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医療

眼に注射すると近赤外線が見えるようになるナノ分子 46

ストーリー by headless
変換 部門より
光受容体に結合し、光の波長をアップコンバートするナノ分子(pbUCNP)を哺乳類の眼に注射することで、近赤外線が光として見えるようになるという研究成果が発表された(論文The Registerの記事SlashGearの記事)。

哺乳類の光受容体は波長が700nmを超える近赤外線を検出できない。中国科学技術大学とマサチューセッツ大学メディカルスクールの研究グループはピーク波長980nmの近赤外線を照射することでピーク波長535nmの光を発するナノ分子(UCNP)を合成し、マウスの網膜下腔へ注射した。光受容体にUCNPが結合したマウスに波長980nmの近赤外線を照射すると瞳孔の収縮がみられ、近赤外線で照されている場所を明るい場所と同様に避けるようになったという。

また、可視光線による特定の形状と関連付けられた隠しプラットフォームを見つけるよう訓練したマウスに注射したところ、近赤外線による形状を識別可能になったそうだ。使用した近赤外線LEDから波長900nm以下の光は検出されず、注射しなかった対照群のマウスにこれらの現象はみられなかったとのこと。

注射したマウスの網膜にはわずかな炎症が起きていたものの重大な副作用はなく、可視光線の認識への影響がない一方で、10週間後にも効果は持続していたという。このようなナノ分子は視覚の強化に役立つだけでなく、眼病の治療や視覚に関連する動物の行動研究にも役立つとのことだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by pongchang (31613) on 2019年03月04日 4時40分 (#3574214) 日記
    Computed Radiography、プレートに当たったX線が蛍光体を励起発光させ、それを読み取る
    https://www.fujifilm.co.jp/innovation/achievements/fcr/
    https://www.konicaminolta.jp/healthcare/technique/m_plate/03.html
    やってくれるかい。
  • by manmos (29892) on 2019年03月04日 10時20分 (#3574259) 日記

    チャンネル変わるとき情報を受け取る。

    #900nmってリモコンのIR LEDよりちょっと短いか…

  • by nemui4 (20313) on 2019年03月03日 12時01分 (#3574043) 日記

    夜目がきくようになるのかな。
    中国だとガンガン実験進めて実用化早そう。
    NIRは医用レーザとかでもよく使われてるイメージだけど関係ないか。

    • Re:NIR (スコア:3, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2019年03月03日 12時58分 (#3574048)

      白い服が透けて見えるようになったり

      親コメント
    • by wolf03 (39616) on 2019年03月03日 12時20分 (#3574044) 日記
      それよりも、遠近乱視を何とかして欲しい
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        なんと言っても老眼だな・・・・
        #元々近視なんだけど、メガネの着け外しがうっとおしい

    • by Anonymous Coward

      赤外線ライトで照らすと、普通の兵士は何も感じないのに
      この強化を受けた兵士だけ「うおっまぶしっ」となるわけですね

      # ネタが古い

    • by Anonymous Coward

      リディックみたく昼はサングラス必須かも

      • by Anonymous Coward

        リックディアスに乗っているシャーさんですね。

        クワトロだった・・・

    • by Anonymous Coward

      『眼癌』実験だとすると、多分、ピッチャーの投げたボールが止まって見えるんだな。
      実はそれをキャッチしたのがオリンピックの協議から野球が無くなった理由だったに違いない。

  • by the.ACount (31144) on 2019年03月03日 13時18分 (#3574052)

    これってカーボンナノチューブの親戚の意味で使ってるんか?
    単なる巨大分子の意味じゃないよな。

    --
    the.ACount
    • by Anonymous Coward

      UCNPで検索すると普通にナノ粒子、という訳語が使われているようですね。
      長波長の複数の光子を吸収して短波長の光子を放出する、との事。

  • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 12時25分 (#3574046)

    非侵襲性のメガネみたいなモノを作らずいきなり生体センサー側にアプローチをかけるとは...
    メガネだと表面のちょっとした汚染で効果喪失してしまうんだろうか?

    • by Anonymous Coward

      通過する光の波長を変換するのではなくて赤外線を受けて可視光で発光するのだから、入射光と同じ向きに可視光がでるのではなく全方向に広がるのでしょう。
      なので、焦点で結像したところ(つまり網膜)に置いてそのすぐ近傍の錐体細胞・桿体細胞に直接感じさせないと映像として認識できないんじゃないかと。

    • by Anonymous Coward

      暗視メガネは既出。

      あと、ほんとに光の波長を変換してるのかな。波長が短い方へ変換する蛍光体は原理的にも難しいはずだけど。それが簡単なら、青色LEDの重要性がかなり減る。周りの受容体を反応させる謎の刺激とかだったりしない?

