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2019年1月のサイエンス人気記事トップ10
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数学

米フロリダ州の男性、わずか4回の試行で51番目のメルセンヌ素数を発見 53

ストーリー by headless
幸運 部門より
Great Internet Mersenne Prime Search(GIMPS)は12月21日、これまで知られている中で最大の素数かつ51番目のメルセンヌ素数となる、282,589,933-1(M82589933)が12月7日に発見されたことを発表した(プレスリリースThe Registerの記事)。

発見に使われたコンピューター資源を提供したのは、米国・フロリダ州のITプロフェッショナルの男性だ。この男性は何年にもわたってGIMPSのソフトウェアをコンピューターのストレステストとして使用しており、プロジェクトへの恩返しとしてメディアサーバーで素数の探索を最近開始したそうだ。

GIMPS参加者の中には20年以上にわたる数万回の試行で探索に成功しない人もいる中、この男性は4か月未満、わずか4回の試行でM82589933を発見したという。男性のメディアサーバーはIntel Core i5-4590T(4コア4スレッド)を搭載したもので、素数であることの確認に連続稼働で12日間を要しているが、GIMPSでは豊富なコンピューター資源がなくても十分に戦えることを示すものだと述べている。

M82589933は桁数にして24,862,048桁。これまで最大だった素数M77232917よりも160万桁以上多い。ZIPファイルで公開されているM82589933のテキストファイルを展開すると24.1MBとなり、100桁ごとに改行されたテキストは248,621行におよぶ。
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宇宙

中国の月面探査機「嫦娥四号」、人類史上初めての月裏側への軟着陸に成功する 85

ストーリー by hylom
見えないところに到着 部門より
masakun曰く、

2018年12月8日に打ち上げられた中国の月面探査機「嫦娥四号」が今年1月3日、月面裏側にあるフォン・カルマン・クレーター(東経177.6度、南緯45.5度付近)に軟着陸し、世界初となる近距離撮影の月面画像を送信した(sorae中華人民共和国国家航天局の発表BBCWIRED)。

「嫦娥四号」は着陸船と月面車「玉兔二号」で構成されており、海外製の科学機器も搭載されている(月面探査ステーション)。これらによって月面を走破しながら表層の鉱物や水を調査したり、月裏側の中性子線量や中性原子などの月環境研究を行える。ここで行なわれる低周波電波天文観測は恒星の起源と星雲の進化についての重要な情報をもたらしてくれるであろうと期待されている。

なお、「嫦娥四号」と地球との交信はラグランジュ点に配置された「鵲橋」衛星の中継通信リンクを介して行われる。

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サイエンス

水と空気と電力だけでアンモニアを合成するという手法が考案される 71

ストーリー by hylom
大規模化できるのだろうか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

窒素系肥料やさまざまな化学品の原料となっているアンモニアは、水素と窒素から合成するハーバー・ボッシュ法で生産するのが一般的だが、このたび九州工業大学の研究者らが水と空気だけからアンモニアを合成する新手法を開発したという(西日本新聞)。

この研究は以前より進められていたもので、水と接した空気に電流を流すことで空気中の窒素原子と水の表面の水素原子が結合してアンモニアが生成されるという。すでに実験室レベルでは合成に成功しており、今後実用化に向けた実証実験を進めているという。

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テクノロジー

上野動物園モノレール運行休止、今後は検討 88

ストーリー by headless
休止 部門より
maia 曰く、

東京都交通局は23日、上野動物園モノレールを11月1日から運行休止すると発表した。今後については「都民等の意見を伺いながら検討する」という(報道発表YOMIURI ONLINEの記事)。

現行車両は昨年11月~12月の定期点検で安全性を確認しているが、運行開始から17年が経過しているため経年劣化が著しい。車両製造には3年、10数億円かかり、また電気設備等の大規模更新の必要もある。上野動物園のモノレールは現在が4代目だが、過去にも休止や廃止検討を繰り返し、その度に復活してきたらしい。モノレールの実験線の性格が強かったが、長年親しまれており、営業も黒字であった。今やミッドセンチュリーのレトロフューチャー感を偲ばせる文化財として見直すべきではなかろうか。5代目は初代ないし計画段階のデザインを復活させてはどうか。

そんな折も折、24日に車両故障(ベアリング故障)が発生し、当面の間運行見合わせとなってしまった(緊急ニュース)。

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医療

イーロン・マスク氏曰く、頭蓋骨にAIチップを搭載した強化人間こそが人類を救う 60

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マッドサイエンティストだ 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

イーロン・マスク氏は、人間の頭蓋骨に人工知能を備えたチップを埋め込むことこそが、人類を救う手段だと考えているようだ。身体に人工知能チップを埋め込むことで、人間は進化に必要な「デジタル知性」を獲得し、現在の生物における知性の限界を超えられるとしている。むしろ、こうした抜本的な措置を講じなければ、人類に未来はないというのがイーロン・マスク氏の主張であるようだ。そして、彼の持つ企業の一つ「Neuralink」はその目的のために作られた企業であると認めたという。

Neuralinkは、神経と接続可能なミクロレベル電極を開発し、認知症や麻痺のような病気を直す「医療研究」を目的とした企業だとされてきた。しかし、病気治療するために脳に電極を埋め込むことと、人間の知能を拡張するために人工知能チップを埋め込むことでは、大きなギャップがある。

