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サイエンス

理研が表面ブロックパターン形成による色彩表現技術を開発 88

ストーリー by headless
色々 部門より
coward-chan 曰く、

理化学研究所は26日、アルミ薄膜による座布団形状のナノ構造を持つメタマテリアルで、可視光全体をカバーする「色」の作成に成功したことを発表した(プレスリリース60秒でわかるプレスリリース朝日新聞デジタルの記事)。

塗装や材料物性による色彩ではなく、薄膜上に形成するブロックパターンの大きさや間隔の違いで吸収する波長を変化させて自由に色彩表現できる技術で、従来できなかった高彩度や黒も表現可能らしい。

元記事では塗装よりも軽量だというメリットに触れているが、タレこみ人としてはプレスリリースで触れられている映像関連への応用や曲面への適用のほか、母材の制限なども気になるところ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • アルミの上なので、もし可能になって安価になったらアルミ缶の印刷に使えるようになる、かな?

    # リサイクル効率が良くなるかなぁ? インク/塗装の負担てどれくらいだろう

    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
    • アルミだけで構成できるって書いてあるので、アルミ缶の印刷に応用したらリサイクルは簡単になりますね。

      #でも、インクのコストと比べるとインクの方が良いのかな?どうなんだろ…。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 20時46分 (#3203045)

        絶縁層をコーティングして、それに半導体製造に用いられるような技術を用いて微細構造を作った上、
        真空蒸着装置にいれてアルミの薄膜をのせるという面倒な工程をとる。
        だから色を発するのはアルミの部分だけだが、物にするときアルミだけで構成できるものでもない。
        それに清涼飲料水のアルミ缶では、塗装の重さが軽いとか、日に褪せないという特徴もいらんだろう。

        実用化するなら、塗装の代わりにこの方法で作られたフィルムを物に貼り付けるという形になるんじゃないだろうか。
        塗装するものの表面に直接電子ビームリソグラフィーで微細構造を刻んで、真空蒸着器に入れてなんて非現実的すぎる。
        最初に型を作る工程は高コストだけど、型ができたら量産するときはCD作るみたいな工程で出来そうだから、
        初期費用はかかるが量産コストはそこそこ安くはなるかも。それでも、塗装よりは高コストだし、
        凹凸部を形作る母材や表面保護が必要だから塗装より軽くという風にはならんのでは?
        せいぜい日にあたっても色あせしないというメリットしかないように思う。
        それも保護膜に使う素材によっては黄ばんできたりとかするかも。

        看板や道路標識、建造物など、いつも日にさらされていて、しかも長年使い続けるようなものに使うのがいいのか。
        しかしそういったものはそんなに量産されるものじゃないからなぁ。

        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 23時04分 (#3203094)

      基本アルミ缶のリサイクルは融解するだけだったかな。
      インクとかの不純物はその過程で燃えてしまって、
      残りかすをカラミ(アルミだとドロスっていうんだっけか)として除去するので、
      ドロスの発生量が減れば効率は良くなるんだろうけど、
      ドロスの組成の大部分はアルミナ・窒化アルミ・金属アルミらしいので
      寄与する部分は小さいかもね。
      #内側のコーティングとか、飲み残しとかの異物もあるしね

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ナノ構造なので、上にコーティングが必要だろう。プレスリリースにもある通り表示器やセンサの
      カラーフィルタには適しているんじゃないかな。半導体の層に直接形成してフィルムを省くんだろう。

  • by kcg (26566) on 2017年04月29日 21時18分 (#3203054) ホームページ 日記

    以前、構造色に興味が湧いたときに検索してみたら、いろいろと技術開発が活発に進んでいる事を知りました。
    「構造色 プリンター」 などで検索すると色々出てきます。

    そういえば、ここの記事にもコメントにも構造色って呼び方は出てきていませんね。
    何故でしょうね。

    • Re:構造色 (スコア:5, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2017年04月29日 22時21分 (#3203077)

      構造色 [wikipedia.org]というのは、微細構造によって起きる光の反射の干渉という光学現象で色を作るものを指す。

      今回のものは、反射の干渉ではなくアルミで作った微細な構造が、
      アンテナが電波を吸収するように特定波長の可視光を吸収するという電磁気学的な現象を利用して
      色を作っているもので、構造色とは原理が違う。

      たしかに微細構造も仕組みに一役買っているが、導電体の材料で作らなければならないという
      電磁気学的な原理を利用していることから来る制限もある。

      プレスリリースを読めばわかるように、ポリマーで微細構造を作っただけでは「色」は出来ず、
      その上にアルミ層を蒸着して初めて発色する。

      親コメント
  • 光学迷彩への応用があるから防衛省から研究資金出てるのか。
    デュアルユース問題にはあまり詳しくないが、こういう研究内容では科研費を取りにくいとかあるのではないだろうか。科研費の規定にはデュアルユースの制限はなかったはずだけど、申請用紙に軍事応用の可能性については明記する欄があった。審査員も一研究者なので、軍事研究に反対する審査員は点数を下げることもありそう。

    • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 17時03分 (#3202949)

      軍事予算を使って平和的な研究をするのはいいですね。
      いかに軍事には使えないものを尤もらしく申請できるか知恵が入りそう。

      親コメント
    • 光学迷彩への道が一つできたという感じ。
      もちろんこの成果だけで実現までは無理だけど
      少なくとも道は通ったんだなー

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      こんな基礎研究で軍事応用の可能性を聞かれたら、ほぼすべて「はい」にならざるを得ないんじゃないか。

    • by Anonymous Coward

      厨房は光学迷彩大好きだなw

      特定の波長の可視光吸収、反射できるという話なら、それをもっと波長の長い電磁波の方にまで応用すれば、
      そのままステルス塗装技術になるからだよ。

  • by the.ACount (31144) on 2017年04月30日 12時36分 (#3203253)

    長方形にしたら方向によって色が変わるかな?