      • by Anonymous Coward

        ちょっと古い(2000年)だけど、下記にあるように波長を短い方に変換する技術は昔から製品に使われている。
        波長変換による短波長光発生技術 [ushio.co.jp]
        ただ、変換効率やら出力やらに制約があるので、青色LEDが実用化したのはとても重要なのよ。

        • by Anonymous Coward

          リンク先のような方式ですと、ナノ粒子に実装出来るのかという疑問が。とはいえ、論文をちらっと読んでみると、やっぱりちゃんと波長変換してるんですね…。変換効率は低いけど、受容体を反応させるぐらいならなんとか十分、というような具合なんでしょうかね。

        • by Anonymous Coward

          短波長のほうがエネルギーが高いので単純に変換するのは難しそうですねぇ。

          横にそれますが、リンク先、中身はよく理解できませんでしたが、某編集者並みの誤字が・・・・(大汗)
          #「為される」⇒「偽られる」とか(苦笑)

  • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 12時33分 (#3574047)

    物体が発する熱をそのまま見られるようになって、夜間でも照明いらずなのに。
    そうしたら、軍の特殊部隊などにそういう手術を施すところが出てきそうだ。
    瞼を閉じても暗くならないんで、寝るときは特製のゴーグルが必要とか、SFの世界だなぁ、わくわく。

    • by AkiraShino (5809) on 2019年03月03日 15時12分 (#3574075)

       100℃ぐらいまで見えるようになると、銀蝋づけ、半田付けのあとで、十分冷める前に触ってしまってやけどすることなくなるなあ。

       小手先がまぶしくて見えなくなるからダメか……。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      ゴーグルつけてもダメじゃん
      まぶたとか眼球の熱を見ちゃうんだから

      • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 13時29分 (#3574055)

        冷えピタの出番ですね

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        だから冷却された疑似黒体のゴーグルをつけて、目を開いたまま寝るんですよ。

        • by Anonymous Coward

          眼球に不可逆的な悪影響が出るくらいまで冷やさないとダメな気がする

          • by Anonymous Coward

            視神経は動きのないものに対してはフィルターがかかるので、自身の熱は不感になるんじゃないの?

      • by Anonymous Coward

        そもそも眼開けたまま眠る人もいるし、慣れれば問題ないのでは?
        なので、ゴーグルは睡眠中というより睡眠導入時に使うのでしょう。

  • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 13時11分 (#3574051)

    論文読んでないけど、結晶でないモノで像は結べるんでしょうか?
    あくまで明暗しか分からないなら眼である必要性がないので、直接的な応用としてはちょっと微妙……。

    • 網膜に達した赤外線を受けて可視光を出すなら結像した後だから問題ない。

      --
      the.ACount
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        どっちかというとピントが合わないかもしれませんね。
        たぶん、屈折率が低いでしょうから遠視状態かなと

    • by Anonymous Coward

      言うなれば網膜にある視細胞を赤外線に反応できるようにした感じ。
      それ以外はもともとある目の機能が流用できる。
      デバイスを埋め込んだりすることばかりが頭にあったので、目からウロコのアプローチだなと思った。

  • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 16時43分 (#3574090)

    国内の内戦で洞窟に住まうようになり、洞窟で生まれた子供が洞窟ですごし続ける
    ような環境でそだったら、近赤外線で目視するようになってたとか

    • by Anonymous Coward

      近赤外に感度を持っているのはそれほど珍しい話ではなく、ただ通常は可視光の方が強くて知覚されないだけとか。

      工業製品でよく使われる近赤外LEDなんかは裾が可視光領域付近まで広がっていることがあり、暗いところで「見える」人が結構います。

      • by Anonymous Coward

        >暗いところで「見える」人が結構います。
        やっすい赤外線LEDは自分でも目視確認できたことがあります。
        (エントリーモデルの監視カメラとかについている奴)
        ただ、もう一歩先をいっている奴は熱線は感じるんですが目視ができんかった。

        • by Anonymous Coward

          あれって紫外線で青色に光らせるのと同様に、動作確認用に赤色成分を混ぜてるのかと思ってた。

          超音波聞こえたり、赤外線が見えるけど、役立つことはない気がする。

          • by Anonymous Coward

            犬笛に反応できるなら特殊な合図に使えそうだ

  • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 16時52分 (#3574094)

    アイセーフの近赤外線レーザは色んなところで利用されているので、夜間とかまぶしい(不意討ちを喰らう)んじゃなかろうか。

  • by Anonymous Coward on 2019年03月03日 17時20分 (#3574106)

    ダイヤモンド・アイ [wikipedia.org]的なことは出来ないのか。
    「外道照身霊破光線! 汝の正体みたり! 前世魔人○○!」「ばぁれたかぁ〜」

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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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