このチップを埋め込まれた強化人間が実現すれば、どんな質問にでも答えることができ、記録された映像や写真を完璧に思い出せる。イーロン・マスク氏は、これが実現すれば「超人的な認識力を持つ人間が誕生するでしょう」とコメントしている(iTMunchSlashdot)。

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地球

西から昇ったおひさまが東京スカイツリーのエレベーターで見えるのだ 54

ストーリー by hylom
着眼点だけでもう素晴らしい 部門より

スカイツリーを利用すると「西から昇る太陽」を見られるそうだ。太陽が沈んだ直後にスカイツリーのエレベータに乗って地上350メートルの高い場所に移動すれば、その過程で太陽が再び昇っていくように見えるという(朝日新聞)。

これは、理数教育研究所が主催する「算数・数学の自由研究作品コンクール」に応募された、青森県弘前市・弘前大学教育学部付属中学校の生徒によって考案されたもの。この研究では日没の50秒後にどれだけの高さの場所に移動すれば再び太陽が見えるようになるかを計算し、その結果「35メートル」という結論が出たという。

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バイオテック

人工肉バーガーはリアル肉バーガーに追いついた? 56

ストーリー by hylom
美味しいなら多少高くても食べたい人はいるかも 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

大豆などから作成された人工肉のハンバーグというと豆腐ハンバーグのようなものをイメージしがちだが、最新の人工肉ハンバーガーはもはや普通の肉を使ったハンバーガーと遜色無いレベルまで成長を遂げているという(ギズモード・ジャパンEngadget日本版CMET)。

これは米ラスベガスのCES2019で提供された「Impossible Burger 2.0」のレビューによるもの。Impossible Burger 2.0は大豆タンパク質を原料とする人工肉で、既に提供されている1.0が「おがくずみたいな味」と酷評されることもあったのに対して、2.0は「マジでうまい」「肉汁(?)が多くなり、食感も本物と変わらなくなった」と非常に好評を博している。

販売元では、ハンバーガーだけでなくたとえばシチューやミートボール、餃子などあらゆる挽き肉料理に理想的な食材になったと豪語しており、1月8日よりラスベガスのレストランで提供を開始した他、今後3月中旬までに全米の提携レストランやファーストフードチェーンに拡大、さらに年内には一部スーパーでも取り扱いを開始するとしている。SFでは味の劣る安い代用食というイメージの人工肉だが、現実では美味しい食材として普及していくのかもしれない。

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バイオテック

中国政府、「遺伝子編集の双子誕生」について事実と確認。主導した研究者は死刑の可能性も 61

ストーリー by hylom
興味深い対応 部門より

昨年11月、中国の研究者が遺伝子編集でHIV耐性を持つ子供を誕生させたことを明らかにしたが、中国当局の調査チームの調査でこれが事実であることが確認されたという(朝日新聞読売新聞日経新聞時事通信)。また、同様の処置が施された子供を別の1人が妊娠中との話も出ている。

また、実験の実施に当たって提出されていた「倫理審査書」が偽造されていたことも確認されたという。この実験は中国の法律に違反しているとされ、この実験を主導した南方科技大の賀建奎副教授は処罰されるとのことで、死刑の可能性もあるようだ(Newsweek。)。

賀氏は昨年12月に「行方不明」とも報じられていたが、複数のメディアによると氏は軟禁状態になっているという(産経新聞New York Times)。

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数学

リーマン予想を証明したとする論文を発表していたマイケル・アティヤ氏が死去、論文は撤回に 45

ストーリー by hylom
残念 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

リーマン予想を証明したとして論文を発表していたマイケル・アティヤ氏(過去記事)が死去していたことが報じられている(朝日新聞英王立協会の発表)。

続報によると、アティヤ氏は1月11日、89歳で死去したとのこと。また、リーマン予想を証明する論文は撤回されたという。

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月

中国・月面での超小型バイオスフィア実験、夜に入って実験終了 52

ストーリー by headless
凍結 部門より
月の裏側に着陸した中国の嫦娥4号着陸機には重慶大学が開発した超小型のバイオスフィア実験装置が搭載されており、ワタの種子を発芽させることに成功していたが、着陸地点が夜になったことで実験は終了となったようだ( 新華網の記事The Registerの記事重慶大学のニュース記事)。

この装置は直径173mm、高さ198.3mmのアルミニウム合金製で、実験用生物としてはワタのほかアブラナやジャガイモ、シロイヌナズナの種子とキイロショウジョウバエの卵、酵母の6種類が搭載されている。水や土、空気、温度調整装置、記録用カメラを含む総重量は2.608kg、内部のスペースは1リットルほどだという。4種の種子のうちワタとアブラナ、ジャガイモは人間の生活に必要な作物となるために選ばれ、シロイヌナズナは成長の早さから選ばれたとのこと。

装置は着陸初日の3日から稼働し、7日にはワタの種子の発芽が確認される。植物栽培実験国際宇宙ステーションでも行われているが、地球以外の天体上で植物の種が発芽するのは世界初だという。しかし、12日には地上から装置にシャットダウンコマンドが送られ、電源が切られる。現在、着陸地点は夜になっており、電源の切れた装置内部は氷点下52度に達するため、内部の生物はすべて凍ってしまったとみられ、実験も終了となった。

新華網の記事では夜になって着陸機がスリープモードに入ったと書かれているが、装置にはバッテリーも搭載されているため、この時点でなぜシャットダウンしたのかは不明だ。
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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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