coward on 2017年03月12日 0時33分 (#3174938)

      別の報告で、内部被曝は特殊な生活してる人(野生のイノシシ獲って食べてるとか)以外は検出限界以下って結果もでてるでしょ。
      市販の食物についてはきちんと検査されて出荷してるわけだし、科学的には無視して問題無い。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      一人で全部できると思っちゃいかん。
      この話が正しくても全てが問題ないと言っているわけではない前提の話だぞ。

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 21時31分 (#3174257)

    今では考えられないだろうが
    水俣病は地元の医者や熊大医学部は当初から有機水銀中毒であるとしていたが
    途中からアミン説が出てきて対策が遅れた
    さらに水銀説に生化学者から疑問の声が出た
    それも当時の科学少年の羨望の的だった江上不二夫の門下
    赤堀四郎や石本真だったものだから科学好きへの影響は絶大だった
    この悪影響はかなりあとを引くことになる
    特に発覚以後かえって被害が広域化
    周辺地域では「補償金目当て、左翼が騒いでるだけ」という流言が流れていたので
    症状が出ると地域で疎外され、移住するものが多かった
    結果的に全国的な裁判が延々続くことになる

  • by Anonymous Coward on 2017年03月10日 21時34分 (#3174259)

    単純な比較ができないのは理解しているけど、ヒロシマもナガサキも除染せずにそのまま住み続けたんだよね。
    その結果、不必要な被ばくをした人がいるのを否定しちゃいけないと思うけど、どこまで必要かもう一度考えてもよいのかも。

    #ってことで放射線のエロい人、教えて

    • by Anonymous Coward

      入市被曝と黒い雨でぐぐるといい

      • by Anonymous Coward

        それって原爆投下数週間以内の話でしょ。
        その後に広島に行った人はどうなのかって質問だと思うけど違うのかな?

      • by Anonymous Coward

        入市被爆や黒い雨は、ある程度だけど理解している。
        一番わからないのは、ある時期から被爆地に行っても放射線の影響を受けなくなっているけど、その「ある時期」が何時なんだろうというのが一つ。
        フクシマみたいに除染していたら、「ある時期」が早かったのかなってのが一つ。

        なんか理解しているようで全く理解できてないんだよね。
        霞とか幻とかを見ている感じだ。

        • by Anonymous Coward on 2017年03月11日 9時33分 (#3174491)

          下の英国が過去に配った核シェルターの作り方教本のP5に書いてあるけど、核爆発時の放射性降下物は7時間で1/10にする。
          2日で1/100に減少して、2週間で完全に影響が無いレベルまで下がる。

          家庭用核シェルター(Domestic Nuclear Shelters) (1981)
          https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&sour... [google.co.jp]

          親コメント
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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