    --
    the.ACount
  • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 16時09分 (#3202920)

    チョウの鱗粉とか
    玉虫色とか
    ああいうのの原理を調べる話がときどき記事になったりするけど
    そういう流れの話だろうか?
    紙幣のホログラム的なのに応用したりできるんだろうか?

    あ、でもキラキラ光る話というよりか、普通の色を塗料とはまったく別の原理で発生させるという側面の方が大きい話なんだろうか。
    そうなると色自体は別に普通だけど、物性的振る舞いの違いからうまれる応用製品とかができるのかな

    • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 16時49分 (#3202940)

      光の干渉色は光の波長程度サイズの光学的な素材を使うと作れますが、これは金属を使ってアンテナのような回路を作って電磁波の吸収を制御しています。金属が必要なので生物界で似た物を探すのは無理だと思います。

      取り敢えずは、
      > 普通の色を塗料とはまったく別の原理で発生させるという側面の方が大きい話
      だと思います。

      将来はディスプレイなどに応用される可能性はあると思います。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        ディスプレイに使うためには動的に変化させる必要があると思うんだが…。
        プレスリリースにも書いてあるようだが、どうやってやるつもりなんだか。

        • by Anonymous Coward

          液晶の構造知ってる?

          • by Anonymous Coward

            よくわかりませんが、別スレで「液晶シャッターと組み合わせて」と言ってますが、
            それができるなら普通のペンキとかでもできるはずでは。

            • by Anonymous Coward

              今は普通のペンキでやってるよね?????????????????????????????????????????

              • by Anonymous Coward

                反射型を?
                今の液晶ってほぼバックライト型だと思ったが…。(時計とかのモノクロタイプを除く)
                #まー確かに反射型なカラー液晶もあったっちゃあったが…すごくコントラスト低いやつ。STNだっけ?

              • by Anonymous Coward

                透過型ディスプレイに塗料を使わない宇宙から来たの?

              • by Anonymous Coward

                透過型ディスプレイに使ってるのは塗料じゃなくて色素ではなかろうかと思ったんですが
                そんなことはむしろどうでもよくって。
                このアルミ表面の色を変える技術で透過型が作れるんですか?

                あとこのアルミで反射型を作るとして(塗料でも同じことだが)ネックになるのは反射材の技術じゃなくて液晶側の技術じゃなかろうかと。TFT以降なぜカラー液晶にバックライトが必須になっているかというと、光の透過率が非常に低いせいでは。そこのブレークスルーがないと反射材側でどんな変化があっても無理なのでは。

              • by Anonymous Coward

                逆の発想で行けばいいじゃんよ
                モノクロ液晶なら今でもバックライトないんだし、モノクロ液晶で使われてるような応答速度や彩度を要求されないものなら、変わらない消費電力でカラー化できるやん?

              • by Anonymous Coward

                塗料に色が付いているのは色素のおかげだよとかどうでも良いツッコミをしてみる

              • RGB(+?)のCF自体を薄膜表面形成でやっちゃうんすかね。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                応答速度はともかく
                彩度が無いとカラー化の意味が薄いと思いますが。
                今時、昔のSTN液晶の品質でドヤられても仕方が無いと思います。

            • by Anonymous Coward

              滲まないならね

        • by Anonymous Coward

          > 動的に変化させる

          簡単ではないと思います。たとえ出来ても何年か先でしょうね。

          マイクロマシン的な技術でサイズを変化させることになるか。
          電気的に物性を変化させて、サイズの変化と等価な働きをさせるか。
          単に薄くて軽い着色済みの板として、他のマイクロマシンを使ったディスプレイの部品として使うか。

          旨い方法を思いついたら特許を取って置くとよいかも。

  • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 16時31分 (#3202931)

    液晶シャッターとくみあわせて反射型ディスプレイとして使えますか?

    • by Anonymous Coward

      使えるだろうが、さほどメリットがあるとは思えない。1画素3原色方式であるかぎり、カラー反射型液晶は
      「(反射光の2/3を捨てているから)白が暗い=コントラストが悪い」という欠点から逃れられない。
      完璧な反射材があったとしても、白色表示時の反射率は33.3%を越えられないわけで、これは新聞紙より「暗い」。

  • by Anonymous Coward on 2017年04月29日 21時45分 (#3203065)

    この研究は黒色を表現する技術で、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に応募。 [asahi.com]
    3年間で計9千万円の助成を受けているという。

    防装庁、「黒」で何がやりたいんだw

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