磁性体中で電流を曲げることで温度変化が発生する「異方性磁気ペルチェ効果」の観測に成功 17
ストーリー by hylom
なぜ今まで観測されていなかったのだろう 部門より
なぜ今まで観測されていなかったのだろう 部門より
物質・材料研究機構(NIMS)と東北大学が、「異方性磁気ペルチェ効果」の観測に世界で初めて成功した(発表資料、NHK)。
異なる2つの金属を接合して電流を流すと、接合点で熱の吸収や放出が発生する。これは「ペルチェ効果」と名付けられており、吸収・放出される熱量は電流およびペルチェ係数と呼ばれる物質毎に異なる係数で決定される。今回観測された異方性磁気ペルチェ効果は、磁性体においてこのペルチェ係数が磁化の角度に依存して変化すると言うもの。例えば磁化が電流と平行な場合と直行している場合とではペルチェ係数が変化する。
これを利用すると、磁性体中の磁化の分布を変えるだけでペルチェ係数が異なる物質を接合したような状態を作り出すことができ、そこに電流を流すことで発熱・吸熱を発生させることができると予測されていた。
今回研究グループはニッケルをコの字型に加工して一様に磁化させることで、場所によって磁化の方向が異なる状態を作り出し、そこに電流を流した。その結果、コの字型の角の部分で温度変化を観測することができたという。
この現象は50年前に予測されていたものの、今まで観測されてはいなかったそうだ。
従来のペルチェ効果との違い (スコア:1)
ほーん。何に使うん?と思ったが発表資料に書いてあった。
・異なる物質の接合の無い、単一の磁性体による電子冷却
・磁性体の形状や磁化分布を変えることによる、熱電変換特性の再構成
・局所的に磁化させることによる任意箇所の温度変調
おもしろそう。
Re: (スコア:0)
方向が変わったところで熱が発生することを逆にとって、構造物のストレステストに。
力が加わってゆがむとそれが温度変化として現れる。
Re:従来のペルチェ効果との違い (スコア:1)
構造物が異方性磁気ペルチェ効果を示す材料でできてないと…。
Re: (スコア:0)
ひらめいた。
あんまり強度の無い磁性体を使って構造物を作るより、普通の鉄材で構造物を作ったらメンテコストが下げられないか?
Re:従来のペルチェ効果との違い (スコア:2)
メンテコストが、ストレステストに何の関係が?
Re: (スコア:0)
現象が微細すぎるので世に出てくるにはもっとひねった応用のされ方が必要な気が。
方便なんでしょうけど、科学が目的の基礎研究だろうに壮大な応用例を出すのはあんまりなぁ。
直行? (スコア:1)
# 原文読んだらやはり直交でした
なんで? 観測されていなかったんでしょう (スコア:0)
>この現象は50年前に予測されていたものの、今まで観測されてはいなかった
発表資料見たら書いてありましたね
>ロックインサーモグラフィ法
ふむふむ、印加電流を変調しといて分離と。
ジュール熱とかと分離するのが難しかったということは
この効果による熱量がとても微量ということなのかな
Re:なんで? 観測されていなかったんでしょう (スコア:1)
サーモグラフィの映像あったけど単位がmKだったよ!
Re: (スコア:0)
hylomかと思った
Re: (スコア:0)
ペルチェ自体が効率良くないし(効率よかったら民生の冷蔵庫に使われる)、まず磁場の印加に電力を消費するし、その上で冷却作用を示すのがカーブ領域かつ片方だけ。
ちょっと使いにくいですよね。
HDDの電力供給ケーブルをオーディオ回路並みのプレートにして、スピンドルモーターの磁力とモーターの消費電力を使ってHDDを微妙に冷却する...とかですかね? すぐできそうな使い道は。
Re:なんで? 観測されていなかったんでしょう (スコア:1)
コンプレッサーが搭載できない小型の冷蔵庫は大体ペルチェ式ではない?最終的にヒートシンクに風を送って熱を外に出しているけど。ペルチェでもちゃんと冷えるっていうか、逆に凍ったり、霜がつきやすい。
Re: (スコア:0)
ペルチェ式のちっちゃな(ちゃちな)冷蔵庫を買いましたけど、冷えたのは最初だけで、すぐに冷えなくなりました・・・・
Re: (スコア:0)
電力効率は確かに悪いぞ。
だからサイズが上がると直ぐにフツーのヒートポンプになっちゃう。
たまーに音とか可搬性を考える事もあるのだけども。
獲った狸の皮算用 (スコア:0)
今年の話なら鬼は笑わぬが、来年以降なら高笑い。
# ノーベル物理学賞は理論の実証も賞するそうですから。
Re: (スコア:0)
???
ベルチェ、だと思い込んでいた…… (スコア:0)
昨日このストーリーを見たとき
「今までずっとベルチェだと思ってた!ペルチェだったのか!」
って思ったんだけど……
もしかすると、今まで何度か「ペルチェだったの!?」と思ったのに忘れてた疑惑が起こるくらい自分が信用できないことに気づいた。
もう年だ……他人に「シュミレーションとか書いてんじゃねーよー」とかいえない……