モントリオール議定書から30年、オゾン層破壊防止に重要な役割 19
次は温暖化 部門より
今から30年前の1987年、オゾン層破壊に繋がる物質の規制を目指したモントリオール議定書がカナダで採択された。この議定書により、世界各国で特定フロンなどの規制が行われたことは知られているが、この議定書が発効していなければ地球のオゾン層破壊は進行し、たった5分の外出だけで紫外線によって皮膚がダメージを受ける世界になっていたかもしれない、という研究結果が報告されているそうだ(ナショナルジオグラフィック)。
米国環境保護庁(EPA)は、もしこの議定書が発効していなかった場合、米国において皮膚がんの発生は2億8000万件、それによる死者は150万人、白内障は4500万件増えたと推定している。さらにほかの研究では気候変動の悪化によるハリケーンやサイクロンの被害拡大の可能性も推定されているそうだ。
いっぽうで、代替フロンに関する問題も残っているという。フロンの代わりに導入されたハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は温室効果が高いため、今後使用を削減する必要がある。さらにHCFCはフロンと比べてオゾン層破係数が低いものの、オゾン層への影響があるという。特にHCFCは開発途上国では廃止に段階的至っていないという。