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サイエンス

新石器時代の欧州、寒冷な地域への農業拡大にチーズが大きな役割を果たす 48

ストーリー by headless
乳糖 部門より
クロアチアのアドリア海沿岸で出土した新石器時代の土器から、およそ7,200年前のチーズ製造の痕跡が発見された(論文ペンシルベニア州立大学のニュース記事Ars Technicaの記事)。

この地域では7,700年ほど前の土器から動物の乳を入れていた痕跡が見つかっているが、新石器時代初期の欧州で農耕をする成人には乳糖耐性がなく、乳糖耐性を持つ成人が増加したのは約5,000年前以降であることがDNA分析で明らかになっている。一方、子供は離乳後も最大10歳まで乳糖耐性があるため、栄養価が高く病原菌汚染の可能性が低い乳を摂取することで生存率が大幅に向上した。さらに離乳時期を早めることが可能になり、出産間隔も短くなったため、人口増加に大きく寄与したとみられる。

発酵乳から乳清を除いて作るチーズの場合、乳糖が大幅に減少するため、乳糖不耐性の成人も乳製品摂取の利益を受けられるようになった。また、保存性が高く持ち運びやすいため、食料の確保を安定させることができる。今回発見されたチーズ製造の痕跡は欧州中部に農業が拡大したのと同時代であり、紀元前5300年までには発酵乳が補助食品として確立され、より寒冷な地域への農業拡大に大きな役割を果たしたとのこと。

これまでに地中海地域で見つかっていたチーズ製造の証拠は青銅器時代のものであり、今回の発見は地中海地域で最古のものとなる。また、世界全体でも最古のものの一つに数えられるとのことだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Technobose (6861) on 2018年09月16日 19時20分 (#3481835) 日記

     牧畜という新技術に適応して、牛乳などを飲めるように適応していく。
     いっぼう新たな食料を手に入れて、それを活かすために新たな加工技術を開発していく。
     これらが相乗効果となって、新たな生活圏を獲得していき、また新たな食料や技術を手に入れていく。
     こういう話って、すごくロマンが感じられる。

  • by Anonymous Coward on 2018年09月16日 19時34分 (#3481836)

    不耐性だからといって牛乳飲んだら死ぬわけでもないし深刻な状態になる人ばかりでもないよね
    実際、日本人のほとんどは不耐性とか言うけど牛乳飲んでも生活に支障ない人の方が多いし
    乳糖耐性については大袈裟な人が多い気がする

    • by Anonymous Coward on 2018年09月16日 20時18分 (#3481847)

      朝、学校や会社に行く前に牛乳飲んでその後にバスや電車内で腹痛に見舞われたら支障あるかなと。
      結構急に腹に来るので、電車を降りて急いでトイレに駆け込まないとならない。
      すぐにトイレに行けないとき、脂汗流すくらいに我慢してるときは相当ツラい。大袈裟なんかじゃなくて。

      厄介なのが、毎日牛乳飲み続けていると平気になるという場合(ここは人による)。
      数日〜1週間くらい飲まずにいたときに飲むと下す。
      「自分がそういう体質なんだ」ってのが分かっていれば避けようと思えば避けれるからそうそう支障が
      出ることはないけど、その体質をつかむまでは結構大変よ。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        それは過敏性腸症候群(大腸)との違いを本人が区別付いているのか?

      • by Anonymous Coward

        乳糖耐性って一般に成長するにつれて減ってく物って事自体知らんかったが

        > その体質をつかむまでは結構大変よ。
        牛乳飲むと腹を下しやすくなるってのに気付いた時はちょっとショックだったなぁ…
        フルグラとかシリアルに牛乳かけて食うの好きだったのに、
        ヨーグルトやアカディみたいなのでしかできなくなってしまい食べることがめっきり減った…

    • by Anonymous Coward on 2018年09月16日 19時52分 (#3481841)

      このCM30年前かな?俺も思春期前で「何言ってんだこれ」と思っていたが
      加齢で乳糖を消化できなくなるらしいぜ
      それを踏まえてないとわからないメッセージ

      親コメント
    • >牛乳飲んでも生活に支障ない人の方が多いし

       映画「黄色いハンカチ」で武田鉄矢が搾りたての牛乳を飲んだシーンを連想してしまった。
       現在、市中に出回っている牛乳って、殺菌したり、いろいろ加工してるんじゃないかしら。

      • by Anonymous Coward

        殺菌とか全然関係ない話ですよ

    • by Anonymous Coward

      牛乳を飲んでも体の調子が悪くならないという話ではなくて。
      乳糖が消化できるから栄養面で有利になって種族の生存の可能性が高まるということなんでは。

      • by Anonymous Coward

        うん、だから元コメはたぶん
        「それよく言われるけど淘汰圧になるほどか?」
        って言ってるんでしょ。

        • by Anonymous Coward
          もちろんだよ
          だからイケメンは若い子ばっかりだしハゲなんかおっさんばっかりだ
        • by Anonymous Coward

