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2017年11月のサイエンス人気記事トップ10
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教育

PEN樹脂製の食器は有害? 107

ストーリー by hylom
何をもって有害と言っているのか 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

北海道・旭川市が小中学校の給食向けに導入しようとしているポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂製の食器に対し、市民団体などから健康への影響があるとして反発が出ているという(北海道新聞)。

従来は磁器製の食器を使っていたが、PEN樹脂製食器と比べて重く、破損割合も1年で10%と多いという点、そして樹脂製容器と比較して高価といったことからPEN樹脂製容器への切り替えを行う方針としたそうだ。

PEN樹脂は耐久性や耐熱性に優れているという特徴がある(日経テクノロジーOnline)。国内・海外の両方で食器や飲食物などの包装容器として利用されており、融点は268℃程度とのこと。近年食器として使われるほか、最近では飲料用ボトル等の包装材としても使われることもあるようだ。そのため、食品安全委員会での安全性評価も行われているが、その原料や触媒、添加剤については人間の健康に影響を与える可能性は無視できると判断されている(ポリエチレンナフタレートを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装の規格基準の設定に関する部会報告書)。

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地球

地球の自転速度低下により来年は大地震が頻発する? 68

ストーリー by hylom
どちらが先か 部門より

現在地球の自転速度が僅かに遅くなっており、そのために大地震が頻発するという説があるそうだ(GIGAZINEGuardianForbesSlashdot)。

地球の自転速度は月との間の重力の相互作用によって僅かに変化するという。また、巨大地震も地球の自転速度に僅かに影響を与えるそうだ。とはいえ、変化する量はごく僅かで、1日の長さが数ミリ秒ほど変化するという程度のレベルである。いっぽうで、地球の自転速度と大地震の発生に関連性があると主張する人達もいるようだ。

コロラド大学のRoger Bilham氏とモンタナ大学のRebecca Bendick氏が発表した論文によると、地球の自転速度と地震活動には相関関係があり、ここから来年には強い地震が発生する数が増えると予測されるという。

具体的には、自転速度が減少した直後に大地震が頻発するという。2017年は地球の自転速度が減少し始めてから4年目だそうで、この予測が正しいとすると来年には大地震が頻発する可能性があるという。ただ、なぜ自転速度と地震活動に相関が見られたかは分からないようだ。

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宇宙

初の恒星間天体「オウムアムア」は金属質で細長い葉巻形をしていた 54

ストーリー by hylom
次はアダムスキー型に期待 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

ハワイ大学などの研究チームは19日、先月観測された史上初めて発見された恒星間天体「A/2017 U1」に関する研究結果を科学雑誌Natureの電子版に発表した(CNNNHK時事通信Sorae.jp)。

初の恒星間天体と認定された「A/2017 U1」には、ハワイの言葉で「遠い過去からたどり着いた使者」というような意味を持つ「オウムアムア」が命名されている。その後の研究の結果、明るさが大きく変化していることから高速で回転していることが判明。岩石質か金属質で、その形状は長さが幅の10倍もあるような細長い葉巻のような形であろうということも明らかになった。このような特異な形状の天体が観測されたのも初めてだという。

オウムアムアは現在猛スピードで太陽から遠ざかっており、来年5月には木星軌道を、2019年には土星軌道を超えて、そのまま太陽系を離脱していくとみられている。

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地球

「チバニアン(千葉期)」誕生へ 74

ストーリー by hylom
せんようきではない 部門より
NOBAX 曰く、

約77万~12万6千年前の年代が「チバニアン」(千葉時代)と命名される見通しになったそうです。

日本の研究チームとイタリアの研究チームが命名権を競っていましたが、国際地質科学連合の作業部会の審査で、日本が全体の6割以上の支持を得て候補地に選ばれました。正式決定までには、あと3段階の審査がありますが、作業部会の結論が覆ったことはほとんどないそうです。

千葉に東京ディズニーランドと成田山新勝寺の他に観光名所が出来るのはご同慶の至り。

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バイオテック

「クローンは早死にする」は誤り、クローン羊ドリーの遺体を調査した新研究 55

ストーリー by hylom
まだまだサンプルが必要なのではないか 部門より

世界初のほ乳類の体細胞クローンとして生まれ、2003年に安楽死させられた羊「ドリー」は、「生まれつき老化している」という研究が発表され、そのため「クローンは長生きできない」という説が生まれていた。しかし、その後ドリーと同じ細胞から作られたクローン羊が長生きしていることが明らかになっており、「クローンは長生きできない」説には否定的な意見が出ている。そして、このたび発表された新たな論文によると、ドリーが患っていた変形性関節症はクローンが要因ではなく、羊では珍しくないものだったという(AFPConversationABC)。

ドリーの死後から14年以上が経過しているが、ドリーの遺体の一部はスコットランドで保管されていたそうだ。今回の研究では保管されていた脚の骨に対しX線検査を行い調査したという。その結果、ドリーの変形性関節症は同年代の羊にはしばしば見られる疾患であったことが分かったという。また、ドリーと同様にクローン技術で生み出されたクローン羊13匹についてはこの関節症は見られなかったという。

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原子力

京大らの研究チーム、雷による核反応を解明 75

ストーリー by hylom
まだ未知のものがあったとは 部門より

京都大学や東京大学、北海道大学、日本原子力研究開発機構などの研究グループが、落雷によってガンマ線が発生する原子核反応を確認したと発表した(京都大学の発表Nature誌掲載論文)。

雷雲の接近に伴ってガンマ線が発生する現象は以前より確認されていたが、これは雷雲が加速器のように働くことで電子が加速され、これが大気の分子に衝突するのが原因だった。

いっぽうこれとは別に、1秒以下の短時間に強力なガンマ線が発生する現象も確認されていたあという。この現象の詳細を確認するため、研究グループは地上の多地点に放射線検出器を設置し、現象を観測したという。その結果、「雷による光核反応」によってガンマ線が生じていたことが分かったという。

これによると、短時間での強力なガンマ線は次の原理で発生していたと説明できるという。

  1. 雷が地表に向けて放射したガンマ線 (TGF) により、大気中の窒素14Nが原子核反応(光核反応)を起こし、中性子と不安定な窒素の放射性同位体13Nを生成する。
  2. 生成した中性子は大気中で徐々にエネルギーを失いつつ広がる。最終的に大気中や地表の原子核に吸収されてガンマ線を放射し「ショートバースト」として観測される。
  3. 不安定な窒素同位体13Nは、雷雲とともに風下に運ばれ、徐々にベータプラス崩壊して13Cに変わっていく。この際に陽電子が放出され、大気中の電子と対消滅して、0.511MeVガンマ線を出す。これが35秒遅れて検出された対消滅ガンマ線である。

これらは雷が原子核との光核反応を起こしている証拠となり、今後雷の研究に原子核の視点を入れることで、陽電子や中性子を使った観測手法の開拓が期待できるという。また、雷によって炭素や窒素、酸素の同位体が生成されている事実も重要だとされている。

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サイエンス

うんこには個人差があり、指紋のように使える可能性がある 51

ストーリー by hylom
黙秘も難しい 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

人間の排泄物に含まれる細菌類の分布は人ごとに異なるという。これを利用し、排泄物を使って個人を特定できる可能性があるという(AFP)。

ちなみにうんこ本体だけでなく、拭き取ったもの、つまりトイレットペーパーに付着した便からでも個人を特定できる可能性があるようだ。実験では1970年の排泄物に含まれる細菌類の半数近くが現在の排泄物にも含まれていたとのことで、排泄から長時間が経っても個人の特定に使える(かもしれない)あたりが特徴。

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火星

火星の地表に繰り返し出現する筋は水の流れた跡ではなく、乾いた砂が斜面を滑り落ちたものだという研究結果 56

ストーリー by headless
風紋 部門より
火星地表の斜面に繰り返し出現する筋(RSL)は水の流れによるものではなく、乾いた砂や塵が滑り落ちることによって発生するとの研究成果を米地質学研究所(USGS)および米アリゾナ大学、英ダラム大学、米惑星科学研究所(PSI)の研究グループが発表した(USGSのニュースリリースUANewsの記事ダラム大学のニュース記事PSIのプレスリリース論文アブストラクト)。

2011年に発見されたRSLは火星で地表温度の上がる季節に出現し、温度の下がる季節には消えることから、液体の水が流れている可能性が指摘されていた。2015年にはNASAがRSLに含水塩の存在を確認したと発表し、水が流れている可能性が高まったと考えられていた。

しかし、研究グループが地形学的に分析したところ、RSLは斜面の傾きが大きい場所で長くなるなど、乾いた粒子が斜面を滑り落ちる動きに一致したという。斜面を水が流れる場合には長さが水の分量に左右されるうえ、水が斜面の上部からのみ流れ出すことも考えにくいとのこと。

季節ごとに砂が流れ出す仕組みについては判明しておらず、含水塩が検出されていることから水が何らかのかかわりを持つ可能性もある。ただし、液体の水はごく微量であるか、まったくないと考えられるとのことだ。
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地球

40年にわたる北極および南極の海氷観測、中断の危機。米国衛星の不具合が原因 42

ストーリー by hylom
ここでデータが消えるのは痛手 部門より
taraiok曰く、

米国雪氷データセンター(NSIDC)が1979年から40年間にわたって実施してきた観測衛星による「北極および南極の海氷指標」が中断される危機に陥っている。このデータは気候変動を知る上で重要なもの。しかし、マイクロ波センサーを使って氷の広がりを測定する米国の軍事衛星は8、11、14歳とすでに老朽化している。2014年に打ち上げられた比較的新しい衛星は不具合が発生。今月に入って制御不能になったという。同等のマイクロ波センサーを搭載した米国の衛星は予算が下りず、2022年代まで打ち上げの予定はない(Scientific AmericanSpaceNewsSlashdot)。

40年続けられてきた記録がいったん途絶えてしまえば、以前の記録と正確な比較ができなくなる。そこで、日本の「しずく」からマイクロ波センサーの海氷データを入手するテストを開始しているが、こちらも打ち上げから5年が経過している。新たな選択肢として中国の衛星からのデータ提供も検討された。しかし、米国議会は2011年以降、NASAの科学者が中国の科学者と協力することを禁止しているため実現不可能だと見られている。

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地球

大西洋クロマグロ、漁獲規制で回復の見込み 46

ストーリー by hylom
太平洋側でもこれくらいきっちりやれるとよいのですが 部門より

乱獲によるマグロの個体数減少が問題となっており、とくにクロマグロについては絶滅の危機と言われるほどの状況となっていた。しかし、漁獲規制によって大西洋クロマグロの資源量は回復、漁獲量が増える見通しだという(Yahoo!ニュース)。

漁獲規制については日欧で取引を追跡する仕組みを作り、不正漁獲ができないようにした点が大きいという。これによって産卵量が増え、急激に個体数が回復したようだ。これにより、2014年には1万3400トンに制限されていた漁獲量が2020年には3万6000トンにまで増やされる見込みだという。また、これに伴って日本への配分量も1140トンから2801トンになるようだ。

なお、日本周辺に生息する太平洋クロマグロについては漁獲規制が難航、違法操業なども続いているという。

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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