          日本人の乳糖不耐性と古代人の乳糖不耐性が同じものなのか、古代人の食事の乳糖の割合や代替品の入手、
          わからないまま淘汰圧になるかどうか議論してもまともな結論出ない。まずは論文読んでからだねー

        • by Anonymous Coward

          下痢や栄養失調を甘く見すぎだよね。
          衛生状態が良くてカロリー過多な現代日本に毒されすぎ。

          (海外)旅行するときは、生水飲むなとか言われない?医療保険入っとけって言われない?
          生水飲んだだけでも一定確率で腹壊すし、その時病院にいって治療受けられなければ
          回復までに時間かかるだろう。

          コンビニも冷蔵庫も無かった時代なら、食糧確保に失敗して飢え死にする可能性だってある。

          そもそも牛乳飲むのはそれで栄養を得るためなんだから、頻繁に腹壊すようなら耐性のない人なら
          飲まない方がマシ。耐性のある人は牛乳からも栄養を摂取できる一方で、ない人はできない。
          この差は決定的だったのだろう。

          • by Anonymous Coward

            そういう意味じゃなくて
            栄養状態の悪い生活環境下で乳糖を分解し栄養を得ることが可能になったから生存率が上がったって話

            「おなか壊して大変だー」って話はない

            • by Anonymous Coward

              なぜそのコメントをここにつけるのか分からない

      • by Anonymous Coward

        搾りたてを飲んでる分には、病原菌を含まない、ということが
        乳糖の栄養素よりも重要だと思います。
        大人でも免疫力が低下している時期に生水に当たると命に関わりますし。

        • by Anonymous Coward

          手で絞る時にバケツに牛の排泄物が入ってしまうそうだよ。
          確かテレビで見た記憶がある。
          今は機械で絞るから大丈夫だろうけど。

    • by Anonymous Coward

      記憶曖昧だが、大量に飲む場合、欧米人と比べて弱いそうだ。
      で、その大量てのはすごい大量だったような。
      ふだんの生活で飲む程度は、たいていは問題なく消化できる。とのこと。

    • by Anonymous Coward

      ジャガイモみたいに、牛乳飲む→腹痛の因果関係があるだけで摂取されなくなるんじゃ無い?

    • 一昔前の小学生とか牛乳嫌いな子の方が多かったような気がする。
      でも給食で強制的に飲まされて、飲めなかったら飲めるまで休み時間も無しみたいな。
      そういう仕打ち受けた子供が成人後に子孫を残せなくても不思議ではない。

      オマエに同じ下痢を味わわせてやりたい。

      • 一昔前っていつだよ。
        ぼくの経験('70年代前半)では、好き嫌いはともかくあの瓶一本飲めない子はほぼいなかったし、むしろ給食のおかずがまずくて食えない方が問題(問題にされてない)だったけどな。

        親コメント
        • 赤子の段階で乳糖不耐性だと、母乳が飲めないので普通は生き延びることができない。だから、そういうケースには強い淘汰圧が働いて、人間は子供の頃は乳糖耐性がある。一方、成体に乳糖耐性がない場合、母乳が母自身を含めた他の成体に略奪されて赤子が生き延びることができない。従って、哺乳類全体の約束事として、大人は乳を飲まない。

          という前提で考えると、小学1年生はほぼ全員乳糖耐性がある。逆に、小学6年生の過半数には本来はない。しかし、給食は毎食牛乳が出るから、ほとんどの人が乳糖耐性を維持したまま卒業できる。一方、給食が始まったころの世代だと小学6年生では飲めない人が多かっただろうね。脱脂粉乳の世代。

          親コメント
          • > 一方、給食が始まったころの世代だと小学6年生では飲めない人が多かっただろうね。脱脂粉乳の世代。

            脱脂粉乳にも乳糖はしっかり含まれてるようですが。
            http://www.meg-snow.com/customer/faq/food.html [meg-snow.com]

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              だから、給食で脱脂粉乳が出てた世代だよ。戦後すぐに乳業が発達してるわけないから輸入というか、冷蔵庫がない時代にアメリカから持ってきてたんだよ。

            • by Anonymous Coward

              脱脂粉乳が飲めないというのは多くの場合、
              不味くて飲めない、
              というもので、乳糖耐性とは別の問題です。

          • by Anonymous Coward

            乳糖を摂取し続けていると乳糖体制を維持できるんですか?本当ですか?嘘くさいです

            • by Anonymous Coward

              生物は色々な状況に順応していくからな。
              筋力的負荷で筋肉量が増えたり、
              気温で発汗量やらが変化したり、
              酸素濃度で高度順応が起きたり。

              限度は有るにせよ、ラクターゼの生産能力も順応するだろうし、
              乳糖を糧とする腸内細菌も乳糖取ってりゃ増えるだろう。

      • by Anonymous Coward

        どうせ中学で食堂弁当選択制になった時点でもう飲まないしな

        • by Anonymous Coward

          中学でも給食のところは多いが

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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー

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